========================================食品工場長の仕事とは===
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■■ 中小食品工場における品質・安全性管理のポイント 第六回
■■■ 2006年6月24日発行
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おはようございます。
河岸です。月刊HACCP7月号の連載記事です。図表がありますので
是非 雑誌も手にとってみてみてください。
http://www.keiran-niku.co.jp/haccp-bn200607.html
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パソコンを用いた帳票管理システム
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みなさんの工場には、帳票は何種類ありますか?事務所で使用している帳票
もあるでしょうし、もちろん現場で使用している帳票もあると思います。HACCP
やISOなどをきちんと行っている工場では、帳票管理はしっかりしていると思い
ます。ここで再度、帳票はなんのために、つけているか考えてみたいと思いま
す。主な帳票そのもの目的は次の内容になると思います。
1.品質確認のため、
2.歩留等の製造原価確認のため、
3.生産性の確認のため、
4.設備上の問題点把握のため、
5.現場従業員とのコミュニケーションのため
では、各項目について具体的にお話したいと思います。
1 品質確認のため
帳票本来の使い方である品質確認については、配合、加熱温度、冷却温度
等の品質を確認するための各工程におけるハードルの高さが守られているか
を各CCPについて確認して、記録する事が目的になります。すなわち帳票本来
の使い方になります。確認のポイントは、異常値等管理幅を超えた測定値が出
た場合にどのように処置したか、その処置が適切か、そして、一番重要なのは、
誰に報告して誰が判断したか、そしてその異常ロットの識別が明確になってい
るかがポイントになります。新聞のお詫び記事を見ていても日付ミスが非常に
多くなっています。ラベル点検表についても、本来の日付は○年○月○日です
と、事前に記入してその帳票に発行したラベルをラベル点検表という帳票に貼
付すると間違いを防ぐことができます。帳票管理で大切なことは、一人で完結し
ていない事です。すなわち、Aさんが発行した帳票にBさんが記入してCさんが
確認することが大切なのです。自己完結しないで必ず誰かに確認をもらうことが
大切になります。
2 歩留等の製造原価確認のため
この歩留確認については、品質確認よりも興味を持っている方が多いと思いま
す。実際この歩留確認の現場の帳票の積み重ねが、最終工場利益になりますの
で非常に大切な帳票となります。この大切なデーターを、どう管理するかが現場の
士気に関わってきます。現場を確認するときに「昨日は不良が多かったけど どう
したの?」「包材がいつもより多く使ったみたいだけど、フイルムのロットでも変わっ
た?」などと言った事を、現場の実際に作業をしている方とコミュニケーションを計る
ことができれば自然に歩留は上がってきます。毎月の経理上の収支しか興味の無
い方もいますが、毎日の数字の積み重ねが結果として経理上の数字になります。
毎日毎日この帳票の数字を確認して対策を打つことが、工場管理上非常に大切
になります。
3 生産性確認のため
この生産性確認の項目も収支に影響します。帳票に今日の計画は、何時に何が
できて、何時に終わるか帳票に記入されていて、その計画に対して何時に終わっ
たとか、作業人が何人来たかとか、機械の調子がどのようであったか記録できて
いるとベストです。あの人とこの人がペアを組んだときが一番効率がいいとか、悪
いとか、機械の調子がどうとか、生産性はちょっとしたことで変わって来ます。現場
に任せるのでは無く、帳票を発行した段階で、事前にタイムテーブルが記入してあ
り、その計画に対して実際の作業がどのように行われたかが記録されていることが
重要になります。
4 設備上の問題点を把握するため
食品工場のほとんどは、設備で動いています。「いいや私の工場は、包丁とまな板
だけです。」と言った工場でも、包丁の切れ具合が、大切な管理点になります。この包
丁は何時研いだか、欠けていないか、砥石の調子はどうか、など包丁だけでも管理す
るポイントはたくさん有ります。オイル交換、その他の定期メンテの状況も確実に記録
したいです。機械が止まってしまうと生産はできません。毎日の稼働時間、調子、など
を始業前と作業中、作業終了後に記録をとることが大切です。工場の機械は壊れてか
ら修理するのでは無く、壊れる前に稼働時間を把握して事前に消耗部品を交換するこ
とが大切になります。
5 従業員とのコミュニケーションについて
雪印事件以来、現場の問題点をメール、FAX、手紙等で経営者、社長に直接上げ
る制度を作られた、工場会社も多いみたいですが、ここで大切な点は、報告は一方
通行ではなく、お互いに思ったことを伝え合うという、コミュニケーションであると言う
ことです。コミュニケーションはお互い話し合う事ですから、一方的に何か現場でおか
しいと思うことがあれば、なんでも社長に直接メールを送ってほしいと、いきなり言わ
れても、従業員が社長にメールを送ると言うのは結構、勇気がいります。そこで、勇
気を振り絞ってメールを送っても返事が無いのでは、「あっ、そんなものかな」と、思
ってしまいます。メールを送ってもなしのつぶての方も、多いですが、こういう方に限
って、「私は聞いていない」とか、「私に言ってくれれば解決したのに」とか、話す事が
多い物です。最近は、パソコンのメールを使用している方も多いですが、このメール
は完全に相手に届く物ではないものですので、忙しくてもメールが着いたら、着いた
と返事を返すのがインターネットメールの礼儀だと思います。同じように考えますと、
一行でも現場の帳票に何か書いて有った場合は、必ずその帳票で返事を返すか、
朝、帳票を書いた従業員の顔を見たときに、「あの件はこういう事だよ」と、話しか
ける事が大切です。
お客さまの注文に従って、各工程に生産指示書を出します
では、帳票を有効に活用するためにはどうしたらいいのか考えてみます。現場で働
く方が一番知りたい情報は、今日何を何パック製造するかという製造指示になります。
その製造指示書を、帳票として活用することが帳票を工場で定着する一番いい方法に
なります。工場で製造する注文の数字は、納品日別、納品センター別、商品別に集計
を行います。出荷に関してはここまでの集計で出荷することが出来ます。しかし、購買
部門、処理部門等々の各部門に対して生産指示をしなければなりません。厚焼き玉子
の明日出荷の注文が1000本入ったと購買部門に伝えるのか、原料の玉子を300kg
明日必要だから注文して欲しいと伝えるかでは、雲泥の差があります。20年ほど前の
食品製造工場では、注文に関係なく各部門で一定量を作り続けていましたから、生産
管理部門は、各工程の在庫量を調整するのが仕事でした。しかし最近の製造工場は、
仕掛品、原材料とも在庫を持たなくなってきていますので、注文に従って原料の手配を
する事になります。注文は明日注文が確定するとします。しかし原材料は遡って2〜3
日前にしなければならないのが通常ですから、2,3日後の数字は予想数字を、生産管
理部門で入れることになります。
パソコン帳票を利用して現場の管理者は電卓がいらないようにします
パソコンを利用して生産管理部門で出荷の数字を入れると、原材料の手配がアウトプッ
ト出来るようにしておきます。購買部門にはこのアウトプット(計算済みの書類)を渡すよう
にします。即ち、厚焼き玉子1000本の玉子を手配して欲しいと伝えるのではなく、原料の
玉子を300kg手配して欲しいと伝えるのです。このようにかみ砕いて指示が出るようにな
れば、各部門の管理が現場の管理に集中できて、品質の良い物を造ることができます。
工場の作業現場から電卓を無くすることが大切です。電卓を使用しないと言うことは、現
場で仕込みなどの数字を決めることなく、生産管理部門で全ての仕込み、仕入れ、出荷
を集中管理することが大切なのです。さらに、一歩進んだ帳票の考え方は、この生産指
示書の帳票と連動する事です。今回の私の連載の中で一番参考になる点はこの点であ
ると言ってもいいくらい重要なポイントです。配合ミス、製造ミスを防ぐために、各製造ポ
イントでバーコードをスキャンして確認するシステムが有りますが、コスト面でなかなか導
入は難しいものです。毎日注文の確定の数字を入れると同時に、各製造部門に製造指
示書が印刷して出るようにします。その指示書は、各工程の管理帳票を兼ねる様にして、
出来高、人時生産性、歩留なども記入できるようにします。ラベル管理についても毎日
印刷しますから、ラベル点検表に使用する賞味期限表示などの日付も自動計算で、計
算表示が出来ますから、ラベルチェック用紙など簡単に造ることができます。このシステ
ムで一番いいのは、現場の管理者から電卓を使わなくすることが出来ますので造りすぎ
等のミスが減ることになります。
パソコンでのシステムの造り方について
工場内でパソコンを使用する場合は、マイクロソフト社の表計算ソフトエクセルを使用し
ている方が多いと思います。そのエクセルを使用して、パソコンを使用した帳票システムを
簡単に作成することができます。図のように生産指示の入力画面を作成して、その数字が
各工程の帳票に連動するように各ワークシートを作成します。ここまでは、数字を各ワーク
シートに連動するようにするだけですからそれほど難しくは無いと思います。ここからが発
想の転換です。毎日毎日最新の情報の入った各工程の帳票を印刷します。帳票は、有る
程度、(一週間分とか、1ヶ月分とか)を、纏めて印刷しておくと思いますが、このシステム
では、毎日毎日パソコンから帳票を印刷することになります。この印刷をするときに便利な
機能がエクセルにはついています。エクセルの解説書を読んでいただけると書いて有りま
すが、その機能はマクロ機能といいます。帳票はラベル点検表なども含めると、数十枚に
なると思います。そのたびに印刷を設定していては印刷するのが苦痛になりますので、
「毎日の帳票を印刷する」というマクロ名を付けて、マクロを実行すると一日分の帳票の
印刷が出来ることになります。是非、エクセルの解説書を購入され、マクロというハードル
をクリアしてみてください。パソコンを利用した帳票管理システムのできあがりです。
アップデートとバックアップシステムが必要です
このシステムが成功するか、しないかは、毎日の細かいアップデートの実施にかかってい
ます。エクセルの数字をいじればいいのですから、アップデートは毎日でも簡単に行う事が
出来ます。例えば、原料手配のための歩留が原料のメーカーによって変化が出たときは、
その計算の根拠の歩留を変更する必要があります。A社の原料では98%の歩留が、B社
になった場合に97%に変化が合った場合は、翌日には原料計算の根拠の数字を修正する
必要があります。加熱時間も商品のクレームなどから85℃×15分の加熱時間を87℃×
15分に変更した場合は、帳票も修正する必要があります。このシステムのいいところは、
マニュアルと現場の帳票の数字の食い違いがでないところにあります。殺菌温度を変更し
てマニュアルのみの変更で終わってしまい、現場の帳票の修正が済んでいなかった等の
ミスを防ぐことができます。ISOでもマニュアルが最新で有るかどうかの点検項目がありま
すが、帳票について詳細に点検を行うと数字が異なる場合があります。印刷を毎日する
ことでこの問題は防ぐことが出来ます。現場で電卓を使用しないでもいいシステムができ
あがると、この帳票自動印刷システムがダウンしてしまうと生産が出来なくなってしまい
ます。必ずパソコンはバックアップをとって、プリンターも含めて2セット準備しておく必要が
あります。また、このエクセルファイルは工場にとってもっとも重要なものになります。各工
程の歩留、配合、原料の手配など全ての数字が入ることになりますので、取扱には十分な
配慮が必要になります。アップデートの必要な項目は、図のように、原料の仕入れ先、原
料歩留まり、配合表、各工程歩留、人時生産性などが上げられます。
是非 月刊HACCPも読んでみてください。
私のお話が皆さんの工場管理を、耕し続けるヒントになれば幸いです。
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