144MHz SSB ハンディトランシーバの製作 PART2
ラダー型水晶フィルタの帯域測定回路(99/12/26)
図1
フィルタの帯域測定は図1の回路で行いました。VXOの周波数をトリマで可変し、周波数とフィルタ通過前と後の電圧をスイッチで切換えながら
測定します。微少電圧ではダイオードの非直線性が問題になりますが、帯域測定が目的なのでここでは無視していますので、Y軸の値
(特に下の方)は信用しないで下さい。また図1の様な測定方法が正しいのかどうかも判りません。こうやったらこういう結果が出たという
程度にお考え下さい。
データはエクセルで処理しました。X軸は周波数(5は11.995MHz,10は12MHzを示します)、Y軸はフィルタの損失です。デシベルの
計算は20log(Eout/Ein)で、その結果を図2に示します。6dBで帯域2.4kHzというのが物の本に書いてありますから、まあこんなもんでし
ょうか。パソコンを横に置いて計測しながらグラフ表示していると、この辺のデータが少ないなというのがすぐ分かりますから、追加が出来て
便利です。グラフは散布図を利用し、このページに貼り付けました。

図2 図3
今回の実験ではフィルタの入出力電圧を比較して図2のデシベル表示しましたが、この実験をやる前までの測定は図3のように、単にフィルタ
の出力電圧を測定していました。帯域測定では特に問題は無いのですが、周波数を可変するとフィルタのインピーダンスが変化するのか、
VXOの出力が吸い込まれて電圧降下してしまう現象があったため、グラフ表示してもデコボコになっています。今回は測定方法を変更した
結果、滑らかな曲線になったと思います。なお水晶のケースはアースしています。
さてミズホのフィルタから自作ラダーフィルタに交換し、VXOの水晶も市販の14.7456MHzに替え、コイル類の調整をしまして所定の出力
を得ることができました。後は運用しながら様子を見ることにします。5.4Kのコストダウンとなり、これは大きいですね。トランシーバ1台が
約10Kで出来る事になります。VXO水晶も特注する必要がなくなって気が楽になりました。
送信部バラモジの変更検討(00/1/9)
ここには余り書いていませんが、影でプリントパターンを考えてます。トランスバータ部とSSBジェネレータ部を別々の基板にしよう思ってい
ますが、トランスバータ部の配置で苦労しています。1号機に比べるとフィルタ類を多く使う事になり、狭い基板では部品の収納が結構難しく
なりました。余り密集度は上げないでおこうとの当初のコンセプトですが、さりとてどこまで小さく出来るのかと別の自分の声も聞こえているわ
けで、となると回路の簡素化ということになります。
送信部のバラモジは以前からSN16913Pをよく利用していました。しかし144MHzでは利得が少なく、それを2SK439のバランスドミクサに
換えことで送信出力は約2倍になりました。しかしスプリアスを押さえるため出力側に3段の複同調回路が必要となり、入力側と合わせて4個
の7K型コイルを使っています。
私はディスクリート派のため正直言ってICの知識が非常に乏しく、SN16913PとLM386は良く使うもののそれ以外の物は型番さえ余り
知りません。先日久しぶりにFCZ誌のバックナンバーを読むと、もう10年も前の記事にシグネティクス社のNE612を紹介する頁がありまし
た。500MHzまで使えるというのに引かれて食指が動いています。回路の簡素化と省電力化を期待できますので、あとはどれくらい利得
をとれるのかを実験で確かめる事になるでしょう。幸い手元に2個ありますので、これで検討していこうと思います。
送信部バラモジをNE612で(00/1/10)

実験回路1はシングル出力としたものです。低インピーダンスで受けているため出力は低くメリットはありません。実験回路2は4、5ピンに
同調回路を直接つなぎました。NE612のデータシートに載っている回路ですが、出力も増え9V時で送信出力は0.7W(K439*2でMAX
0.6W)です。ただし133MHzの通り抜けが数mWほどあります。実験回路がバランスの悪い配置になっていますので、今日はバランス良く
組み直してみようと思います。複同調も出来たら止めたいのですが。。。 またVXOからの入力は6ピンに入れていますが、これをバランス
入力片側の2ピンにすると送信出力計は振れっぱなしでした。配線の引き回しなどの影響が出ているかも知れません。
通り抜けとれず(00/1/11)
NE612の配線が短くなるようにやりかえましたが、同じようにアンテナ端子に133MHzの出力が数mWほど出てきます。NE612のバランス
が悪いのかと、1ピンに固定抵抗、2ピンに半固定抵抗をアースし、バランスをとろうとしましたが、取り付ける前の状態と同じでした。データ
シートを見るのですが、キャリヤサプレッションの項目がないのはなぜかなと思っています。出力側に多段の同調回路を入れるのならk439*2
のBMから変えた意味がないし、というわけで良い結果は出ませんでした。
送信部の調整(00/1/14)
送信機の調整にはモニターのできる受信機が必要でして、私の場合はミズホのピコ2を使っています。目で確認できるものと言えば30年前
にキットで作ったトリオの1MHzオシロが1台でして、出力を直読というわけにはいかず、どうも寂しい限りですね hi。 送信部の調整には
マイクへオーディオ発振機からのサイン波を入れて、その音をモニターしながら変調は綺麗にかかっているか、歪みはないかと聞き耳をたて
て調整します。回り込みなどによる明らかな異常音は判別できますが、すこし歪みっぽいかなと言う場合には迷うことがあります。
ところで私はテレビよりもラジオ派でして、家にいる時はしょっちゅうラジオを聞いています。送信機を調整する時もよく聞いているわけですが、
先程のような歪みのある電波になった時、ラジオに雑音が入ることを発見しました。このトランシーバでは最大出力付近になるとFM放送に
雑音が入りました。モニタすると少し歪みっぽい感じかな? というレベルですが、多分スペアナで見れば目的外周波数成分が沢山出ている
のかもしれません。測定器が無い分は身の回りの道具を活用しましょう。そう言えば液晶のテレビを送信機に近づけて、画面の乱れを見ると
いう人もいましたっけ。
終段の石を換える(00/1/15)
このトランシーバでは終段に2SC2851を使っています。fT2000MHz、175MHzで入力30mW・出力0.9Wというのが規格表に書いて
あります。前述のように出力の最大部分で動作が少し不安定になったので、エミッタに4.7Ω+0.01uを入れたり、RFCを巻き直したりし
ても顕著な改善は得られません。電圧を上げたり下げたりしても最大出力付近での不安定現象は変わらず。それで終段を2SC2053にした
ところ異常動作が収まりました。出力は0.5Wで少し出し過ぎかなと思っています。 C2851の使い方が悪いのだと思いますが、石を換えた
だけというのではどうも追求が甘いな。。。 バイアス用のRを1kΩに変更。
トランシーバを作る時、終段の石選びは中々楽しい(苦労?)ものです。まずメーカー機や製作記事などから実績のありそうな物を選びますが
しばらくするとそこらで出てくるような石ではなく、もっと性能が良くて、値段が手頃で、手に入りやすくて、あまり見かけないようなものは無いか
なと物色するようになりました。QRP機の終段としては2SC2053が有名で、これはミズホのピコ2に使われていますし、製作記事でも良く見掛
ける石です。割と丈夫で、発熱が少なく、VHFでも使いやすい石と思っていますが、有名なのでもう少し違ったものは無いかと探すようになりまし
た。サトー電気の価格表とトランジスタ規格表を照合しながら見つけ出すわけです。それで使ってみたのが2SC2851ですが、予定していた
パワーは出るものの動作が今一つ不安定な感じで、この辺はなかなかカタログからは読み取りにくい部分です。これ以外で私の自作機に良
く使う石としては、HF〜144まで使っている2SC1971ですが、これも製作記事では良く見掛けます。石選びというのは1つ製作記事から次の
製作記事へと結構伝播するのかも知れません。
プリントパターンと外観デザインを考える(00/1/16)
パターン作成はPCBEというフリーウエアを使う予定でしたが、どうも慣れないので、ここでは使い慣れた某社のCADでパターンを書いています。65*80の基板サイズで、トランスバータ部から少しづつ進め、最終的にアースは塗りつぶしになりますが、ここでは線で示しています。まだまだ変更点もあると思いますが、桜の花が咲く頃には出来上がるのではないでしょうか。
送信部の調整(00/1/17)
この実験機とは別にもう1台同じ回路の実験機があるのですが、バリエーションとして電源を12Vにし、終段を2SC1970にした1W機の実験も行いました。これも実験当初は動作が不安定でしたが、ドライブを2SC1906から2053に換えることで少し安定になりました。しかしマイクにオーディオ発振機からのサイン波を入れ、その音をすこしづつ大きくして行くと、1W出力に近くなったところでモニタ音の周波数が少し変化する現象がありました。これについてはVXO、バッファ、トリプラの電源部に1.2uHと103のデカップリング回路を入れることで収めることができました。送信出力がVXO部に回り込み、その発振周波数を変化させたと解釈しました。
送信部の各同調回路を調整し正常動作を確認した後、試しに先程のデカップリング回路をはずすと、なんと回り込みも無く正常に動作しているのです。しかしこういった事は時々経験します。悪い要素が除外され正常なポイントが見つけやすくなったのではないかと思います。ただし時間が経ち同調点が少しずれたりすると、やはり元の不安定動作に戻る事になるわけです。このようなことから前の実験ではC2851を降板させてC2053に代えましたが、回り込み対策をとれば不安定動作は改善できるかもしれません。しかし300mW出力ならC2053の方が適任とも言えますが。
終段を2SC2407にしてみる(00/1/23)
落書き帳のコーナーでJR8DAG菅野さんから、2SC2407を使ってはどうかとのコメントをいただきました。430のクリコン(トランスバータだったかな?)を作ろうと、以前計画しながらも立ち消えになっていたのですが、石はサトー電気から購入したのが手元にあったため早速実験しました。バイアスは7.2Vで5mA、9Vで7.5mA。送信出力は7.2Vで350mW、9Vで600mW。小さな石なので600mWは出し過ぎの感があります。モニタするとパワーのピークではサチュレーションらしき変調音の変化がありますが、それ以下は乱れもなく素直に伸びていました。通常使う領域は出力で数10mW〜200mW位ですから問題はないと判断しました。菅野さんアドバイスをありがとうございます。 ちなみに足は左からBECのため注意して下さい(実験の前にカタログで確認しておいて良かったです hi)