==================================食品工場の工場長の仕事とは==
■
■■ 食品偽装は何故なくならないのか ハム編
■■■ 2010年10月17日発行
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
おはようございます。河岸です。すっかり秋になりましたね。
ツイッターをしています。食について是非合智しませんか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私のセミナー、講演会の案内です。
外観目視検査の教育訓練・評価法と
集中力確保のための検査環境の作り方
日時 平成22年10月25日(月) 12:30〜16:15
会場 [東京・王子] 北とぴあ 9階 902会議室
http://www.gijutu.co.jp/doc/s_010117.htm
講師割引
http://ja8mrx.la.coocan.jp/Oct25gaikann.pdf
11月12日 金曜日午後 東京都内で私、河岸宏和の無料のセミナーを
予定しています。
「食品工場の生産管理、外観検査の重要性」
興味のある方は手帳に印をどうぞ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今週のお勧めの本です。
記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争 (小学館101新書) [新書]
上杉 隆 (著)
言語統制のような
大本営発表のような記者クラブの実情を解説してくれています。
政治家にインタビューを各社で行った後に各社の記者がメモした内容を
合わせる「メモ合わせ」。
残虐な事件があっても当局から発表があるまで報道しない体質。
政府の会見を取材できない記者がいる事。
今の大手の新聞報道が本当に正しいことを伝えているのか疑問に思え
てきます。
インターネット、ツイッター時代の報道とは何かを考えさせられる一冊で
す。
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/detail/4098250764
★5個です。
・食品工場の参考になる本
http://astore.amazon.co.jp/koujyou-22/249-0151581-1769102
・中食・外食で参考になる本
http://astore.amazon.co.jp/innsyokutenn-22
==========================================================
★☆ ====================
ハム編
=========================
食品工場は毎年毎年利益を出し続ける必要があります。
利益を出し続けるためには、毎年毎年売り上げを伸ばすこと、すなわち
製造量を伸ばす必要があります。
同じ利益を出し続けるためには、同じ売り上げでいいような気がします
が、働いている方の給料を上げても利益を出し続けるには、売り上げを
増やし続ける必要が有るのです。
「工場の目的は利益です」とお話しすると、利益だけを上げればいいと
思ってしまい、手を付けてはいけないところまで手を付けてしまいます。
手を付けてはいけないところに手を付けてしまう。このことが偽装の温
床になってしまいます。
工場の製造原価に手を付けてしまうこと
私が数十年前にハムメーカーで働いていたときの事です。ロースハムは
豚のロース肉にピックル液という調味液を打ち込んでしばらく漬けて置いて
から熱処理を行います。
私が働いていたハム工場は非常におもしろい工場で、製造現場でのコス
トダウンが会社側から求められるのです。
私は製造現場は決められた配合通りの配合するところでコストダウンを
行う事は無理だと思っていたのですが、毎年毎年、現場のコストダウン額が
決められ計画通りに実行されていました。
コストダウンの方法は、簡単に言えば、落ちてしまった肉をハムに付ける
事や、豚肉に対して100%と言われている調味液の配合を102%に増や
すことでコストダウンを実施していました。
そば、うどんで例えれば、ゆで時間を少し長くすればうどんがふやけて少
し重量が重たくなります。少しだけ増えたうどんを少しずつとって置けば、
もう一人前分増える事になります。
家庭で言えば、ご飯を炊くときに心持ち水を多く入れてご飯を炊きます。
本当に少しだけ水を増やして、ご飯を炊けば家族もご飯の炊きあがりが
変化したことに気がつかないかもしれません。
しかし、毎年毎年、少しずつ水の量が増えて行けばいつかは、ご飯が
べちゃべちゃになってしまい、おいしく食べることは出来なくなってしまいま
す。
ハムメーカーは毎年毎年コストダウンを繰り返して、べちゃべちゃのご
飯を炊くようになってしまったのです。さすがにハムが柔らかくなってしま
うと、売れなくなりますので、少しデンプンなどの粉類を足すようにします。
肉にデンプンを足すのですから、配合コストは更に下がることになり、コ
ストダウンが進んだのです。
しかし、ハムにはJASマークが付いていました。JASでは等級によって
配合できる物が決まっています。しかも水分値が決まっていました。
べちゃべちゃのご飯のままでは、JASの検査を通過することはできませ
ん。
世の中はよくできた物で、JASの検査のための試料はJASが市場から
購入して検査するのでは無く、工場から直接検査機関にサンプルを送付
する制度だったのです。
どうすればよかったのか
現場に配合工程でコストダウンを行う事を求めてはいけないのです。
ハムの職人と言えばドイツのマイスターが思い浮かべることができます。
ドイツ人マイスターと私も仕事をしたことが有りますが、マイスターは、決
められた事を決められた通りに行う事を何度も何度も繰り返し私に教えて
くれました。
ソーセージを添加物と混ぜるカッターと言う設備は、氷できちんと冷やし
て、刃はよく切れるようにしておかなければならないことなど、基本の基
本を教えてもらえたのです。
ご飯を炊くのであれば、毎日同じ重量の米に対して、同じ量の水を入
れて炊くことです。
しかし、米の産地などが変わって、お米の水分値が変わった場合は、
水の量を変更して、ご飯を炊く必要があります。水の量を変えるのは、
あくまでも、ご飯をおいしく炊くために水の量を変更しています。
自分の製造した製品を食べていただける方の顔を思い浮かべて美
味しいものを作り上げるのが製造工場の使命だと思っています。
配合工程でコストダウンを現場に求める会社の考え方は間違えてい
ると私はいまでも思っています。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。