ボルネオ・クチン探検記2
田辺 直樹
Padawan周辺の探検記ーそこはアンプラリアの楽園であった!
8月28日(土)早朝のホテル周辺を探検してわけだが、私は既に汗びっしょり!部屋で新しいTシャツに着替えてから朝食を摂る。食べなれているマレー料理なので違和感は無いが、トッピングで作ってくれるオムレツが人気で、なかなか美味しかった。狂さんは朝からチリソースタップリ、カロリータップリであった。
昨日の愛想の良いガイドのテンさんが出発予定の9時にホテルに迎えにきた。定刻よりも少し遅れてマイクロバスで出発。チップは昨年と同じで一人10リンギで合計80リンギ(約2,400円)天気は曇り。小雨がぱらついている。てろおささんの三脚が届いているかもしれないので、途中空港に寄ってみたが、まだ届いて無い様だ。それから少し走った所でコンビニエンスストアーに寄ってくれた。朝10時開店と同時に沢山の買い物客で賑わっていた。ちなみに1.5リットルのミネラルウォーターが1.30リンギ(約40円) ビールは24本入りのケースを購入。お値段は58リンギ(約1.800円、1本当たり75円)である。狂さんはG-SHOCKならぬS-SHOCK?という怪しい時計を約1,000円で購入。皆、食糧やお土産などを買いこんでいざPadawan目指して出発である。
クチンを中心とすると、北に60kmほど北上した所に我々が滞在しているホテルがあり、Padawanはホテルから空港は挟んで真南に約100km近くに位置する町である。クチン周辺の道は制限時速90kmであり、みんなビュンビュン飛ばしている。国道から市道に外れて暫くすると、ガイドのテンさんが「ここらへんからPadawanだよ」の案内でみんなの目はいきなりマクロモード!窓からネペンテスを探索する姿勢になったのである。そして暫くいった所で私が叫んだ!ネペンの陰が見えたのである。車を安全な場所に止めてもらって、降りて見て見るとN.mirabilisが自生していた。今日の朝見たものよりも袋の上の方が薄くピンクかかっており、八丈島のN.hachijoのように見える。しかも株は大きく袋も長く太い。ほかの場所にはオールグリーンもある。テモさんがN.ampullariaを発見。赤い斑点の入る系統やオールグリーンもある。N,ampullariaの生えている場所はN.mirabilisの場所よりも湿った場所を好む様だ。良く見るとN.gracilisが雑草の様に生えている。更に奥へいくと、茎の全長が5mはあろうかという大株のN.mirabilisもあった。
バスは更に南下して進む。工事中の新しい道を時速100km近くですっ飛ばす。すごい迫力である。
Padawanの町の最終地点近くまで行った所でバスが止まる。そこにもN.mirabilisが繁茂していたが、中でも目を引いたのがN.ampullariaが多い事!大きさも6cm以上はある株がごろごろしている。赤斑点から紫斑点、オールグリーンなど多種多様であり、撮影が忙しい!良く見るとN.kuchinensis(ampullariaとmirabilisの自然雑種)を発見した。数は少ないがオールグリーンの袋のみを確認した。とにかくアンプの多い場所であり、とにかく蒸し暑い場所でもあった。
車は更に南下を続ける。村の終点まで行って休憩となる。ここは原住民のロングハウスを観光するコースとなっており、トイレまで完備されていた。ただし、女性トイレはカギがかかっていたので、やむなく男子トイレで用をたした女性陣であった。
暫く休憩してからこのあたりの周辺を散策した。バスで少し戻って自生ポイントを発見。ここはN.ampullariaのみが大量に自生している場所で、真っ赤なものや斑点系、オールグリーン、赤茶色系など様々なタイプがある。赤茶色のN.gracilisやN.kuchinensisも確認できたが、N.ampullariaの数が多いのには驚いた。また袋も大きい!袋の高さ6cmは超えている。
時間は2時を過ぎている。昼飯をとる場所が無いので、バスはそのまま次なるポイント、Gunung Penrissen(ペンリッセン山)まで移動した。標高は1,300mほどであり、山の反対側はインドネシア領である。車で標高1,000m近くまで登るのであるが、坂が急なので、9人乗っているマイクロバスは苦しそうであった。
この山の道は現在地図には載っていないそうで、最近できたばかりで、頂上にカジノを作る予定であったそうであるが、その計画が頓挫してしまい、ゴルフ場と自然公園を作っているところだそうだ。全て完成すればゲンチンハイランドの様になるのであろうか? そして間近でネペンテスが見られればこの上ない幸せな事である。
記録によれば、この山にはN.veitchii N,tentaculata N,fuscaが自生している事になっているが、地元の人の話に寄れば、木上に着生していて、手は届かないそうだ。我々は車で行ける所まで行って、そこから歩く事にした。まだ工事中なので道はドロドロであり、歩きにくいが、先ほどのN.ampullariaの自生地の気温に比べれば遥かに涼しく、過ごしやすい。先頭に狂さん、若林さん、てろおささん、テモさんたちが行き、最後尾はRedecさん、いえきちさん、えるぶさんとなり、私はその丁度真中。私はまたも昨年に続きジャングルで一人ぼっちになってしまった。昨年の犬に襲われた恐怖がよみがえるが、今年は犬ではなかった事を今から言っておこう。それは後日の話ではあるが、、
道の終点まで歩いて見たが、蘭類は沢山あるがNepenthesは見当たらず、がっかりしている所で狂さんがNepenthesを発見。倒れた樹に着生していたのであろう。1株だけが剥がれ落ちたような格好で横たわっていた。葉はN.veitchiiの様であるが袋はまさにN.fuscaであった。自然雑種かもしれない。ビデオやカメラに収めてあるので、後日の鑑定を待ちたい。 結局ここで見つかったのはN.fusca?のみであった。時間は3時を過ぎている。車で下山していると、当たり一面が霧に包まれ始めた。まさにゲンチンハイランドと同じ環境である。ここは再び調査が必要な場所かもしれない。
約10分ほどで下山した。やはり平地は暑いようだ。来た道とは違う道をあえて選んでホテルに向かう事になったが、違う道を選んだのは大正解だった様で、すぐに自生地を発見。ここはN.ampullariaのみが大量に自生しているまことに素晴らしい場所であった。なかでも、純赤のアンプ(これをレッドムーンというのだろう!)を発見。一同狂喜乱舞となった。
また、黒紫色のどでかいアンプも発見。JCPS情報誌の第11号の表紙と同じタイプといって良いだろう。ブラックムーンである。大きさもテニスボールぐらいはある。もちろん、オールグリーンや斑点系などはそこらへんにごろごろしている。本日一番の大きさのアンプは煙草の箱の高さ以上(9cm)のものであった。
なごり惜しむ様にここを後にしてバスで再び帰途に着くが、Padawanから国道までに至るこの道沿いはネペンテスの自生地ポイントのようで、道は悪いが、ここだけでもマル1日かけて探検してもいいかもしれない。N,rafflesianaやN.reinwardtianaも自生しているはずであるが、結局この日はこの2種を見つけることはできなかった。当然、N.hookeriana(rafflesianaとampullariaの自然雑種)も見つけられなかった。明日以降に期待しよう。
クチン市内の屋台で中華料理を食べる事になった。昼を食べていないので皆空腹である。ガイドのテンさんのお勧めの料理をガンガン頼んで飲んで食った。牛の蕎麦2.50リンギ、ビール4リンギ、コーラ1.20リンギ、肉まん4個で3リンギとどれもチープなお値段で、美味しいのである。現地の中華系住民が経営しているので、英語が全く通じないのには参ったが、本日の疲れが吹っ飛ぶほどの美味しい料理で、皆満足であった。
明日はBAU探検である。BAUにはN.northianaが自生しているのである。石灰の山(limestone)の壁面にN.northianaが自生しているという。そしてN,ampullaria N.albo-marginata N.rafflesiana N,reinwardtianaなども見られるそうである。期待に胸を膨らませながら床についたが、今日だけでも充分刺激のある1日であったし、自生地をはじめてみるRedecさんはもうスッカリ満足げの様子である。こんな刺激的な日があと3日もあるなんて、幸せの極みであろう。