マイコンと私
       


■ マイコン物語 ■
□ 不思議な興味を引きつけたマイコンキット □


それは1976年(昭和51年)。なにかが動き初めていた。まだその時はそれが大きなうねりになって世の中を変えていくことになるとは気がつかなかったけれども。
ラジオ雑誌の編集者として、少年時代からの自分のたどってきた道を誌面で繰り返すことが続いていたころ、自分自身まだ電子工作や無線に夢中になっていた中で、時々何かの機会に耳にするようになった「マイクロコンピュータ」。でも、一部の筆者の「今、マイクロコンピュータをやっているんですよ」という言葉に、「それで何をするんですか?」と質問するのがせいぜいだった。かえってくる答えは、機械の制御やら何でもできるんですというようなもので、私にはまだイメージはわかなかった。しかし、ほどなくマイコンキットが登場することになり、具体的な形を目の前にする。ICやLED、トグルスイッチが並んだ一枚のプリント基板。こんな基板で何ができるのか、なんだかわからないという疑問。一方で、何かができることになるかもしれない、面白そうだという期待の気持ちがわいてきた。
   

NECにマイコンキットTK−80の取材を申し込むと、こちらが驚くくらい積極的な対応を受け、組立て済みの実機とスイッチング電源のセットを即貸し出してくれた。いくつかのプログラムリストが添付されていて、16進キーで入力、8255に配線したスピーカからアメパトサイレンの音が出たときは感動した。この結果。雑誌に実物大のマイコンキット「TK−80」の写真の折込みを入れて紹介することになった。
そして、これがその後、マイコン専門雑誌の誕生、パソコン雑誌への変遷へとつながっていくことになった。

初めてみたマイコン基板はたしかに不思議な可能性を感じさせるものがあった・・・(つづく)

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