【資料17 退去強制事由該当容疑者の通報-「外国人登録事務取扱要領」】

0.解説
 在留資格のない外国人が、外国人登録をしに行くと捕まってしまうのかどうか。あるいは、外国人登録事務をする職員にとっても、警察か入国管理局に通報しなければならないのか。現状では、たとえ在留資格のない外国人が外国人登録のために役場窓口に出かけたとしても、通報されたり、それによって摘発・身柄拘束をされることは、まずない。
 この資料は、外国人登録事務の実務マニュアルともいえる「外国人登録事務取扱要領」から抜き出したものであるが、重要なのは、本文下から3行目の但し書きだ。「登録証明書の調製を依頼する場合」というのは、登録カードの新規発行・再発行・切替をする場合である。つまりこの但し書きにより、事実上、ほとんどの場合はあえて通報する必要はないという指示となっていることがわかる。また、通報先も、所轄の入国管理局の長と指定されており、地元警察へとはなっていない。
 本来、国内に住む外国人はすべて登録する必要がある。しかも、正規の入国から90日以内、あるいは、出生や国籍の喪失、あるいは不正規入国から60日以内にしなさいとあるように(法3条)、入管法について不正規な在留をする人こそ登録が要請されているのである。まさに管理的な色彩の強さを批判することはともかく、実務上、不正規在留の外国人の登録という本来業務に支障をきたさぬよう、通報義務について消極的に考えなければならないとも言えるのである。
 また、「外国人登録事務取扱要領」について入国管理局は、「公開しても差し支えない」という認識に転換している。この転換は99年7月のことで、請求を繰り返した中京地区の関係者の努力によるもの。
(渋谷次郎 1999.12.04)


退去強制事由該当容疑者の通報-「外国人登録事務取扱要領」(P20)より



 市区町村は長は、外国人登録事務の執行に当たって、外国人が不法入国、不法残留など入管法第24条各号(退去強制事由)の一に該当する疑いがあると思料するときは、所轄の地方入国管理局長又は地方入国管理局支局長あて(山口県の市町村長は、広島入国管理局下関出張所長あて、宮崎県及び鹿児島県の市町村長は福岡入国管理局鹿児島出張所長あて)退去強制事由該当容疑者通報(書式3)により通報しなければならない。ただし、地方入国管理局長に対し登録証明書の調整を依頼する場合において、「在留の資格なし」と記載して登録証明書を調整することとなる外国人については、通報を要しない。

(参考)
入管法
(通報)
62条 何人も、第24条各号の一に該当すると思慮する外国人を知ったときは、その旨を通報することができる
。 2 国又は地方公共団体の職員は、その職務を遂行するに当つて前項の外国人を知つたときには、その旨を通報しなければならない。

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