メキンカンピンギキュラの栽培について
稲穂徳人
メキシカンピンギキュラの栽培の非常に大まかなコツは、「日中は通風を良くして空中湿度を下げ、夜間の空中湿度を高める」の一言です。日中の空中湿度を下げると言ってもカリカリではなく、びしょびしょでもないほんのりコンポストの表面が湿っている程度がベストです。根が貧弱なので、株元の過湿で腐ってしまう事が非常に多い為に、常にコンポストが湿っていたり、生育期に極端に乾湿の変異があり過ぎるのは良くありません。この水やりのコツを会得すれば、特に特殊なもの以外はよく出来ます。また、冬芽の時期は当然生育期よりも水を控えめにしなくてはいけませんが、ある程度温度と日照を確保出来るようならば、空中湿度はある方が春先の生育がよく、開花もよいようです。
(作りやすい品種)
普通の園芸店では余り見かけませんが、殆どの場合はごく限られた品種でマニア向きの特殊な管理を必要とすることはまずありません。一般的に、交配種は作りやすく、上記の管理のコツを押さえておけば問題ありません。ただし、売っている苗を購入した場合は、出来れば自分の環境に合わせたコンポストに植え替えてやる必要があります。
(原種)
・多肉系・・・esseriana,ehlersae(お多福、桃花、ascension,Santa Gertrudis)
乾燥には強く、空中湿度さえ確保されていれば殆ど潅水しなくても生きている程丈夫な品種です。強い日照を好み、メキシカンの中でもかなり日に強く当てて平気な品種です。
・常湿性・・・emarginata,moctezumae,,moranensis morango,moranensis pachuca
逆に割と多湿を好み、少々の腰水をしてやるような作り方で機嫌がよく、冬芽も殆ど形成しないようです。moctezumaeはやや押さえ目の日照を好みますが、emarginataの方は春から秋は屋外でprimulifloraを作るような作り方でも育ち、よく開花します。
・中〜大型系agnata,gigantea,moranensis flaser beaut(Kewensisで普及している場合も),huahuapan,superba
copenhagen系,sp.Sierra Mazatecus
比較的大きくなるタイプのもので、葉が肉厚になるものは割に作りやすく、モラネンシス類は花も大きいのでお薦めです。しかし、同じグループでもコーダータ系の薄葉のものや、葉が紫褐色を帯びるタイプのものはやや最初に手懸けるには腐りやすかったり、花が咲きにくい感があるのでこの中には含めてありません。
交配種に関しては特に難易の差はありませんが、初めて栽培をされるのであればSethosとWeserを推薦します。ほぼ、メキシカンピンギキュラ栽培の基本的な管理法を会得する上で最適の品種です。
(殖やし方)
主に株分けと葉挿しによりますが、葉挿しに関して最近私が試しているのは、硬質鹿沼上の細粒(良く洗って粉を除去しておく)にネニサンソを等量混ぜたものを葉挿し床に使う方法です。その上に、丁寧に外した葉を並べ、葉面散布タイプの活性剤を噴霧して半日陰のところに置きます。年中高湿度のところでは不要ですが、蓋の出来るプラスチックの透明な容器を用い、通気孔を開けて使用します。2週間程度で発芽・発根し、2〜3ヶ月で鉢上げします。