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基地国家日本を脱却し、
世界の平和に貢献する日本をめざそう
−岩国住民投票・沖縄県民大会の成功におもう−
沖縄弁護士会  芳澤 弘明

1.県民をはげました岩国住民投票
「艦載機移転反対89%」(琉球新報)、「艦載機移転反対9割」(沖縄タイムス)、「米軍機受け入れ反対87%」(朝日新聞)、「米艦載機ノー圧倒」(しんぶん赤旗)。去る3月12日に投開票された岩国住民投票の結果についての各紙報道の見出しである。 見出しは「米軍再編計画に痛撃」「井原市長が撤回方針」「初の民意、国に重圧」と続く。
1996年9月8日におこなわれた沖縄県民投票では、米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の見なおしに賛成の票を投じた者48万2,538名(有効投票の92.25%)、反対の票を投じた者4万6,232名(有効投票の8.74%)で大多数の県民が米軍基地反対の意思を表明した。また、1997年12月21日の名護市民投票では、82.45%という高い投票率のなかで投票者の過半数(53.83%)が、海上基地ノーの意思を表明した。
このふたつの住民投票を経験した沖縄県民の大多数は、岩国の住民投票のこのかがやかしい結果をきいて、わがことのようによろこび、大きくはげまされた。

2.3万5,000人が結集した県民大会
去る10月5日に開かれた県民大会は、沖縄県民の頭ごしに日米両政府が合意した普天間基地のキャンプシュワーブ沿岸部移設に反対するということ、公有水面の埋立許否の権限を県知事からうばう特措法制定に反対するということ、このふたつの要求をかかげて開かれた。かつての西銘保守県政(屋良、平良革新県政のあとにできた)のもとで副知事をつとめた比嘉幹郎氏(元琉球大学教授・政治学)が大田革新県政のもとで出納長をつとめた元読谷村長の山内徳信氏とともに、この大会を組織した実行委員会の共同代表をつとめた。おふたりは演壇で、満身に怒りをこめながらも格調の高い訴えをされた。私はかつて、平和団体の役員として比嘉副知事(当時の)とは何回も面談し、西銘県政の基地容認の姿勢を追及し抗議したことがあるので、比嘉氏が共同代表として立派な役割をはたしておられることにある種の感慨をいだいたものである。
ともあれ、県民大会は、みじかい準備期間であったにもかかわらず、3万5,000人を結集して大きく成功した。
稲嶺惠一沖縄県知事も、島袋吉和名護市長も県民大会への参加こそ見送ったものの、沿岸部移設反対という姿勢をくずしていない。県民世論のささえがあるからである。

3.沖縄県民はもはや「県外移設」とは言わない
今回の県民大会は1995年の少女暴行事件を契機としてもりあがった米軍基地反対、地位協定見なおし要求のたたかいのなかで開かれた10.21県民大会とくらべれば参加者の数こそ少なかったとはいえ、その質と中身は前回のそれよりも高く、濃いものであった。
そのあらわれのひとつは、壇上に立って訴えたほとんどの弁士の口から「沖縄の米軍基地の県外移設」という言葉が出なかったということである。一昨年8月13日に沖縄国際大学のキャンパスに米軍のヘリコプターが墜落・炎上し、大学関係者はもとより附近住民を恐怖のどんぞこにおとしいれた普天間基地をようする宜野湾市の伊波洋一市長は、普天間基地を辺野古沖(従来案)に持って行くのも沿岸部に移設するのももちろん反対、県外移設することにも反対、米軍基地は海外への移設を、と明言された。
95年前後、私は平和団体(原水協、平和委員会)の役員として、何回か大田知事と面談している。その際に、私は、知事に対して「知事は口がさけても『普天間を県外に持って行けとか、県道越えの実弾砲撃演習は県外でやれ』とかおっしゃってはだめですよ」と何回もくぎをさしている。
「普天間で危険なものは辺野古でも危険。沖縄でだめなものは他府県でもだめ」というのが県民の共通のおもいだからである。また、そうでなければ、本土国民との連帯はできないからである。

4.政府は「寝た子」を起こした
政府は、米軍再編の日米合意を、全国各地の米軍基地所在市町村の住民の意見をきくこともなく頭ごしに押しつけてきた。山口県岩国市の住民投票の結果は、政府のこのような理不尽なやりかたに対する回答である。岩国では、これまで米軍基地に寛容であったひとたちも反対の票を投じたという。政府はまさに「寝た子」を起こしたのである。地域住民の不満は各地で噴出し、抗議の声は次第にたかくなっている。
米軍哨戒機の海上自衛隊鹿屋航空基地への移転反対の鹿児島県民のたたかい、「基地70年、もう我慢の限界」と米陸軍第1軍団司令部を改編した新司令部のキャンプ座間への移設に反対する神奈川県民のたたかいなど、米軍基地の再編強化に反対するたたかいは全国各地でひろがるいきおいである。
にもかかわらず、政府は、「地元の説得は断念した。最終報告は中間報告のとおりで行く」とうそぶいている。これでは、在日米軍基地はますます強化されることになる。そして、文字どおりアメリカが海外でくりかえす戦争の出撃・侵略の拠点としての機能強化となる。
いま、私たち国民は、米軍基地国家日本から脱却し、これを改変して侵略基地のない日本をつくらねばならない。それをめざすたたかいは憲法9条をまもるたたかいと不離一体のたたかいである。
アジア各国の人びとの連帯というとき、私は、横田基地の司令部はグアムへ、沖縄の海兵隊もグアムへ、という発想にもひっかかりがある。グアムには先住民のチャモロ族の平和運動があること、準州ということで高等弁務官が君臨し、グアムの人びとを抑圧しているという事実を知っているからである。
国際連帯の原点とは何か。私自身の自問自答はこれからも続く。




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