(タイの社会面記事)
過去記事
2002年09月21日 〜 2002年09月30日
先日国会で半ば強行に採決された新省庁設立及び官僚機構改革に関連する法案について
「官僚機構に関わる権限の移譲、任命に関わる国王陛下の布告をする行為を政府側に認め
る」、即ち官僚機構改革に絡んで行われるであろう各省庁の職務権限、閣僚を含む人事に
関する通達は国王陛下の認証を経ずして行うことを可能にする条項は、政府側にかかる通
達を国会の審議を経ず行う権限を与えるのみならず、憲法の条文にも違反しているとして憲
法裁判所への提訴を求めていますが、ウタイ下院議長は9月28日までに自己の裁量で「議論
の余地は無い」として野党側の要求を退ける決定をしています。
この問題に関しては、採決そのもののみならず現政権の独裁色が露わになったものとして
野党のみならず大衆民主主義運動を代表とする民間民主主義組織も「国会だけの問題でな
く国民全体に関わる国家全体の問題である」として危機感を強めており、政府に対して議席
独占におごることなく野党を含め国民と広く議論を交わすべきであるとの緊急アピールを発
するに至っています。
実はこの問題に関しては長期独裁政権を目指すタクシン首相が目の上のたんこぶである
「あるもの」の権威の低下を狙っているとも言われていますが、この問題を議論する為には
歴史的にタブーとされている「ことがら」に言及をせざるを得ないため、野党を含む反対勢力
側には政府側の独裁的な決定に対して説得力のある強力な言質を以てアピールすることが
出来ないと言うジレンマもあるようです。(すみません。詳しくかけないのでかなりボカしてます)
「チャルゥム元上院副議長に少女性的虐待の罪で禁固16年の判決」
本日チャルゥム・プロムルゥート元上院副議長の未成年者及び児童に対する性的虐待事件
に関する判決公判がタンヤブリー県内の裁判所で開かれ、裁判所側はチャルゥム被告に対
し禁固16年という厳しい判決を下した。尚、チャルゥム被告には上級裁判所に上訴する権利
が留保されている。
今回の厳しい判決について裁判所側は、当時現職の上院副議長だった者が犯した罪が社
会に与えた影響の重大性及び今回の審議で中心になった15歳の少女に対する性的虐待の
罪のみならず、この事件に絡んで行われた未成年者及び児童に対し少女を紹介させ性的虐
待を行っていた罪も勘案した結果であるとしている。
(16:00 TST 記事追加)
* この事件の詳細については2001年1月21日から2001年1月31分の記事を掲載した過去記
事のページが詳しいと思います。
昨日ソムダット・アタナン氏を頂点とする軍部の新組織人事が発表されましたが、タクシン首
相の従兄弟2名を始め同首相の士官学校時代の同級生等が主要なポストを占めるという、
余りにも下馬評通りと言おうか露骨なタクシン首相の身内を優先した人事だったようです。
一応身内優先人事という声をかわすためか、タクシン首相と(特にミャンマーとの国境政策
等で)意見が衝突することが多いワッタナチャイ・チャイムゥンウォーン氏をナンバー2に据えて
いますが、同氏を始め殆どの幹部が来年中に退官する予定になっており、また最高司令長官
に指名されたソムダット氏が2年以内に退官することになっていることから、今回の人事で最高
司令長官補に指名されたタクシン首相の従兄弟であるチャイシット・チナワット氏を来年中に
ナンバー2に昇格させ、2年後には最高司令長官に任命する為の道程を今回の人事で作った
とも見られています。
今回の人事でタクシン首相は警察及び軍隊何れに於いても実質的に自身の影響下に収め
る事に成功したものと見られていますが、同首相が好んで口にする政治に於ける「均衡と抑制」
の原理が形骸化し、タクシン首相の独裁色が強まるのではないかと懸念されています。また、
軍部内の一部の幹部が今回の人事に不快感を表明しており、軍部内の統制を新しい組織が
維持していくことが出来るか疑問視する声も聞かています。
全然関係ありませんが日本人に人気があるアイドルのトーン(グ)ことパカラマイ・パッタラナン
のお父さんの名前は今回の人事発表には載っていなかったようです。
「女教師が麻薬取引現場を目撃した生徒を毒殺しようとする」
昨日、偶然麻薬取引の現場を目撃してしまった小学校の女性徒を麻薬漬けにした他の女生
徒を利用して毒殺しようとし、それに失敗するや暴力をふるって口封じをしようとした容疑で
女性教師が逮捕された。
警察によると逮捕されたのはスパンブリー県内の小学校で教師をやっているパニッター(ま
たの名をアムポン)・ヌゥートーン容疑者(46)で、被害にあった生徒達を保護している青少年保
護財団を主催しているモントリー上院議員に生徒達が語ったところによると、パニッター容疑
者は校舎の敷地内で男性から麻薬を受け取っているところを目撃したクンさんを毒殺するた
め、同じ学校のオイさんともう一人の友人に「言うことを聞かないとオイさんの姉の命を奪う」
と脅迫してクンさんの弁当にヤー・バーを仕込ませたが、幸いクンさんの兄がヤーバーを仕
込むところを目撃した為に未遂に終わったという。その数日後、更にオイさんに命じて致死性
の高い農薬を弁当に仕込ませたが、今度はオイさん自身がクンさんに警告して、これも未遂
に終わったという。
その後パニター容疑者は他の男性2人と共謀してオイさんを連れだし、クンさんを自宅から
呼び出し拉致する事を強要し、呼び出されたクンさんをゴム農園でに縛り上げ暴行を加えた
上で熱せられた鉄棒で折檻を加えている最中に近所の住民により救出され、今回の逮捕に
至ったという。
オイさんの証言によると、オイさんは事件前からパニター容疑者から脅迫され、麻薬の運び
屋をさせられており、またオイさん自身や友人達も無理矢理麻薬の摂取を強要されていたと
いい、モントリー上院議員によると救出時点の彼女らの健康状態は非常に危険なレベルにま
で達していたという。また一部報道によると、麻薬の届け先には僧侶も含まれていたという。
パニター容疑者は容疑事実を全て否認しており、現在保釈金で仮釈放されているが、教育
省側では警察の捜査とは別にパニター容疑者を適切に処分するために真相解明委員会を設
置し事件の究明にあたるとしているが、同じ質問に対する生徒達の証言に一貫性が無い部分
が少なからずあるため困難が予想されているという。
韓国の釜山で開かれる予定のアジア・ゲームですが、審判の判断が直接試合の結果に反
映されるボクシング、フェンシング、テコンドー及び柔道の競技の為に派遣される予定だった
タイ人審判員4人が韓国のゲーム運営母体側から「技量的に不適切である」との理由で出
場拒否の通告が為されていたことが明らかになりました。
現在タイの各関連団体は「開催国に有利な判定を下すための理不尽な拒絶」であるとして
各関連国際競技団体にこの問題を提訴していますが、タイ・オリンピック委員会の委員長は
「敢えて言わせて貰えば、今回だけでなく、今後も各種試合において不正ジャッジや不正行
為が行われるだろう」と語り怒りを露わにしていました。
先日タクシン首相の一人息子であるパーントーンテー氏がCh9で放映予定の観光推進向け
ドラマに出演予定であると記しましたが、昨日までにお父さんのタクシン首相が直接この出
演話を断ったようです。
どうやら世論から身内優先体質と批判されるのを避けたのかもしれません。
「iTV職員解雇問題 - 不当労働行為と認定」
タクシン首相のビジネスに於ける旗艦企業であるシン社が大株主となって以降行われてきた
度重なる報道介入に抗議した報道局を中心としたiTV社の社員21人(正確には23人だが内
2人は提訴に参加していない)が解雇された問題に関して、昨日中央労働裁判所で判決公判
が開かれ、解雇された社員側の主張及び労使関係委員会の裁定を全面的に支持し、iTV社
による不当労働行為による解雇であったと認定し、iTV社に対して解雇された社員全員の職
場復帰と解雇期間中の未払い給与の支払いを命じた。
この問題に関しては、先に労使関係委員会の調停で既に不当労働行為と認定されていたが
iTV社側は解雇は余剰人員削減の為だったとして同委員会の認定を不服として、中央労働裁
判所に提訴していた。
iTV社は1992年に軍事クーデターで政権を掌握していたスチンダー政権を崩壊に導いた民主
化運動の気運を受け、中立した独立放送局の必要性に迫られ設立されたタイ国内で唯一の
「独立」放送局として知られていたが、設立以来の大株主だったネーション社がネーション・チャ
ンネル設立の為に株式を引き上げた後に大株主としてシン社が経営に参入して以降、報道介
入疑惑が度々指摘されてきた。
巷の噂によると、次期教育大臣にはプラチャイ現国務大臣が適切であるとの議論が堂々と
教育省内でされているそうです。
教育改革に取り組んでいる教育省では、現政権になって最初に就任した大臣(名前を失念)
が、その職務への重圧から早々に辞任してしまうという一件がありましたが、その次に指名さ
れたスィット現教育大臣にはこの重要課題を完遂する能力が乏しいと省内で見られているの
が今回の議論の背景にあるようです。
プラチャイさんと言えば、カラバオが「もう寝る時間だからとっとと帰って寝ろ」と歌うプラチャ
イ・カーフィゥ(プラチャイの戒厳令)という曲で社会規律刷新運動を皮肉っていますが、国民の
多くがこの運動を支持しているのに対し政権内では余りにも「清廉すぎる」のでうざがられてい
るとも噂されていましたね。
都の治水当局は来る10月2日から3日にかけて年内最高位の高潮及びタイ北部からの水の
流入も最高点に達すると予想され、更に断続的な降雨も予想されることから、洪水に対して
最大限の警戒をするように呼びかけています。
「国際組織犯罪と戦うタイ警察」
先に発生したロシア人グループによる銀行強盗殺人事件を受け国家警察は国内に滞在する
不良外国人の摘発強化を宣言しているが、一方で他国と比して比較的緩やかな入国管理政
策のおかげで、国際的犯罪グループの通過点としてタイが利用されていると指摘され続けて
いるが、国家警察の犯罪抑止局がこれまでに国際組織犯罪グループに属する重要指名手配
人を同局のウェブページ上で公開し摘発に一定の成果を上げてきていることは意外と知られ
ていないようだ。
中でも嘗て重要指名手配者リストのナンバー2に名を連ねていたパキスタン人のアクバル・
シャー容疑者の摘発は、結果として警察との銃撃戦の末同容疑者が射殺される形で結末を
迎えたものの、一般市民からの通報で実現したものだった。
現在同局の重要指名手配者リストの大部分を占めるのがタイを通過点として利用してきた
とされている旧日本赤軍所属のメンバー達で、その他に在タイの各国大使館から情報が寄
せられた指名手配者が掲載されており、その容疑も児童に対する性的虐待、マフィア犯罪、
麻薬取引、俗に知能犯罪に類別される組織的パスポート偽造など多岐に渡っている。
一方国家警察では、中国の共産革命で中国の雲南省からタイ国内に亡命した旧国民党関
係者が、その血縁を利用して台湾やシンガポールで出稼ぎ労働に従事しているタイ人向け
に麻薬の密輸を行っているとして警戒を強めている。
麻薬取り締まり局によると、旧国民党に所属した亡命者は主にタイ北部のミャンマーと国境
に接した地域に所在しており、そこで地の利を利用してヤー・バーやヤー・イー等の麻薬密
売組織を形成し、台湾やシンガポールに在住する血縁や当地に留学や労働の為に出向いて
いる子息等のコネクションを利用し密輸を行っていると見られており、相手先は当地のタイ人
労働者のみならず、アメリカや西欧職国への再密輸も行われていると見られているという。
本日行われた泰緬外相会談は、事前に人権活動組織から会談において人検問団を取り
上げる様要求があったものの、スケジュール的に僅か30分間という短い時間での会談を
余儀なくされていたと言うこともあり、殆どが関係正常化の再確認に終止したようで、本日
20:30分までのニュースでは具体的な会談の成果は報道されていません。
尚、国境検問所の再開に関してはミャンマーのウィン・アウン氏は、再開を阻止する様な
問題は無いと発言するに留めており、具体的な日程に関しては語られていません。
(20:50 TST 追加)
IT関係と文化関係の新しい省庁の新設を盛り込んだ官僚機構改革の議論が国会の内外で
激しく行われてきましたが、昨日開かれた下院総会での投票採決により賛成多数で政府原
案通り施行される事が決まりました。
この問題に関しては、最大野党の民主党が国民を交えた充分な議論がされていない事、
今回の改革で解体される省庁の大臣が依然大臣職で残るなど、改革後の政府内組織が
明確になっていないこと、更に省庁の人事、再編、権限の見直し等に関しては国王の認証
を経ずして出来るとの条項が政令や法律の施行は例外なく国王陛下の認証を得ることを
要求している憲法の条文に反しているとして、会期引き延ばしを図ってきました。
昨日の下院決定を受け民主党側は憲法裁判所へ提訴する動きを見せていますが、その
動きをかわすように政府側は「過去に前例の無い」異例の早さで、改革案を国王認証手続
きに回すという動きを見せています。実際18:35に採決が終了し、18:40には既に国王認証
の為に決議案がスチャート副議長から下院職員の手に回っていたという早さだった様です
が、18:40時点では依然民主党側がスチャート副議長に対して採決に対する抗議及び憲法
裁判所への提訴を巡って打ち合わせ(というか口論)をしていた最中だったということもあり、
本来中立であるべきスチャート議長が事前に決議案を職員に渡していた疑いも持ち上がっ
ており、野党側の態度は硬化の一途を辿っています。
今回の異例な早さでの国王認証手続きは、国民に対して10月1日に改革が実行されると
いうイメージを植え付けた政府が、なんとしても期日通りに実行したいという思惑も背景に
あったと見られているようです。
またこの問題に関しては、新設される文化に関連する省に名前に「仏教」という名前を付け
るべきだとして、僧侶達が政府前で抗議行動をする騒ぎも発生しました。
最近何かと話題が多いタクシン首相の一人息子のパーントーンテー氏ですが、今度は政府
が観光事業推進のために製作するドラマに出演する事が決定したようです。
このドラマに関しては依然ここでも書きましたが、既にパーントーンテー氏の恋人で知られ
る女優のアリーサ・ライサットルークライさんの出演が決まっていました。また報道によると
「有名な日本人歌手」(報道のママ)のエリナ・アオイさんも出演するそうです。因み放送は
11月から政府系のマスコミ公団が運営するch9で毎週土曜及び日曜日にオンエアーされる
予定だそうです。
「GMM社CEO - TAオレンジ社の社長に転身、後任にブッサバー女史」
GMMグレームミー社は昨日同社社長兼最高経営責任者のアピラック・ゴーサヨーティン氏(41)
のTAオレンジ社共同最高責任者への転身及び後任に同社の創設メンバーの一人で主に
ヒューマン・リソース及び制作畑を歩んできたブッサバー・ダーウォルゥアン女史(49)を据える
事を明らかにした。尚、アピラック氏のTAオレンジ社の最高経営責任者への正式就任は11月
と見られている。
GMMの顔とも言われていたアピラック氏の今回の転身については、会長のパイブーン・ダム
ロンチャイタム氏と経営方針を巡って意見の対立があったのではないかとの憶測が飛び交っ
たが、昨日開かれた記者会見では終止退任発表に似つかわしくない和やかな雰囲気で、両
者ともその憶測を否定している。
エモーショナルなマーケッティング手法で、これまでにペプシ社や傍系のフリートレー社の国
内市場拡大に絶大な成功を収めてきた事でも知られるアピラック氏は、今回の転身について
自身を「マーケッティング畑の人」と強調した上で、GMM社のようなエンターテイメント企業は
それに見合った想像力及び経営能力に優れた人物が適任で、後任のブッサバー女史はまさ
に適切な人選だったと後任社長を持ち上げ、自身に関しては市場に確固たる基盤を作るた
めにブランド戦略に於いて実績のある強力なマーケッティング畑の人物を必要としていたTA
オレンジ社と思惑が一致した上での決断であったと語っている。
一方マーケッティング能力に於いて未知数なブッサバー女史の社長就任に関して不安を指
摘する声もあるが、同女史は社員との信頼関係を生かし組織と人材を有効に活用した経営を
目指していきたいと抱負を語っている。
今回の社長交代発表を受け同社の株価は前営業日終値に対して一時8%近くまで下げた後、
6.34%ダウンの19.20バーツで取引を終えたが、市場関係者は社長交代があったとしても依然
パイブーン会長の権限に変更は無いと見られることから将来の経営に大きな影響を与える物
にはならないとの見方で一致しているが、一方でやり手として半ばカリスマ的に語られること
もあったアピラック氏の退任が投資家に与える「精神的」なインパクトは無視できないとの声も
聞かれた。
「新人歓迎の名を借りた殺人」
タイの大学で先輩の学生が毎年新入生に対して行う新人歓迎と銘打った「しごき」は、これま
で新入生の通過儀礼的なものと捉えられ、多くのマスコミが季節の風物詩的に好感を持って、
また時には面白おかしく報じるのが常だったが、先日ラヨーン県内の海岸で発生した新入生の
溺死事故を契機に女王陛下自らが憂慮を表明されるなど、「しごき」の是非に関する議論が高
まりを見せ始めている。
この事故は、先週21日ラヨーン県の県都内のメー・ラムプゥン海岸で新人教育と銘打って先
輩と一緒に来ていたラーチャパット財団スワンドゥシット校(教員養成機関として知られる大学
校)の新入生6人が折からの高波で遊泳禁止になっていた海に飛び込み、内のヂィットプリィー
ディー・クルゥアクラーイさん(19)が溺死したもので、大学側はこれまでに126人の同行者に書
面による聞き取り調査を行った結果として事故はヂィットプリィーディーさんが過て海に落ち、
他の新入生5人が助ける為に海に飛び込んだ際に発生したもので、海に飛び込むように命じ
た者は誰もいなかったと結論づけていた。
しかし、事故で唯一の子供を失った母親のヂュライさんは、ヂィットプリィーディーさんが出か
ける直前に行かないと先輩との関係がまずくなるとの発言を聞いており、また事故当時助かっ
た他の新入生5人が先輩グループに囲まれ(真相を話さないように)脅迫されているところを目
撃していることから、先輩による「しごき」が息子の死を招いたとして警察に対して厳正な捜査
を要求している。
一方今回の件について女王陛下も心を痛めており、自ら「新聞10誌近くを読んだ」結果として、
今回の件は「事故」ではなく「犯罪(CRIME)」(実際に強調するために英語混じりで書いてあった
という)であったと確信せざるを得ないとした上で、警察に対して厳正な捜査を要求すると同時
に大学側の「学校関係者が新入生歓迎旅行を関知していなかった」という発言は常識ではあ
り得ないことで、この件に関する徹底的調査と結果に基づく厳正な処分を要求する書状をサン
ト国家警察長官に送りつけている。
「男性の重婚防止に妙案?」
タイに於いては法律による罰則が無いなど、伝統的に男性の重婚に対して寛容だと言われて
きたが、ここに来て男性の重婚を防止するため身分証明書に配偶者名を記す等の対策を講じ
るべきであるとの声が学会からあがり始めている。
家族法の権威として知られるタムマサート大学のパイロート助教授は、歴史・文化的にタイと
同様に男性の重婚に対して寛容だった隣国ラオスが結婚した男性に対して外観上未婚の男
性とは異なる身分証明書への切り替えを義務づけ、更に重婚に対して懲役刑を含む罰則を設
ける事により重婚防止に成功している事を例に挙げ、タイ国内でも同様な措置を講ずる必要が
あると訴えている。
このパイロート助教授の提案を受け悩み事相談電話サービスを運営するオーンアノン・イン
ターラウィヂット女史も、男性の重婚に対する罰則が存在しないことは非常に不幸な事であると
語り、全面的な指示を表明した上で悩み事相談センターに女性から寄せられた悩み事の80%が
夫の不貞に関する相談で、その相談件数は一日50件以上にのぼっている事実を明らかにして
いる。
しかし、このように外野で重婚防止論議が盛り上がっても、妻を多く持つことが富・名声の象
徴であるとの考え方が依然支配的な当の官僚達は法制化の為になかなか重い腰を上げよう
とはしてくれないようだ。
「タイ人妻は恐ろしい殺人者だった」
パッポンのゴーゴー・バーで働いていた女性と結婚し老後をタイの田舎で平和に暮らそうと家や
土地まで買ったが、妻には別にタイ人の愛人がおり、更に妻はその愛人と関係を持った女性を
残虐な手段で殺害し、次は自分が殺される番であると悟り、逃げるように日本へ出国した初老
のアメリカ人大学講師が事の次第を綴った電子メールが英字紙ネーション誌に掲載され、外国
人コミュニティーを震撼させるものになっている。
現在群馬県内の大学で講師をしている63歳のアメリカ人男性によると、件のタイ人女性(24)と
結婚後、平和な老後生活を夢見て女性の故郷であるブリラム県の県都内に約10万ドル(約430
万バーツ)を投じて土地や家、更には車まで購入したが、夢見た平和な生活は長続きせず、女
性と意志の疎通が出来ない行き違いの日々を送っていた。
そんなある日、講師の仕事の為に日本へ出かけた際に、妻から友人と喧嘩をし自己防衛の為
に相手を傷つけてしまったので21万バーツを送金して欲しいという電話があり、その時点では
純粋な慰謝料と考えていたが、今やそのお金がそのまま当局の買収や被害者の家族への示
談金として使われていたと気づくに至ったと告白している。
哲学に関する著作もある大学講師によると、その後妻が愛人と関係を持った同じくパッポンで
働いていた23歳の女性に対して嫉妬の余り4時間に渡り殴る蹴るの暴行を加えた上、最後には
煮えたぎった油を全身にかけて殺害してしまった事を知ってしまい、更に妻の親族から次は自分
が殺害のターゲットになっており、殺害後の遺体はカンボジア国境に捨てる計画になっていると
いう事を知るに至り、地元の警察官7人をボディーガードに雇い必要な物をブリラムの自宅から
回収した後、そのまま日本に逃げてきたという。
今回殺害事件に関しては、ネーション誌からの通報で初めて地元警察が捜査開始に乗り出し
たが、これまで目撃証言等から被害者自らが油をかぶってしまったとして事故として処理されて
きた事が判明している。また、被害者の家族との間では10万バーツの示談金で和解が成立して
いたという。しかも和解金10万バーツは当初提示額2万バーツに対して被害者の両親側が油を
かけて死に至らしめた事をネタに増額させた金額だったという。
元々自身について思慮分別があると自己分析していた大学講師は、しかしながら一方でパッ
ポンの女性に嵌ってしまい湯水の如く物を買い与え、しまいにはその女性と結婚し田舎での平
和な暮らしを夢見、また大学講師が講師の仕事で日本に長期滞在している際に女性が妊娠し
てしまっても、タイ人男性の愛人がいると言うことを疑うことなく、「ゲーバーの男性と無分別に関
係を持って、妊娠してしまった」という言葉を信じてしまい、しかも自分が土地家屋の為に投じた
費用を愛人の男性と暮らすための土地家屋や車の取得費用に流用されていたことに気づくこと
がなかった己の浅はかさが、一人の女性の命を奪ってしまいった事の重大性に今頃気づくに至
り苦悶の日々を送っているという。更に大学講師は、せめてもの罪滅ぼしに、今や廃屋状態に
なっているブリラムの自宅を被害女性の名を冠してソーン・メモリアルと名付け、ブリラム地方の
クメール遺跡の研究の為に訪れる学者の為の研究所として提供する意向であると電子メールの
中で綴っていたという。
* 微妙に話は異なりますが、1993年頃にマッサージ・パーラーで働くタイ人女性と結婚の約束を
していた横浜市の30代の医師が、女性から結婚後新居を建てる予定の土地を見に行こうと誘い
出され、そこで女性とその姉と事前に打ち合わせをして待ち伏せしていた女性の夫に殺害され、
現金等が奪われるという痛ましい事件を思い出してしまいました。確か殺された男性と女性は
2年間の交際期間があり、また男性は毎月タイに訪問する位入れ込んでいたようですが、事件
の一年前に女性が殺害実行犯となったタイ人男性と結婚していたことには気づいていなかった
というような記事を読んだ記憶があります。
「セクハラ論議の端緒となるか?」
「ある著名な実力者が取材に訪れた女性記者を口説こうとした」、9月16日付けの高級紙マティ
チョン誌及び傍系のカーウォ・ソット誌に掲載された実力者によるセクハラ疑惑の記事が、その
著名な実力者によるセクハラがあったか否かという議論とは別に女性に対する言葉や行動によ
る性的嫌がらせに対する社会的認知の低さを浮き彫りにするものとして、人権活動家や女性の
権利擁護団体の間で大きな関心を呼んでいる。
マティチョン誌に掲載された記事によると、同誌の若い女性記者が実力者へのインタビューの
ためエメラルド・ホテル28階にあるスイート・ルームに行ったところ、そこで実力者から食事の誘
いがあり、その際に実力者から「妻の若い頃にそっくりだ」といわれ肩に手を回されたり、頭や脚
をなでられたりしながら口説かれたという。その後件の女性記者はトイレに行きたいと申し出、
そこから先輩女性記者に電話をかけて救出を求めたことから事件が明らかになったという。
件の記事において実力者の名前は伏せられていたが、その後国務大臣や工業大臣を経験し
たことがある元民主党幹事長のサナン・カチョンプラサート氏が自ら件の女性記者と会見した事
実を認めた上で、確かに「妻の若い頃にそっくり」だといって西欧的所作で女性の頭をなでたりし
た事は認めたが、これは単に親愛の情を示しただけのもので決して口説くつもりはなかったし、
第一インタビューが行われた部屋には食事の給仕の為のルーム・メイドや関係者が控えており
性的な暴力を行うような環境になかったと語っている。
この件に関し、サナン氏に対する取材を長年経験してきたベテラン女性記者はサナン氏に関し
て幾分西欧的なプレイボーイの所作が目立ち、また時に茶目っ気を見せることがあることから、
所謂「新しい習慣」に対して件の女性記者が過剰反応をしてしまったのであろうとの私見を述べ
た後に、一方で今回の件が物理的に性的暴力を加える意図があったのか否か、告発の背景に
政治的な背景があるのか否かという議論に終止しているマスコミに対し、言葉によっても性的
尊厳は傷つけられる事を充分に認知して欲しいと要求している。
タイ国内では官僚制度改革議論の最中に出されたセクハラに対する対策を講じるべきであ
るとの提案に対しタクシン首相自らが「このような小さな問題」は議論するに値しないと一蹴す
るなど、政官民何れに於いてもセクハラに対する認知が低いと指摘されてきた。
尚、この件に関して当初サナン氏は名誉毀損で告発する意向は無いと語っていたが、その後
サナン氏系議員が中心になりマティチョン社に対する名誉毀損の告発状が提出されるに至って
いる。一方マティチョン社側は、報道は政治的意図の無い真実に基づく物で、今後も本件に関
してカバーを続けるとしている。
* 女性問題で思い出しましたが、大学生を対象に最も理想的な女性に関するアンケートをとっ
たところ、現チャート・パッタナー党下院議員で女性及び子供の権利擁護団体を主催するパ
ウィーナー・ホーンサクン女史がダントツの一位だったそうです。ルークトゥン歌手のアーパポ
ン・ナコンサワンも最近出したカーフェーで働く女性の悲哀を歌った曲の中で「パウィーナーの
様になりたい」と歌ってますね。