コイルのタップダウン

はじめに(07/12/22)
 トランシーバの送信部のように、同じ周波数の信号を数段にわたって増幅する場合、発振やら回り込みやら不安定な動作をすることがあります。安定化する1つの手段として、コレクタ負荷のコイルをタップダウンする手があるものの、出力が落ちてしまうこもあり、調べてみることにしました。

 実験模様


文献を調べる(07/12/22)
「ビギナーのためのトランシーバ製作入門 千葉秀明著 CQ出版社」のP59に、FCZコイルのセンタタップから電源を供給すると

  1. 増幅回路の動作が安定する。
  2. 同調回路のQが高くなり、シャープな特性が得られる。
  3. スプリアス除去に効果が大きい。

と書かれています。

確かに、パワートランジスタを使った終段の前段にあるドライブ段では、同調がブロードになります。また、通常50MHzでは15Pで同調するコイルでも、22〜30P程度にしないと同調できないことを経験します。これは終段TRの入力インピーダンスが、かなり低いのが影響しているように思えます。


実際のトランシーバでは(07/12/22)
モノバンドトランシーバの50MHz版では、プリント基板化した送信部において動作が不安定になりました。そのためランドを切って、電源供給をコイルのコールドエンド部からセンタタップ部に変更し、安定化を図ることが出来ました。


回路を組んで出力を調べてみる(07/12/22)
2SC1906を使ったQRPトランシーバのドライブ段という設定で回路を組みました。これは出力を測定するQRPパワー計を100mWレンジにした時、50mWあたりが丁度測定しやすいためです。3種類のコイルを差し替えながら出力を測定すると

  1. @、Aに対するC、Dは同じ傾向が見られ、出力は少し上がるが消費電力はそれ以上に増えています。
  2. 1次と2次のコイルを重ね巻きしたBとEは、消費電流は増えるものの出力は下がっています。

2については結合が深いため負荷の影響を受けているのかも知れませんが、よくわかりません。

回路3の追加(07/12/30)
タップダウンというと回路2よりは回路3の方のイメージが強いです。また回路の方が効率は悪いような印象を持っていましたが、結果は回路2と同じでした。

上の実験から、動作の安定化と出力確保のためには、C、D、F、Gが良いように思います。