精神安定剤をやめるのに適した時期 |
別項「どんな軽い精神安定剤でも脳に作用する薬の常用には注意が必要」に書いたように、これらは「いつかはやめなければならない」薬物です。
現代医学の薬は、「早く効かせる」のが目的ですから、どうしても直接「脳」に作用させなければなりません。そのため製薬会社の間では激烈な開発競争が行なわれ、年々新しい「向神経薬」が発売されていますが、いずれも「習慣性あり」という表示がなされ、医者の指示なしでは使うことが出来ません。ところが患者からの要求で仕方がないとも言えるのですが、多くの医者が「極めて安易に」かつ「継続して」処方してしまっているのが現状です。
(本来このような薬は、年に数回は誰でもが経験する「非常事態」用(例えば海外旅行)の薬なのですが、ストレス社会では、ついつい「継続的に」服用してしまっている方が多くなってきてしまいました。)
ある程度用心深い方の場合には「自衛手段」として、「間引いて」服用している方も、多いようなのですが、たとえ「間引いて」服用していても、「効く」薬だけに「全面的に中止」することは困難なようです。(こういう薬の本質を理解している「賢い消費者」は、そもそも、この種の薬には近づきません。)
それでは「全面的に中止」する方法はないかと言えば、「ある」のです。それは第一に「賢い消費者」になることです。薬の本質を理解することです。治癒システム(別項参照)を理解することです。また別項「病気を治すという本当の意味・・・」を必ずお読み下さい。
「全面的に中止」するには、おのずから困難が立ちはだかるのですが、その困難の度合いは、服用してしまった「トータルな期間」、「薬の種類の多いか少ないか」、「間引いた度合い」などにより著しく差があります。しかし「やめようという意志の強さ」が何と言っても必要です。
そこで「やめようという意志のある方」に提案します。それは「やめやすい時期」があり、これからの「真冬」(もう一回は真夏・・・発汗のためストレスが発散しやすい)がチャンスなのです。温度、湿度が低く安定しているため、自律神経が安定しやすい時期だからなのです。
また、やめる方法として、「一気にやめる」、「徐々にやめる」という手段がありますが、おすすめは「一気にやめる」ことです。人によっては「鉢巻をしめて一気に頑張ってやめた」などの体験を話してくださる方もいらっしゃいますが、「徐々にやめる」のでは、どうしても「甘え」が生まれてきてしまうようです。
どうしても薬に手が行ってしまいそうな時には、別項に書いてあるように「非日常」に身を置くとか、眠れないので睡眠剤を服用している方の場合には、「眠れなくても死ぬことはない」と「開き直って」、ベットを飛びだしてしまうことです。たとえこれが数日続いたとしても、脳は、「日中でも」、「目が開いていて」も、「自然に」睡眠をとっており、「絶対的睡眠不足」(そうならば死んでしまいます)にはならないのです。
どうぞ1年に2回の絶好のチャンスを無駄にしないで、「全面的に中止」してしまって下さい。服用していた時の「何となく頭がすっきりしない」状態から抜け出した時の「すっきりした脳」の状態をイメージしながら・・・・・。
糖尿病治療は「将来を予想する」ことから始める |
糖尿病は、相当進行しない限り症状が現れない病気ですから、ついつい発見が遅れ、取り返しがつかないようになってしまう場合が多いようです。糖尿病自体では死に至ることはないのですが、合併症は致命的になり得ますので、これを防止することが、絶対に必要となります。(別項を必ず参照して下さい。)
若い時に発症する遺伝的な糖尿病を除いて、大部分の糖尿病の方は、「自ら蒔いた種が原因」(食べ過ぎ、飲みすぎ、甘いもの好き、運動不足等)であるにもかかわらず、薬だけに頼り「節制」を心がけない場合が多いようです。ほかの病気もそうなのですが、こと糖尿病に関しては、治療は「薬半分、節制半分」の気持ちで取り組む必要があります。
ところが「自ら蒔いた種」であるだけに、それを取り除くことには困難が伴うようです。しかし本当に治したいのであれば、いつかは取り組まなければならない「課題」でありますから、その「優先順序(どの節制がより効果的か)」を知っておく必要があります。「いけない」ということを全て禁止されてしまうと、「やる気」が萎えてしまいますので、次のように考えてはいかがでしょうか。
1:簡単だが、効果が大きい節制
2:簡単だが、効果があまり期待できない節制
3:大変ではあるが、効果が大きい節制
4:大変でも、効果があまり期待できない節制
誰も2や4を選ぶことはないと思いますが、意外に健康雑誌などに書いてある「糖尿病の食養生」には、これらが多いことがあります。1か3を選ぶことが必要ですが、困難の度合いは、患者それぞれ違いますから、自分の「より可能性のある節制方法」に優先順序をつけて実行するとよいのではないでしょうか。
「こういう合併症になりますよ」と脅されても、現在は症状がないのですから、ついつい実感が湧かず、「馬耳東風」と聞き流す方も多いですし、医者も「節制方法」を一生懸命話しても「点数」になりませんから、よほど「献身的な医者」でない限り、節制方法の説明は簡単にすませ、「薬だけを出す」という結果になります。
そこで「危険度」を「数字」で知ることが、大切だと思うのですが、こういう数字はなかなか教えてもらえません。大規模な疫学的統計は見当たりませんので、一部の大学や、開業医が発表した数字きりか示せませんが、参考にしていただければ幸いです。
(以下の数値は、日経メディカル2001年12月号、シンポジウム「糖尿病の患者指導」から引用しました。
現在の指針では、糖尿病とは、「空腹時血糖値」で「126以上」、「ぶどう糖負荷試験2時間値」で「200以上」となっています。後者が特に大切で、無理と「ぶどう糖」を飲んで、血液から糖が消えてゆく時間をはかるのですが、その方の「糖を消すことが出来る能力」を見るわけです。2時間経っても、この値が「200以上」もあるようでは、立派な糖尿病といえるわけなのです。この数値が「120以下」であれば正常ですが、問題は「120から200までの間」にある「境界型」なのです。
次に「現在の2時間値」で、120から199までの「境界型」の方が、10年後に、糖尿病を発症している頻度(%)を示します。(空腹時血糖値126以上が糖尿病です。)
ぶどう糖負荷 空腹時血糖値 空腹時血糖 空腹時血糖値
2時間値 126以下 126〜139 140以上
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120〜139 74% 12% 14%
140〜159 66% 16% 18%
160〜179 49% 21% 30%
180〜199 33% 24% 43%
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正常 糖尿病 糖尿病
例えば2時間値が170の方が、10年後に糖尿病になってしまう確率は、21%プラス30%、イコール51%であり、半数以上の方は糖尿病になってしまう可能性があることがわかります。
次に糖尿病を発症してしまった方が、3大合併症である腎症、目の網膜症、神経障害になってしまう迄の「予想年数」を示します。
腎症・・・・・10〜15年
網膜症・・・・7年
神経障害・・・5年
次に糖化ヘモグロビン(HbA1c)という値について記します。糖尿病の方は、よく血糖値の上下に一喜一憂し、中にはこの数字を低くごまかす為に、前日だけ食事や酒をやめて検査を受けるという方も、いらっしゃるようです。ところが糖化ヘモグロビンの値は、そう簡単に上下することはありませんから、「ごまかし」は隠せないのです。したがって、最近ではこの値を重視して、糖尿病の進行を観察する場合が多くなってきました。この値が6%を越えると、合併症を起こす確率が急増してしまいます。
では糖尿病を発症した年齢と、現在の糖化ヘモグロビン値ごとに、「生存中に網膜症で失明する確率]を示します。
糖化ヘモグロビ 45才 55才 65才 75才
7% 0.3 0.1 <0.1 <0.1
8% 1.1 0.5 0.2 <0.1
9% 2.6 1.2 0.5 0.1
10% 5.0 2.5 1.0 0.3
11% 7.9 4.4 1.9 0.5
45才で糖尿病を発症した方が、糖化ヘモグロビン値を11%のまま放置すれば、約8%の確率で「生存中に失明する」というわけです。
漢方では糖尿病のことを「消渇(しょうかち)」と言い、症状により「上消渇」(口渇)、「中消渇」(多食)、「下消渇」(多尿)と分類しています。ただしこんな症状が始まってしまっていれば、もう立派な糖尿病です。幸い、尿や血液の検査で、「境界型」も発見できますので、一般の方では、「治癒システム」の低下が始まる30才後半、家系に糖尿病があったり、肥満傾向の方(リスク群)では、「免疫システム」が低下する10代後半からの、定期的な検査が推奨されます。(子供の糖尿病が激増してきた。)
また最近糖尿病の原因が、「免疫システム」の低下と密接な関係があることが、見いだされてきました。そういう意味で、リスク群ではない方の場合でも、「免疫システム」のピーク(18才)を過ぎる20代後半から、遅くとも「治癒システム」の低下が始まる、30代後半からは、糖尿病だけではなく、成人病(老化病)を防ぐ「手立て」を考えなくてはいけない時代になってきたのです。30才代とは、「生物学的」には決して「若く」はないのです。
がん、糖尿病、高血圧、心臓疾患、脳梗塞、更年期障害、前立腺肥大等の病気は「細胞の新陳代謝の衰え」という「老化現象」と考えることが大切 |
現在の医療体制では、これらの病気は、それぞれの内臓、器官の「固有」の疾患と考え、細分化された「科」ごとの「専門医」により治療が行なわれています。そして「より効かせる」ことを目標に、医薬品メーカーが競って開発した「新しい薬」が、治療の主役になっています。それにより何年にもわたる「長期入院、通院」、「検査、薬漬け」がまかり通り、患者を苦しめるばかりでなく、医療保険財政を圧迫しています。
これらの病気は(若い年代に発生する遺伝的なものを除き)免疫システムが破綻し、しかも治癒システムも急速に機能低下する「中高年になって生じる」ということが共通しています。ということは、それぞれの個人の、「体質的に一番弱い内臓、器官」に現れた「老化現象」だと考えれば納得がいきます。逆に言えば、(ありえないことですが)老化がなければ、または老化を遅らせることが出来れば(これはありえます)、これらの病気の発生を防ぎ、治療をより確実にすることが出来るのです。
では「老化」とは何なのでしょうか。肉体とは、つきつめれば細胞の集まりです(細胞・・組織・・器官・・筋肉、骨格、皮膚、血管・・内臓・・肉体)。すなわち細胞の老化が、積もり積もって肉体の老化になりますし、細胞の老化を遅らせることが、肉体の老化を遅らせることになるのです。
細胞は常に新陳代謝しています。すなわち寿命を終えた細胞は取り除かれ、新しい細胞が再生します。この一連の働きに異常が生まれた時に、新陳代謝に障害が生まれ、細胞の老化が始まるわけです。ここで大切なのが「死んだ細胞の除去」の過程なのです。ビルを新築する時、古いビルは取り壊しますが、この廃材を除去しない限り新しいビルを作ることは出来ないのと同じ理屈です。
この過程で主役を演じるのが、「特別に活性化されたマクロファージ」という白血球の一種です。ある細胞が「死んだ」という情報が、免疫細胞の一種であるB細胞に届いた瞬間から始まる一連の反応により、マクロファージ活性化因子(MAF)というものが生まれ、この物質がマクロファージを「特別に」活性化し、細胞の死骸を取り除いてくれるのです。(興味のある方は、別項に紹介した書物をご覧下さい。)
この反応の中で「情報がB細胞に届く」過程の異常、すなわち「B細胞の情報受信アンテナの感度不良」が原因となり、死んだ細胞の除去が正常に行なわれないことによる新陳代謝の衰えこそが、細胞の老化そのものなのです。そしてこの過程は1980年代の終わりに解明され、何千年も前から認められてはいたが、その実体がわからなかった「自然治癒力」そのものであることが判明し、「治癒システム」と呼ばれるようになりました。
この衰えた「治癒システム」を修復すること(ミクロ的にはB細胞の情報受信アンテナの感度を上げること)こそが、これらの「老化病」を防ぎ、また治療を確実にする唯一有効な手段なのです。
また「白髪」とか「皮膚の弾力の衰え」などは、「中高年」と呼ばれる年代より、ずっと若い時代にも気がつきます。ということは病気ではないにしろ「細胞の老化」は、中高年だけの問題ではないのです。髪の毛とか皮膚の変化は、体の表面に現れるから気がつくのであって、「意外に」若い年代から体の内面も確実に老化が進んでいるのです。色々な原因が取り沙汰されていますが、「老化の若年化現象」が、この数十年進んでいることは確かです。そういう意味で、中高年ばかりではなく、若い時からの治癒システムの維持と修復は、不可欠なものと言えます。