========================================食品工場長の仕事とは===
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第23回 「設備管理」について■■■ 2007年12月2日発行
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おはようございます。河岸です。私のメルマガがメルマガまぐまぐの大賞にノミ
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今週のお薦めの本です。
日本の職人技 松井のバット、藍ちゃんのゴルフクラブをつくる男たち
(アスキー新書 40) (新書) 永峰 英太郎 (著)
日本人も捨てたもんじゃないですね
デザイン、センスはイタリア、フランスに負けていて日本人は海外ブランドが
大好きとされていますが、スポーツの道具については、日本の職人芸はすば
らしいと拍手を送りたくなる一冊です。
この本を読んで松井の四球のあとバットをどのように置くか、テレビ画面を見
てしまったら著者の思う壺になりそうです。スポーツ好きの方にも、もの造りに
こだわる方にもお勧めの一冊です。
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会社がイヤになった やる気を取り戻す7つの物語 (光文社新書) (新書)
菊入 みゆき (著)
物語から人生が思い浮かびます
様々な世代の主人公が人生、仕事を悩んでやる気になるまでを物語風に
描いています。ショートストーリーをみているように7人の主人公が何を悩ん
で、考えそして成長していく姿が目に浮かんでいきます。
悩んだときは誰かと話し、おいしいものを食べることが大事だと気がつく
一冊です。
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ラーメンの真髄 (ベスト新書 154) (新書)
石神 秀幸 (著)
写真の出てこないラーメン本です
テレビチャンピオンのラーメン選手権で二連勝し、ラーメン、食の評論家とし
て活躍している著者が、写真を使用しないで書いた初めての本です。ラーメ
ンの歴史、地域の特徴などラーメン通でも自分の考えを整理するときに参考
にするといい一冊です。映画タンポポをみてから読まれることをお薦めします。
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「設備管理」について
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中小食品工場の品質管理の項目の中に設備管理は関係が無いという読者の方もい
ると思います。私は週末ラーメンを食べに行くのが大好きです。ラーメンを食べに行くと
きはラーメン屋さんのカウンターに座ってどんぶりの洗浄をよく見てみてください。ラーメ
ン屋さんは、お客さんの食べ残しを捨てて、軽く洗ってから洗剤が溜めてあるシンクに
入れている場合があります。
ラーメン屋さんでどんぶりを洗うときに一槽シンクで洗うときと、二槽シンクで洗うとき、
三槽シンクで洗うときは作業効率と、どんぶりの衛生度はまったく異なります。一槽シン
クでは、食べ残しが落ちているシンクですすぎまで行わなくてはいけませんが、図1の
ように三槽シンクであれば、一槽目のシンクで食べ残しを軽く流し、二槽目で洗剤液に
漬けておき、三槽目で綺麗に擦り洗いし、すすぐことが出来ます。シンクの大きさを大
きくしておけば、店が混雑しているときは洗剤につけておけば後で纏め洗いが可能になります。

更に自動洗浄機を導入すれば洗浄はより確実になります。自動洗浄機で洗剤の濃度
の確認、洗浄時の水温の確認を常に行っていれば、ラーメンどんぶり洗浄は確実になり
ます。
ラーメンどんぶりの洗浄の例でわかるように、機械設備の洗浄を確実に行おうとすれ
ば、新設備を導入するときに充分検討することとメンテナンスは品質管理上必要なこと
だと理解していただけると思います。
日常点検項目
設備管理が行う日常点検は、数多くの点検項目が考えられます。水質に関するこ
と、浄化槽に関すること、ボイラーなどに関すること等があります。
・使用水質について 水量、残留塩素濃度
・浄化槽について 水量、BOD,COD,SS、PH、透過度、汚泥の状況、脱水機の状況
・ボイラー
・設備稼働状況
・照明などの状況
・吸排気について
設備に関する日常点検をこなすだけで大きな工場では数名が必要になると思いま
す。小さな工場では、品質管理の方が日常点検をかねている場合があります。私も
色々な工場に行きますが、工場の敷地に入ったとたんに草がぼうぼうと生えていて、
駐車場にはゴミ、空き缶が落ちている工場もあります。工場の周りが清掃、整理、
出来ていない工場は、工場の作業室に入るまでも無く、まったく管理されていない
状況に作業場もなっています。
工場内の蛍光灯が切れている工場、捕虫機の電球が切れたままになっている工
場、捕虫機の捕虫テープが切れている工場などもあります。品質管理の方が兼任で
点検されていても、「今日は捕虫機を点検するのだ。」と明確に予定を立てて点検を
行わないと、目に入らない場合があります。今日点検何をするべきか、点検表を手
に持って点検を実施する必要があります。
工場の中だけでなく、工場の外周に関しても、晴れているとき、雨が降っている時
にはチェックする項目が異なってきます。
日常点検では、天井、冷蔵庫の出入り口、エレベーターの出入り口などの上部を
確認します。図2の様に錆が出ている場合があります。細かい金属の錆のクレーム
が出ているときに注意深く工場内を点検してみると、冷蔵庫の出入り口に錆が発生し
て、異物混入になっている場合があります。

分解掃除の確認
工場内で使用する設備の中には、清掃するときに分解掃除が必要な設備があ
ります。毎日毎日全て分解掃除を行うのが理想ですが、中々毎日きちんと分解掃
除を行うのは難しいと思います。図3のどの工場にもあるベルトコンベアでも、毎日、
ベルトの裏表の清掃は、アルコールなどを染みこませたタオルで拭き取る程度の
清掃になると思います。一般の従業員の方にモーター部分の安全カバーを外して
分解掃除を行わせるのは、安全管理上難しいと思います。
安全カバーの中は、モーターなどの発熱体がありまた食品の残渣も残っているの
でゴキブリなどの絶好の生息場所になっています。
ゴキブリの繁殖を防ぐためには最低二週間に一回の清掃が必要になります。コン
ベアの安全カバーを外してモーター部分などの清掃を行います。コンベアのローラ
ーの芯の中は食品の残渣が詰まりやすいので分解掃除が大切な所です。

設備管理でしか行えない分解掃除もあります。図4のようにピストンで稼動する
設備のパッキンは定期的に交換する必要があります。回転部分にパッキンを使用
している場合も同様です。パッキン交換頻度は使用している機械、パッキンの材質
にもよりますのでサニテーションが終了した時点で、駆動部分のふき取り検査を行
い、その後回転部分を回転させて、ふき取り検査を行います。回転後のふき取り検
査で細菌が検出されれば、パッキンの交換時期になります。
次回の分解掃除は、安全率を考えて、パッキンから細菌が染み出す前に分解して
パッキンを交換を行うようにします。
オイルシリンダーの中のオイルに食品の残渣が入ってしまって、細菌が増殖してし
まう事例もあります。空気で稼動するシリンダーでもシリンダーの中に食品の残渣が
入ってしまう場合もありますので、最近検査結果がどうも改善できないと言った場合
は、シリンダーを交換して見ると細菌検査の結果が改善される場合もあります。パッ
キンを使用しているところは、定期的にふき取り検査で汚染状況をつかんで置く必要
があります。
配電盤などの中の確認が必要です。図5,6の様に配電盤の中は、温度が一定に
保たれるので、ゴキブリなどの巣になる可能性があります。また、鼠が天井裏から侵
入する侵入口になっている可能性があります。配電盤の中を定期的に開けて確認を
する必要があります。配電盤に電線が入るところの隙間は本来パッキンなどで完全に
隙間が無いようにふさがれているものですが、時間経過でパッキンが外れている場合
があります。鼠などは隙間が5mmあれば侵入できますので、電線の隙間が5mm以
上あれば隙間をふさぐ処置が必要です。
現場で使用している機械設備についている配電盤も同様です。湿気の多い作業場
で使用している設備の配電盤は、隙間の点検に加えて、湿度の点検が必要です。塩
素を大量に使用している作業場、ゆで卵などを茹でている作業場では塩素、卵から出
るガスの影響が配電盤の中に入りこまないような工夫が必要です。配電盤の中をエポ
キシ樹脂で固めたこともあります。塩素ガスなどは本当に小さな隙間から入り込みます
ので、ガスの影響が及んでいないか定期的な点検が必要です。


消耗品の交換
代表的な消耗品は蛍光灯になります。蛍光灯は作業場内の十分な明るさを
確保するためには、定期的な交換が必要になります。蛍光灯は時間と共に明る
さが減少していきます。蛍光灯の両端が黒くなっている状態ですと、新品の時の
半分以下の明るさしか残っていない状態になっています。24時間作業している
作業場、8時間しか稼動していない作業場など色々な作業場が考えられますの
で、作業場の蛍光灯の点灯時間を計算して定期的に交換することで、交換作業
の平準化、経費の予算化を行うことが出来ます。
蛍光灯と同じように交換が必要なものに、捕虫機の蛍光灯、包丁殺菌などに
使用する殺菌灯などがあります。捕虫機などの蛍光灯は次回の交換予定日を
捕虫機に記載しておくことで交換を忘れることを防ぐことが出来ます。
異物混入を防止する秘密兵器エックス線探知機についてもエックス線を作り出
す部分の定期的な交換が必要になります。
工場内で使用している薬剤の管理
化学薬品の危険性を把握しておく必要があります。化学薬品、特に洗剤に依
る事故は事前に化学物質等安全データシート(MSDS(Material Safety Data Sheet))
を準備しておく必要があります。MSDSとは、事業者が化学物質や製品を他の事
業者に出荷する際に、その相手方に対して、その化学物質に関する情報を提供
するための資料です。 化学物質の安全な使用、取り扱い、するために、物質名、
供給者名、分類、危険有害性、安全対策および緊急事態での対応など、詳細で
不可欠な情報が記載してあります。またPRTR法(化学物質排出把握管理促進法)
では、政令で定める第一種指定化学物質、第二種指定化学物質及びこれらを含
む一定の製品について、このMSDSを提供することが義務化されました。工場では、
洗剤などがこのMSDSの対象になる事があります。
MSDSの対象にならない洗剤等についても同じような様式で、洗剤、薬剤の安全
対策と、緊急事態での対応を押さえておく、必要があります。
事故が起きてしまった場合の設備が必要です
万が一化学薬品を浴びてしまったときの対応を考えてみます。日常からどの薬剤
を浴びたときにどのような対応をしたらいいか、KYT訓練(危険予知訓練)で考えて
おく必要があります。一般的には服を脱がせて洗い流すのが有効です。工場にシャ
ワーの設備、着替え、タンカーなどの準備が必要です。そこまで大げさでなくても、
目に入ってしまった場合、喉に入ってしまった場合などを考えて、目を洗える設備、
うがいできる設備が必要になります。
現場で人が倒れたときにどのように運び出すことが出来るか考えてみてください。
まず、担架がありますか。担架を現場にどのように運び込みますか、担架に人を乗
せて救急車にどのようにはこび混みますか。通常の現場への入退場している出入
り口からは難しいと思います。各作業場からどのように運び出すかを常に考えて置
く必要があります。
初期対応が違えば、その後の怪我の回復が違ってきます。指を切断した事故でも、
切断された指を綺麗な氷で包んで、病院に運べば、繋がる可能性があります。足を
くじいたときでも、直ぐ氷で冷やせば、完治までの期間が非常に短くなります。
日常から、綺麗な氷もしくは、ショックを与えると冷たくなるパックが販売されています
ので準備しておいた方がいいと思います。労災が発生した場合の一次処置を行って
くれる病院を確認しておきます。工場が稼働しているときは、病院が稼働しているか
の確認が必要です。出来ればその病院の先生に産業医をお願いできれば、日常か
らいい関係が結べます。
様々な事故に対して未然に防ぐ事を常に考えておくことが大切になります。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。