国際ボランティア連絡会議(JNIV)
 
■ 「なぜ旧ユーゴ支援がまだ必要なのですか?」
 
旧ユーゴスラビアへの支援に関心のある全ての皆さんへ
国際ボランティア連絡会議 代表幹事 須 田 浩 之
 
『旧ユーゴスラビア地域』への継続的支援の必要性と現地支援について
 ヨーロッパの地図を広げてみてください。旧ユーゴスラビアは、イタリアから時計回りにオーストリア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャ、アルバニアに囲まれた国々です。皆さんは「旧ユーゴスラビア」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。
 紛争が絶えなかった国というイメージでしょうか。難民、国内避難民の存在でしょうか。それともアドリア海(イタリアの対岸)のドブロブニク、トロギル、オホリド湖、コトルなどの美しいローマ時代の世界遺産群でしょうか。
 国際ボランティア連絡会議は1994年に設立されたネットワーク型ボランティア団体です。活動を旧ユーゴスラビア地域だけに特化して支援を行っている日本唯一の団体です。
 現地支援はまだまだ必要とされています。継続的支援がなぜ必要かを良く知って頂くために、是非ご一読ください。
 
★旧ユーゴスラビア紛争後の戦後復興と国際社会の支援の現状はどうなっていますか?
 アフガニスタン、イラク、パレスチナ、スーダンなど他地域での戦争の継続・拡大は、国際機関やNGOの撤退・縮小など現地支援体制に多大な影響を与えています。日本の団体のほとんどは既に撤退し、国際ボランティア連絡会議などごく一部が活動を継続しているにすぎません。戦後復興事業の撤退や雇用機会の減少で、平均30-40%もの失業率は紛争後より現在の方がむしろ高くなる傾向にあります。復興が進む国と進まない国との経済格差が急速に広がりつつあります。
 
★現地の紛争後の経済状況などはどうなっていますか?
 各国は社会主義経済体制から移行のただ中にあり、特に戦争や紛争、絶えなかった民族対立の影響を受け経済状況は極めて深刻です。2005年5月にスロベニアまで拡大した欧州統合の流れから取り残され、経済的に苦悩する旧ユーゴ3ヶ国(3年半もの間全土が戦場となったボスニア、8年もの経済制裁とNATO空爆を受けたセルビアとコソボ地域、2001年に限定紛争を経験した最南端のマケドニア)を例に見てみましょう。
 
  【『国民ひとりあたりの国民所得*(年間)』(2004年世界銀行統計速報値)】
■ボスニア・ヘルツェゴビナ
■セルビア・モンテネグロ
■マ ケ ド ニ ア
1540ドル/年(約17万円**)
1910ドル/年(約21万円**)
1980ドル/年(約21.8万円**)
   【参考】日本:34,510ドル/年(約380万円**)
注* 国民総所得を人口で割ったもの。注** 1ドル110円の場合の計算値。
 
 この比較で明らかなように日本と諸国の所得格差は名目上約20倍あります。では現地の物価やサービス価格が日本の20分の1かと言うとそのようなことはありません。例えば現地の食料品物価は日本に比べて農産物を中心に半分〜3分の1程度というような実感です。他方、写真のDPEのように日本の2〜3倍もするサービスもあります。こういった経済指標だけをもとに経済格差を単純化することはできませんが、経済状況把握の目安にはなります。物価の格差を考慮しても、日本とこれら旧ユーゴスラビア諸国との間には、おおむね10倍程度以上の所得格差があると考えられます。
 
★難民や子どもたちの現状はどうですか?
 100万人程度の難民、国内避難民が、この地域にいまだに存在します。セルビア内の50万人、ボスニア内の40万人などです。「100万人」とは、名古屋市人口の約半分、和歌山県、香川県、広島市、仙台市などの自治体とほぼ同じと考えると、この問題の重さが想像できるのではないでしょうか。
 旧ユーゴ地域内には大きな経済格差が現存し、社会経済の疲弊から教育を十分に与えられない子どもたちがいます。特にコソボやマケドニアの紛争後の小学校の音楽室には電子ピアノさえなく、図書館には書籍も、科学実験用機材も、世界地図もないという厳しい現実です。
 コソボやマケドニアでは、例えば教師の月給は150ユーロ程度(約2万円弱)。ボーナスはないため年収は約25万円程度という計算になります。


寄贈された電子ピアノ(マケドニア)

★遠い日本からできることは何ですか?
 「私たちのことを忘れないでいてありがとう。」「遠路はるばるありがとう。」
 現地支援の現場で多く伝えられるメッセージです。旧ユーゴ紛争では幸いなことに日本人はどの勢力にも加担せず、どの民族にも属しません。当然のことですが日本は民族を問わず「中立な支援」が可能な国なのです。
 遠く日本からの支援可能性は「無限」です。物資のみならず、現地の人々を勇気づける多面的活動が求められています。
 現地支援のお申し出、支援情報、総合学習の時間の活用、講演・勉強会依頼などのお問い合わせは、以下連絡先まで何なりとお寄せください。
 
―――――――「国際ボランティア連絡会議」(代表幹事 須田浩之)―――――――
・住所:〒116-0013 東京都荒川区西日暮里4−14−11−101
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