■■   本物志向とは 本物風偽物との戦い


ここ数年の日本経済は、リストラ、食品の偽装と明るい話題は無くなってきています。

今、日本の産業、特に食品業界、住宅販売の業界を考えたときに共通の問題を抱え

ていると思います。私たちは、戦後の高度成長の時に何か大事な物を落としてここまで

成長してきたような気がします。

その大事な物は何かを、考えるヒントに、私のお話がなれば幸いです。

鞄で言えば、HERMES、エルメス160年間の歴史があり職人が自分のイニシャルを

刻み、自信をもって製造している鞄バックと、いまユニクロ等で売られている中国産の

ビニールバックは、カバンとしての機能は同じ物になります。ただビニールの方は、

手入れを、してもしなくてもすり切れるまで使え、エルメスは、きちんとオイルで手入れを

しなければ、すぐぼろぼろになってしまいます。ただし手入れをすれば、孫子の時代まで

使えます。値段については比較できないくらい違ってきます。

 

衣食住の住宅で言えば、ミサワホームの社長三澤千代治氏は、工業化住宅を語るとき、

よくマーガリンの例を引用したそうです。バターは、うまいが高くて生産量にも限界がある。

経済食糧事情の悪かった戦後日本では、多くの人たちが高価なバターをあきらめて

低価格のマーガリンを、購入しました。経済が成長しバターを、購入できる時代に、なった

ころ動物性脂肪の摂りすぎが問題にされるようになrちましたが、品質や味の向上もあって

マーガリンのほうが、健康面から優れているいるといわれるようになりました。ここに本物を

超越した、工業製品の真の姿があると、教育したそうです。

 

本物をまねし続けることではなく、工業製品だからこそできる本物とは、異なる機能や良さが

たくさんあり、ローコストであると明確にいえるようにならなければならない、といつも話された

そうです。

 

ここで考えてみたいと思います。クッキーを作るときマーガリンでは美味しい物は、作れません。

おいしいフランス料理のソースを造るときも、マーガリンではできません。マーガリンはマーガリン

であってバターではないのです。

ここで間違えてしまいます。決してマーガリンは、バターの代用ではなく、全く異なる物を比較し

ようとしていることです。

ユニクロのバックとエルメスのバックは比較できません。

もう一つのお話です。

 

食品でたとえてお話しすれば、ハムです。ハムとは豚のもも肉のことで豚肉を、味をつけて塩漬

して薫製して造る物です。マーガリンと同じように、日本人は戦後プレスハムという物を作り出し

ました。本来ハムは豚肉の固まりを使用するのですが、マーガリンと同じように高価であるため、

いかに安く同じような物をつくるか考えて、プレスハムという物ができました。原材料でいえば、

豚肉より安いマトン、馬肉、ウサギ、親鶏、等、いろいろな物を使用して、もちろん肉より安い

植物性蛋白、澱粉も多用しました。

その結果、添加物、化学薬品に頼らなければできない、プレスハムという物が、できたのです。

このプレスハムは、はじめのハムとは、ほど遠い物になってしまいました。

事実、外国旅行、特にドイツ等のビールに合うハムを食べて来られた方には、日本のハムは

全く別物になっているようです。 

プレスハムを食品添加物を多用して製造している食品メーカーは、本物のハムを作れなくなって

しまいました。さらに安全性、ここでいう安全性は、また深い意味があるのですが、食品添加物に

頼った安全性は、本物のハムを造ったときに、安全なハムは作れない工場、作業者になってし

まったのです。

 

 

深い意味の安全性とは、安全の意味を考えなくてはいけません。安全とは、物理的、化学的、

生物的に安全であると定義します。添加物を使用しなければ安全という錯覚が最近日本の

中には有りますが、先人の知恵は大切にしたいと思いませんか?

例えば、死に至る食中毒菌のボツリヌス菌に対して亜硝酸塩は、効果が有ることが、よく知ら

れています。ハム等の食肉加工品から亜硝酸塩を外すことは、本当に安全なんでしょうか?

例え食塩でも取りすぎると死に至ってしまいます。単に、添加物を外すのではなく、深い意味の

安全をよく考えて頂きたい物です。

添加物は、本物を超えて、更なる安全を作り出すための添加物もあるのです。

 

もう一つのお話です。

 

日本には昔からの家の作り方があります。山から木を切って、乾燥させて、製材して、

大工さんがこつこつ家を建てていく。こんな風景が、昔からありました。まるでドイツで

家庭の庭先で豚を屠殺して解体してハムを造るように。ここで、戦後日本人はいろいろな

ことを、考えました。紙や樹脂に木目を印刷して、また、セメントで瓦をつくり、アルミサイ

ディングに煉瓦の模様をつけていったのです。ここで、マーガリンの用にお互いのよい

ところを出し合って、それぞれの特徴を消費者に、説明して理解させればよかったのですが、

住宅メーカーはこんな説明をしていったのです。エルメスのカバンは重たくて、使いづらいので

ビニールの方がいいですよ。本物のハムは塩分が高いので、プレスハムの方が体にいいですよ。

本物の木を使った柱は曲がりますので、積層材の柱の方が強度がいいですよ。むくの壁材は

色あせたり、曲がったりしますので、クロス壁紙の方がいいですよ。たとえ、汚れても張り替えられ

ますから、無垢の木を使うと古くなると張り替えられませんから。と説明していたのです。

 

本物と偽物の大きな違いは、本物は消費者が使い込めば使い込むほど、味がでてきますが、

偽物は消費者の手に、渡ったとたん古くなってしまうのです。、

 

ビニールのカバンを、造っている工場で本物のエルメスのカバンを、作れる職人はいません。

プレスハムを造っている工場で、長い間熟成した美味しいハムを造る職人は、いません。

同じように、サイディングをホチキスでパンパン貼っていく工務店には、従来工法で壁を

貼っていく大工さんはいません。

 

 

いま、家を考えるとき、また食を考えるとき一番大切なものは何でしょうか?

 

最大手のコンビニエンスで弁当、惣菜から食品添加物を、はずしました。このとき一番大きな

管理のポイントは、従業員の衛生教育のレベルアップが、必要だったと聞いています。 

なぜ、添加物をはずす必要があるか?

それは体の安全、健康を考えたときに、必要になってくるからです。

 

また、食品として化学物質は無添加の方が、味がいいということもいえます。

 

 

家に求められていることは、なんでしょうか?

 

日本では持ち家志向が強く、また、日本の家は、入居した瞬間が一番価値があって、

住めば住むほど価値が落ちていく、そんな家造りがほとんどです。家が本来求められて

いることは、雨露がしのげ、家族が安全に生活できることではないでしょうか。

この安全健康に生活できることのところが、今揺らいでいます。家を建てるとシックハウス

症候群になる。新しい家に住むときには、まず窓を開けて、ストーブを焚かなくてはいけない。

と良く言われています。何か違っているような気がします。日本本来の木造住宅が高価で

建てられないのでは無く、本物のカバン、ハムを作れない職人が増えてきたのと同じように、

本物の材木を使った家を建てられる大工が、減ってその技術の分を接着剤、合板、印刷した

材木、サイディングでごまかすことによって、家を造っている、その結果シックハウス症候群が

増えてきている、そんな気がします。

 

坪あたり20万円で家が建ちます。昔ながらの家を建てると50万円掛かります。

そう大手の住宅メーカーの営業マンは、話しますね。でも20万円の家は、20年も持ちません。

私の家のそばでも、10年経った建て売り住宅は、屋根が波打って来ています。

 

日本は不景気になってきています。そんな日本で職人と呼べる職種を、知っている人は

どんどん減ってきています。私たちが、本物を求め、自分の手に入れてから使い込む。

そんな風に変えていかなければ、添加物、接着剤からは離れていけないと思います。

 

確かに工業的につくった物の方が、廉価でいい物ができるかもしれません。ただ衣食住に

ついては人間の健康に関わることです。

住宅メーカー、食品メーカーは声を大きくして話してほしいと思います。

 

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私たちのメーカーは、給料の高い技術のある職人を雇えないので工業的に物を

造っています。だから本格的に造った本物より安くものが、作れます。ただし、

職人が造らないので安全性が疑われる、添加物、接着剤を使用しなければなりません。

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私たちも、衣食住の、着る物についてはデザイン、材質にこだわります、ただ、食べるもの、

住む所には、あまり気をつかっていないのが、現実です。興味が有るのはデザインと価格が

安いと言うことに終始しているような気がします。

私たちは、どこを向いて仕事していけば再度考えて見る時が来たような気がしませんか?

 

私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。

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