==================================食品工場の工場長の仕事とは==

■■    工場責任者の倫理感 

■■■                            2011年1月日1発行 

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おはようございます。河岸です。

 みなさんあけましておめでとうございます。

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●私の無料講演の案内です。

「 川 下 か ら "食" を 問 い 直 す 」

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る食品異物混入対策

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テーマ「生産管理の基本の基本」生産管理、洗浄殺菌の注意点のお話し。

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製造現場で起こりやすい嘘の傾向と見極め方

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 工場責任者の倫理感 

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責任者の倫理感を超えることは無い

 私は企業、工場での講演の中で良くお話しすることがあります。「企業の

倫理感は組織の責任者の倫理感を超えることは無い」とお話しします。

 一般的な意味での倫理感とは、「タバコを歩きながら吸って吸い殻を道ば

たに捨てない」「缶コーヒーの缶を道ばたに捨てない」などと言った事です。

 しかし企業で仕事をしていると、個人では決してしないことを仕事ではし

てしまう事があります。

 近年ビジネス・エシックス(Business Ethics)という言葉がよく使われてい

ます。

 日本では「企業倫理」と訳され、企業活動における法令順守(コンプライ

アンス)を含む道徳的規定を示すものです。「社是・社訓」などもそのひとつ

になります。

 日常生活では倫理感を持って行動する人でも、仕事上で上司の指示を

受けたとき、その内容が自分の倫理に反することであっても行ってしまう

ことがあります。

 上司に直接指示をされなくても、「そこのところをうまくやるのが君の仕事

だろう」、「私にそこまで言わせなきゃ君は分からないのか」などと言われて

しまうと、常識的には信じられないようなことを、仕事上で行ってしまう場合

があります。

 例えば、ある人は自分の家の前に犬のふんが落ちていれば、文句を言い

ながらもすぐに片付けるでしょう。

 ところが、自分の家の周りならきれいに片付ける人でも、仕事上では信じ

られないことをしてしまった人を私は見たことがあります。

 養鶏場で鶏ふん処理の経費を節約するために、鶏ふんを適切に処理しな

いで、養鶏場の敷地内に野積みを行っていた養鶏場の責任者がいたので

す。

 養鶏場の自社の土地に積んでいるので、法律上は問題が無くても、野積

みにされた鶏ふんからハエが大量に発生し、近所の住民から「ハエが何匹

も家の中に入ってきて食事もできない」とクレームが発生していました。

 また、雨が降ると鶏ふんが雨水に溶けて道を汚してしまっていたのです。

 その責任者は、近隣のクレームが続いても野積みを止めませんでした。

 地元の住民は家の中で飛んでいるハエの映像をビデオに録画して、養鶏

会社の本社まで送付しました。

 しかし、本社の責任者はビデオを見ることなく放置したのです。

 もちろん地元の新聞には「鶏糞が放置」と何度も掲載されていました。

 ここまでのお話は十年以上前のお話ですが、最近食品工場でハエの混入

に悩んでいる工場でお話を聞いていると、同じように、近くの養鶏場での鶏

糞の処理が不完全でハエの発生に困っている工場が数カ所存在していました。

 個人の生活では自分の常識、倫理観で行動する人でも、「経費節減」と会社

に言われてしまうと、信じられないことをしてしまうのです。

 地下鉄でサリンを撒いた宗教団体でも、高学歴の信者が教団の中での出世

の階段を上がるために、人を殺し、サリンを混んでいる電車の中で撒く事を平

気で行ってしまいます。

 人間は組織の中では正しいことを行わない例は多く確認する事ができます。

 第二次世界大戦中のナチスは、ホロコースト(大虐殺。特に、ナチスによる

ユダヤ人の大量殺戮をいう)を行っています。

 アウシュビッツ強制収容所で働いていた人たちは、自分の妻であっても、服

を脱がせ全裸にさせて、髪の毛を切りそしてガス室に送り込んで行ったのです。

 ガス室の作業者は、目の前の女性が自分の妻と解っても顔色ひとつ変えな

かったと言われています。

 人間は組織の中に入ってしまうと、組織の中の倫理感で行動してしまうので

す。歴史が物語っていると思います。

 私たちは組織の中でも自分の倫理感を通すためにはどうしたらいいのでし

ょうか。

 特に食品工場の中でオーナーの考え方と、工場長の考え方が異なるとき

には、工場長が自分の倫理感の中で正しいと思った事を実行してもオーナ

ーに理解してもらえない場面を多く見ています。

 北海道の偽装挽肉工場が典型と言えます。

 オーナー、会社の代表者の倫理感が間違っている会社は、オーナーが変

わらない限り決して会社の体質は変わらないと思います。

 「企業の倫理感は組織の責任者の倫理感を超えることは無い」

 自分の身が可愛いので組織の中では自分を殺してしまうのです。

 

責任者の興味がどこにあるか

 工場の敷地に入ると工場の責任者の考え方を理解することが出来ます。

 特に工場と、オーナーである社長などがいる本社機能と同じ建物の場合

はオーナーが何を考えているかが自然に伝わってきます。

 工場敷地の外周を歩いて見ると、様々な事が解ります。

 雑草が伸び放題、不要になったパレット、生産設備が放置してある、放置

した資材の中から異臭が漂っている。

 従業員の駐車場が不足していて、歩道に駐車している。自転車置き場は

屋根が無く工場の壁に沿って止めている。

 しかし、オーナーの車は、玄関のそばに屋根付きで駐車場が確保されて

いる。

 玄関に入ると一番便利な所にオーナーの下駄箱が準備されている。玄

関には大きな油絵が飾ってある。そして油絵のそばには日展○○賞受賞。

 応接室に入ると、壁紙には絵が描かれていて、大きなキジの剥製が飾

ってある。

 応接室の書棚には、世界の絵の雑誌、書籍が並んでいる。もちろんコー

ヒーカップは、ヨーロッパの有名な磁器のカップが使われています。

 オーナーとお話すると、絵の話、テレビに出た話、雑誌に出た話、工場の

作業の話を聞いても「私は現場の事は良く解らないから」と答える。

 ここまで極端な例で無くても、会社の利益が出れば、生産設備に再投資

するのでは無く、税金を払わないですむように、社用車のベンツを買う工

場は多く見て来ました。

 オーナーに本部経費を払ったあとで赤字になるように経理処理をしてい

る工場も見て来ました。

 私は、「いい車に乗る」このことが事業で成功したときの「自分の姿」を理

解しやすくするために「ベンツに乗る」「大きな家を建てる」事を目標にするこ

とを否定しているのではありません。

 正当な利益の中で正当にオーナー社長に払われたお金の中から使われ

るのであれば問題は無いのです。

 雉の剥製、油絵が応接室に飾って有る工場は、現場に入ると、ペンキが

剥がれ、天井の鉄骨の張りが錆びてしまい、鉄骨からさびが落ちている例

が多いのです。

 生産工場は、適切な再投資を行わないと生産を継続することは出来ない

のです。

 もちろん現場で働く方の給与も適切に支払わなくてはならないのです。

 現場に対して再投資を行わず、現場で働く方は使い捨てのティッシュの

様に給与が上がらないように常に入れ替えるそんな工場が実際ありまし

た。

 オーナーは生産工場は投資の一貫としてみているのです。

 初期投資に10億使えば、その後は利益を生む物だと。興味は利益で

購入する車、絵、剥製などしか無いのです。

 仙台のスーパーでおはぎが売れているそうです。

 有るスーパーのおはぎだそうですが、おはぎを考え出した、スーパーの

オーナーはスーパーの一角に住んで、美味しい惣菜、おはぎのことしか

考えていないように見えました。

 責任者がどこに興味があるか自然に商品に現れてくるのだと思います。

 工場を利益を生む物と見ているのか、いい商品を作る工場と考えるのか。

 一年の初めに考えて見てください。

 あなたの工場のオーナーは何を常に考えていますか。

 責任者のあなたはいい商品を造る事を常に考えていますか。

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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「スーパーの裏側」

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『“食の安全”はどこまで信用できるのか 現場から見た品質管理の真実』 

『ビジュアル図解 食品工場の点検と監査 』

『ビジュアル図解 食品工場の品質管理』 

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