<コソボ、セルビア、マケドニア国内避難民、子ども、障害者「医療供給体制調査」「民軍協力調査」「支援可能性調査」「生活実態フィールドリサーチ」「ODA活用支援」のための「インターン及びアシスタント」募集について>
(12月13日現在)


◎同種のフィールドリサーチ、支援インターンは、支援対象、支援都市を変えて、コソボ、セルビア内で10年第2次班(2月下旬)、第3次班(イースター支援・3月下旬)<以後随時>として募集中予定です。
 詳しくはこちらをご覧ください。


【コソボ、セルビア国内避難民、子ども、障害者の「医療供給体制」「民軍協力」「生活実態」フィールドリサーチ「ODA活用支援」要員募集の背景について】

国際ボランティア連絡会議
代表幹事 須 田 浩 之

 99年のコソボ紛争終結から早くも10年以上が経過しました。
 コソボが08年2月に独立宣言を行いました。日本を含む欧米各国の国家承認手続きが進んでいます。同時にセルビア政府は一貫して反発しています。ロシア、中国との密接な関係を背景に、国連での議論が止まってしまっています。

 マスメディアは、コソボ独立やセルビア政府、国際社会の対応についての報道しかありません。
 紛争や政治的な確執の影にかくれて、報道もされずに苦悩する人々が多数現在も存在します。
 紛争を逃れ、故郷にいまだ帰ることのできずに避難している人々、難民、国内避難民、子どもたちそして障害者です。
 公式な数字ではセルビア系住民約20万人。加えて、アルバニア系住民がさまざまな理由で数千人避難民生活をしていると言われます。

 多くはコソボで農業や労働者として職を持っていたにもかかわらず、避難民となり無職か日雇い仕事で、日銭をかせぐだけの収入です。経済全体が疲弊し、一般の失業者があふれる中で、難民の日雇いの機会は極めて限定的です。

 コソボ独立に反対するセルビア政府は、電力の供給停止などを始めとする経済制裁を示唆しています。また政治情勢も流動的です。

 この地域の冬は厳しく、時にはマイナス20度程度まで温度が下がります。また、夏には35度以上の日が続きます。
 このような状況下で暮らす、社会的弱者の生活状況は日本ではほとんど知られていません。
 極めて例外的に、独立後最新のコソボ難民の生活状況を読売新聞(2008年10月8日東京本社版・夕刊)が大きく報道しました。
「望郷のコソボ 傷跡深く」はこちらを是非ご覧ください。

 国際ボランティア連絡会議では、その生活実態を把握し、広く発信するためのフィールドリサーチを2007年以降数次にわたって行ってきました。

 その結果として、次のような問題が明らかになりました。
(1)コソボのアルバニア系国内避難民は、極度の貧困状態のため日々の食料にも事欠く状態であること。医療供給体制の整備、民軍協力の連携、食料供給と何らかの収入確保策が急務であること。

(2)セルビアに逃れているコソボ出身のセルビア系住民は、独立によって「自分たちが故郷(コソボ)に帰ることは不可能となった」と固く信じ始めている。収入確保策と劣悪な生活の改善が急務であること。

(3)コソボの障害者は、雇用もないまま放置されており、収入確保策の策定が急務であること。

(4)マケドニアの初等教育機関における教員の汚職などによって、村落の学校に格差が広がっています。格差縮小のための取り組みが必要であること。

 こういった諸課題をどのように解決するのか、またより深く諸課題を掘り下げるために、支援可能性調査とフィールドリサーチを引き続き、<09年第5次班>を12月下旬に、<10年第1次班・クリスマス支援班>を1月上旬(以後随時)に行います。

 リサーチを実際に行う、プロジェクト遂行のためのインターン、調査アシスタント、調査インターンを広く募集します。
 是非、コソボとセルビア、マケドニア、そしてその周辺地域に山積する現実の諸問題と、私たちにできることを見つけるために、このリサーチ活動に是非参加してください。


【このインターンシップの特徴】

(1)旧ユーゴスラビア紛争終結から現在まで、コソボ、マケドニア、セルビア中部で支援活動を継続している日本の団体は、国際ボランティア連絡会議だけです。この地域を熟知している経験とネットワークを活かして、活動を継続しています。

(2)長年の組織的、人的ネットワークと支援活動の経験から、独立がなされて混乱が若干懸念されるコソボでも、安全な調査、支援活動を行える環境が整っています。

(3)日本政府の支援の枠組みをいかに活かして現地支援を行うか、というコンサルティングを各地行っています。その活動をコソボとセルビア中部に広げます。

(4)現在進行中のプロジェクトは「ウェブサイト構築による広報強化」「生活支援のための伝統工芸品作成支援」「コソボ政府公式支援枠組コンサルティング」などです。また、調査そのものは「聞き取り」が中心です。

(5)リサーチ結果は、できる限り英語または日本語で公表し、参加したメンバー(主に大学院生)の業績の一部となるように配慮すると共に、各関係機関やマスメディアに働きかける際の資料とします。

(6)日本から出発するメンバーは日本国内で、欧州で合流するメンバーは欧州経由都市でブリーフィングを行い、歴史、背景、状況、課題などの把握を行った上で、調査を行います。

(7)新たなテーマとして市民の医療供給体制と「軍民協力」のリサーチも行います。

(8)国際ボランティア連絡会議代表幹事または先輩インターンが一部日程に同行し、ブリーフィング、現場との橋渡しなどを行います。
 また、現地コーディネーター、現地NGOとの連絡をとりながら実施されます。現地は平穏で懸念はありませんが、万一の危機管理も十分に行って調査に専念できるように調整を行います。

(9)参加者それぞれの関心分野に関連する調査先の選定について、カスタマイズに応じることも可能です。(過去にはクロアチアでの調査が実施されたり、日本での秋野豊賞受賞者を生むような調査が実施されました。)

(10)フィールド経験の有無は問いません。学生の参加も歓迎します。また、参加メンバーにはさまざまな役割が割り振られ、調査活動支援の一翼を担います。


<現地状況の写真>
【旧ユーゴスラビア各国と周辺国の位置関係】

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【コソボ避難民キャンプ「ブランコ・ラディチェビチ」(コソボ・ミトロビツァ)】
 廃校になっていた初等学校を、紛争後にキャンプとして使っています。この学校ではコソボ紛争前までは、アルバニア、セルビア両民族が学んでいました。このキャンプには2005年に支援を始め、現在も継続しています。支援した物資は、暖房用薪、温水ボイラー、衛生用品、配電設備、クリスマスプレゼントなど多岐にわたります。

【コソボ避難民キャンプ内部(コソボ・スケンデライ)】
 各部屋は雨露はしのげるが、水場が限られているために、各部屋にはペットボトルで水を持ち込まなければならない

【コソボ避難民キャンプ生活支援物資配布の様子(コソボ・スケンデライ)】
 約50kgの小麦粉があれば、1家4−6名の1ヶ月分のパンが焼けます。
 世界的に穀物が値下がりしているものの、高止まりしてしまっていて、難民のみならずこの地域全ての貧困家庭の家計を直撃しています。

【避難民キャンプ<政府非公認のキャンプ>での簡易シャワー配布の様子(セルビア・クルシェバツ)】
 2007年12月に日本から寄贈(黄色い手押しポンプ式のもの)されるまで、このキャンプには避難後8年間シャワーがなく、鍋でお湯をわかしてシャワーの代用としていました。

【避難民キャンプのトイレの様子(セルビア・クラリイェボ)】
 クラリイェボ市は、コソボ紛争前8万人の人口に対して2万人!近い避難民が現在でも滞留する、セルビアでも最も状況が悪い都市。
 現金収入に乏しい避難生活ではトイレの修繕はもちろん、衛生用品さえ購入できず汚れたままだ。

【避難民キャンプの室内、窓の様子(セルビア・クラリイェボ)】
 雨露はしのげるが、極寒の中部セルビアにあって割れた窓のままでは、冬場の室内は0度以下まで下がります。

【避難民キャンプの子どもたち(セルビア・クラリイェボ)】
 多数の家族が避難生活をしているということは、子どもたちも当然暮らしています。国内避難民であれば「内国民」として学校に通うことはできます。個人で用意しなければならない文房具類の不足は顕著です。
 困難な生活から私たちが想像よりはずっと元気そうで、興味津々で日本人を見つめる子どもたちの様子に、こちらが励まされてしまいます。
 「この子たちの平和な未来のために、私たちができることは何なのだろう?」と自問する日々です。(須田)

→→その他の現地写真は、こちらを参照してください。

【フィールドリサーチの背景】
 国際ボランティア連絡会議では旧ユーゴスラビア地域に特化して、1994年から活動しています。
 コソボの最終地位で揺れるセルビアとコソボの国内避難民に対する支援を、2000年から現在まで継続してきました。
 コソボ独立宣言後のコソボの国内避難民の生活状況を調査し、支援可能性の調査活動を行うと共に、コソボから逃れてセルビア内に滞留している避難民の生活状況と、独立宣言後の権利関係の調査を行うことを主眼とした、フィールドリサーチ活動です。

 2007年11月下旬に中部セルビアのコソボからの国内避難民状況把握のため、短期調査班が調査に出向き、中部都市のクルシェバツ市とクラリイェボ市を短期で調査してきました。
 特に政府から非公認とされているキャンプと、8万人の人口に約2万人の国内避難民が流入しているクラリイェボでは、明日の食料もない、マイナス20度にもなる冬に十分な暖房の薪がない、というような状況を数多く目にしました。
 ヨーロッパの一角にありながら、国際的関心の低い悲惨な状況が99年の紛争終了直後から依然として続く国内避難民の実態を知っていただく良い機会でもあると考えています。


【募集要項<09年第5次班・10年第1次班>】

1.インターンの期間

 日程については詳しくはこちらを参照してください。


2.活動地域
・コソボ:スケンデライ=スルビツァ、ミトロビツァなど
・セルビア:中部都市<クラリイェボ>を中心に
(・マケドニア:テトボ市、クマノボ市及び周辺村など)

3.インターンの行う業務
(1)支援可能性調査の団体、国政、行政、国際機関、軍隊などヒアリング
(2)個人、家族の生活実態調査、聞き取り調査
(3)調査を元に現地NGO、現地関係者、軍隊との情報交換
(4)日本政府の支援の枠組みを利用した援助案件作成支援
(5)記録(写真、録音、録画等)と報告作成
(6)クリスマス支援班(1月上旬)に関しては、1月7日にクリスマスを祝うセルビア正教徒へのクリスマスギフトと生活支援物資の贈呈を通じて、生活支援を行う。

○各自の関心範囲によって、支援活動以外の調査などカスタマイズします。お問い合わせください。

4.応募資格など
・セルビア、コソボ地域などにおける国内避難民、民族問題、現地NGOの活動などに強い関心を持っていること。
・英語による業務遂行が可能なことが望ましいが、仮に十分な語学力を有しない場合でも、アシスタントとして補助的業務に従事する場合もあるので、お問い合わせください。
・フィールド経験の有無は問いません。
・学生(高校生を含む)、社会人等も問いません。
・参加者の国籍は問いませんが、ビザ取得に時間を要する国籍の場合にはお断りする可能性があります。(日本人には、全地域ビザは「不要」です。)

5.研修、ブリーフィング
・日本国内在住のメンバーは、事前研修を行います。また、日本発前日は宿泊研修となります。 ・国外の方については、スカイプなどの電話サービスを利用して事前研修等は行います。
・経由都市で参加者全員対象のブリーフィングを行います。

6.調査実施のために必要な参加者数
 参加者が4名以下の場合には、「調査計画の変更」または「調査そのものの中止」の可能性があります。詳しくはお問い合わせください。

7.参加に要する費用
【往復航空券】実費(各人で手配も可能ですが、天候、経由途中航空機トラブル等の到着遅れなどの混乱を避けるために、日本から同一航空会社利用を原則としています。)
 日本発オーストリア航空、全日空など利用(成田発)の場合は、おおむね13〜14万円程度。(全てのチャージ類を含む概算額です。利用を前提とした便の空席状況によっては別の航空会社を利用する可能性があり、その場合には実費額が変更になります。)
 欧州から参加の場合は、旅程によって安くなる航空会社等や、また格安航空会社などを組み合わせることによって安くなる場合もあるので、ご相談ください。

【参加費】
<5次班(12月班)> 114,000円(日本発予定日以降日本帰着予定日の標準日程の間の、食費を除く全ての経費<移動、宿泊、コーディネーター謝金、通信関連費用、危機管理等諸経費など>を含みます。学生割引があります。お問い合わせください。)

<10年1次班(クリスマス支援班)> 109,000円(日本発予定日以降日本帰着予定日の標準日程の間の、食費を除く全ての経費<移動、宿泊、コーディネーター謝金、通信関連費用、危機管理等諸経費など>を含みます。学生割引があります。お問い合わせください。)

<特記>12月班と1月班を通じて中期の活動を希望の方は、別途お問い合せください。

【食費】実費・おおむね1日あたり約1300円程度。

【その他必要な費用】海外旅行傷害保険、日本国内交通費、個人的費用


8.関心表明
 一定以上の関心がある方は、「氏名」「所属」「連絡先メールアドレス」「携帯電話連絡先(もしあれば)」「関心を持った背景、理由など」を明記の上、電子メールでご連絡ください。お早めにお願いします。
 関心表明前のお問い合わせも歓迎します。
 お問い合わせは、問い合わせメールフォームまたは電子メールをご利用ください。
 直接のお問い合わせは、事務局携帯電話(090-4176-1065)にお願いします。

9.参加までの手順
 「関心表明」→「直接面談または電話による面接、相談」→「参加意思決定」(出発3日前頃までに確定を予定)→「研修またはブリーフィング」→「リサーチ活動参加」

【付記】
 同種のフィールドリサーチ、支援インターンは、支援対象を変えて、2010年2月、3月イースター支援も予定しています。
 詳しくはお問い合わせください。


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