日本国際法律家協会は人権,民主主義,平和,環境などを通して法律家の国際的な連帯を求める活動を行なっています。
 
 
 




国法協から得たもの
清水 誠

 私は、昨年12月の第28回総会で副会長を退任したが、今後も可能な限り会員としての権利義務を保持したいと思う。
 私が国法協の活動へ参加したのは、その創始の頃からであるから、それからかれこれ半世紀近くにもなる。国法協にはいろいろの転変はあったが、山坂を越えて、有意義な法律家の国際的交流を行い、大事な役割を果たしてきたと思う。
 国際民主法律家協会(IADL)の主催する定期大会・国際会議・事務局会議への参加、中国・韓国・ベトナムなどの法律家との間の相互訪問、日本におけるアジア太平洋法律家会議(COLAP)の開催、など、思い出は多いが、それをいちいち数え上げるのは、個人的なことになるので、ここはその場ではない。
 つぎには、一般的な感想を記すことにする。
 上記のような、他の国の民主的な法律家との直接の接触を通して、世界に対する認識を広め、深めることができたということが一番の収穫であったように思う。
 いまの世界は、一方において、目にあまる物アマリ、金アマリの現象があり、他方において、物と金の絶望的欠乏という窮乏現象がみられる。このことに目をふさぐのは、現代に生きる人間として決して許されるものではない。そのことを、諸国の人たちとの直接の交流によって、実感させられ、問題提起、というよりは問題としてぶつけられたことは、なんといっても有難いことだったと思う。
 それはまた、世界における資本主義の実態を知るということでもある。資本主義は、浪費と貧困のうえに成り立つ経済である。最大の浪費の元は戦争である。軍備と戦争を追い求める人間たちは、戦争のもたらす厖大な浪費によって巨大な利益にありつくことを目指している。その利益は、それによって当然に生み出される貧困と悲惨を踏み台としている。そのような人間を許さないという、人間として貴重な感覚を、国法協の活動は与えてくれた。自分の法律家としての、また、法律学者としての大事な精神を与えてくれた大恩人といってよいのが、国法協の人たちである。
 思い出のなかに、多くの懐かしい、外国、日本の法律家の人たちの顔が浮かび上がる。私は、この人たち、そして、直接には接しなかった多くの人たち、法律家だけではなく、数多くの庶民の人たちによって、この世から戦争を無くし、すべての人の自由・平等・友愛を実現するための英知というものが生み出され、形成され、大きく、力強く育てられてきているということを感じる。その感じを与えてくれたのも国法協である。
 国法協に感謝! 国法協に乾杯!
 これが、私の半世紀を回顧しての感想である。



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