50/144MHzSSBトランシーバの製作 もどる
こんなリグを作ってみたい(08/09/15)
具体的にどうするか
トランシーバの仕様(08/09/15)
全体構成(08/11/01)
ブロックダイヤグラムに全体の構成を示します。
◆周波数構成(08/11/01)
サトー電気や池田電子の水晶一覧を見ながら、こんな周波数構成を考えてみました。
◆リグのデザイン(09/06/07)
1970年頃にトリオでTR5200という50MHzのリグがあり、当時はシルバー系のリグが多かった中で、ブラックフェイスのTR5200は精悍な感じがし、記憶に残るリグでした。自作するならあんな感じのデザインにしてみたいと市販のツマミやメータを並べ、1975年に50MHzのPSN式SSB送信機として作ったのが下の画像です。屋根裏に眠っていたものを引っ張り出し、SSBジェネレータ部の試作機用に作りなおしました。サイズは幅200×高100×奥行250mmで、TR5200の幅260mmに比べれば1まわり小さいサイズです。
TR5200 自作したケース
ジェネレータ部
ジェネレータ部の構成(08/10/11)
機能としては、周波数範囲28.130MHz〜28.300MHz、送信出力1mW程度、受信部は中間周波2段のSSBトランシーバです。
◆VXO回路
VXO部(08/10/26)
トランシーバの心臓部とも言える部分で、いかに安定した周波数を作るかがポイントになります。ここではデジタル技術は使わず(使えず?)、アナログ回路とします。またVXOとはいえ周囲温度の変化でQRHするため、全体をシールドケースに入れ、外気温の影響を緩やかに受ける構造にします。
タイトボビンと10Kボビン(08/11/01)
フェライトコアは熱の影響を受けやすいため、空芯コイルを基本とします。第一に考えられるのがタイトです。
VXOの温度補償(08/12/07)
コイルやコンデンサには温度係数と言うものがあります。発振回路に使うコイルとエアーバリコンは”正の温度係数”、すなわち温度が上がればインダクタンス、あるいはキャパシタンスが増える。ということは周波数は下がることになります。それを打ち消すためには”負の温度係数”のコンデンサと組み合わせ、理想としては”ゼロ”にしたいのです。ところがバリコンを回すことで最大容量もあれば最小容量もあり、すべての角度において発振回路の温度特性をゼロにすることは出来ないため、便宜的にはバリコンの中央位置あたりでゼロに近くなればよいでしょう。VFOの場合はバリコンと並列に温度補償コンデンサを接続しますが、VXOの場合は並列接続すると周波数の可変範囲は狭くなってしまうため、直列接続します。温度補償コンデンサで手に入りやすいものは、黒(0ppm/度)、黄色(-230ppm/度)、青(-470ppm/度)、紫(-750ppm/度)があり、ここでは下の画像のような加熱/冷却実験をした結果、エアーバリコン(20PF)に82PF(紫)を直列接続することにしました。ただ前述のようにバリコンの回転角度によって回路全体の温度特性が違うため、あまり厳密な温度補償は考えず10分で100Hz以内であれば良いことにします。
VXOユニット(09/2/7)
VXO回路の発振部とバッファ部のみ基板に組み、ケースに入れました。逓倍部、RIT部、AVR(電圧安定化)部など発熱するものは、できるだけ外に出します。基板を0.8mmのアルミ板で作ったケースにいれ、ボール減速機にタイトカップリングで締結し、大型ツマミでチューニングする構造とします。発振段の2SC1906は発熱を少なくするため、コレクタ電流は0.6mAとしていますが、電源ON後でもほとんどQRHは感じない程度になりました。 なお10Kコイルはコアだけでなくケースも使わないほうがQRHが少ないとの実験結果が出たため、ボビンのみの使用としました。

◆減速機構(09/08/02)
6:1のボールドライブ減速機は国内では入手困難になりました。ジャンク屋で新古品を見つけたとか、海外(イギリス?)から入手している人もいると聞いたことがあります。どうしても手に入らなければ、バーニヤダイヤルを加工するという手段もあるでしょうが、この部分は自作派泣かせですね。バリコンとの接続は自在カップリング(タイトカップリング)を使い、芯ずれを吸収することがスムースな同調のポイントです。

◆スタンバイ回路の違いによるクリックノイズの発生(09/1/1)
当初はリレー方式でスタンバイ回路を構成しましたが、クリックノイズ抑圧回路を入れても、受信から送信に移るとき、「ガリッ」というクリックノイズが発生しました。そこでコンプリメンタリトランジスタによる方式に換えてみると、尖った音が丸い感じの音に変わり、耳障りは改善されました。おそらく半導体を使うことで動作時間が短くなり、わずかなタイミングの関係で抑圧回路が有効に働いたのでしょう。
◆低周波発振器(09/6/21)
送信部の調整用として低周波発振器(1000Hz)を内蔵しています。調整時はスイッチを切り替え、マイクゲイン用のボリュームをほどよい位置に回し、出力メータの振れを見ながら各コイルのコアを調整します。
◆クリスタルフィルタ(09/6/21)
13MHzのHC49U型水晶を6個使ったラダー型クリスタルフィルタの特性を下に示します。帯域は−6dB位置で3kHzほどでしょうか。キャリヤポイントは上側の肩部分で13.0003MHzあたりに設定しています。

◆S/RFメータ(09/8/1)
30年以上前に入手した日置のSメータ(100μA)があり、それを使っています。ただし感度がよすぎるので470Ωの抵抗を直列につなぎましたが、250μA程度のメータであれば、この抵抗を省くことが出来ます。受信部・送信部共2SC1815による1石アンプで増幅し、1N60による倍電圧検波を行ってメータに加えました。メータと並列に接続した1N60は、強力な信号が入感した時の振れすぎ防止に使っています。
◆−1dB出力アッテネータ(09/8/1)
送信部の出力部に4.7Ωと820Ωを使った−1dBのアッテネータを入れました。当初、変調のピークで少し発振気味になったため、これを追加し動作は安定しました。本来は無くてもいいものですが、動作安定化のため、こんなやり方もあります。
トランスバータ部
トランスバータ部は50MHz及び144MHzの2つのブロックに分け、4回路2接点のトグルスイッチで @送信部電源 A受信部電源 B送信部入力 C受信部出力 を切り替えます。
ケースの製作(09/06/06)
ケースはアルミ板で自作します。SSBジェネレータ部の横に置けるよう、幅60×高さ120×奥行き250mmという縦長の測定器のような形です。回路全体は4枚の平ラグ板で組み、144MHzの終段部のみプリント基板とし、リグ背面に凹みを作ってそこに納め、シールド効果を狙います。正面パネルの下部に電源スイッチとバンド切り替えスイッチ、上部には出力用のメータを取り付けました。また背部にはジェネレータ部との接続用に高周波関係はBNCコネクタ、電源系とAGCは5ピンのDINコネクタを使うことにしました。
50MHz部 144MHz部
出力メータの目盛り作り(09/08/01)
デジットで買った250μAのVUメータを出力計として使っています。トランスバータの出力部にパワー計を接続し、送信部のマイク端子に低周波信号を加え、マイクゲインを調整してRF出力を増やし、その時の値とメータの振れ位置を記録します。目盛りはCADで描き、フォトペーパーにインクジェットプリンタで印刷しました。ハサミで切り抜き、両面テープでメータに貼りつけました。
◆50MHz帯
共通部(08/12/29)
22MHzの水晶発振回路で、送信部と受信部へ信号を送ります。
送信部(08/10/12)
TA7358Pによる周波数変換部の後、2SK241+2SC2053+2SC1971の3段ストレート増幅の構成で、送信出力は2Wになりました。TVIに関しては、テレビアンテナの2〜3m下に50MHzのダイポールを設置していますが、2chでは画面の色が若干薄くなるかなと言う程度なので、他家には影響が無いだろう楽観視しています。hi
受信部(09/01/18)
高周波増幅は3SK51、混合は2SK241です。3SK51は秋月にて@80で買ったものがいくつかあったので使いました。VHFのRF、MIX用ですが、手に入らない場合は、3SK73でも良いでしょう。50MHzの場合は少し発振気味になったので、ソース抵抗は2.2Kと大きめになっています。
◆144MHz帯
共通部(09/01/18)
38.666MHzの水晶を使って発振し、3逓倍して116MHzを作ります。
受信部(09/06/22)
3SK51は200MHzで20dB、3SK60は24dBのため、144MHzの高周波増幅部は3SK60とし、混合は2SK241よりもゲインのある2SK439を使いました。
受信時のイメージ信号(08/10/26)
当初、第1中間周波数は30MHzとしていましたが、144.250付近で8chテレビの音声が入るため、周波数関係を調べると
114MHz(局発周波数)×2−30.25MHz(第一中間周波数)=197.75MHz(8ch音声信号) であることが判りました。
局発の出力段は複同調にしているものの、テレビの信号が強いせいか取りきることが出来ないため、中間周波数を28MHzに変更しました。
送信部(08/10/12)
周波数変換後に4段のストレート増幅(2SK439+2SC1906+2SC2538+2SC1971)をラグ板に組んだところ、見事に発振してしまいました。色々と手をつくしても異常動作は止まらないため、終段部のみ別基板とします。構成はTA7358P(周波数変換)+2SK241(増幅)+2SC1906(増幅)+2SC2053(励振増幅)としこれで出力は300mWほど出ます。トランシーバというものは、出力が数100mW程度であれば1枚の基板に組んでも失敗は少ないですが、数Wになると何かと不要な結合が始まり、異常動作の原因になります。不要な結合を防ぐシールド等の処置を適切に施せば、1枚の基板上に回路を組むことは可能でしょう。しかし今回は部品数は多少増えますが、失敗の少ない別ユニットにしようと思います。
終段部はプリント基板で(09/07/11)
144MHz終段部をプリント基板化し、ケース背面の凹ました部分に取り付けます。周波数変換後ストレート4段増幅するので発振に気を使いますが、独立した終段部は前段から切り離し、シールドケースの中に入れるため、安定した動作で出力2Wを得ました。また終段は2SC1971のためフィンを直接ケースに取り付けることができ、放熱の点で有利です。
← 2SC1971は直接ケースに取り付けて放熱します
運用実績
当局運用地 : 兵庫県伊丹市(自宅)
50MHz : アンテナは地上高8mのダイポールです
日付 |
相手局 |
MY |
HIS |
相手局運用地 |
距離km |
2009/8/1 |
JE8CRA |
52 |
58 |
北海道札幌市 |
1053 |
144MHz : アンテナは地上高8mの1/4λGPです
日付 |
相手局 |
MY |
HIS |
相手局運用地 |
距離km |
2009/7/11 |
JG4WIT/4 |
59 |
59 |
山口県大島郡 |
304 |
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