| 夏の分蜂 |
ニホンミツバチの分蜂は、松浦(1969)によると4月下旬から5月上旬、岡田(1990)によると3月末から5月頃、佐々木(1999)によると4月から6月とされています。
私が調査を継続している大阪府東北部では、飼育している巣でも自然巣でも7月に入っても分蜂が見られます。この時期の分蜂は、春に分蜂がみられた巣でもみられるので、夏の分蜂と名付けました。ニホンミツバチは、春の分蜂と夏の分蜂の年に二回の分蜂期を持っています。2001年は、7月1日、17日、20日に飼育している巣(守口市)から、7月27日には自然巣からの夏の分蜂が見られました。特に、17日と20日は同じ巣からの分蜂でした。
夏の分蜂は、いくつかの点で4月〜5月の春の分蜂と様子が異なります。まず第一に、分蜂蜂球を形成するハチの数が異様に多いことです。春の分蜂では、元の巣に残るハチと分蜂によって巣を離れるハチがほぼ同数であるとされています。夏の分蜂では、巣を離れるハチの数が残るハチよりも多いのかもしれません。分蜂では残るハチと出るハチがどのような仕組みで決められているか大きな謎として残っています。夏の分蜂はこの謎を解く示唆をあたえるかもしれないと思っています。
二つ目は、気温が高いせいか分蜂誘導板に集結した群れがいつまでたってもコンパクトに固まらないことです。春の分蜂では、蜂球上のハチはいったんコンパクトに固まり、多くの場合次の日、新しく巣を作る場所へと飛び立ちます。コンパクトに固まった群れを捕獲し、木箱等に収容するとそこに新しい巣を作るのです。
夏の分蜂群は、群れを捕獲し木箱等に収容しても次の日には逃げ出してしまう事が多く、分蜂時の興奮状態がいつまでも続いているように見えます。ハチの体温を測る等によって春の分蜂時と夏の分蜂時のハチの生理的な状態を比較しようと思っています。
巨大な分蜂群
丸木をくりぬいた巣より分蜂
(2001.7.1)分蜂直後の巣内
入口の開いた王台が5、閉じた王台が1存在
(2001.7.1)