(中)日本詩人クラブ例会・イベント 2009年3月
2009 平成21年 3月 例会 担当理事:川中子義勝
日 時 平成21年3月14日(土)午後2時より
会 場 東京大学駒場Tキャンパス 18号館ホール
(正門から時計台の背後に見える高い建物の1階・正面入口)
TEL 03(5454)6447
渋谷駅より京王井の頭線・駒場東大前東口下車 徒歩2分
会 費 会員・会友無料 一般500円
内 容
| ・会員による自作詩と小スピーチ | ||
| 内藤喜美子氏 | 南川隆雄氏 | 上田由美子氏 |
| ・講演「犠牲の言葉をめぐって」 |
| 講師 高橋哲哉氏 |
「靖国の問題から入り、キルケゴール、ベンヤミン、デリダらの思考に触れながら、私がいま模索していることをお話できたらと思います。」
高橋哲哉氏は、福島県生まれ、東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は哲学・歴史認識論。市民に開かれた場でも、戦争や平和の問題について具体的に語ってこられた。アウシュヴイッツ生存者の証言をまとめて話題となった映画「ショアー(虐殺)」の日本への最初の紹介者としても知られる。「詩と思想」3月号、シンポジウム「言葉と戦争」のパネリストとして、柳田国男と靖国の関係などを語っている。著書に、『記憶のエチカ――戦争・哲学・アウシュヴィッツ』(1992)、『戦後責任論』(1999)、『「心」と戦争』(2003)、『教育と国家』(2004)、『証言のポリテイクス』(2004)、『靖国問題』(2005)、『国家と犠牲』(2005)、『状況への発言――靖国そして教育』(2007)他がある。
| 電車も遅れるという荒天の中、60名の人たちが戦争と宗教の関係などを拝聴しました。 |
2009 平成21年 3月 詩論研究会 担当理事:原田道子
日 時 平成21年3月7日(土)午後2時より
会 場 東京大学駒場Tキャンパス 18号館4F コラボレーションルーム1
TEL 03(5465)8760
渋谷駅より京王井の頭線・駒場東大前東口下車 徒歩3分
会 費 会員・会友無料 一般500円
内 容 「パウル・ツェランという傷」〜ユダヤ・ドイツ詩史の余白に〜
| 講師:関口裕昭氏 |
ドイツ系ユダヤ人の詩人パウル・ツェラン(1920〜70)の詩には、「死のフーガ」をはじめほとんどの作品にアウシュヴィッツ体験から受けた傷が深く刻印されています。また「傷(Wunde)」という形象もしばしば現れます。
彼にとってのドイツ語は、最愛の母から受け継いだ「母語」であると同時に、家族や同胞を理不尽な方法で死に追いやった「殺人者の言葉」でもありました。この矛盾と緊張をはらんだドイツ語だけが、彼にとって詩を書くことが可能な言語でした。書くことは「掻く」、すなわち過去の傷を引っ掻き、それを常に生々しく切開していく作業でもあったわけです。
今回は、ツェランの言葉の源にあった「傷」を手がかりにしながら、それが彼個人にとどまらず、長いユダヤ人の迫害の記憶にも繋がることを考察します。60年以降のツェランの詩には、ハイネ、カフカ、フロイト、ローザ・ルクセンブルク、ネリー・ザックス等、ユダヤ系作家の引用が頻繁に登場しますが、その多くが民族の負った「傷」をテーマにしています。痛々しい傷と傷の間を縫うようにして、何百年にもわたる詩の言葉の道筋が形成されていることをお話ししたいと思います。
講師プロフィール
関口裕昭(せきぐち・ひろあき)1964年大阪府生まれ。慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程修了。専攻ドイツ文学(近現代ドイツ抒情詩、ドイツ・ユダヤ文学〉。現在、愛知県立芸術大学准教授。著書に、『パウル・ツェランへの旅』(オーストリア文学研究会賞)、『評伝 パウル・ツェラン』(小野十三郎賞特別賞)など。
| 豊富な資料をもとに40名近い人がツェランの詩と生涯を学びました。 |