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きままにじろう2004年2月の巻



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サルビアの春
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2004年9月15日 秋風と珍客

 昨日までの厳しい残暑がウソのように、
爽やかなそよ風が吹いていた午後5時。
自宅マンションで、保育園に迎えに行く
時間を気にし始めながらパソコンのキー
ボードを叩いていると、
「こんにちわ」
玄関のドアから女性の声が聴こえた。
 集金やセールスの人にしては、かなり
控え目に響く声だった。それにしても
こんな時間に尋ねてくるのだから、
「宗教の人かな?」
ほぼ2か月ぶりに吹いた天然の涼風を
楽しもうと、ドアを開け放っていたことを
ちょっと後悔した。

「は〜い。なんでしょう!」
 いずれにせよ「仕事中だから…」と
あしらうつもりで、やや高飛車に応えながら
ドアに向かうと…、そこに立っていたのは
母だった。

 ずっと自宅に引きこもっていた彼女が、
一人で外出する姿を見たのは、実に3年以上、
久しぶりのこと。6月から定期的に通院し薬を
服用するようになってからだいぶ回復して
きていたので、誘ってはいたのだが、まさか
いきなり独りで歩いて来るとは想わなかった。

 夜勤明けで寝ていたHも起きてきて、食卓を
囲み3人でお茶を飲んだ。2日ほど前から近所の
店に出かけるようになったという。
「昨日は財布を忘れて引き返したのよ。だめねぇ」
それでも少しだけ自信をつけて、1kmほどの距離に
あるウチを目指したのだという。湯飲みを空にして
から、庭になっていたピーマンを2つ手提げに
入れると、15分ほどで母は帰っていった。
 実家までは約1kmあるが歩いて帰れそうだという。
外に出て見送ることにすると、30mほどのところで
ちょっとフラついた。
「まだ、こんな感じなのよ」
そう言っておどけて見せると、手を振りながら角を
曲がり姿を消した。

 半年前にこのマンションに転居して以来、ずっと
そうなればいいなと思っていたのだが…。
初めて吹いた秋風に感謝。



■2月27日(金)
サルビアの冬越しに挑戦している。

昨年盛夏が過ぎたころに購入したサルビアの苗は、
日が短くなっても元気に咲きつづける。

サルビアといえば夏のイメージだが、
避暑地になるような高原ならともかく、
関東の平地では高温すぎて、
梅雨が明けると元気がなくなって
しまうものだ。

だから春に苗は買わない。
秋の入口で苗を買うと、
霜が降りる11月下旬まで
元気に咲きつづけてくれる。

もう4年も前のことだが、
スリランカの高原地区で
やたら大きなサルビアを見かけたことがある。

根元はまるで木のようになっており、
何度も枝分かれして、広がりながら、
胸ぐらいまでの高さになっている。

常夏の国で北半球のクセに
3月に稲刈りしてるし、
サルビアも枯れる季節がないのだろう。

「このサルビアの樹齢は?」
そう思いながら、
ショートトリップでの小さなギモンを
誰にも尋ねないうちに帰国してしまった。

今年は暖冬だった。
11月の終わりに、赤いサルビアを見つめ
ながら、あっしは決意した。
「あのギモンに答えが欲しい」

そういうわけで、西日のあたる
我が家の窓辺に、サルビアの植わった
プランターが鎮座することになった。

3月になろうという今、いつから
外に出すかを考え、天気予報を眺めている。

この復活シリーズのタイトル「サルビアの春」を
無事に迎えられますように。



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