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出入国管理法改正で何が変わる!?
国際カップル合法化プロセスへの影響度

AMF(国際結婚を考える会)ニュースレター04年7月号(予定稿)

 今年6月に出入国管理法(通称「入管法」)の改正案が国会で
成立した。通常のニュースでは、難民認定のプロセスを既定する
部分の改正を重視して取り上げられる傾向が強く、そのほかの改
正点については、さわりだけを紹介するニュースが多かった。し
かしオーバーステイ対策(?)を狙った部分でも改正点は多く、新
たな制度の創設も含まれている。いずれも、オーバーステイの配
偶者をどすれば合法化できるかを二人が考えるにあたり、考慮に
入れなければならない規定である。ここでは、新設された出国命
令制度や在留資格の取消権、上陸拒否期間の変更に焦点を当てな
がら、改正の内容とともに可能な限り影響度を考えてみたい。


1.出国命令制度

 これまで、オーバーステイの外国人が自ら帰国を望む場合には、
2回ほど入国管理局に出頭し、手続きを済ませてから空港に向かい
飛行機に乗る。実質的にはたいしたことのない手続きなのだが、法
的には摘発された場合と同様に、退去強制処分を受けていたことに
なっていた。出国命令制度は、この手続きに新たな名前を与え、退
去強制処分とは別のものとして考えようとするものだ。
 当事者となる外国人にとっては、出国命令制度によって帰国する
のなら、上陸拒否期間が現行の5年から1年に短縮される。一般的に
は過去にオーバーステイ歴があれば、よほどのことがない限り再入
国を許されないので単なる空手形だが、日本人や合法的に日本で暮
らしている外国人の配偶者にとっては、上陸拒否期間が終了すれば
再入国の可能性が高まるだけに、重要な意味を持つ。2000年2月以降
、いったん帰国すれば再入国のメドがなかなか立てられない状況が
続いていただけに、朗報であると言える。


2.上陸拒否期間の変更

 たとえ日本人の配偶者であっても、入管法上の入国拒否事由に
該当する外国人の入国は大変難しい。入国拒否事由には、テロリ
ストやフーリガン以外にも、麻薬や売買春などの刑事犯など、原
則的に入国を拒否すべきとされる範囲がいろいろ規定されているが、
もっとも該当者が多いのは、「退去強制処分後○年」という規定と、
「1年以上の懲役判決を受けた者」という規定のふたつである。
後者は、オーバーステイのみの罪状でも摘発されて起訴されれば
ほぼ全ての外国人配偶者が該当者となるうえ、前者とはちがって
期限のない拒否事由であるだけに深刻な状況をもたらしかねない。
 退去処分後の上陸拒否期間については、従来1年間であったものが
2000年に5年間に延長されている。その後の運用を観察すると、
自主的な退去のケースで2〜3年後の再入国を果たすケースがない
わけでないが、摘発によって退去処分になった場合は、拒否期間
中に再入国できるケースはないか、ほんの一握りに限定されると
いうことになっている。
 そこでケースワークでは、自主帰国は勧めず、摘発されれば全
力で処分前の在留特別許可を得られるよう努力すべしということ
になっている。
 そして今回の改正では、これまで退去処分後一律に5年間とされ
ていた拒否期間を、出国命令により帰国した場合には1年間に短縮
する一方で、2回目以上の退去処分を受けた場合には10年間に延長
されている。5年間でも二人の関係を維持し、再スタートする難し
さを実感している私にとっては、もし10年間再入国できない事態と
なれば、日本で二人が生活することはほぼ諦めざるを得ない状況に
見える。

3.出国命令制度を使える外国人の範囲

 オーバーステイの夫や妻の在留資格を得ようと言う場合、現実的
には国内にしばらく留まって入国管理局に出頭し、在留特別許可を
得るしかなかったが、出国命令制度を使っていったん帰国する道が
拓けそうなのは一歩前進といえるかもしれない。しかし、出国命令
制度を利用できないケースがかなり多そうなので注意が必要である。
 まず、過去に退去歴があり2度目のオーバーステイになっている
場合である。この場合は自主的に帰国手続きを踏んでも、退去処分
となり10年間の拒否事由が付いてしまう。さらに、偽モノや他人の
パスポートを使うなど正規の入国手続きを経て入国していない場合も、
出国命令制度を利用することはできない。この場合は5年間の拒否事
由に該当することになる。入国管理局によれば、このようなケースが
およそオーバーステイの外国人の半分を占めるということだ。


4.在留資格の取消権


 また、改正法では、有効期間内の在留資格を取り消す入国管理局の
権限を初めて明記することになった。これまでは期間更新を拒否する
ことで対応してきたのであり、まれに、偽日系人や偽残留孤児のケース
では、行政法上の一般論で取り消したことがあった。離婚や別居など
配偶者としての活動が中断した場合が該当するのかどうかという点が
注目されたが、これは法案作成の段階で除かれており、この点で取り
消される心配はない。ただし、不正な資料の提出を根拠に取り消す
規定については、配偶者の在留資格も対象になっている。
 再入国の難しさから、偽のパスポートで婚姻届けをだし入国審査を
受けているケースがかなりあると思われるが、たとえば10年日本に暮
らして子どもが小学生になっているケースでも取消権を行使するのか
どうか、その運用がどうなるか、今後の動向に注目している。


5.施行時期と遡及適用


 難民認定以外の部分は2004年12月7日から施行される予定だ。その前に
施行規則が発表されるので、そのニュースも得てから、出国命令等の
利用を検討すると良いだろう。また、すでに自主的に退去している
外国人配偶者の呼び寄せについては、改正法は「遡及適用しない」と
明言している。とはいうものの、この効果を期待しているカップルは多く、
私も遡及すべしという意見だ。この点については、実際の事例がどう
動くか機会を見て再度、ご報告したいし、インターネット上のウェッ
ブサイト「みしゅっくオンライン」でも最新情報をアップするつもり
である。


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