賢い女性はダイエットにうつつをぬかさない |
ダイエット情報の洪水である。極度の肥満が健康の大敵であることは言うまでもないが、(このような方には、是非ダイエットに取り組んでもらいたいのであるが不思議なことに関心がない。)ごく普通の体格の女性が、大金を注ぎ込んでうつつをぬかすのは問題である。
「今まで通り食べてもやせる」と宣伝している「商業的ダイエット方法」は大別して3つに分類される。
1:大便、小便を増やす「下剤」。
2:こんにゃく等カロリーのない物(栄養もゼロ)で満腹感を得る。
3:辛子(商品には「からし」とは書いていないものが多い)などの刺激物を食べてカロリー消費を増やす。
3は、運動するのも面倒だから、体温を若干高めてカロリー消費を増やそうという、あさはかな考えで思いついた方法であろうが、たかだか数%のカロリー消費増で短期間にやせるわけがないし(運動をすることは大変良いことではあるが、運動だけでやせる為には、プロの運動選手並の運動が必要)、続ければ必ず胃腸をこわすから、ブームもすぐ下火になると思われる。
2は、生理がなくなったり、どっと疲れが出たり、「やせる」と言うより「やつれる」ことがすぐわかるし、中年以後の女性では皮膚がたるんだり、「しわ」が増えて、かえって醜くなるので、すでに下火になっている。
問題は1で、その商品の何たるかを知らずに、続けているうちに(どこにも 「下剤」とは書いていない)、大便がゆるくなったり、やたらと小便の回数が増えたなと思っているうちに、たしかに体重は減ってはきたが、生理が止まってしまったり、肌が荒れたり、どっと疲れを感じるようになってきます。
体重の増減は考えるまでもなく、体に入った量と体外に排出した量で決まるもので、「今まで通り食べてもやせる」ということは、絶対に何らかの「不自然」なことを体に強いているのです。
賢い女性は「栄養」と「必要なカロリー」と「余分なカロリー」をしっかり区別して、お金などは一切使わず(かえって「余分なカロリー」代を貯金にまわし)「きれいに、しかも健康的に」標準体重を維持しています。
別項「今まで通り食べてやせる」というダイエットはあり得ない」と
別項メタボ退治(ダイエット)の第一歩は「昼食抜き」 も参考にして下さい。
中高年の「生体防御能力」は爬虫類並み? |
動物は体内に侵入する外敵から身を守るためや、体内に発生する異物の排除のために、何らかの「防御システム」を持っていなければ、生命を維持することが出来ない。この「防御システム」は、動物の進化とともに「進化」してきた。無脊椎動物には「免疫システム」はなく、脊椎動物でもヒト並みの「免疫システム」が完成するのは鳥類と哺乳類に限られる。(硬骨魚類、両生類、爬虫類には不完全な免疫システムはある)。
「免疫システム」がないか「不備」な生物は、「食細胞(マクロファージ)」を唯一の「防御システム」として生き延びてきた。
すなわち「食細胞(マクロファージ)」による「防御システム」は「免疫システム」よりも、生物の「より基本的防御システム」であり、「頑丈」に出来ていることは間違いない。一方「免疫システム」は鳥類以後という、生物の進化の過程からみると、「ごく最近」完成されたシステムであり、「緻密」ではあるが 「破綻」しやすいことは、ヒトの免疫疾患の多さを見てもあきらかである。
別項に書いたように、ヒトの免疫能(主力は胸腺免疫システム)は45才でピーク時(18才)の3分の1に低下してしまう。この程度の「免疫能」では体内に侵入してくる外敵(ウイルス等)や、体内に発生する異物(がん細胞等)を排除することは非常に困難になってくる。そのために主力の胸腺免疫システムに代替しうるシステムが必要である。
代替システムとしては、最近研究が進んでいる「腸間免疫システム」、「肝臓免疫システム」も可能性が指摘されてはいるが、主力代替システムとしては、 「食細胞(マクロファージ)」による「防御システム」である。これを「治癒システム」と言い、近年この研究が米国、日本を中心に進められている。
ヒトも年齢のピークを過ぎると、「防御システム」も「先祖返り」してしまうのである。ここに中高年以後の方の「治癒システム能力増強」の必要性を指摘したいのである。
どんな軽い精神安定剤でも「脳」に作用する薬の常用には注意が必要 |
自律神経失調症という病名をつけられ(検査で異常が見つけられないので、仕方なくこういう病名をつける)、「これは一番軽い安定剤だから、安心して服用するように。」と言われ、何年も服用している方がたくさんいます。そして薬のせいとは知らずに、毎日「だるい、だるい」と言いながら、「元気のない」生活を送っています。これは恐ろしいことです。この恐ろしさは、いわゆる老人病院を一度でも訪れた方なら納得していただけると思います。
これらの病院では(こういうことは絶対しないという、良心的な病院も例外として存在するかもしれませんが)、大部屋の老人の食事、睡眠時間を「効率良く」、「一律」に「管理」するために、睡眠薬、精神安定剤が投与されています。そのために老人達は皆、うつろで無表情な顔をしています。
脳の中心に視床下部という所があります。ここはホルモン系の最高中枢なのですが、自律神経の中枢でもあります。
視床下部の上位には色々な神経があり、これらはカテコールアミン系神経である、ドーパミン作動性神経、ノルアドレナリン作動性神経、セロトニン作動性神経、さらにこれらを調節するギャバ神経、さらにこれを調節するオピエート神経などと呼ばれています。これら神経では、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、ギャバ、ベーターエンドルフィン(最近「脳内麻薬」といわれて有名になった)といった化学物質が「神経伝達物質」として働いており、それらの「総和」のアウトプットが視床下部に送られ、自律神経を調節しています。
これら化学物質の化学構造式と、睡眠薬、精神安定剤、麻薬、覚醒剤の化学構造式とは、作用する部分が驚く程似ています。逆に言えばこれら人工的薬物は、脳内に存在する天然の化学物質に「似せて」作られた物質なのです。
したがってこれら薬物を常用するということが、いかに脳の自然な営みを乱してしまうものか、おわかりいただけると思います。
脳に作用する薬は「軽い」「強い」「弱い」とかに関わりなく、「恐い」ものなのです。
別項「自律神経失調症は向神経薬で治るという誤解」参照。
別項「自律神経失調症とボケ(認知症)」参照
難病といわれる病気は「完全に治す」より「苦痛を軽くする」方針で |
リュウマチ、アトピ−、ぜんそく等「難病」といわれる病気は、現代医学の最先端をもってしても「治す」ことが難しい病気です。どうしても一時抑えの「対症療法」ばかりを続けることになり、よけいに病気を悪化させてしまいます。
漢方専門薬局には、病院を転々とした方々が来られるのですが、ほとんどの方が「こじらしてしまった」段階で来られます。(なぜもっと早く来られなかったかと残念に思うことの連続です)。30年の経験から、こういった「こじらしてしまった」段階で来店された方の「経過」を総括すると、大きく3タイプに分類されます。
1番目のタイプは、1ー2月間服用しただけで、「治らないから」と投げ出してしまうタイプ。
2番目のタイプは、漢方薬の効果は認め、病状はだんだん軽減して行くのですが、数ヶ月たつと、「いつまでたっても治り切らない」とあせり始め、このあせりがストレスになって、逆に治るのが遅れてしまい、結局は落伍してしまうタイプ。「薬が病気を治す」と誤解し、「病気は自分の免疫力、自然治癒力で治す」という理解(別項参照)が不十分な場合です。一生懸命説明するのですが、理解してもらえず、反省することが多いのです。
3番目のタイプは、自分の病気を理解し、免疫システム、治癒システムの説明を理解し、「ここまで悪くしてしまったのだから、これ以上悪くしないで、多少でも苦痛が軽くなればありがたい。」という気持ちで、漢方療法、免疫療法に取り組むタイプ。
免疫システム、治癒システムの機能の乱れと低下が原因である、これらの病気を「完全に」治すことは、非常に大変なことです。まして対症療法の薬物で、システムを傷つけ続けて「こじらしてしまった」場合、さらに加齢によりシステムがダウン寸前といった場合、「完全に」治すことは不可能と考えた方が良いと思います。
こういうことを総合して考えると、「こじらしてしまった」難病を持つ方が 「より安らかな」生活を送るためには、多少の苦痛は残っていても「病気と共存」し、「これ以上悪化させない」ということを期待する、3番目のタイプの考え方に立って、漢方療法、免疫療法を継続する生き方が「正解」ではないでしょうか。
慢性病治療の難易度を決定するもの |
一般に治療の難易度は、次のような要因により決まります。
1:遺伝的体質
最近色々な病気の原因遺伝子が発見され始めました。原因遺伝子があると、ある年齢になり、即ち免疫、治癒システムが低下した時、かつ他の発病因子が加わると、遺伝子にプログラムされたスイッチが入り発病します。したがって免疫、治癒システムを維持することにより発病年齢を遅らせ、かつ発病因子を取り除く「予防」が重要になってきます。不幸にも発病してしまった場合には、免疫、治癒システムの回復により、進行を遅らせ、症状を軽減させることが治療の中心になります。遺伝子は変えることが出来ないので、治療の難易度を決める要因としては、最優先に考えなくてはなりません。
2:年齢
年をとればとるだけ、生体防御システム全体が低下してくるので、治療の難易度を決める要因としては、遺伝的体質の次に考慮する必要があります。
3:強い薬の使い過ぎ
別項に書いたように、現代医学の薬物のほとんどが、長期に使用すると、生体防御システムを傷つけます。どの程度傷つけたかが、治療の難易度を決定します。
4:病歴
一般に病歴が長いと、それだけ長い間「強い薬の使い過ぎ」をしています。病歴が長くても、「何の治療もしていなかった」人の方が、治療の難易度は概して易しくなります。しかし病歴が長ければ、病気そのものがシステムを傷つけるので、治療の難易度はより難しくなります。
5:生活習慣
治療中に「養生」をどの程度守るかが、治療の難易度に大きく影響します。「養生半分、薬半分」とよく言います。
6:治そうという強い意志
これが治療の難易度を決める決定的要因です。確かに慢性病の根治は、大変難しいものです。場合によっては完全に治らないこともあり得ます。別項に書いたような方針で、強い意志を持って治療を継続することが、良い結果に結びつきます。
7:その病気に対する理解
これももう一つの決定的要因です。何年も患者さんを見ていて、つくづく感じることは、「自分の病気を理解していない方が、いかに多いか」ということです。病気に関する情報はあふれています。ところが全てを「医者まかせ、薬まかせ」で、病院を転々とする方がほとんどです。自分の病気の「本体」(生体防御システムの異常)を勉強し、なぜ「治らないか」、その原因を理解することが最も大切です。
検査値の異常は「既に手遅れ」という認識で早めのシステム回復を |
人間の体は既に何回も書いてきたように、免疫、自律神経、内分泌システムと、それを支える治癒システムによって、常に調節されています。従って病院で行なわれる各種臨床検査値は、少し位の体の変調では「正常値」を維持しています。逆に言えば「検査値の異常」は、既に「調節作用の限界を超えた」と考えるのが、大切です。
ところが人間ドックや健康診断で「多少おかしいけれど、正常値の範囲内です」と言われると、安心して「今まで通りの生活」を続けてしまっている方が、ほとんどではないでしょうか。ここに大きな落とし穴があることを知らなければなりません。現代医学では「正常値」なら「病気ではない」と判断してしまうからなのです。
実際「検査値の異常あり要精検」ということで、はじめて病院の門をたたいたが、その時点で「既に手遅れ」といった事例がたくさんあることを、聞いたこともあるかと思います。
このような「生きるか死ぬか」といった病気ではない場合でも、同じことが言えます。私たち漢方薬局を訪れる方でも、「検査値の変動」、「体の多少の異常」という段階で、相談に来て下さるのは本当に「マレ」で、既に「不可逆的状態」(完全には元に戻らない)になってしまっている場合が大変多いのです。慢性疾患、成人病と言われる病気のほとんどが、このパタ−ンになってしまっています。
検査値の「変動」(定期的検査の必要な理由でもある)、もっと大切なことは体調のちょっとした異常(皮膚、目、爪、大小便、今までと違う疲れ、女性では生理等々で判断)を早く気づくことです。現代医学では病気と認めない、このような段階でも漢方を研究している方なら、「前触れ」ととらえて適切な指導をして下さると思います。(漢方では「未病を治す」医者が、最高の医者と位置づけています)。
更に「検査値の変動」、「体調のちょっとした異常」から生体防御システムの異常に気づき、この回復までを視野に入れた手当を行なうことが、本当の意味の「未病を治す」ことになるのではないでしょうか。
C型肝炎は「大関クラス」の病気です |
最近、過去に「輸血経験のある中年以後の方」の健康診断で、C型肝炎患者の発見が急増しています。ところが多くの方が、単なる肝臓病の一種だと軽く考えていることに気づきました。「単なる肝臓病」と言えども大変な病気なのですが、C型肝炎はもっともっと大変な病気で、エイズ、がんを横綱クラスとすれば、大関クラスの病気なのです。なぜならこの病気は、致死率の高い肝硬変、肝臓がんに移行する確率が非常に高く、かつ有効で確実な治療方法がないからなのです。(C型肝炎ビールスの検査方法が確立される以前には、「非A非B型肝炎」と呼ばれていました。)
C型肝炎は、駐日大使であった故ライシャワ−氏が(襲撃された時の傷の手術時に輸血を行なった。)輸血後20年もたってから、C型肝炎から肝硬変になり亡くなってから、よく知られるようなりました。また輸血ばかりでなく、使い捨て注射針を使っていなかった頃に、予防接種を受けた年代の人にも、20年という長い年月の後に発病する例が多発しています。
C型肝炎ビールスにはB型に較べ、感染力がやや弱いという弱点(人間にとっては長所)がありますが、逆に自覚症状がほとんどない、普通の肝臓検査では見つけにくい、自然治癒がマレで、20年にわたって進行し、最終的には、肝硬変、肝臓がんに移行する確率が高いという、やっかいな問題を持っています。
しかも、治療法がまだ確立されておらず、せいぜいインターフェロンによる治療が行なわれている程度です。しかし、インターフェロンによる治療には、強い副作用を伴い、しかも有効率が20%程度であり、決定的なものではありません。健康保険も半年きりか適用されず、有効な使用方法がわかる医者も、まだ養成されていない現状です。
したがって、C型ビールス陽性の方は、発病をなんとか防がなければならないし、運悪く発病してしまった方は、進行を抑える手段が必要です。手段としては、「免疫力を高めること」が唯一の方法で、私がこのホームページで書いている、「免疫システム」、「治癒システム」の回復が、一つの有力な選択肢になりうると思います。
アトピーの方は辛いもの、刺激物は食べ過ぎない方が良い |
別項で書いたように、患部が赤くなり猛烈に痒いという症状は、漢方理論では「熱邪」が原因で起こると考えています。その証拠に寒さが峠を過ぎ、温かくなってくる春先や、蒲団に入ったり、風呂に入ったり、体が温まるものを食べると、痒みが増えてきます。またアトピー体質の方は、ふだんから辛いものや、わさび、からし、こしょう等の刺激物を好む傾向があります。これらは漢方では「辛温」の食べ物といい、冷え症の方に適している食べ物として推奨されています。
もちろんこれらの食べ物を好む方が、全員アトピーになるのではなく、アトピー遺伝子を持ち、かつ免疫システムの異常がある場合にかぎられます。すなわちアトピー遺伝子を持ち、かつ免疫システムの異常のある方が、こういった食べ物を食べ続けていると、アトピーが始まるのです。
辛いものや刺激物を食べると体に「熱」を与えすぎるのですが、それ以外の食べ物でも(体を冷やす働きのある緑黄野菜などは例外)、「食べ過ぎ」れば同じことになります。すなわち「アトピーの方は食べ過ぎてもいけない」ということです。そもそも食料難の国々には、アトピー患者はほとんど存在しないし、日本でも「飽食」ではなかった頃には、アトピーは極めてまれな皮膚病であったのです。
動物は「空腹になったら、必死に動き回り食べ物を捜し、やっと食べ物にありつける」という行動をとりますが、「食べ過ぎ」というのは「飽食の国」の人間と、飼育されている動物に限られます。食事の時間だから食べる(時間食い)、食べたくないのに食べるということは、何もアトピーの方に限らず、ほとんど全ての慢性疾患の患者にとって、避けなくてはならないことなのです。
「食べなくてはいけない」という「恐怖心」こそ、健康にとって大敵であり、「腹八分目」こそ、健康の第一歩というべきでしょう。別項の腸管(粘膜)免疫システム及びアトピー、花粉症と寄生虫の関係もお読み下さい。
さらに必要なことは辛いもの、刺激物を食べても、それ以外のものを「食べ過ぎ」ても、「免疫システムを正常に保って」いれば、アトピーは起こらないということを認識することです。