
5.10 RAZOR
1990年発売。5.10のその後のシューズの歴史に大きな影響を与えた1足。
92年には生産中止されているので比較的短命であった。
ニンジャを普段履きに何足も持っていたので、これはもっぱら決戦用シューズであった。
足入れが抜群によく、しかも立てるクツ。最初のフィット感がずっと持続するというのも当時の
クツとしてはまれであった。
92年以降くらいから年間クライミング日数がほんの数日という状況になってしまったため、このレイザーも
現役シューズとしていまだに活躍できる状態なのである。
いや、なのであった。とちょっと過去形を入れておこうか。
2000年夏。小川山。
ワタシのクツはこのレイザーと新品のズリッパー。さすがにレイザーは先端のソールがそろそろ減ってきていた。
和歌山のダーティーくらいまーS子K也は、このレイザーがお気に召したようだ。足入れもピッタリだし、驚くほど
立てるという。
ヤツのクツはボリエールのマトリックスと何かだった。両方とも前傾向きのようであまり立てないらしい。
その日は2峰南面で遊んでいた。ワシがビレーしてると、隣でリード体勢にはいってるS子は、
「おい、ガク。ちょっとアレもってきてくんなまし。」と、ワシの長男を使ってまんまとレイザーをせしめたのである。
「あっららら」と思ったがもう遅い。こっちはビレー体勢で身動きが取れん。やな予感。
さっきからトップロープでみんなしてぶりぶり落ちてたくせにリードするんか?
ランナウトするスラビーなフェースPTAだ。
案の定ぶりぶり落ちてる。一度なんぞ2本目のはるか上から1本目の下まで落ちてきやがった。
これですっかりソールはとどめをさされたのであった。
今はC4ラバーに張り替えてある。
小川山でクラックやるにはコイツが最高だろうな。
張り替えてすぐにエナジーで1度テストした。
家に帰ったらクツが見当たらない。クルマに忘れたんだろうと思い2日ほどそのままに。
しかしクルマにもなかったのだ。張り替えたばかりでなくしたとあってはシャレにならない。
あせってエナジーへ。
「クツありませんでした?」と聞くと、あった。
外に落ちてたそうな。一昨日からの積雪の中びちゃびちゃになっていたということであった。
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そういえばこのクツは、湯河原幕岩でも置き去りにされたことがあったのだ。
スパイダーマンの取り付きからギアをがちゃがちゃしながらフィックスロープを伝い降りてくるときに、
荷物がじゃまで、クツやらチョークバッグ袋やらを広場に向けて投げ捨ててから降りてきて、どうも
クツだけ回収忘れて帰ってしまったのだ。
家に帰ってから気づいた。
翌週また幕岩行ってみると、取り付きの藪の中にちゃんとあったのだ。
このときも嬉しかったなあ。
このクツあと10年くらいはけるかもしれない。
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