4.飼育方法

観察のポイント
  • 野生のカナヘビの生態もなるべく観察するようにしましょう。
  • 順調に食べている場合、どのくらいの間隔で脱皮するかよく見ておきましょう(個体によって違います)
  1. 捕獲後

    隠れ場所を多くして、静かな所にケージを置き、のぞき込まないようにします。
    また、揺らしたりケージを動かしたりもしないこと。
    日当たりのある場所に置いて、日中日光浴に出てくるようになったら、環境に慣れたものと見てよいでしょう。

  2. 初夏〜梅雨

    繁殖活動をよくします。
    水をよく飲むので、水入れに水は絶やさないようにします。
    交尾が確認されたら、メスをよく観察します。妊娠してお腹がふくれてきたら、雌雄の大きさに差がある場合は、雌雄分けて飼育した方がいいかもしれません。

    ケージ内の湿度は保ちます。特に床材を乾燥させないようにしないと、産卵がうまくいきません。

    産卵後は、メスにカルシウムをよくとらせるようにし、カタツムリの稚貝、牛乳などを注意して与えます。また、餌虫に煮干しなどをたっぷり食べさせておくことも大事かと思います。
    ひなたぼっこをよくさせますが、産卵後のメスは、弱っていることが多いので直射日光にあてすぎないようにします。

    日光浴のさせ方・初夏〜梅雨

    日光浴は、太陽光が基本ですが、意外に日差しが強い場合は、カナヘビはものの10分程度で隠れてしまうこともあります。かといって、窓越しの太陽、レースのカーテン越しの太陽はほとんど役に立たないと思った方がいいでしょう。
    カナヘビの様子を観察し、カナヘビが姿を隠したら、日陰を多くしてケージ全体の温度が上がりすぎないように注意します。
    暖まりすぎないような石、煉瓦などをケージ内に置いたり、水入れの水を深くしておくことも必要です。また、真夏には土を深めにし、温度上昇を避ける工夫をします。

    初夏の日差しは意外に強い場合が多く、カナヘビが熱射病で死んでしまう事故は、5月下旬から起こり始めます。

  3. 梅雨明け〜夏

    この時期は、最も日光浴の事故が起こりやすい時期です。
    日光浴のさせ方・梅雨明け〜夏

    日光浴のために出てきたら、目を離さないようにしましょう。
    隠れてもケージ内の温度があがりすぎると、それで死んでしまいます。
    口を開けていたり、日陰でぐったりしたり、尾の先や後脚の先を小刻みにけいれんさせたりしているようなら、直ちに、冷やしてやります。ケージ自体を涼しい場所に移し、床材全体に通気したり、壁に水をかけたりして全体の温度を下げ、かつ、カナヘビ本人に霧吹きで水をかけたり涼しい場所に置いたりして体温を下げるようにします。

    そこまでいかないうちに、よく観察していて、温度が上がりすぎたと思ったら、早めに霧吹きで水をかけたり、ケージの半分以上を日陰にしたりして、温度をあげすぎないようにします。

    夏はバッタの幼虫、クモ、アオマツムシなど虫には事欠きません。また、夏はカナヘビも活発なのでよく食べます。虫はできれば、数日はストックできるようにしておきましょう。餌用の虫類にも餌をきちんと与えてストックすることが必要です。

  4. 初秋から初冬

    朝晩が涼しくなってくる頃です。この頃は盛んに食べ、また長く日向で日光浴するようになってきます。
    よく太ってまるまるするのが正常な状態です。また、脱皮の間隔が夏より短くなります。

    ※1〜4の期間・・・脱皮の状態をよく見ます。脱皮する前は、体が少し白っぽくなります。

  5. 冬眠前

    よく、一日の平均気温が15度以下になったら‥‥といったような記述をしている飼育本がありますが、これは参考になりません。生息場所や、地域によって、また飼育環境でも違うからです。
    目安は大体11月に入ってからですが、カナヘビの体が太っているのに、餌食いが落ち、ぽかぽかした日向で長い時間うつらうつらし始めたら「冬眠したくなった」印です。餌の量を落とし(水はふんだんに与えます)、床材の土を厚くし、落ち葉などを敷き詰めて様子を見ます。
    できれば、冬眠用のケージを用意します。

    1. ケージの底にぬらした水苔を敷く。
    2. 落ち葉混じりの土・腐葉土を15〜20pの厚さで敷く。   
      ※深くは潜りませんが、温度変化を少なくするためにある程度の厚さが必要です。
    3. 床材には湿ったところと乾いたところを作り、落ち葉を3pほど敷く。
    4. その上に、木の枝やシェルター、石などを並べてみる。
    5. 水入れを作ってやり、餌も普段のように入れて様子を見る。
    6. 真っ暗ではなく、半分ほど薄暗くして様子を見る。
  6. 冬眠

    カナヘビが潜って日中でも高いところにあまり姿を見せなくなってきたら、ケースの周りを覆って光が入らないようにする。蓋はまだ覆わなくてもいい。このままの状態で、室内の日の当たらないところに移動する。
        
    1. 姿をあまり見せなくなったら、外の日陰に移動する。   
    2. 数日様子を見て、出てこなくなったら、落ち葉を足す   
      ※木の枝やシェルターはそのままに落ち葉をふんわり乗せる。
      ※土の中に潜る個体もいるが、石の下や木の枝の下に潜るものも多いので土は潜りやすいような軟らかさをもたせること   
    3. 霧吹きで湿り気を与え、ケースごと段ボール箱などをかぶせて暗い状態にする。   
    4. 屋外の寒い日の当たらない場所に置き、時々霧吹きで湿り気を与えて春まで放置す   る。春に日中の気温が上がり、虫が出始めると、自然に目をさまします。

      野生の生き物ですから、冬眠させる方が、体力も消耗しませんし、何より自然の理にかなっていると言えます。よく「冬眠させるのが怖い」「冬眠中に死んでしまうのではないか」という言葉を聞きますが、野生のカナヘビは当たり前のように冬眠して、春にまた目覚めてくるわけです。人間なら、冬眠はしないですが、彼らにとっての冬眠は、ごく普通の冬の過ごし方なのです。
    冬眠の仕方は簡単です。眠くなったら、寝させること。環境だけ整え、冬眠の時期も、場所もカナヘビ自身に選んでもらえばよいのです。
    しかし、このような時は、冬眠させると危険です。冬眠中に死ぬ危険があります。

    • 秋に餌が不足して、十分太っていない。(やせて脇腹の皮がたるんだようになっている)
    • 日光浴の不足でクル病のようになっている。
    • 活発に餌にとびつかずに夏の終わり頃から元気がない。
    • 外傷がある

    このような時には、やむを得ないので、保温して冬を越させます。

  7. 越冬飼育

    25度くらいにケージ内を保つように保温します。
    ただ、気温の移り変わりのメリハリは必要だと思います。また日照もなければいけません。ケージの壁は案外冷たくなりやすく、熱が逃げるので、3方を覆ったり、ケージを設置した下から冷えてくるので、厚手の敷物の上に置くなり、じんわり暖かい家電製品の上に置くなりの工夫をします。
     照明も、朝いきなり明るくするのではなく段階的に明るくし、日中は明るく強く、夕方にかけて淡くといった工夫をし、夜は温度も20度以下に下げる方が、カナヘビが普通の生活をしやすいようです。しかし、どんなに工夫して温度変化をつけても、餌食いは落ち、脱皮の間隔も長くなります。餌は夏と同様に、いろいろな種類の虫を与えますが、冬は虫の種類も数も少ないです。越冬飼育の難しい点はそこにあります。

  8. 冬眠明け

    ※虫がうろつき出す時期の目安‥‥アリンコの活動が活発になるころです。

    1. 暖かくなってきたら日中にのぞいてみます。もしカナヘビが地上に出ていたら冬眠が明け始めたということです。
    2. 少し虫を入れておきます。床材の落ち葉を調べて糞があったら、餌をとったということですし、活動が始まった印なので、落ち葉を徐々に減らし、ケージの覆いもはずします。
    3. 日中に外に出て日光浴をするようになったら、土を減らし、普通に明るい暖かいところにケージを置きます。
    4. 冬眠明け早々は、まだ起きている時間も短く、すぐにシェルターに入ってしまいますが、まだ寝ぼけている状態ですので、そっとしておきます。餌の虫だけは入れます。 ます。
    5. 様子を見ながら、季節に合わせて、飼育法を変えていきましょう。

    ともかく「よく観察する」ことと「生き物の一番好きなように」こちらがしてやることです。

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