| ニホンミツバチの観察・飼育、新しい試みとその成果 |
■ 分蜂群誘導板の使用伝統的なニホンミツバチの養蜂が行なわれている和歌山県では、分蜂群を捕獲する目的で分蜂群誘導器がいろいろ考案されています。それらは巣から出たハチ群が集結する木の太い枝の特徴を考え模倣したものです。ハチ群が集結するのは、表面がざらざらで少し傾斜のある太い枝です。そこで板で山型を作り、裏に杉皮やさくらの木の皮を張り、分蜂が近い巣箱の近くの木に吊り下げます。分蜂したハチ群はその分蜂群誘導器に集結し捕獲されます。
私が考案した分蜂群誘導板は上高地の佐藤一二三氏のアイデアをアレンジしたものです。少し厚いベニヤ板(厚さ5o、40×40p)を用意し、ステンレス製の金網(網戸用)をベニヤ板の表面に短い釘で打ち付けます。金網の表面に蜜蝋を砕きふりかけ、バ−ナ−で蜜蝋を溶かし表面に一様に付くようにします。金網を張った面を裏にし50pの長さの角材の柄を付け、巣箱の近く前が開けた木の枝に少し傾斜させて取り付けます。
集結直後の分蜂群
2000.4.23 pm2:13コンパクトに集結した分蜂群
2000.4.23 pm7:15この分蜂群誘導板を使用することで、8割以上の分蜂群の捕獲ができました。さらに逃亡群の捕獲にも有効です。キンリョウヘンとあわせて利用することで、いっそう効果が上げられると考えています。住宅地でのニホンミツバチの飼育には欠かせないものだと思われるので試みられることをおすすめします。
■ ガラス製観察巣箱
ニホンミツバチは逃亡しやすいため、セイヨウミツバチ用の観察巣箱(2枚の巣板を1枚ずつ縦に配置)は利用できません。そこでハチ群の安定をはかるため伊丹市昆虫館のU氏は上下に3枚、計6枚の巣板が入るステンレスの観察巣箱を考案されました。同館ではこの観察巣箱を屋外に設置し一年中二枚のガラス越しにニホンミツバチの群れが観察できます。
U氏のアドバイスを受け、K氏は木製のニホンミツバチ用観察巣箱を作成しました。製作費5万円弱。2000年3月に3個完成しました。私はこれに捕獲した分蜂群を入れ観察に使用しています。観察巣箱でニホンミツバチの観察をしてみたい方は観察巣箱の作り方、K氏の連絡先をお教えします。
巣脾を入れた観察巣箱 ■ 観察巣箱で観察されるハチの生活
2001年5月分蜂群を巣礎の入った巣箱に取りこみました。三枚重なっている上段巣礎の間で巣の形成が始まりました。一ヵ月もすると三枚の巣礎の外側でも巣の形成が見られ、形成された巣穴に次々に産卵が始まり、卵が成長していく様子が観察されます。時々女王バチが産卵に現われる様子が観察できました。
ミツバチのダンスは、巣穴が閉じられサナギができている場所で多く観察できました。早朝、巣に帰った働きバチがダンスをして仲間に花のありかを知らせています。
巣穴への産卵 女王バチと取り囲む働きバチ