ムジナモの栽培環境の作り方

田辺直樹

ムジナモは日本では自然の状態では見ることの出来ない貴重な植物で、埼玉県羽生市の自生地を最後に絶滅しております。かろうじて栽培品が趣味家の間で維持、増殖されており、デパートの園芸売り場などでも時々売っている事があります。入手方法は通販などでも簡単に入手できますし、夏の伊勢丹にはかならず売ってます。 さて、栽培方法ですが、入手する前に必ず,水槽の準備をしておく必要があります。タヌキモの栽培経験があれば、栽培方法は殆ど同じです。

まず、大きめの水槽や樽,水瓶を用意します。直径は30cm以上、深さも30cm以上は欲しいです。 底には畑の土などを10cmほど入れて、水を張ります。ゴミなどが浮いてきますので手で除去します。 ガマ,花菖蒲、スイレンなどをホームセンターから購入して一緒に植えこみます。こうして準備完了です。日光のよく当たる場所に2~3週間置きます。ミジンコなどが自然発生してくれれば問題ありませんし、タヌキモの水槽が既にある場合は、タヌキモを1塊入れておくと、環境が早く安定します。
こうして環境が整ってから、ムジナモを買いに行きましょう。購入したムジナモは、すぐに水槽に放流します。売っているムジナモは通常若干の水と一緒に入っているので,その水も一緒に水槽に放流します。
日光には充分当てて管理します。環境に馴染めば、ドンドン枝分かれをして増殖します。1本から20本以上には殖えることでしょう。 ムジナモ栽培で一番厄介なのが、水質の安定です。自生地ではタヌキモはまだ全国各地に自生地が沢山ありますが、ムジナモは絶滅しております。栽培環境下でもタヌキモよりは弱いです。ただし、当方ではタヌキモとムジナモは一緒の水槽でも栽培できます。 水質が不安定になると,アオミドロが発生します。こいつが厄介で、マメに手で駆除できる範囲であればいいんですが、手に負えなくなるのも時間の問題でしょうから,対処しなければなりません。
ワラが容易に入手可能であれば、そのわらを10cmほどに刻んで水槽に入れます。水が黄色に濁ってきますが大丈夫です。 これは、はじめに水槽の環境を作る時にやったほうが良いかもしれません。それでもアオミドロが駆除できない場合は、思いきって水を入れ替えます。あるいはアオミドロを水槽一杯に繁殖させてもう,これ以上繁殖できないところまで繁殖させてから一気にアオミドロのじゅうたんを取り除く方法があります。私の経験ではアオミドロとムジナモは共存可能です。ムジナモの生育には悪い様ですし,繁殖力も弱りますが、枯れることはありません。かといってそのまま放置していたら、見栄えも悪いし、繁殖も阻害されますので、駆除する事をお勧めします。
薬品や焼きミョウバンを使う方法もありますが,あまりお勧めできません。あと、他にタヌキモの水槽があり、アオミドロが繁殖していないのであれば、その水を入れてやるのも手です。ミジンコなどが繁殖してアオミドロの増殖を阻止し,水質が安定する可能性は大です。あとはタニシやメダカ等の魚介類にアオミドロの駆除をしてもらう方法もあります。 こうして考えてみると、アオミドロの駆除を除けばムジナモ栽培は決して難しいものではありません。可能であれば水槽を2つ以上作ることをお勧めします。
冬は冬芽になって底に沈んで越冬しますので,水切れだけ注意してください。凍っても大丈夫です。タヌキモやイヌタヌキモとの共存も可能なので、タヌキモの栽培水槽があれば,ムジナモを2,3本入れてみるのも良いかもしれません。 さあ、この夏,ムジナモ栽培にチャレンジして見ませんか?