| 曼珠沙華 | 花言葉は「思うはあなた一人」、「恐怖」、「天上の花」。 この植物の根は、しばしば二つに分かれて、粗末な人間の姿を表わすので、昔はこの根に人問の姿を刻み、これが妊娠に特効あるものと考えられていたようです。 このことは聖書の中でも触れられており、パレスチナ地方では、今なおそう信じている人々もいるようです。 またこの植物を地面から引き抜く時には、人の命を奪う叫び声を発するものと伝えられていたそうです。 また、殺人罪のために死刑に処せられた者の霊魂が、地下に生育して生命を有するに至ったのが、この植物であるともいわれています。 シェイクスピアも「ロメオとジュリエット」との四幕三場で、この植物について触れています。 幼ない時は、赤い花に惹かれるものです。花は地味な色の花より、ぱっとした赤い花がきれいに見えて、つい採りたくなるものです。 けれども、日本では、昔は、この花だけは採ってはいけないと、固く止められたものです。 死人花、幽霊花ともいわれ、縁起の悪い花とされていました。 秋の彼岸の頃に咲いて、生えている場所も寺の境内とか墓地などに多いため、気味の悪い花にされてしまったのでしょうが、死人花だと思って見るせいでしょうか、茎の色の蒼白いのも燐光のようですし、赤い花の色も、普通の赤ではなく、蝋細工めいて、それに花の形も一種の奇形です。 やはり怖ろしい花だとの印象もあたえます。 おしべとめしべが花びらよりも長く飛びだしているのも、見る者の正常な感覚を乱すようです。 日本では彼岸花とも呼ばれますが、地方の俗名が多く、五○余の方言で呼ばれているそうですが、妖しい気味の悪い名が多いようで、マンジュシャゲなどの呼び名は、美しい名の中に入るようです。 この名は法華経の「魔詞、蔓陀羅華、蔓珠沙華」からでたといわれています。 蔓珠沙華は梵語で「赤い花」とか「天上」の意。 ところが、死人花とか幽霊花とかいうイメージを、ばっとくつがえしてくれたのは、何といっても北原白秋の「蔓珠沙華)の詩で、また歌謡曲などでも「赤い花なら蔓珠沙華和蘭陀屋敷に雨が降る…・・」などと歌われるにいたって、この花が、キリシタン文化と日本文化の接点に立って咲き乱れるかのような感じさえ与えてくれます。 「蔓珠沙華抱くほど採れど母 恋し」。 秋のさわやかな野原で、蔓珠沙華を両手で抱きかかえるほど、たくさんとって、有頂点になって喜んでいましたけれども、それでもなお、イエスさまやマリアさまとお会いできる、教会が恋しいのです。 これは筆者の落書き(楽書き)。 |