========================================食品工場長の仕事とは===

■■   第24回 廃棄物管理について

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おはようございます。河岸です。

 食品工場で働いている方は年末年始の休みは関係が無い方が多いと思い

ます。それでも普段の月よりも長期休暇が取りやすい方が多いと思います。

 年末年始は大掃除の他にも普段出来ない事をやって見る方も多いと思いま

す。是非お薦めしたいのが、映画館で映画を見ることです。食品工場で働いて

いる方には、「いのちの食べ方」をお薦めします。

http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/

私のコメントです。

 大量に食品をつくる工夫の頂点をみることができます。野菜を効率良く大量に

コストを安く造ること。豚肉、牛肉、鶏肉を大量に安くつくること。いかに人手を減

らして、肉質を良くするか考えられるすべてが記録にとられています。

 映像だけの、一切解説なしの映画ですから、知識が無いと何が問題かわかり

ませんが、豚肉だけとっても、人口受精で種付けをして、産まれた子豚は、オス

は去勢し、しっぽを切り、育てられます。

 すべてが効率と肉質を求めた結果といえます。

 農薬が噴霧されるシーンなど作者の訴えたいことはあるのでしょうが、とにか

く一度は見られることをお薦めします。

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 廃棄物管理について

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工場の命取りになることもあります。

 廃棄物、“ゴミ”の取扱で食品工場が致命的な打撃を受ける場合があります。

東北の山中で不法投棄されたゴミの中からあなたの工場の名前が入った包装

材料が出てきたと新聞報道されるかもしれません。あなたの工場では正規の業

者に委託していても最終処理で不法投棄されてしまえば、新聞に載ってしまい

ます。一度新聞報道されると一般消費者の方から製品の不買運動が起きてしま

う可能性もあります。廃棄物のマニフェストをきちんと管理していれば簡単に防げ

ます。

 不法投棄まで行かないでも、工場に設置してある廃棄物置場からの異臭で工

場周辺の住民からクレームが出て新聞に住民運動が載ってしまう場合も考えら

れます。ハリウッド映画「エリン・ブロコビッチ」では工場廃液の中に入っていた六

価クロムの地域環境汚染問題を扱った実話の映画になります。その映画の中で

はなんと賠償額は3億ドルの高額になってしまっています。

 私が確認した事のある工場でも、廃棄物置場が工場の外にあり、廃棄物の回

収が週に2回しかなく、回収の前日には異臭が駐車場まで漂ってした工場もあり

ます。資源の再利用と称して野菜の廃棄物をコンテナに入れてあり雨が当たる

状況でおかれている状態もありました。

 廃棄物置場はネズミ、ハエ、ゴキブリ等のペストの巣になる可能性があります。

工場周辺の住民からの異臭クレームになる場合もあります。廃棄物置場は確実

な近隣からクレームが出ない完全な管理を行うことが非常に大切になります。

 

事務所・作業場から独立していることが必要です。

 廃棄物保管場所は作業場から独立していることが必要です。工場から出る廃

棄物量と廃棄物の搬出業者が工場に取りに来るタイミング、業者の休みを打ち

合わせて毎日集荷に来るのであれば一日の量が保管できる設備が必要で、二

日に一回であれば二日分の保管できる場所が必要です。最近の食品工場では

廃棄物を資源として再利用をするために専用の運搬用コンテナを利用する場合

が有りますが、このコンテナも室外に放置することなく屋根の付いた室内に置け

る場所の確保が必要です。コンテナをどのように回収車に積み込むかを打ち合

わせて積み込み場所の設計が必要になります。

 事務所等からでる廃棄物は、作業場内を通過しないで図1のように工場の外

を通過して廃棄物保管場所に廃棄に行くようにします。

空調・給湯設備も必要です。

 廃棄物保管場所は簡単に清掃ができ、非吸収性で洗浄可能な材料で床面、

壁が出来ていることが必要になります。床面は排水升に向かって自然に水が

流れるように傾斜が必要になります。廃棄物保管庫を洗浄するための給湯設備

と専用の清掃用具の保管庫が必要です。

 夏場の高温時では廃棄物の腐敗が進みますので25℃以下で室温管理がで

きる空調設備が必要になります。

 吸排気設備は廃棄物の臭いがドアなどから漏れると虫などを呼びますので、廃

棄物保管庫から離れたところから臭気の排出が出来るような工夫が必要になりま

す。捕虫機を設置し、廃棄物保管庫で作業をしないときは明かりを消し虫が捕虫

機に集まるようにします。廃棄物保管庫は外部に光り、臭気が一切漏れてはいけ

ません。また、ドアの隙間などが5mm以上空いているとネズミ等が侵入しますので

隙間についても注意が必要です。

 廃棄物置場で使用する清掃用具は廃棄物置場専用とし、保管場所も専用の保

管場所が必要になります。

オイルパン、資源ゴミの区分が必要です。

 「分ければ資源、混ぜればゴミ」と言われるように工場から出てくる廃棄物は用途

別に分別をすれば資源になります。分別して搬送しやすいように保管庫のスペース

を十分に検討します。

 食品工場で良く使用するフライヤーなどに使用した廃油は地震などで倒れたとき

にこぼれてもいいようなオイルフェンスの設置が必要になります。

 食品リサイクル法では、廃棄物の削減を求めていますので廃棄物の発生量を計量

できる秤の設置が必要になります。自分自身のダイエットを考えるときに毎日毎日体

重を測定することだけで効果が現れるように、まず工場から廃棄される廃棄物の重量

を測定します。測定する内容はなるべく細かく、時間後と、ライン毎などの層別が出来

るように測定することで廃棄物の発生を抑えることが可能になります。

 

洗浄水の排水設備が必要になります。

 廃棄物置場と、廃棄物を積み込んだあとの掃除を考えてみてください。廃棄物置場

から廃棄物を積み込むと積み込んだ床面に廃棄物から出た汁などが落ちてしまいま

す。そのままにしておくとペストの発生源になりますので清掃が必要になります。

 洗剤を使用して清掃を行いますが、清掃に使用した洗浄水が何処に流れるかたどっ

て見てください。洗浄水が雨水升に流れて雨水と同じように浄化槽を通らずに流れて

行っていませんか。廃棄物置場、廃棄物置場周辺を清掃した洗浄水が必ず排水処理

設備を通過するような排水設備が必要になります。廃棄物を回収したトラックが出た後

に廃棄物の落ちたところを掃除したときに洗浄水が雨水升に入っていないかを確認し

ます。

 

工場の廃棄物はマニフェスト管理が必要です。 

 工場のある自治体によっては、工場の事務所から出されるゴミが、一般廃棄物に分

類され、市町村のゴミ回収で回収される場合があります。自治体の焼却炉で燃やされ

る場合でも廃棄物については毎日の発生量を抑えて、廃棄物が出ることを極力抑える

ことが必要になります。

 一般的には食品工場で発生する廃棄物は産業廃棄物になります。産業廃棄物はマ

ニフェスト管理が必要になります。

マニフェスト制度とは、排出事業者が産業廃棄物の処理を委託するときに、マニフェスト

に産業廃棄物の種類、数量、運搬業者名、処分業者名などを記入し、業者から業者へ、

産業廃棄物とともにマニフェストを渡しながら、処理の流れを確認するしくみです。

 それぞれの処理後に、排出事業者が各業者から処理終了を記載したマニフェストを受

取ることで、委託内容どおりに廃棄物が処理されたことを確認することができます。工場

では図の各箇所で記載されたマニフェストを確認して初めに発行したものがきちんと最終

処理までされているかを確認する必要があります。

 毎日毎日廃棄物が運ばれるときにマニフェストを発行し、最終処理されたときにマニフ

ェストが揃っているかを確認します。マニフェストが揃わないときには、処理場まで確認に

行く必要があります。

 

食品リサイクル法に頼らないでも廃棄処理される物を減らします。

 食品リサイクル法で産業廃棄物の減量が定められましたが、地球の環境を考えたとき

に法律に縛られないでも、毎年毎年、最終処分地まで行ってしまう産業廃棄物の発生量

は減らしていく事が必要です。

そのためには3Rの方針が必要です。

Reduce(ゴミを減らすこと)

Reuse(繰り返し使用すること)

Recycle(再資源化すること)

 野菜くず、製品の不良品などは飼料、肥料に加工します。そのためには、野菜くずの

分別を細かく実施することが求められます。もちろん野菜くずの中にビニール、手袋など

の異物が入っては問題になります。レストランの残飯でも豚餌にするときに爪楊枝が

豚の胃に刺さって問題になったりします。

フイルム片、番中、容器の破損した物などの石油から出来ている物は、纏めて処理す

ることで再利用する事ができます。使用済みの揚げ油は車の燃料に加工できる様に

なりましたので工業用の揚げ油の再加工が期待できます。

リサイクルの考え方で重要な事は、飼料、肥料に廃棄物が変わった時に、肥料、飼料

がどのように使われているかまで確認することが大切です。番重などの石油商品も自

分の工場で発生したフイルムくずの再利用した原料が入っている番重を使用することで

リサイクルの循環が回るのです。

 新聞、雑誌の回収を毎日出していて、工場で使用するトイレットペーパーはバージン

パルプを使用している様なものになってしまいます。

 

毎年の数字をつかみます。

 廃棄物の発生量と、リサイクルの率を図3の様につかんでおきます。廃棄物の量

が生産量の何パーセントに当たるかの比率まで算出します。廃棄率が下がると言うこ

とは良品率が上がりますから、工場全体の歩留が上がっていることになります。何か

グラフに変化が産まれたときはいい場合も悪い場合も必ずコメントを入れておきます。

工場の利益を上げるためにも廃棄物を少なくすることが重要になります。毎日毎日

廃棄物の計量をして、廃棄物の中身を見ると宝物が埋まっているかもしれません。

 

 

 

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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『“食の安全”はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実』 

『ビジュアル図解 食品工場の点検と監査 』

『ビジュアル図解 食品工場の品質管理』 

『ビジュアル図解 食品工場のしくみ』

河岸宏和(かわぎしひろかず)