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ダーリンは外国人
外国人の夫と結婚したら、どうなるの? ルポ 副題にもあるように、著者が日常的なダーリンとの暮らしを通して、国際結婚した夫婦の関係を考えるコミックエッセイ集。…、というように紹介しなければならないのかもしれないけど、それにしてはあまりにもこのダーリンのキャラは特徴的。 日常的には日本語を使って暮らす温和な言語オタク、そんでもって人生のテーマは「進歩」。ささいなことでも笑い出すくせに、何か考え始めるとすぐに周りが見えなくなってしまいます。そんな人物との暮らしを紹介されたって、いったい何の参考になるというの? 上手にダーリンと暮らすノウハウ集を期待した読者は、きっと裏切られることでしょう。 この本のおもしろさは、著者の小栗さんのイラストタッチやダーリンであるトニーさんのキャラの面白さに加えて、二人をクセモノ同士と割り切って描ききったところではないでしょうか。もはや異文化論は、二人の面白さを引き立たせるためのスパイスのように、主役ではなく脇役に追いやられているようです。 思えば「サイゴンから来た花嫁」以来これまでの国際結婚の体験エッセイは、著者はあくまで「ふつう」の人であることを装おい、それによって読者と視線を共有しようとしていました。 「ダーリン」や「花嫁」は外国人としてしか強調されず、そのヘンテコリンなクセや個性は描かれなかったし、そのパートナーのキャラも無色透明・人畜無害のあくまで「平均的日本人」だったんです。まるで、「奥様は魔女」で魔女のサマンサを迎えた「ダーリン」のキャラが薄かったように。 でも、考えてみれば、自分の生まれ育った国を離れ日本人と結婚して暮らそうなんて考える外国人は、そもそもが変わり者であり、クセモノであるに違いありません。そしてそんなヤカラと結婚して人生をともにしようとしているあなたも、かなりのクセモノにちがいありません。 二人のクセモノがいかに、共存し協力しお互いを楽しむか。そこを異文化論と巧みに併せて描いたからこそ、国際カップルだけでなく多くの読者を獲得しました。まちがいなく昨年2003年にもっとも売れた「国際結婚本」です。すでに読まれた方も多いことと思いますが、国際結婚してようがしてなかろうが、自分もちょっと変わっているかもという「自信」がある人に、とくにおすすめの一冊です。 初版:2002年12月 著者:小栗左多里 発行/発売:メディアファクトリー 価格:880円+税 |