|
1. 平和のための結集!
70年前、日本は侵略戦争を行った。日本国憲法は、戦争の惨禍に対する深刻な反省から生まれた。ケロッグ=ブリアン不戦条約にならって戦争を放棄し、さらに戦力の不保持を宣言した。しかし今、日本の保守主義者たちは自衛隊を軍隊に変身させ、「現実」に合わせて「理念」を捨てようとしている。この重大な岐路に立って、われわれは、世界の市民・法律家に訴える。日本国憲法9条の改変を許さないために、また平和のために結集しよう。
2. 日本の現状と憲法9条
日本の現状は、建前と実態が分離している。アメリカ占領軍は当初日本を完全に非武装化して、米軍基地でハリネズミのように日本を覆った。ところが中華人民共和国の成立、朝鮮戦争の勃発を経て、東西冷戦体制が本格化すると、日本を再軍備するよう政策転換し、憲法を裏切る政策を実行した。自衛隊は世界有数の規模に達し、軍事予算は国家予算の6%を占める(GNP比1.0%弱)。米軍は相変わらず、沖縄(県土の20%)を始め、日本各地に軍事施設を独占的に占有・使用している。
しかし、自衛隊は海外で武力行使できなかった。日本政府は自衛隊を軍隊であるとは公然と言えなかった。憲法は集団的自衛権の行使を認めないことを政府も是認している。憲法9条は、自衛隊の海外での活動に対する歯止めである。イラクに派遣された自衛隊は武力行使やそれと一体となった活動はできなかった。北方4島や日本海や東シナ海の島の領有権について日本とロシア、韓国、中国とは対立しているが、紛争が発生した場合に海上自衛隊の介入を日本政府が公然と主張したことはない。世論調査によると、9条を変えない方がよいという意見が常に過半数を占めている。
3. 明日の日本と21世紀の世界
(1) 軍事化か?
日本の軍事化というシナリオが進行している。与党(自民党や公明党)や一部の野党(民主党)は、アメリカの要請あるいは後押しを得て、軍事化のオプションをとろうとしている。911事件以後、アメリカはますます軍事力に頼る世界戦略を強め、日本に対して集団的自衛権の行使を禁止した9条を改正して、日本がアメリカの軍事的なパートナーとなることを求めている。アメリカの世界戦略は国際テロリズムを暴力的に弾圧し、かつ、経済のグローバル化に伴う紛争やトラブルも武力で抑止する方向を目指している。日本の資本家たちも、海外での企業活動を守るために、9条改憲に賛成する。保守主義者たちはすでに行動を開始した。憲法改正のために、まず国民投票の手続を法律で定めようと提案している。9条が改定されると、自衛隊は軍隊として文字通り認められ、アメリカとともに集団的自衛権を行使し、国際協力活動を口実として海外派兵も容易になる。また、軍備拡張に歯止めがなくなり、アジア地域は軍事的緊張にさらされ、ますます不安定な地域になるおそれがある。
(2) 平和のための結集か?
わたしたちは、アメリカの世界戦略に手を貸すことを拒否する。アメリカの戦争行為への参加は平和に対する罪である。資源や市場を確保するために軍事力を行使する思想そのものを拒否する。国際紛争を武力の行使または武力による威嚇によって解決しようとする思想を拒否する。したがって、9条改憲に反対する。
191カ国が承認する国連憲章は、武力による威嚇又は武力の行使を禁止し(2 条4項)、軍縮に関する国連総会の審議と加盟国や安全保障理事会への勧告(11条)、人的資源や経済的資源を軍備のために転用することを最小化する責務を定めている(26 条)。国連加盟国には、非軍事化や軍縮、軍備規制に努める責務があり、その逆ではない。日本国憲法は、戦争の放棄と戦力の不保持によって、この立場(平和原則)をさらに徹底したものである。
平和原則は、地球市民によってくりかえし希求されている。1999年に1万人の地球市民がハーグで市民社会世界平和会議を開催した。公正な世界秩序のための基本原則の1つとして10の原則を確認し、その第一番目に「各国議会は日本国憲法9条にならって政府が戦争をすることを禁止する決議を採択する」義務を確認した。2005年7月に「武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップ」(GPPAC)のニューヨーク国連本部での会議は、世界行動宣言を採択し、「9条はアジア太平洋地域全体の安全保障の基礎として機能してきた」ことを確認した。9条は、「平和的手段で戦争(武力紛争)の予防が可能である」という理念の原型である。
わたしたちは提案する。2008年に日本で「憲法9条世界会議」を開催し、平和と正義の21世紀をつくる総意を結集しよう。9条の理念は、軍隊や武力に頼らない世界を創造する行動指針であることを確認しよう。世界市民は、平和の結集を世界に広げるため、現実的な力を創造しよう。
|