(中)日本詩人クラブ例会・イベント 2008年12月



2008 平成20年 9月 〜 2009 平成21年 2月
        担当理事:谷口ちかえ
  「詩の学校」第U期 「世界の詩を楽しむ夕べ」PartU
    ――越境する詩 モダンから現代まで――

日 時 12月18日(木)
18:00〜20:00
場 所 日本詩人クラブ事務所
     〒162-0808 東京都新宿区天神町71 宇野ビル4F 電話&FAX 03-6413-7245
      地下鉄東西線「神楽坂」駅矢来口(2番出口)下車、徒歩約5分
      地下鉄有楽町線「江戸川橋」駅(1b出口)下車、江戸川橋通り沿いに南へ徒歩約5分
内 容 「萩原朔太郎と萩原葉子」 講師:西岡光秋氏
     定員をはるかに超える34名の方に
出席いただき、大盛況でした。



2008 平成20年12月 国際交流の集いおよび忘年会

日 時 12月13日(土)午後2時〜5時 *国際交流の集い終了後、忘年会
場 所 アイビーホール青学会館3階「ナルド」 電話:03-3409-8181(代)
     銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」下車。B1、B2出口より徒歩5分
参加費 会員・会友無料 一般500円

 国際交流の集いには、九世紀ポーランド王朝の末裔で、アメリカからメキシコに帰化した女性詩人アンバル・パスト氏をお迎えしました。マヤ、アステカ文化やメキシコを愛する理由などを語ってもらい、ジャズ・サックス(尾山修一氏)との競演の自作詩も朗読していただきました。終了後には恒例の忘年会を行いました。
忘年会 国際交流の集い終了後、5時30分より2階「ミルトス」にて
会 費 7,000円

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通訳・翻訳の細野豊理事、アンバル・パスト氏、尾山修一氏
 
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駐日メキシコ大使館の文化担当官もお迎えし、会場は150人を超える人で満員でした。


 招聘詩人 
アンバル・パストのプロフィール

 1949年、アメリカ合衆国ノースカロライナ州生まれ。九世紀に農民から身を起こして、ポーランドに王朝を開いたピアスト王の末裔で、十八世紀にアメリカ合衆国へ移住してパスト姓を名乗った家系に属する。
 子供の頃からメキシコ文化の豊かさに魅せられ、度々メキシコを訪れていたが、1974年に故郷を捨ててこの国のチアパス州へ移住し、1985年にはメキシコ国籍を獲得した。文化的観点から、メキシコを豊かな国、アメリカを貧しい国とするアンバルの価値観は観念的なものではなく、このような幼い頃からの体験に根ざしている。
 アンバルは、スペイン語よりも前に先住民の言葉を完璧に習得し、彼女の最初の詩集はツォツィル語で刊行された。その後はスペイン語で、「ヤヤメー(御祖母さん)」(1981)、「傾いた海」(1988)、「木こりたちのための夜想曲」(1989)、「かたつむり」(1994)、「わたしが男だったとき」(2004)、「ウラカナ(ハリケーンを意味するウラカンを女性形にした造語)」(2005)などの詩集を刊行した。
 解放された自由な精神と鋭い感性で現代の先端的は問題を捉え、ユーモアとアイロニーに満ちた言葉で表現するアンバル・パストの詩は、今や国際的に高く評価されつつあり、英語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、セルビア・クロアチア語及び日本語に翻訳・出版されている。
 アンバルが現代文学に不可欠な存在であると国際的に認められていることは、オックスフォード大学発行の“
The Oxford Book of Latin American Poetry”2008年版やポーランドで発行されたアンソロジー「イスパノアメリカ文学の歴史」に彼女の詩が収録されていることでも明らかである。
 スペインで最も権威のある詩賞「セルバンテス賞」の2006年度受賞者である詩人アントニオ・ガモネダは次のとおり書いている。「真心と敬意を込めて、アンバル・パストの詩が私に引き起こす多大な賞賛の証を皆様にお届けしたい。それは魅惑的な発見であったし、現状に則して述べるならば、この詩人に『統合メキシコ賞』を授与することが、メキシコ文学を向上させるために正当かつ有効な行為であるという私の考えを明確に表明したい。」惜しくもこの賞の受賞には至らなかったが、その他アンバルは、チアパス自治大学が授与する「チアパス賞」の2008年度の候補者としてもノミネートされた。
 詩作のほか、アンバル・パストは世界で唯一マヤの芸術家たちによって運営されている「レニャテロス工房」の創始者でもある。サンクリストバル市にあるこの工房では、手漉き紙、書物、木版画などを製作して、数々の賞も受賞しており、メキシコ国内のみならず国際的にも高い評価を得ている。この工房での仕事として特記すべきは、「呪文と陶酔−マヤの女たちの歌」という書物を編纂、発行したことである。これは、チアパス高地地方の数十組の男女ペアによる数百の詩的呪文を録音し、それを筆写し、スペイン語や英語に翻訳して書物にしたものである。
 更に、アンバルは開発のための森林伐採に反対する環境保護活動も熱心に行っている。


アンバル・バストの講演要旨
−メキシコに生まれ変わる 詩・神々の食べもの−

 社会における人間の価値が所有する物質的資産によって計られ、芸術や詩よりも効率性がより重要だとされる米国の文化の中に生まれたアンバル・パストは、9歳だった1959年に初めて母親に連れられてメキシコシティを訪れ、休暇の日々を過したとき、この大都市の古い町並み、歴史的建造物、テオティワカンのピラミッド、火山そして人々の心の温かさなどに驚き、魅惑された。
 メキシコとの国境に近い米国テキサス州エルパソ市の保守的で地方色の強い環境に育った少女アンバル・パストにとって、メキシコシティが放つ文化の香りは強烈で、そこは正に古代の文明都市ローマに匹敵するところであり、自分たちは野蛮人だと感じた。
 メキシコは3千年の昔から、ネツァルコアトル、ソル・フアナ・イネス・デ・ラ・クルス、オクタビオ・パス、ハイメ・サビネスなどの偉大な詩人たちを輩出してきた。マヤの神聖な古文書「ポポル・ブフ」には、「詩は神々の食べもの」だと明記されている。神々は、自分たちの食料である詩を作らせるために、人間を創り出したのだ。
 マヤの古文書の殆どは、スペインから来た征服者によって焼き捨てられ、現存するのは征服以前に作られたもの22冊と征服直後に、数少ない心あるスペイン人の指導のもとに作られた54冊のみである。
 しかし、詩を尊ぶ伝統は現代のマヤ系の人々の中にも生きており、詩は日常生活の基本的な要素となっている。物質的には極貧状態にある人たちも常に自らが創る詩に囲まれて生活している。チアパス州では、文盲率がメキシコ中で最も高いにもかかわらず、誰もが皆詩人なのだ。現代のマヤ系の人々の間で名声を得るには詩に通じていることが必要である。多くの詩を暗記している人は賢人と呼ばれる。字義どおりに言えば、「心の中に文字をもつ者」という意味である。
 1974年に、サンフランシスコで主婦として不本意な生活を強いられていたアンバル・パストは、古い衣服を洗濯機に放り込んで、メキシコへと脱出した。そしてメキシコ各地を巡った末にチアパス州サンクリストバル市に安住の地を見出した。ここに至るまでには、メキシコ各地で接した先住民たちから、「お行儀の悪い子はグリンガ(白人女)にあげてしまうよ」とか「グリンガは赤子を盗んで飛行機の燃料油にするんだ」とか言われた時期もあったが、34年間この地に住んで、詩人であり、工芸家、環境保護活動家でもあるアンバル・パストは、この土地の風土と社会に溶け込んで、今や誇り高きメキシコ人である。ここは、バニュロス、ロサリオ・カステリヤノス、ハイメ・サビネス等を生んだ「詩人の土地」である。人は幾度か生まれ変われるが、アンバル・パストはここメキシコで生まれ変わったのだ。



2008 平成20年12月 オンライン作品研究会
 担当理事:原田道子、村山精二
日時 12月6日(土)午前10時〜7日(日)午前10時
*インターネットのメーリングリストを使ったクローズド研究会です。

参加作品・作者(敬称略)
「クリスマスキャロル」堀内みちこ、「独りへの願望」岡三沙子、「剪定鋏」芳賀稔幸、「パール・ハーバーを忘れてはいませんか?」水崎野里子、「ビニールぶくろ」くらもち さぶろう、「プレリュード」サーカー和美、「消えた村」直原弘道、「弱さから生まれるもの」須藤あきこ、「山荘にて」千木貢、「Dos Hombres 二人の男」田中健太郎、「不忍池」長谷川忍、「道展」佐藤 孝。



 
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