[ヘボン式ローマ字表(拡張案)] [各種ローマ字表の比較] 【ふりがな】 ■あり □なし

ヘボン式ローマ字表(拡張案)

2012年6月12日 著作者 佐藤正彦

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ヘボン式ローマ字表(拡張案)

大幅改訂に至った経緯は「ローマ字と声門閉鎖音」を参照。

この文書は、事実上 標準となっているヘボン式の拡張案である。 ヘボン式はパスポートで使用され、駅名、地名などの固有名詞で広く使われている。 これらの実績から見て、日本式をもとにした訓令式や新日本式などの他の方式を拡張するのは現実的でない。 上記で提案したヘボン式拡張原案を基に、翻字機能を追加した表を提案する。

  1. アポストロフィ「'」やサーカムフレックス「ô」などの記号がコンピュータやパスポートで扱いづらく、 混乱のもとになる。 記号を使わずに、アルファベットだけで、すべての仮名表記を網羅するのが望ましい。
  2. 外来語用特殊音の表記に一貫した規則がない。
  3. 厳密な翻字用の規則がない。

翻字用記号

次の表は翻字用に追加された記号である。わずかに三個である。

後置記号
小書き化_ a_ (ァ)、i_ (ィ)、u_ (ゥ)、e_ (ェ)、o_ (ォ)、
ya_ (ャ)、yu_ (ュ)、yo_ (ョ)、wa_ (ヮ)
濁音化 ¨ wa¨ (ヷ)、wi¨ (ヸ)、we¨ (ヹ)、wo¨ (ヺ)
半濁音化° ka° (カ゚)、ki° (キ゚)、ku° (ク゚)、ke° (ケ゚)、ko° (コ゚)

「ヂ、ヅ」の翻字

「ヂ、ヅ」は音声では「ジ、ズ」と衝突し、日本式ローマ字のつづりでは「ディ、ドゥ」と衝突する。 それらを解決するために以下のように使い分ける。

ji (ジ) ja (ジャ) ju (ジュ) jo (ジョ) zu (ズ)
dji (ヂ) dja (ヂャ)dju (ヂュ)djo (ジョ)dzu (ヅ)
di (ディ) dyu (デュ) du (ドゥ)

助詞「は、へ、を」の翻字

助詞「は、へ、を」は、ぞれぞれ「wa、e、o」と発音されるが、そのままのローマ字表記では、「わ、え、お」と区別が付かない。 場当たり的に特殊記号を付加する方法もあるが、これらは歴史的仮名遣いから現代仮名遣いに変更したときの名残であり、 歴史的仮名遣いを表音的に表記するための仕組みとして、 ハ行転呼音、ワ行音、合拗音を全て包括的に処理するべきである。以下の規則に沿って、アポストロフィを段階的に付加する。 結果として、「は、へ、を」は、それぞれ「'wa、''e、'o」と表記する。

クヮグヮ
翻字 ha hi hu he ho wiwewokwa gwa
h → 'w'wa'wi'wu'we'wo
w → ' ''i''u''e''o'i'e'ok'a g'a

さらに、必要であれば、ウムラウト等を使い、次のように長音を区別することもできる。

長音 規則 例1 例2 例3 例4
アウ → オーau → öu köu (カウ)
k'öu (クヮウ)
kyöu (キャウ) jöu (ジャウ) djöu (ヂャウ)
アフ → オーahu → ö'wu kö'wu (カフ)
イウ → ユーiu → yüu kyüu (キウ) jüu (ジウ) djüu (ヂウ)
イフ → ユーihu → yü'wu kyü'wu (キフ) jü'wu (ジフ) djü'wu (ヂフ)
ウウ → ウーuu → uu kuu (クウ) kyuu (キュウ) juu (ジュウ) djuu (ヂュウ)
エウ → ヨーeu → yøu kyøu (ケウ) jøu (ゼウ) djøu (デウ)
エフ → ヨーehu → yø'wu kyø'wu (ケフ)jø'wu (ゼフ)djø'wu (デフ)
オウ → オーou → ou kou (コウ) kyou (キョウ) jou (ジョウ) dyou (ヂョウ)
オフ → オーohu → o'wu ko'wu (コフ)

さらに、学術的な用途にまで踏み込むと、鼻音に関する表記に「ñ」または「ŋ」を使用できる。

a i u e o
ñ-ña (カ゚) ñi (キ゚)ñu (ク゚) ñe (ケ゚) ño (コ゚)
añ (アウ) uñ (ウウ)eñ (エイ)oñ (オウ)

高低アクセントには、acute (á, í, ú, é, ó) と grave (à, ì, ù, è, ò) を使う。

特殊仮名、撥音「n (ン)」、促音「q (ッ)」、長音「h (ー)」の説明

撥音「n (ン)」の使用例
つづり方条件
「n'」とつづる「a,i,u,e,o,y」の前 ・ 原因(ゲンイン) → gen'in (genqin)
・ 禁欲(キンヨク) → kin'yoku (kinqyoku)
「n」とつづる上記以外 ・ 仙台(センダイ) → Sendai
・ 案(アン) → an
「m」とつづってよい「b,p,m」の前 ・ 今晩(コンバン) → komban (konban)
・ 審判(シンパン) → shimpan (shinbun)
・ 群馬(グンマ) → Gumma (Gunma)

促音「q (ッ)」の使用例
つづり方条件
「q'」とつづる「a,i,u,e,o,y,w」の前 ・ アッオ! → Aq'o! (Aqqo!)
・ 痒い!(カッユイ!) → Kaq'yui! (Kaqqyui!)
「q」とつづる上記以外 ・ バッハ → Baqha
・ 甘え!(アッメエ!) → Aqmee!
・ 分かっねえ!(ワカッネエ!) → Wakaqnee!
・ あっ!(アッ!) → Aq!
・ 知りませんっ!(シリマセンッ!) → Shirimasenq!
後続の子音字を
重ねてよい
「k,s,t,p」の前 ・ 発揮(ハッキ) → hakki (haqki)
・ 発足(ホッソク) → hossoku (hoqsoku)
・ 発射(ハッシャ) → hassha (haqsha)
・ 発端(ホッタン) → hottan (hoqtan)
・ ごっつい → gottsui (goqtsui)
・ 発奮(ハップン) → happun (haqpun)
「t」とつづってよい「ch」の前 ・ 一致(イッチ) → itchi (iqchi)

長音「h (ー)」の使用例
つづり方条件
仮名のつづりに従う和語、漢語 ・ 母さん(カアサン) → kaasan
・ 兄さん(ニイサン) → niisan
・ 九州(キュウシュウ) → Kyuushuu
・ 京成(ケイセイ) → Keisei
・ 姉さん(ネエサン) → neesan
・ 父さん(トウサン) → tousan
・ 大泉(オオイズミ) → Ooizumi
「h'」とつづる「a,i,u,e,o,y,w」の前 ・ ダーウィン → Dah'win (Dahqwin)
[h]とつづる上記以外 ・ バー → bah
・ パーク → pahku
・ あーっ!(アーッ!) → Ahq!

混同しやすいつづり

分かち書きの簡単な説明

分かち書きの実践例

歴史的仮名遣いの表音的翻字

分かち書きの規則は以下の通りである。

参考資料

参考文献

各種ローマ字表の比較