【資料10:外国人議会99年度日程表】
0.解説
近年各地の自治体が外国籍市民を集めた会議を開き、その議論を行政に反映しようという動きがある。政令指定都市としてその皮切りとなった川崎市の「外国人議会」は早くも3年目を迎えている。そろそろ、単に会議を開くことだけでなく、なんらかの成果を上げることが求められる時期がやってきた。各地の「外国人議会」がどのような果実をもたらすか楽しみであるとどうじに、ここの会議の評価(アセスメント)が求められる時期であり、注目すべき時期にきている。
「外国人行政モニター会議」のような通常の行政モニター制度の枠内にとどめたずいぶん地味なものまで含めれば、約3年のあいだに都道府県レベルではほぼ全国に波及しているのではないかと思われる。この点に関する裏付けも早々に入手したいと思う。
なお
外国人議会に関する私見
は後にまわすとして、まずここで、各外国人議会の日程表を掲げることにする。なお、神奈川県と川崎市の日程を調べ教えてくれたのは豊島直人氏である。
今後も更新して充実させたいので皆様のご協力を願う。予定だけでなく、傍聴してレポートなんか寄せてくれないかしらん。だってたくさんあってフォローしきれないもん。そうそう、今年や来年に卒論を抱えている大学生の皆様にピッタリのテーマだ。バックアップするからやってみない?(99.05.04.渋谷次郎)
99年度外国人議会日程表
神奈川県
地球市民かながわプラザ
午後
問合せ
045-201-1111(渉外部渉外総務室)
開催日
5/22, 6/12, 9/11, 11/6*, 12/11, 1/22, 2/26
*11/6はオープン会議
川崎市
会場;川崎市国際交流センター他
14時〜17時
問合せ
044-200-2369(市民局人権・共生担当)
開催日
4/25, 5/16, 6/27, 7/11, 9/19, 10/27, 11/28*, 1/16, 1/30, 2/13
*11/28はオープン会議
2.自己流解説:外国人会議のアセスメントを始めるにあたって
外国人会議には2つの課題がある。ひとつは80年代後半からニューカマーが急増し、この新たな住民の存在を地方行政や地方政治という舞台でどう迎え入れればよいかという課題だ。この課題はよく認知されていることだが、いまひとつの課題はともすると視野から漏れてしまうように思うので、以下、この点だけ指摘しておきたい。
日本の法制度上、外国籍市民には参政権がない。これは民族自治の観点から生まれた原則である。しかしながら、他方で各種政府が独占的な権力を持ちうる根拠は、構成員の「参加」である。古くは米国独立戦争にさかのぼる「参加なければ課税(統治)なし」に代表される、参政権を保証することにより各種政府の正統性の確保するという原則と、この外国籍市民には参政権を与えないという原則は、お互いに相反する性格をもとから持っている。
日本でこの2つの原則の矛盾が顕著な問題として浮上しているのは、いうまでもなく「在日」の存在故である。もし、外国籍市民がスムーズに日本国籍を取得するだろうという中期的な予測ができる状況ならば、外国籍市民の参政権がこれほど重みを持ったテーマとして浮上することはなかったはずだ。
朝鮮半島や中国東北部という旧植民地地区をルーツに持つ旧国民の日本国籍を、植民地解放後に剥奪した結果、あるいはその後の歴史的経緯の結果、日本国籍取得をしないことを自らアイデンティティの指標と定めることになったコミュニティを、この国はその内部に抱え続けている。
この国家の領域内に生まれ育ち生活を営む人々が、3世や4世になっても、自治体を含め各種政府の意志決定に参与する機会や権利さえ持ち得ないのは、きわめて異常というべき事態であるに違いない。市民権、あるいは公民権を行使できない状態で生涯を終える住民がいてはならないのではないだろうか。たとえ一般的な移民であっても2世以降は生活の本拠として現在の居住国以外の選択肢はないという過程に立つのが妥当であろう。もちろん個々の事例では様々な事情が考えられるが、マスとしてとらえる場合は2世も本国での生活という選択肢があるという前提は、はなはだしい無理がある。
ましてや、生活に密着した課題を解決する政治プロセスである自治体における参政権や参加については、1世からも権利として行使できるべきだという議論があり、こちらのイメージに依拠した期待も大きい。「外国人議会」というコンセプトはむしろ、この議論から練り上げられてきたものである。
つまり、日本での外国人議会をめぐる動きは、在日に対する市民権の保障という課題を、最新の1世の政治参加という新しいテーマから生まれた制度的受け皿でこなそうという「ねじれ」が感じられ、各地の議会はこのねじれの中で、どんな議会となるべきなのかを探る作業に労力がさかれてきたように思う。各地の外国人議会をアセスメントするにあたり、この観点を欠いた評価があってはならない。(99.05.01.渋谷次郎)
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