I-ni-tial D

 2      がんばれ池谷先輩♪ 2
 不思議に思う俺をよそに、沙雪ちゃんは次の行動に出る。
「きゃっ…!」
 真子ちゃんの胸の頂を、ぺろりと舐めたのだ。
「ああっ…さ、沙雪…もう…ああんっ…」
 沙雪ちゃんの舌は休む様子を見せない。
 真子ちゃんは少し背中を反らし、沙雪ちゃんの頭を両手で押さえつけている。
 それは、もっと強い刺激を求めているようでも、身体の力が抜けて沙雪ちゃんを支えにしているようでもあった。
「真子、立ったままってのも落ち着かないから、ちょっとここに座って」
 ちょうどベッドの真横の壁際にクッションを置く。
 柔らかそうな淡いブルーのカーペットの上に、力が抜けたようにぺたんと腰を下ろした真子ちゃんをそのクッションにもたれかけさせて、沙雪ちゃんは続きを始めた。
 が、近すぎるせいで、真子ちゃんと沙雪ちゃんの身体の3分の1くらいはちょうどベッドの陰になって見えない。
 それでも、見える範囲での動きや、聞こえてくる真子ちゃんの声で大体の想像はついてしまう。
沙雪ちゃんの手が、再び真子ちゃんの柔らかそうな胸をもみ上げる。
 そしてその掴んだ胸の蕾を唇で刺激する。
「ああっ…ああん…あっ…」
「どう?気持ちいいでしょ」
 沙雪ちゃんが顔を上げて聞く。
「ああん…そんなあ…」
「池谷にもわかるように説明してあげなよ」
「いやっ…見られてるだけでも…恥ずかしい…のに…」
「なーに言ってんのよ。池谷も知りたいよね?」
「あ…?ああ…」
 いかん…声が、裏返ってる…。
「池谷もこう言ってることだし。どうなの、真子。どんな気持ち?」
「き…気持ち、いい…」
「これ?」
 言いながら沙雪ちゃんが真子ちゃんの乳首を軽くつまんだ。
「あんっ…そう、それ…気持ちいいの…」
 沙雪ちゃんはまた真子ちゃんの胸に唇で愛撫を加えだした。
「あっ…あっ…あっ…」
 真子ちゃんの身体はどんどんずり下がって、ほとんど床に横たわってる状態になっている…ようだ。
 「ようだ」っていうのは、床に横たわってしまった真子ちゃんの姿は、ベッドの陰になって俺からはもうほとんど見えなくなってしまったからだ。
「ああん…沙雪…もう…だめえ…」
 真子ちゃんの悩ましい声だけが間近に聞こえてくる。
 …今、どうなってんだよー!!くーっ…見てえー!!
 ん…?もしかしてこれがペナルティ?
 …確かに見たくてしようがないけど…ペナルティって程じゃ…ないよな。
 俺がそんなことを考えた0.5秒程の間にも、真子ちゃんの声に余裕がなくなってきていた。
 どうやら沙雪ちゃんの攻撃の手が、真子ちゃんの…その…下半身にも…及んできたみたいで…。
「ああっ…!沙雪!そんなとこ…やだっ!」
「ほんとにあんたって素直じゃないんだから。ほら、こんなにココは気持ちよさそうにしてるじゃない。こんなに濡らしちゃって」
「いやああん!」
「何言ってんのよ。さっきは『恥ずかしい』とか言ってた割に、この濡れよう…。あんたって結構いやらしい娘だったんだね」
「いやっ…!そんなこと言わないで!」
「クリもこんなにおっきくなってるし♪すっごーい」
「ひっ…ああっ…!やんっ…あああっ…」
 声だけ聞いてても…すっげえ迫力で…。
 い、いかん…また…俺…。
 自分の下半身の変化に気がついた俺は、二人になるべく見つからないように自由になる足を少し動かして隠そうとした…が、それが裏目に出た。
 身じろぎした俺に沙雪ちゃんが気づく。
「あら?池谷ー。真子の声を聞いて、もうこんなになっちゃったー?」
「あっ…いや…これは…」
 両手を手錠でベッドに繋がれたこんな姿では、為すすべもなく。
 俺の中心部分のモノだけが、ドクン…ドクン…と脈打っていた…。
「でも、しばらくはそのままでいなよ。っても、手が自由になんないんだから、どうしようもないと思うけど」
 そう言って沙雪ちゃんはまた真子ちゃんへの攻撃へと戻る。
「あああんっ…沙…雪…どう…しよう…身体が…」
「熱くなってきた?」
「うん…!」
「気持ちよくて?」
「そう…!ああっ…何か…来るっ…!」
 真子ちゃんが苦しげに身をよじっている様子が、俺から見える腕や足の状態から想像できた。
「そのままイッちゃいなよ、真子」
「ああんっ…沙雪…すごい…ああっ…!ああん…っ…!!」
 沙雪ちゃんの腕をきつく掴んだ真子ちゃんの手が、バタリと床に落ちた。
「はあっ…はあっ…」
 その後は、真子ちゃんの荒い息づかいだけが聞こえる。
「どう、真子…?よかった?」
「……うん…何だか…自分の身体じゃないみたい…だった…」
「まあ、池谷に任せてたらこんなに気持ちよくなってたかどうかわかんないけどね」
 自身満々の沙雪ちゃんに、真子ちゃんが顔を上げたようだ。
「…そんな…もんなの?」
 少しかすれた真子ちゃんの声が、沙雪ちゃんに問い掛ける。
「そりゃそうよ。Hのセンスとドライビングセンスは比例するんだから」
 え゛…!沙雪ちゃん…!そ、その言葉はあまりにひどすぎるんじゃ…!
 思わず心の中で号泣してしまう。
「じゃあ…池谷さんより…涼介さんの方が…?」
「比べ物になんない」
「そしてもしかしたら…拓海くんの方が…?」
「言うまでもないね」
「……」
 半身を起こし、無言で俺を見る真子ちゃんの瞳の色が、心なしか憐れみを帯びているように見えた。
 
 い…いかん!
 このままでは…こんな姿のまま、生殺しで終わっちまう…!
「そ…そんなこと…やってみなけりゃわかんないだろ!」
 え?俺、勢いに任せて何てこと言ってんだよ!?
「あら池谷、すごい自信ね」
「え…いや…」
 言ってしまってからかなりうろたえてる俺…。
「ふふん。試してみる?」
 
 また、沙雪ちゃんの悪魔の微笑が炸裂した。
 
 
 
「真子。池谷がここまで言ってるんだから、やらせてみようか。いい?」
「…うん…!」
 嬉しそうに、でも、まだどちらに対しても半信半疑といった様子で、俺と沙雪ちゃんを交互に見る真子ちゃん。
「よかったね、池谷。ほんとに真子のバージン、いただきだね!」
「え…!いや…あの…」
 既にしどろもどろな俺。
 使い古された言い回しだが、心臓が口から飛び出しそうというのはこういうことかもしれない。
 口から、というより、胸からそのまま飛び出しそうな勢いで鼓動している。
 
 マジで、これから真子ちゃんと…?
 いかん…頭がクラクラしてきた…。
 
「沙雪…あたし、どうしたらいいの?」
 真子ちゃんは困ったようにアドバイスを求める。
「こんなときくらい自分でしたいようにしなよ。池谷もその方がきっと嬉しいから」
 あ゛あっ……!!
 沙雪ちゃんってほんとはすげえいいコだったんだな…!
 さっきとは違う意味で、俺は心の中で号泣していた。
 ベッドサイドから俺を見つめる真子ちゃん。
「池谷さん…こんな形だけど、あたし…すごく嬉しい…」
 
『俺も…!』
って言おうとしたのだが、その言葉はからからに乾いた俺の口の中で絡まって、ついぞ出てくることはなかった…。
 
「え…と、どうしたらいいのかな…」
 少し困った顔でベッドに上がってくる真子ちゃん。
 とりあえず、といった感じで俺の身体を膝立ちで跨ぐ。
 そして、動きが止まった。
「……」
 俺のモノに手を添えようとして、真子ちゃんは少し恥じらっているようだ。
 さほど大きくはない(と思う…)とはいえ、それは、再びはちきれんばかりに固く立ち上がってしまっている。
 言葉にまして俺のあさましい欲望が露呈してる気がして、俺も顔を赤らめた。
 だがそれも一瞬で。
「うあっ…!」
 俺はまた情けない声を上げる。
 真子ちゃんのひんやりとした指が、俺の熱く昂ぶったものをやんわりと掴み、自らの窪みに導こうとしていたからだ。
 冷たい指とは対照的に熱く潤んだその部分が、俺の先端に触れている。
「ひっ…」
 もちろんこれも真子ちゃんではなく俺の声だ…。
 その間にも先端が真子ちゃんの襞の中へ少しずつ沈んでいく。
「…痛…い…」
 真子ちゃんの顔が、少し歪む。
「真子、力抜いて。ゆっくり、自分のペースで入れていけばいいよ」
 すかさず沙雪ちゃんのナビが入る。
「う…うん…」
 俺の身体の右側に左手をついて、右手を添えてゆっくりと膝を曲げ、俺のモノを中に収めようとしている真子ちゃん。
「ごめんなさい、池谷さん…私…上手くなくて」
「そ、そんなことないよ…!俺…すげえ嬉しひ…」
 ああ…また声が裏返ってるよ、俺…。
 ゆっくりと、しかし少しずつ、真子ちゃんの中にのみこまれていく。
 柔らかく、温かい襞を文字通り分け入って行く感覚。
 口や手でされるのとは違って、どの部分にも真子ちゃんが密着してくるのがわかる。
 密着しているだけではなく、握るように締め付けてくるところさえもあって…。
 すとん…と真子ちゃんのお尻が俺の太腿につくと同時に、真子ちゃんの一番奥に俺のモノが届いた。
「あうんっ…」
 真子ちゃんが身体をビクンと震わせ、俺の両肩を掴む。
 同時に中もキュンッと収縮する。
「うおっ…」
 …真子ちゃんのバージン…ほんとに俺が…!
 ……!
 だ…だめだ…俺…もう…。
「あ…あっ…?」
 情けなくもまた、瞬時に俺は果てていた…。
 
 
 
「ね?あたしの言ったとおりだったでしょ?」
 脱力している俺を見下ろして、沙雪ちゃんが俺の上になったままの真子ちゃんに言う。
「池谷ったら、何にもできないうちに終わっちゃって…。だーかーら、ドライビングセンスとHのテクは比例するって言ったのよ」
「そう…なのかな…」
 真子ちゃんはまだ納得のいかない声色だ。
「だって、池谷さん、手錠されたままだったし…」
「はん、外したっておんなじよ」
 沙雪ちゃんは一言でばっさり斬り捨てる。
「これだって、試してみなきゃ…わかんないじゃない」
「そうかなあ…?……あーーっ!…真子…まだ物足りないんでしょ、あんた!?」
「そ…そんなこと…」
 赤くなってうつむく真子ちゃん。
 沙雪ちゃんが、未だ半分放心状態の俺の頬を人差し指でつつく。
「い・け・た・に♪真子ってばあんたのチ○ポがそんなに良かったんだって♪もう一回して欲しいみたいよ?よかったねー♪」
 チ…チ○ポって…。
 さ…沙雪ちゃん…仮にも女のコがそんな言葉を堂々と…。
 俺だってさっきから『俺のモノ』としか言ってないのに…!
 が、その『俺のモノ』は、沙雪ちゃんのその刺激的な言葉のせいか、あるいは、真子ちゃんの中がまた収縮したせいか、再び力を漲らせ始めていた。
「ああんっ…」
 真子ちゃんが悩ましい声を上げる。
「池谷ってば、また勃っちゃったんだ…。真子となら何度でもヤれるって?」
 …沙雪ちゃんっ!!そおいうことを、言わないでくれー!
 真子ちゃんが…真子ちゃんがまた赤くなってるじゃないかー…!
 だが、沙雪ちゃんが俺の心の声に気づくはずもなかった…。
 
 
 
 そしてようやく、俺の手錠が外される。
「池谷さん…ごめんなさい…手…こんなに赤くなって…」
 申し訳なさそうに俺の赤く擦り切れた手首をさすりながら謝る真子ちゃんの手を、制するように握った。
「真子ちゃん…」
「池谷さん…」
 俺の上に折り重なっている真子ちゃんを、ようやくぎゅっと抱きしめた。
 …念のために付け足しておくが、俺と真子ちゃんはまだ繋がったままだ。
 なんか、ロマンチックじゃない気がする…。
「あーあ、もう見てらんない!真子、あたし、ちょっと外すわ」
 沙雪ちゃんはそう言って部屋を出て行ってしまったのだった。
 
 
 
「あーあ、もう、見てるだけじゃ収まりつかないや。つっても池谷じゃあ満足させてくれそうにないし…。第一、あいつの場合は真子とHした時点でもうペナルティだしね。ふふ♪」
 部屋を出た沙雪ちゃんが、そんな謎めいた独り言を言いながら携帯を手にしていたとは、そのときの俺たちは知る由もなかった。
「慎吾でも呼び出すかな。それに、慎吾の友達…中里って言ったっけ…あいつもあたしのことエロい目で見てたから、誘ったら乗ってくるかも…。2人いっぺんっていうのも面白そう♪」
 ……沙雪ちゃん、それって……3P…?
 
 
 
 だが、もちろんその時の俺たちは沙雪ちゃんのことを考えているどころではなかったのだが…。
 
 
 
 沙雪ちゃんが出て行って、俺と真子ちゃんは二人だけになってしまった。
「沙雪…」
 心細そうな真子ちゃん。
「だ…大丈夫だよ…真子ちゃん…。何とかなるから、きっと…」
 二人きりになれてホッとした反面、俺もやっぱり心細かったが、真子ちゃんを安心させるためにとりあえずそんな気休めを言ってみる。
「そうですね…」
 俺の焦りに気づいているのかどうか、真子ちゃんは小首をかしげて微笑んだ。
 
「…池谷さん…真子を…もう一度…抱いてください…」
 真子ちゃんが真剣な瞳で俺に囁く。
「真子ちゃん…!」
 体中の血が、ドクドクと音を立てて頭とアソコに二分されていく。
 俺は真子ちゃんの上になろうとして、身体を反転させた。
 いや、正確には反転しようとしたが、上手くいかず…。
「あ…!?」
「あんっ…」
 繋がったままで反転しようとしたのに、焦ったためかぬるりと抜けてしまった。
 …マヌケだ……果てしなくマヌケだ…。
 仕方なく、のそのそと真子ちゃんの下から身体を抜き、改めて真子ちゃんを仰向けに寝かせて覆い被さった。
「…池谷さん…」
「ま…真子ちゃん…」
 俺…とうとう…ほんとに…真子ちゃんを…!
 俺の意思で…!
 俺の…。
 ……?
「…!?あれっ??」
 ……!
 どうしよう…!?
 ば…場所…入れる場所…どこだ………!?
「池谷さん…」
 心配そうに見つめる真子ちゃん。
「だ…大丈夫だよ…」
 最大限の無理をもってしても、無常にも笑いは引きつっている。
 手を添えて、何とか真子ちゃんの中に収めようとするのだが…焦れば焦るほど、自分が何をしているのかわからなくなってきて…。
 落ち着け…落ち着け自分…。
 え…と…ここじゃないとすると…もっと上?
「あんっ…違…う…」
 げ…なんか…先端が…豆粒みたいなものに…触れたような…。
 こ…これがもしかして「クリ○リス」…?
 俺…俺…!どさくさに紛れて触っちまったよー!
 …アソコの先でだけど…。
 ―――って変な感慨に浸ってる場合じゃなくて。
「え…と…」
 なおも真子ちゃんの亀裂を探る俺に、真子ちゃんは見かねたように声をかけた。
「あの…池谷さん…真子に…真子にやらせてください…」
 そのまま、真子ちゃんが恥ずかしそうに目をそらしながらも俺のモノに手を添えて、自らの部分へといざなってくれた。
 
「ひあっ…!」
 やっぱり情けない声しか出てこない俺の口。
 真子ちゃんのしなやかな指に導かれて、もう一度、熱くうねる襞の中へと埋没していく。
 いくら俺のモノが熱くなっているとはいえ、一度真子ちゃんの蜜に浸されてから抜かれた分だけ表面の温度は下がっていたらしく、真子ちゃんの膣(なか)は驚くほど熱く、そして柔らかかった。
「…池谷さん…」
 俺の名前を呼ぶ真子ちゃんの声が、少し掠れていて…それだけでも目がくらみそうな興奮を覚える。
 その上、俺のモノには絞り込みながら引き込む真子ちゃんの襞が絡みついてきて、背筋を駆け上る快感に思わず身震いしてしまう。
 …が、その真子ちゃんは、少し眉をしかめていた。
「い…痛いの…?真子ちゃん…」
「いえ…大丈夫…です…」
 それでもやっぱり少し辛そうで…。
「でも…」
 進みたがっている俺の本能をやっとのことで押しとどめ、動きを止めて真子ちゃんの様子を見る。
「ほんとに、大丈夫…だから…奥まで…来て…」
 引き寄せるように俺の背中に両手を回し、揺れる瞳を潤ませる真子ちゃん。
 その表情、その言葉に、自制心も何もかもあっという間に吹っ飛んでしまった。
「…じゃあ…いくよ…」
 言われるままに、一番奥まで進む。
 進んでいくほどに温度は増し、
「ああんっ…」
 真子ちゃんの唇から甘い喘ぎ声が洩れ、俺の背中に回した手に力がこもる。
 …真子ちゃん…ほんとに感じてくれてるんだ…?
 そう思うと、俺はもう無我夢中で腰を使っていた。
「ま…真子ちゃん…!」
「ああっ…あっ…」
 俺の動きに呼応して真子ちゃんは身をよじり、艶めいた吐息が俺の耳をくすぐる。
 我知らずガクガクと下半身を震えが走る。
 すご…い…!
 真子ちゃんの粘膜が俺全体を包み込んで…いや、包み込むだけじゃなくて締め付けてくるところとか、奥のほうは引き込まれるようで…ざらざらしてるとこもあるし…ああもう…訳わからない…。
 一つだけはっきりしてることは、このままの抜き差しを続ければ、間違いなく俺はもう間もなくイってしまうってことだ…。
 が、頭ではわかっていても…どうしても腰の動きが止められない…!気持ちよすぎて…!
「ああんっ…ああんっ…いいっ…」
 俺にしがみつくようにして汗ばむ背中を少し浮かし、喘ぐ真子ちゃんの姿とその声がまた俺を突っ走らせる…。
 くううっ…もう…ダメだあっ…!
「ううっ…くうっ…出る…」
「ああっ…や…やあんんっ…」
 真子ちゃんの少し困った顔。
 え…中に出したら…ヤバイのか…!!?
 慌てて抜いたが、とっさにどうしようもなく…。
ビュルッ…!
 白く、どろりとした液体を、俺は真子ちゃんのお腹の上にぶちまけていた。
 
 
 
「…ごめん…」
 俺が汚した跡をティッシュでふき取る真子ちゃんに、横にうつぶせて脱力している俺はただそんな言葉しかかけることができなかった。
「ううん…いいの…」
 恥ずかしそうに微笑む真子ちゃんの優しさが、射精を終えてぽっかり空いてしまった俺の心の隙間にしみわたる。
「私こそ…あんな恥ずかしいこと、言っちゃって…」
…?
 恥ずかしいこと…?
「…?」
 怪訝そうに見つめる俺から目をそらして、
「最後…もっと続けて欲しくて…つい…『いや…』って…」
 ………!!
 最後の「やあんんっ…」ってのは、「もっと」ってことだったのか…!
 …………物足りなかったんだ…真子ちゃん…。
 ………………そうだよなー…多分1分ともたなかったもんな、俺…。
 さっきの充足感はどこへやら、俺はまたどーんと落ち込んでしまった…。
 
 
 
 沙雪ちゃん…沙雪ちゃんの言ったとおりだよ…。
 俺、真子ちゃんとHした時点でもうペナルティ決定だったんだ…。
 第一、俺が真子ちゃんを満足させられるわけねえもんな…。
 
 
 
 その後は、真子ちゃんになんて言って別れたのかももう憶えていないほど、俺は「ボーゼンジシツ」状態だった…。
 
 
 
−つづく−
 
 
 
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