【資料1:外国人に対する国民健康保健の適用について(通知)】

0.解説
解説:本通知は、外国籍市民の急増、とくに在留資格のない外国籍住民が急増する中で、国民健康保険を適用する範囲を規定している。「在留資格があり、入国時や在留資格更新時、および変更時において、以後1年以上の在留が見込める者」とし、それまでは可能であった在留資格のない者への適応を認められないという現状の運用の根拠とされる文書である。
 現実には約30万人の超過滞在者、さらに正規の手続きを経ないで入国した者が、日本に暮らしている。さらに近年ではその子ども達も増加している。国民(住民)皆保険の原則の下、ほぼすべての保健医療制度が公的健康保険の適用を前提としているため、実際に無保険者がいるという現実は大幅な軋轢を生じせしめ、診療拒否、未払い医療費などの諸問題を引き起こし現在に至っている。
 そこで、このような運用が、国民健康保険法で定められた適用資格要件、「住民であること」の理解として妥当であるかを争う裁判が過去に2件現に1件で行われている。本通知が法から委ねられた行政の裁量権を逸脱しているというのが原告の主張である。
(99.02.11 渋谷次郎)

保険発 第41号
平成4年3月31日

都道府県民生主管部(局)長殿

厚生省保険局国民健康保険課長


外国人に対する国民健康保険の適用について(通知)

 外国人に対する国民健康保険の適用については、昭和56年11月25日付け保険発第84号当職通知により、その基準を示しているところであるが、近年我が国に入国する外国人が増加しつつある状況にかんがみ、その基準を下記のとおり明確にしたので、今後新たに国民健康保険の適用対象となる外国人については当該基準に従った取扱を行うよう、貴管下の市町村の指導に遺憾のないよう配慮されたい。

 なお、外国人に対する健康保険制度の適用の適正化については、別途社会保険庁から通知される予定である。

第1 国民健康保険の適用対象

1、国民健康保険の適用対象となる外国人は、外国人登録法(昭和27年法律第125号)第2条第1項に規定する者であって、同法に基づく登録を行っている者であり、入国時において、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)(以下入管法という。)第2条の2の規定により決定された入国当初の在留期間が1年以上であるものであること。

2、入管法第2条の2の規定により決定された入国当初の在留期間が1年未満であっても、外国人登録法に基づく登録を行っており、入国時において、我が刻への入国目的、入国後の生活実態等を勘案し、1年以上我が国に滞在すると認められれる者も国民健康保険の適用の対象となるが、1年以上我が国に滞在すると認められるか否かの判断は、別紙に掲げる資料等を参考にして行うものであること。
 ただし、1年未満の滞在予定であった者が、在留期間の更新を行う場合には、その時点において、上記1、または2、の基準に適合するか否かを判断するものであり、当該外国人が、在留期間の更新により、結果的に、事実上我が国に1年以上滞在することになったとしても、国民健康保険の適用対象とならないものであること。

第2 被保険者資格取得時点等

1、国民健康保険の非保険者資格取得時点は、原則として、外国人登録を行った時点であること。
 ただし、国民健康保険の被保険者である者が、居住地を変更した場合にあっては、原則として、当該新居住地に移転した日から適用すること。

2、在留資格の変更又は在留期間の更新に伴う在留期間の伸長により、国民健康保険の適用対象者となる場合には、原則として外国人登録の変更登録を行った時点を国民健康保険の被保険者資格取得時点とすること。

3、国民健康保険の適用対象となる外国人は、外国人登録又は変更登録と併せて、被保険者資格取得届出を行うべきものであること。

4、外国人被保険者に関わる資格喪失確認については、小職より別途通知する被保険者資格の喪失確認処理に係わる取扱いに準ずる必要はあるが、外国人登録原票の閉鎖と連動させる必要はないこと。ただし、当該外国人が再入国許可を得て、出国している場合があるので、当該外国人の在留期限等について十分確認すること。

第3 外国人に対する国民健康保険制度の周知徹底等

1、外国人に対する国民健康保険制度の周知徹底、適用の適正化を図るため、外国人登録部門と連携し、外国人登録窓口において外国人用説明パンフレットを配布するなど制度の周知徹底に努めるとともに、外国人登録部門から外国人登録原票を利用するなどにより情報を入手し、国民健康保険被保険者の適正な把握に努めること。
 なお、市町村部内における外国人登録部門と他の関係部門との連携を図ることの周知徹底については、法務省から別途通知される予定である。

2、国民健康保険の窓口を訪問した外国人に対して、必要に応じ健康保険等被用者保険の運用について説明するとともに、健康保険等の保険者に対し、このような外国人についての情報の提供を行うようにすること。


(別紙) 1年以上滞在すると認められるか否かを判断するに際しての参考資料(例)

在留資格

提出資料

宗教

派遣する外国の宗教団体が作成した文書で、派遣期間、待遇等を記載した文書

興業

期間、報酬等の待遇を記載した雇用等の契約書の写し

文化活動

受け入れ期間又は招へい者が作成した在留活動及びその期間を説明する文書等

留学

申請人が受ける教育の内容(科目・時間数等)を明らかに資料及び在学証明書

就学

同上

研修

研修計画書(研修の内容、場所、期間、研修責任者を明らかにしたもの)

家族滞在

申請人を扶養する者の身分事項、滞在予定期間、在留資格を明らかにする資料

特定活動

(1)家事使用人
・雇用期間、報酬等の待遇を記載した雇用契約書の写し
(2)スポーツ選手
・雇用期間、報酬等の待遇を記載した雇用契約書の写し


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