記楽帖

 ソバ  01.Oct.04

2004年10月2日撮影 松川村にて

安曇野の大部分の田んぼから稲が刈りとられ、寒々とした風景が目立つようになってきたが、そば畑にはまだ所々で白いそばの花を目にすることができる。

そば(タデ科)の花はとても小さいが、白い花びらの中におしべの先が薄い紅色をしており、可憐で可愛らしい。

秋そばを植える時期は、だいたい7月下旬から8月下旬で、9月上旬から花が咲き始める。そして収穫は10月上旬から11月の上旬。

そばの小さな花をよく観察すると、形の違う2種類の花があるという。めしべが長くおしべが短い花を「長柱花」と、めしべが短くおしべが長い花を「短柱花」がいい、どちらもめしべが花の中央部に位置し、その先端が三つに分かれている。おしべはめしべを包むようにそのすぐ回りに3本、さらにその外側に5本の計8本からなっている。

長柱花と短柱花の割合は半々。これらは花の構造の違いだけにとどまらず、そばの受粉と大きな関係があるという。小麦や稲など多くの穀物が一つの花で受粉する「自家受粉作物」であるのに対し、そばは一つの花の中では受粉せず、他の株の花とのみ受粉する「他花受粉作物」。他花受粉作物はその花粉の運搬を虫や風に頼る事になるため、受粉効率が悪く、気候の影響を受けやすいと言われている。一方で、それぞれの個体が異なる遺伝子を持つので環境の変化などの危機に対応しやすいという特徴がある。さらに、たとえ別の株であっても、長柱花同士や短柱花同士では受粉できない仕組みになっている。そばの花は朝7時ごろ咲き始め、1時間ぐらいするとおしべの先端にある「やく」が開いて花粉が外に出る。ちょうどそのころ虫が蜜を集めに来て受粉を助ける。

そば畑にはおよそ50種類の虫が集まってくるといわれている。虫や風に助けられながら、不器用ながらも受粉を繰り返し、そば畑には3角形のそばの実が実っていく。
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