温帯高山性ピンギキュラの栽培
―自動潅水装置の設置について―

田辺直樹

温帯高山性のピンギキュラといえば、日本の山に生える、ムシトリスミレ(P.macroceras)をはじめ、ヨーロッパの山々に産するP.grandiflora P.vulgaris P.longiflora P.corsica P.mundi P.reptoceras P.vallisneriifoliaなどで、標高の高い場所に生えているので、夏の管理が問題視されてきました。たしかに、冷房装置がないと維持が難しいものもあるようですが、当方の栽培法を紹介いたします。 結論から言うと、冷房装置なしで、ベランダでサラセニアなどと一緒に腰水栽培しているだけなんです。現在維持してる品種はP.grandiflora P.vulgaris P.longifoloa P.corsica P.mundi P.reptoceras P.vallisneriifolia P.macrocerasです。今現在(6月上旬)は開花が一通り終了し、結実している状態です。葉も十分展開し、小さいブヨやハエなどを沢山補虫してます。8月前には早々に冬芽になってしまいますが、そのまま維持されて、起きることはありません。
では、管理はどのようにすれば良いかと言うと、腰水の水温にあるのです。当方では、ベランダの腰水の補給はタイマーによる自動潅水装置により行っております。朝10時と夕方4時にそれぞれ3分ほど、給水されます。
メーカーはナショナルの自動水遣りタイマーで1万円ぐらいでホームセンターなどで購入できます。これにより、サラセニアを中心とした栽培プールには常に新鮮な水が供給されるわけで、水温上昇を抑制し、植物に良好な環境を提供してくれているようです。
鉢は素焼きを使っています。これは、自動給水により乾燥の危険性はない事と、鉢内の通気を考慮しました。また用土はミズゴケ単用です。日照条件は終日日光に当ててます。真夏もこの環境で全然問題ありませんでした。
実はこの設備を設置するきっかけは、昨年の夏のボルネオ探検で、1週間留守にするので、その水遣り対策で乾燥しやすいベランダの水遣りとして策を講じたのですがが、これが思わぬ効果をあげてくれているので、嬉しい限りです。おがけで、サラセニアやディオネアも例年以上に生育良好です。
しかし、これで高山性のものが全てOKというわけではありません。P.alpinaはやはり気温上昇に問題があり、ダーリングトニアは7月上旬までが限界でやはり真夏の気温上昇は問題があるようです。