一般社団法人 日本詩人クラブ 例会・イベント 2009年7月



2009 平成21年 7月
 例会            担当理事:原田道子
日 時 2009年7月11日(土) 
午後2時〜5時
場 所 
東京大学駒場Tキャンパス ファカルティハウス セミナールーム
    (正門から入って左奥の建物)
     TEL 03(5790)5931
     渋谷駅より京王井の頭線・駒場東大前東口下車 徒歩2分
参加費 会員・会友無料/会員外500円
懇親会 終了後、同所にて。会費:2500円
内 容

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2009〜2010年度例会司会担当 田中美千代氏・鈴木豊志夫氏


     新理事長・会長の講演

新理事長:細野 豊氏「世界の中の日本詩人クラブと私」


  世界の中の日本詩人クラブと私(要約) 細野 豊

 日本の詩や文学全般を評価するに当って、日本の尺度や価値観で計るのではなく、世界の詩その他の文学は今後どのような方向に向かうのか、その中で日本の詩や小説はどのように位置づけられるのか、という観点や尺度を持つことが必要である。
 19世紀から20世紀にかけて、欧米が政治、経済、文化等あらゆる分野で世界をリードしたしたことは紛れもない事実であるが、今やその時代は終り、アジアやラテンアメリカに世界の中心が移りつつある。岸根卓郎著『文明の大逆転』によれば、<人類文明は、有史以来「東西文明の二極」に分かれ、互いに対立しながらまるで「時計仕掛け」のように、交互に活動期と休止期を繰り返してきた。そして20世紀の後半から21世紀の前半にかけての100年間はちょうど「東西文明の周期交代期」すなわち世界の中心が西洋から東洋に移る過渡期に当っている>のである。このことは、政治、経済分野における最近の中国やインドの台頭を見ても明らかである。
 文学の分野においても、今や西欧が下降線をたどり、アジアやラテンアメリカの興隆が目立っており、日本詩人クラブの活動もかかる世界の情勢を踏まえて行う必要がある。来年の日本詩人クラブ創立60周年事業もこのような国際的視野から日本の文学や音楽を評価しようとするものであり、60周年事業の一環として、インドとネパールから詩人を招聘して行う、今年度と来年度の国際交流事業も上記の観点に合致するものとして捉えられている。

 私は、「詩が《詩》であるためには、言葉が日常の言葉から脱皮して《詩の言葉》にならなければならない。そして、言葉が《詩の言葉》として生まれ変わるためには、それが心の奥底のとても深いところ、無意識の領域から湧き上がってこなければならない。無意識の領域には、性的な欲求が閉じ込められているから、そこから湧き上がってくる言葉にはエロティックなものが重要な要素となる」と考えている。この考えは、アンドレ・ブルトンと親交を持ち、シュルレアリスムに傾倒したメキシコの詩人・評論家、オクタビオ・パス(1990年、ノーベル文学賞受賞)の影響を受けて私が身につけたものである。パスは、「詩ははたらきそのものにおいてすでにエロティシズムであり、それゆえ世界と言語をエロティックなものに変容させる。」と言っている。
 また、私は虚飾と偽善を醜いと思い、既成の価値観や道徳観に縛られない無垢であるがままの人間であることを目指している。
 このような人間として、私は日本詩人クラブに関っていきたい。


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新会長:比留間一成「現代詩 徒然草」


 
現代詩 徒然草 比留間一成

  これは私自身の詩作の心得のようなものです。
  ご一緒に考えて頂ければ幸です。

T 自身の生きる目的、平和以外にはない。
  9歳のころ上海事変、12歳 日中戦争、17歳 太平洋戦争、21歳終戦といえば、まさに戦争と共に成人したようなもの。それだけに平和を希求すること切である。
U 世界の動向と共に日本の歴史を知ること。この大戦で、進んで戦争に参加した詩人、文学者もいた。あの時代を考えると心情は理解できるが、戦争はぜったいなくさねばならない。
V 詩人はことばを遺さなねばならない。
  現代詩は散文化し過ぎていないか。話題になっているのは、詩が、綴り方つまり、作文、日記、論文、小説の切れ端といわれていること。何も定型をといっているのでなく、自分の使う言葉を検討したい。
W 明治以来、近代化、現代化を急ぐ余り、日本の文化の継承をおろそかにしていないか。特に戦後は著しい。最も目立つことは、漢字教育である。漢字は日本語、漢詩の訓読は文語自由詩と指摘した学者がおられるが賛成である。次には日本の和歌、俳句、歌謡まで含めて、到達した点は「和」であるが、この継承がどうなっているか。
  古典の中に解答を求めたい。

 諸外国の文化は、これからも紹介されるし、それを望んで止まないが、日本の古典も十分に見直し、日本語をたしかなものにしていきたい。

*梅雨の晴れ間の爽やかな一日、80名を超える人が、新理事長の情熱的なお話、新会長の飄々としたお話に惹き込まれました。会員・会友の皆さん協力し合って、今後2年間の舵取りに期待しましょう!



 
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