| 分蜂(ミツバチの群が増える方法) |
■ 分蜂とは多くの生き物では子供がたくさんできそれらが生き残ることがその生き物が増えることにつながります。ところが社会性昆虫という名前で呼ばれるミツバチでは、群れのミツバチの数が増えることも大切ですが、それだけではミツバチが増えたことにならないのです。同時に群れの数、ミツバチの巣の数が増えないとミツバチが増えたことになりません。
この群れの数を増やす方法が「分蜂」(「分封」と書いたこともあります)です。分蜂はミツバチのような社会性昆虫の種族保存の大切な現象なのです。■ 分蜂の時期
ニホンミツバチの分蜂の時期は5月、6月であるといわれてきました。しかし、私が調査している市街地では4月上旬から8月下旬まで分蜂がみられ、しかも一つの巣で春と初夏にそれぞれ複数回の分蜂がみられることがわかりました。
春、1番目の分蜂では母の女王と働きバチが巣を離れます(第1分蜂)。この時の分蜂群の大きさは巣の大きさにも関係しますが、1万匹から6千匹のハチから形成されています。
第1分蜂があった数日後、第2分蜂があります。この時は姉の女王が巣を離れ、妹の女王が巣に残るといわれています。この第2分蜂時のハチの数は第1分蜂群より少ないのが普通です。第3分蜂が起こることもあります。
第1分蜂群 第2分蜂群 一つの巣には多くの王台(今まで観察した最大は14個)が作られます。王台の数だけ分蜂が起らないのは、誕生する女王の数を調節するしくみがあるからです。
市街地では6月から7月に春の分蜂と同じようにまた分蜂します。この時期の分蜂を孫分蜂といい養蜂家は嫌います。イギリスのことわざに「5月の分蜂の値打ちは荷車に1台分の干し草、7月の分蜂はハチ1匹の値打ちもない」というものがあるそうです。分蜂してもその群れは冬を乗り切れないことと、分蜂の準備をしている期間ハチがミツを集めないからです。ニホンミツバチの場合、この時期に分蜂した群れも立派に巣を作っている例を観察していますので、まったく無意味な分蜂でないことは確かです。
分蜂とは女王バチに主導権があるように思われがちですが、実際は女王バチは働きバチが巣を離れたあとで、彼らに押し出されるように巣を出ます。巣を出たハチが飛び回り、近くの木の太い枝に分蜂蜂球を作り静かになるまでの時間が30分だとすると、女王が巣から出るのはハチが飛びだしてから25分ごろです。
巣箱から出ようとする女王バチ