| 12/9 |
ハンセン病元患者とふるさと探しをした金正美(キム・チョンミ)さん |
|
ハンセン病元患者で盲目の詩人、桜井哲夫さん(80)と心の交流を重ねて10年。祖父と孫娘の条約を結び、旅を続けています。一昨年には本を出版し、講演で全国を回っています。
19歳のとき、大学内のチラシを見て、群馬県草津町の国立ハンセン病療養所栗生楽泉園を訪問。重い後遺症をもつ元患者たちと出会い、衝撃を受けました。「こんなに苦しんできた人がいる。この先進国日本で」。強制隔離という国策によって奪われたものの大きさ。差別と偏見。「三日間泣いた。何も知らなかった自分が恥ずかしくて」
高校まで朝鮮学校の民族教育を受け「日本は異国」と。療養所通いの中で、朝鮮人差別があることを知りました。二重の差別―それは在日社会の中にも存在する―「私は何者? 在日コリアンとしてのアイデンティティーとは?」。自分の居場所を求めました。
親しみを込めて「哲ちゃん」と呼んでいます。目となり足となって二人のふるさと探しが始まりました。
初めての韓国訪問で、遠く感じた祖国。何かが吹っ切れました。「人種とか国籍とか、関係ない。自分がどう生きるのか、それが大事ではないか」
NHKでも放映された「哲ちゃん」の故郷、青森・津軽への旅、六十年ぶりの家族との再会に立ち合いました。「うれしい」と一緒に泣きました。
ミュージカル「キャッツ」を見て目を泣きはらす多感な人。阪神タイガースの大ファン。「男・星野(前監督)にほれました」。端正な顔がほころびます。
字幕制作ディレクター。神奈川県川崎市在住。28歳 |
|