トラブルの原因と対策

はじめに(07/01/21)
リグの製作にトラブルはつきもので、試作から始める場合はうまく行かない場合が殆どです。でもあきらめないでください。トラブルには必ず原因があります。その原因を見つけ出し、対策を打てば解決します。そしてトラブルには定番の原因があるため、このページで対策とあわせて紹介しましょう。問題を解決すればあなたの技術レベルは1歩前進したことになるのです。


原因を解きほぐす(07/01/21)
トランシーバでは送信部にしても受信部にしても、増幅回路を直列につないで信号を大きくしていくもので、同じ周波数の信号を多段増幅すれば不安定になって異常動作しやすくなります。大きく増幅された信号が電源回路や配線の一部に乗っかり、前段にもどって発振してしまうことがあります。どこか1つの部分に原因があるわけでなく、回路全体の問題として考えることが必要です。

送信部のチェックは初段の回路から(07/01/21)
送信部であればマイクアンプ部からチェックをはじめます。マイクアンプ部だけに電源をつなぎ、出力部にクリスタルイヤホンなどをつなぎ、きれいに音が聞こえるかを確認します。そして手持ちの受信機で平衡変調部、周波数変換部へとモニタしながら、音声がきれいに増幅されているかを確認していきます。

受信部のチェックは最終段から(07/01/28)
受信部の場合は最終段(スピーカを鳴らす低周波増幅部)から、1つずつ前段に戻ります。まずスピーカからちゃんと音が出るかを確かめ、検波部、中間周波増幅部、混合部、高周波増幅へと遡るわけです。


増幅部の対策(07/11/18)
下の回路はFETによる一般的な増幅回路です。

  1. 対策回路1ではFETの入力および出力部のコイル部にQダンプ用の抵抗(R1、R2)を追加しています。抵抗の値は4.7Kに限ったものではありません。1K〜10Kほどの間で換えてみることも必要でしょう。また、これを追加することによって増幅度も落ちることになります。一般的にはR1またはR2の片方だけで動作が安定することが多く、2つ追加する必要はないでしょう。
  2. 対策回路2では、ドレイン負荷コイルの電源供給をセンタタップ゚から行なっています。おそらく回路のインピーダンスを下げる効果があるのだと思います。
  3. 対策回路3では、デカップリング用として100Ωの抵抗を入れ、電源回路からの回り込みを防いでいます。
  4. ソース抵抗のR2/100Ωを470Ωなどに変更することで、増幅度を下げて動作を安定させることができます。

どの対策を打つかは、その時その時で考えてください。

終段回路(07/11/18)
2SC1970とか2SC1971などVHF用の石をHF帯で使うとき、ゲインがありすぎて異常発振をすることがあります。こんなときの対策としては

  1. HF用の石に変更する。
  2. 対策回路1としては、ベースのリード線部分にフェライトビーズ(FB101)を入れることで安定化を図っています。
  3. 対策回路2としては、フェライトビーズの代わりに10Ω程度の抵抗を入れました。

 

デカップリング回路(07/01/26)
増幅された信号が電源回路に乗っかって、前段にもどり発振する場合があります。いわゆる「高周波の回り込み」ですね。その対策としては「デカップリング」回路を使うことです。下の回路では、10μHと0.01μFで組んだπ型の部分を言います。50MHzにおいて

  1. 10μHの誘導リアクタンスは XL=ωL=2πfL=2×3.14×50×10=3140Ω
  2. 0.01μFの容量リアクタンスは Xc=1/ωC=1/2πfC=1/2×3.14×50×0.01=0.314Ω
  3. この回路は 20LOG(3140/0.314)=80dB の減衰効果があると期待できます。

シールド線の使用(07/01/28)
特に終段増幅部付近の配線は高周波が乗っかる可能性があります。以前、144MHzのトランシーバを作っていたとき、送信出力をダイオードで検出しその電圧をメータまで配線する部分にビニール線を使ったのですが、これに高周波が乗っかって前段にもどり発振したことがありました。このときはシールド線に代えることで一件落着となりました。

<以下続く>