野 球 規 則
2009年度公認 野球規則改正について
日本野球規則委員会より発表された、2009年度の公認 野球規則改正に関する内容です。
日本野球規則委員会
2009野球規則改正全文・説明
(1)一・〇一を次のように改める。(傍線部挿入)
野球は、囲いのある競技場で、監督が指揮する九人のプレーヤーから成る二つのチームの間で、一人ないし数人の審判員の権限のもとに、本規則に従って行われる競技である。
説明 審判員の地位を明らかにするため、原本傍線部[under jurisdiction of one or more umpires]を挿入した。
(2)二・四六 LEAGUE PRESIDENT[リーグプレジデント](リーグ会長)に次の【注】を追加する。
【注】我が国のプロ野球では、本規則のリーグ会長の職務はコミッショナーの指名した者よって遂行される。
説明 我が国プロ野球の組織の変更によって両リーグ会長不在となったため本条分を追加した。
(3)四・〇五【原注】三行目に次の文(傍線部)を挿入する。
ここ数年、ほとんどのコーチが片足をコーチスボックスの外に出したり、ラインをまたいで立ったり、コーチスボックスのラインの外側に僅かに出ていることは、ありふれたことになっているが、コーチは、打球が自分を通過するまで、コーチスボックスを出て本塁寄りおよびフェア地域寄りに立っていてはならない。ただし、相手チームの監督が異議を申し出ない限り・・・・・・・
説明 ベースコーチが打球に当たる危険を防止する目的から条文に挿入した。
(4)六・〇五(h)【原注】七行目に(傍線部)を挿入する。
打撃用ヘルメットに、偶然、打球がフェア地域で当たるか、または送球が・・・・・
説明 打撃用ヘルメットに打球がフェア地域で当たった場合が明示してなかったため加えられた。
(5)七・〇三本文を(a)として末尾に「ただし(b)項適用の場合を除く。」を挿入し、新たに次の(b)を追加する。
七・〇三(b)打者が走者となったために進塁の義務が生じ、二人の走者が後位の走者の進むべき塁に触れている場合には、その塁を占有する権利は後位の走者に与えられているので、前位の走者は触球されるか、野手がボールを保持してその走者が進むべき塁に触れればアウトになる。
説明 同一塁に二走者が触れている場合、通常後位の走者が触球されればアウトとなるが、後位の走者がフォースの状態となっている塁に二走者が触れている場合は、前位の走者がアウトとなることの説明として追加された。
(6)七・〇五(e)【注】を【bcde注】として次のように改める。
【bcde注】野手により、本項の行為がなされた場合の走者の進塁の起点は、野手が投げたグラブ、本来の位置から離した帽子、マスクその他が打球または送球に触れた瞬間とする。
説明 守備者が七・〇五(b・c・d・e)に該当する行為を行ったとき走者の進塁基準を定める説明である。
投球の際に関しては七・〇五(j)に記載されている。
(7)七・〇七【注三】を次のように改める。
七・〇七【注三】本条は、投手の投球が正規、不正規にかかわらず適用される。
説明 七・〇七「三塁走者が、スクイズまたは盗塁によって得点しようと試みた場合、捕手またはその他の野手がボールを持たないで、本塁の上または前方に出るか、あるいは打者のバットに触れたときには、投手にボークを課して、打者はインターフェアによって一塁が与えられる。この際はボールデッドとなる。」
二〇〇八年まで七・〇七【注三】に記載されていた投手が不正規投球をした際の規則適用の特例を改め、すべて同じ扱いをするものとし、走者のみならず打者も打撃妨害により一塁が与えられることで七・〇七に関する適用を一本化した
(8)七・〇九(e)に次の文(傍線部)を挿入する。
アウトになったばかりの打者または走者、あるいは得点したばかりの走者が、味方の走者に対する野手の次の行動を阻止するか、・・・・
説明 傍線部の文が追加された。
(9)八・〇五ペナルティ【注一】末尾、次の文を削除する。
なお、”その他”には捕手またはその他の野手の打撃妨害を含まない。
説明 七・〇七【注三】の改正により八・〇五ペナルティ【注一】末尾の文を抹消した。
(10)一〇・〇一(a)に次の【注】を追加する。
【注】我が国のプロ野球では、リーグ会長の職務はコミッショナーの指名した者によって遂行される。
(11)一〇・二〇【注】を削除する。
(12)一〇・二二(a)〜(c)の各【注】を削除し、次の【一〇・二二注】を追加する。
【一〇・二二注】我が国のプロ野球では、”組まれている試合総数”を”行った試合数”に置きかえて適用する。数の算出にあたり、端数は本条(a)(b)各〔原注〕に準ずる。
(13)巻頭6ページ、ストライクゾーンのイラストを変更する。
説明 アマチュア野球でストライクゾーンを規則書通りに適用することからイラストを打者が打撃姿勢に入ったときの形に変更する。
二〇〇九年一月二十九日
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1・01 野球は、囲いのある競技場で、監督が指揮する九人のプレヤーから成る二つのチームの間で、一人ないし数人の審判員の権限のもとに、本規則に従って行なわれる競技である。
1・02 各チームは、相手チームより多くの得点を記録して、勝つことを目的とする。
1・03 正式試合が終わったとき、本規則によって記録した得点の多いほうが、その試合の勝者となる。
1・04 競技場は、次にしるす要領により、巻頭1、2、3図のように設定する。
まず、本塁の位置を決め、その地点から二塁を設けたい方向に、鋼鉄製巻尺で、127ft3in3/8(38.795m)の距離を測って二塁の位置を定める。次に本塁と二塁を基点にしてそれぞれ90フィート(27.431m)を測り、本塁から向かって右側の交点を一塁とし、本塁から向かって左側の交点を三塁とする。従って、一塁から三塁までの距離は127ft3in3/8となる。
本塁からの距離は、すべて一塁線と三塁線との交点を基点として測る。
本塁から投手板を経て二塁に向かう線は、東北東に向かっていることを理想とする。
90ft平方の内野を作るには、まず各ベースライン(塁線)およびホームプレート(本塁)を同一水平面上に設け、続いて内野の中央付近に投手板をホームプレートより10in(25.4cm)高い場所に設け、投手板の前方6in(15.2cm)の地点から、本塁に向って6ft(182.8cm)の地点まで1ft(30.5cm)につき1in(2.5cm)の傾斜をつけ、その傾斜は各競技場とも同一でなければならない。
本塁からバックストップまでの距離、塁線からファウルグラウンドにあるフェンス、スタンドまたはプレイの妨げになる施設までの距離は、60ft(18.288m)以上を必要とする。(一図参照)
外野は、一図に示すように、一塁線および三塁線を延長したファウルラインの間の地域である。本塁よりフェアグラウンドにあるフェンス、スタンドまたはプレイの妨げになる施設までの距離は250ft(76.199m)以上を必要とするが、両翼は310ft(97.534m)以上、中堅は400ft(121.918m)以上あることが優先して望まれる。
境界線(ファウルライン及びその延長として設けられたファウルポール)を含む内野及び外野は、フェアグラウンドであり、その他の地域はファウルグラウンドである。
キャッチャースボックス、バッタースボックス、コーチスボックス、スリーフット・ファーストベースライン及びネクスト・バッタースボックスは巻頭1、2図のように描く。
図表中のファウルライン及び太線で示されている諸線は、しめりけのある石灰、またはチョーク、その他の白い材料で描く。
巻頭1図のグラスライン(芝生の線)及び芝生の広さは、多くの競技場が用いている規格を示したものであるが、その規格は必ずしも強制されるものではなく、各クラブは任意に芝生及び芝生のない地面の広さや形を定めることができる。
【付記】(a) 1958年6月1日以降プロフェッショナル野球のクラブが建造する競技場は、本塁より左右両翼のフェンス、スタンドまたは左右両翼のフェアグラウンド上にあるプレイの妨げになる施設までの最短距離は325ft(99.058m)、中堅のフェンスまでの最短距離は400ft(121.918m)を必要とする。
(b) 1958年6月1日以降現在の競技場を改造するにあたっては、本塁より左右両翼及び中堅のフェンスまでの距離を、前記の最短距離以下に短縮することはできない。
【注一】 ファウルポールも白く塗らなければならないが、判別の便宜上、他の色のものを用いてもよい、ファウルラインを表示するのに、木材その他の堅い材料を用いてはならない。
【軟式注】 少年学童部では、投手板と本塁間及び各塁間の距離を左のとおりとする。
塁間の距離は23m。投手板と本塁との距離は16m。
1・05 本塁は五角形の白色のゴム板で表示する。この五角形をつくるには、まず一辺が17in(43.2cm)の正方形を描き、17inの一辺を決めてこれに隣り合った両側の辺を8in1/2(21.6cm)とする。それぞれの点から各12in(30.5cm)の二辺を作る。12inの二辺が交わった個所を本塁一塁線、本塁三塁線の交点に置き、17inの辺が投手板に面し、二つの12inの辺が一塁線及び三塁線に一致し、その表面が地面と水平になるように固定する。(巻頭2図参照)
1・06 一塁、二塁、三塁は、白色のキャンバスバッグで表示し、巻頭2図に示すように地面に正しく固定する。
一塁と三塁のバッグは、完全に内野の内に入るように設置し、二塁のバッグは、図表の二塁の地点にその中心がくるように設置する。
キャンバスバッグはその中に柔らかい材料を詰めて作り、その大きさは15in(38.1cm)平方、厚さは3in(7.6cm)ないし5in(12.7cm)である。
1・07 投手板は横24in(61.0cm)縦6in(15.2cm)の長方形の白色ゴムの平板で作る。投手板は巻頭1、2、3図に示す個所の地面に固定し、その前縁の中央から本塁(五角形の先端)までの距離は60ft6in(18.44m)とする。
1・08 ホームクラブは、各ベースラインから最短25ft(7.62m)離れた場所に、ホームチーム用及びビジティングチーム用として、各一個のプレヤースベンチを設け、これには左右後方の三方に囲いをめぐらし、屋根を設けることが必要である。
1・09 ボールはコルク、ゴムまたはこれに類する材料の小さい芯に糸を巻きつけ、白色の馬皮または牛皮二片でこれを包み、頑丈に縫い合わせて作る。重量は5ozないし5oz1/4(141.7g〜148.8g)、周囲は9inないし9in1/4(22.9cm〜23.5cm)とする。
【注】 我が国では牛皮のものを用いる。
【軟式注】軟式野球ボールは、外周はゴム製で、A号、B号、C号、D号、H号の5種類がある。
A号は一般用、B、C、D号は少年用のいずれも中空ボールで、H号は一般用の充填物の入ったボールである。
ボールの標準は次のとおりである。(反発は150cmの高さから大理石板に落として測る)
直径 重量 反発
A号 71.5mm〜72.5mm 134.2g〜137.8g 80.0〜105.0cm
B号 69.5mm〜70.5mm 133.2g〜136.8g 80.0〜100.0cm
C号 67.5mm〜68.5mm 126.2g〜129.8g 65.0〜 85.0cm
D号 64.0mm〜65.0mm 105.0g〜110.0g 65.0〜 85.0cm
H号 71.5mm〜72.5mm 141.2g〜144.8g 50.0〜 70.0cm
1・10 バット
(a)バットはなめらかな円い棒であり、太さはその最も太い部分の直径2in3/4(7.0cm)以下、長さは42in(106.7cm)以下であることが必要である。バットは一本の木材で作られるべきである。
【付記】接合バットまたは試作中のバットは、製造業者がその製造の意図と方法とについて、規則委員会の承認を得るまで、プロフェッショナル野球(公式試合及び非公式試合)では使用できない。
(b)カップバット(先端をえぐったバット)
バットの先端をえぐるときには、深さ1in(2.5cm)以内、直径1in以上2in(5.1cm)以内で、しかもそのくぼみの断面は、椀状にカーブしていなければならない。なお、このさい、異物を付着して椀状にカーブさせたりしたいで、バットの素材をえぐるだけでなければならない。
(c)バットの握りの部分(端から18in(45.7cm))には、何らかの物質を付着したり、ザラザラにして握りやすくすることは許されるが、18inの制限を超えてまで細工したバットを試合に使用することは禁じられる。
【付記】審判員は、打者の使用したバットが、打者の打撃中または打撃終了後に、本項に適合していないことを発見しても、打者にアウトを宣告したり、打者を試合から除いたりする理由としてはならない。
【注二】 我が国のプロ野球では、金属製バット、木片の接合バット及び竹の接合バットは、コミッショナーの許可があるまで使用できない。
【注二】
アマチュア野球では、各連盟が公認すれば、金属製バット、木片の接合バット及び竹の接合バットの使用を認める。
ただし、接合バットについては、バット内部を囲うしたものはみとめない。(6.06d参照)
【注三】アマチュア野球では、金属製バットを次のとおり規制する。
@ 最大径の制限----バットの最大直径は、67ミリ未満とする。
A 質量の制限----バットの質量は、900グラム以上とする。なお、金属製バットの質量とは完成品であり、ヘッドキャップ(一体成形等により、ヘッドキャップを用いていないものにあっては、それと同等の部位)、グリップエンドノブ、グリップテープを除いた本体の質量は、810グラム±10グラム以上とする。
B 形状の制限----金属製バットの形状は、先端からグリップ部までは、なだらかな傾斜でなければならない。
なお、なだらかな傾斜とは、打球部からグリップ部までの外径の収縮率全体傾斜率)が、10%を越えないことをいう。
また、テーパ部の任意の箇所においても、50ミリの間での外径収縮率(最大傾斜率)は、20%を越えないことをいう。
【軟式注】軟式野球では、この規定を適用しない
(d)プロフェッショナル野球では、規則委員会の認可がなければ、着色バットは使用できない。
【注一】我が国のプロ野球では、着色バットの色については別に定める規定にしたがう。
【注二】 アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。
1・11 ユニフォーム
(a) (1) 同一チームの各プレヤーは、同色、同形、同意匠のユニフォームを着用し、そのユニフォームには6in(15.2cm)以上の大きさの背番号をつけなければならない。
(2) アンダーシャツの外から見える部分は、同一チームの各プレヤー全員が同じ色でなければならない。
投手以外の各プレヤーは、アンダーシャツの袖に番号、文字、記章などをつけることができる。
(3) 自チームの他のプレヤーと異たるユニフォームを着たプレヤーは試合には参加できない。
(b) リーグは次のことを規定する。
(1) 各チームは、常に独自のユニフォームを着なければならない。
(2) 各チームは、ホームゲーム用として白色、ロードゲーム用として色物の生地を用いて作った二組のユニフォームを用意しなければならない。
【注】 アマチュア野球では、必ずしもホームチームのときは白色、ビジティングチームのときは色物のユニフォームを着なくてもよい。
(c) (1) 各プレヤーのユニフォームの袖の長さは、各人によって異たっていてもよいが、各自の両袖の長さは、ほぽ同一にしなければならない。
(2) 各プレヤーは、その袖がボロボロになったり、切れたり、裂けたりしたユニフォームおよびアンダーシャツを着てはならない。
(d) 各プレヤーはそのユニフォームの色と異なった色のテープまたはその他のものを、ユニフォームにつけることはできない。
(g) ユニフォームには、野球用ボールをかたどったり、連想させるような模様をつけてはならない。
(f) ガラスのボタンやピカピカした金属を、ユニフォームにつけることはできない。
(g) 靴のかかとやつま先には、普通使われている部品以外のものをつけてはならない。ゴルフシューズ、または陸上競技用シューズに使われているスパイクに類似した、先のとがったスパイクをつけたシューズは使用できない。
【注】 各プレヤーはコートを着て競技にたずさわることはできない。ただし、ベースコーチと走者となった投手を除く。
(h) ユニフォームのいかなる部分にも、宣伝、広告に類する布切れまたは図案を付けてはならない。
【注一】我が国のプロ野球では、本項を適用しない。
【注二】アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。
(i) リーグは所属するチームのユニフォームの背中にプレヤーの名前を付けるように規定することができる。プレヤーの姓以外の他の名前を付ける場合は、リーグ会長の承認を必要とする。名前を付けることが決定した場合は、チーム全員のユニフォームに付けなければならない。
【注】 アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。
1・12 捕手の皮製ミットの重量には制限がない。その大きさは、しめひも、皮のバンドまたはミットの外縁につけられているふちどりも含めて外周で38in(96.5cm)以下、ミットの先端から下端までは15.5in(39.4cm)以下でなければならない。ミットの親指の部分と人さし指の部介との間隔は、その先端で6in(15.2cm)以下、親指の叉状の部分で4in(10.2cm)以下でなければならない。
親指と人さし指との間にある網(ウェブ)は、両指の先端をつなぐ部分の長さは7in(17.8cm)以下、先端から親指の叉状の部分までの長さは6in以下に作る。網(ウェブ)はひもで編んだものでも、皮革で被覆したひもで編んだものでも、または、手のひらの部分の延長となるように皮革をひもでミットに結びつけたものでもよいが、前記の寸法を超えてはならたい。
1・13 一塁手の皮製グラブまたはミットの重量には制限がない。その大きさは、縦が先端から下端まで12in(30.5cm)以下、親指の叉状の部分からミットの外縁まで測った手のひらの幅が8in(20.3cm)以下、ミットの親指の部分と人さし指の部分との間隔は、ミットの先端で4in(10.2cm)以下、親指の叉状の部分で3.5in(8.9cm)以下でなければならない。この間隔は一定に保ち、皮以外のものを用いたり、特殊な方法で間隔を大きくしたり、伸ばしたり広げたり、深くすることは許されない。
親指と人さし指との間にある網(ウェブ)は、その先端から親指の叉状の部分まで長さが5in(12.7cm)以下になるように作る。網(ウェブ)はひもで編んだものでも、皮革で被覆したひもで編んだものでも、または、手のひらの部分の延長となるように皮革をひもでミットに結びつけたものでもよいが、前記の寸法を超えてはならない。しかし、網(ウェブ)のひもに皮以外のものを巻きつけたり、ひもを皮以外のもので包んだり、または網(ウェブ)を深くしてわな(トラップ)のようなあみ形にすることは許されない。
1・14 一塁手、捕手以外の野手の皮製グラブの重量には制限がない。グラブの寸法を測るには、計測具または巻尺をグラブの前面またはボールをつかむ側に接触させ、外形をたどるようにする。その大きさは、縦が四本の指の各先端から、ボールが入る個所を通ってグラブの下端まで12in(30.5cm)以下、手のひらの幅は、人さし指の下端の内側の縫い目から、各指の下端を通って小指外側の縁まで7in3/4の(19.7cm)以下である。
親指と人さし指との間、いわゆる叉状の部分(クロッチ)に皮の網(ウェブ)または壁形の皮製品を取りつけてもよい。網(ウェブ)はクロッチをぴったりふさぐように二枚の普通の皮を重ね合わせて作っても、トンネル型の皮や長方形の皮をつなぎ合わせて作っても、または皮ひもを編んだもので作ってもよいが、わた(トラップ)のようなあみ形にするために皮以外のものを巻きつけたり、皮以外のもので包むことは許されない。網(ウェブ)がクロッチをきっちりふさいだとき、網(ウェブ)は柔軟性があってもさしつかえない。数個の部品をつなぎ合わせて網(ウェブ)を作るにあたって、それぞれをぴったりとくっつけなければならない。しかし、部品をわん曲させてくぼみを大きくさせてはならない。網(ウェブ)はクロッチの大きさを常に制御できるように作らなければならない。
クロッチの大きさは、その先端の幅が4.5in(11.4cm)以下、深さが5in3/4(14.6cm)以下、下端の幅が3.5in(8.9cm)以下である。網(ウェブ)はクロッチの上下左右どの部分にでも、きっちりと取りつけられていなければならない。皮のしめひもで結びつけられたものは、しっかりとつなぎ合わされ、伸びたりゆるんだりしたときには、正常の状態に戻さなければならない。
1・15 投手のグラブの規格及び構造は、1・14規定のとおりであるが、別に次の制限がある。
(a) 投手用のグラブは縫い目、しめひも、網(ウェブ)を含む全体が一色であることが必要で、しかもその色は白色、灰色以外のものでなければならない。
(b) 投手は、そのグラブの色と異なった色のものを、グラブにつけることはできない。
1・16 プロフェッショナルリーグでは、ヘルメットの使用について、次のような規則を採用しなければならない。
(a) プレヤーは、打撃時間中、どんな形のものでもよいが必ず野球用ヘルメットをかぶらなければならない。
(b) マイナーリーグのプレヤーは、打撃にさいして両耳フラップヘルメットを着用しなければならない。
(c) 1983年のシーズン及びそれ以後の各シーズンにメジャーリーグに加入したプレヤーは、片耳フラップヘルメット(プレヤーが両耳フラップヘルメットを選んでもよい)を着用したければならない。ただし、1982年シーズン中メジャーリーグに在籍し、かつそのシーズソに片フラップヘルメットを着用しなかったプレヤーはこの限りではない。
【注一】 我が国のプロ野球では、(c)項の、"1983年"を、"1984年"に、"1982年"を"1983年"に置きかえて適用する。
【注二】アマチュア野球では、所属する連盟、協会の規定に従う。
(d) 捕手が守備についているときは、捕手の防護用のヘルメットを着用していなければならない。
(e) バットボーイ、ボールボーイまたはバットガール、ボールガールは、その仕事に携わっているときは、防護用のヘルメットを着用していなければならない。
1・17 べース、投手板、ボール、バット、ユニフォーム、ミット、グラブ、ヘルメットその他本規則の各条項に規定された競技用具には、それらの製品のための不適当かつ過度な商業的宣伝が含まれていてはならない。
製造業者によって、これらの用具にしるされる意匠、図案、商標、記号活字および用具の商品名などは、その大きさおよび内容において妥当とされる範囲のものでなければならない。
本条は、プロフェッショナルリーグだけに適用される。
【付記】 製造業者が、プロフェッショナルリーグ用の競技用具に、きわだった新しい変更を企図するときには、その製造に先立ちプロ野球規則委員会にその変更を提示して同意を求めなければならない。
【注一】 製造業者には、販売業者を含む。
【注二】 製造業者(販売業者を含む)以外のものの宣伝は、いずれの競技用具にも一切付けてはならない。
【注三】 @ バットの表面の焼印などの内容及びサイズなどは後記の範囲内にとどめなければならない。
バットの先端部分には、バットモデルとバットの品名・品番・材種のみを表示するものとし、マーク類は表示できない。
これらの表示は、バットの長さに沿って、縦5cm以下、横9.5cm以下の範囲内におさめ、文字の大きさは、それぞれ縦2cm以下、横2cm以下でなければならない。
握りに近い部分には、製造業者または製造委託者の名称を含む商標を表示するものとし、これらの表示は、バットの長さに沿って、縦6.5cm以下、横12.5cm以下の範囲内におさめなければならない。
前記商標などは、すべてバットの同一面に表示しなければならない。
A ユニフォーム(帽子、ストッキングを含む)、ベルト、ソックス、アンダーシャツ、ウィンドブレイカー、ジャンパー、ヘルメットの表面のいかなる部分にも商標などの表示をすることはできない。
B ミットまたはグラブに表示する商標は、布片または刺繍によるものとし、これを表示する個所は背帯あるいは背帯に近い部分、または親指のつけ根の部分のうちのいずれか一個所に限定し、その大きさは縦4cm以下、横7cm以下でなければならない。
マーク類を布片または刺繍によって表示する場合(エナメルによる表示は認められない)は、親指のつけ根に近い個所に限定し、その大きさは、縦3.5cm、横3.5cm以下でなければならない。
投手用グラブに商標およびマーク類を布片または刺繍によって表示する場合、その色は、文字の部分を含み、すべて白色または灰色以外の色でなければならない。
品名、品番、マーク類などをスタンプによって表示する場合の色は、黒色または焼印の自然色でなければならない。
C 手袋及びリストバンドに商標などを表示する場合は、一個所に限定し、その大きさは、14u以下でなければならない。(アマチュアでは7u以下でなければならない。)
D 以上の用具以外の用具のコマーシャリゼーションについては、規則1・17の趣旨に従い、野球規則委員会がその都度、その適否を判断する。
【注四】 本条は、アマチュア野球でも適用する。
【1・11〜1・17原注】審判員は各項に対する規則違反を認めた場合には、これを是正するように命じる。審判員の判断で、適宜な時間がたっても是正されない場合には、違反者を試合から除くことができる。
(各文末尾の数字は関係条文を示す)
2・01 ADJUDGED「アジャッジド」−−審判員が、その判断に基づいて下す裁定である。
2・02 APPEAL「アピール」−−守備側チームが、攻撃側チ−ムの規則に反した行為を指摘して、審判員に対してアウトを主張し、その承認を求める行為である。
2・03 BALK「ボーク」−−走者が塁にあるときの、投手の投球上の反則行為である。その場合には、全走者に各一個の進塁を許す。(8・05)
2・04 BALL「ボール」−−ストライクゾーンを通過しなかった投球、または地面に触れた投球で、いずれも打者が打たなかったものである。
【原注】投球が地面に触れた後、ストライクゾーンを通過しても、ボールであり、このバウンドした投球が打者に触れた場合は、球審の裁定で打者に一塁を与える。また、打者がこれを打ってバットに当たった場合には、インフライトの投球を打ったときと同様に扱う。ただし、ストライク後打者が打ったがバットに当たらなかったときは、捕手がそのままつかんでも"捕球"したものとはみなされない。(6.05c、6.09b)
2・05 BASE「べース」(塁)−−走者が得点するために、触れなければならない四つの地点の一つである。通常その地点を表示するために、キャンバスバッグとゴムの平板が用いられる。
2・06 BASE COACH「ベースコーチ」−−一塁、または三塁のコーチスボックス内に位置して、打者または走者を指図する、ユニフォームを着用したチームの一員をいう。(4.05)
2・07 BASE ON BALLS「べースオンボールス」(四球)−−打者が打撃中にボール四個を得て、一塁へ進むことが許される裁定である。(6・08a)
2・08 BATTER「バッター」(打者)−−バッタースボックスに入って攻撃するプレヤーである。
2・09 BATTER'S RUNNER「バッターランナー」(打者走者)−−打撃を終わった打者がアウトになるまでか、または走者となったことに対するプレイが終了するまでの間を指す術語である。
2・10 BATTER'S BOX「バッタースボック」−−打者が打撃にさいして立つべき場所である。
2・11 BATTERY「バッテリー」−−投手と捕手とをあわせて呼ぶときに用いる。
2・12 BENCH or DUGOUT「ベンチ」または「ダッグアウト」−−ユニフォームを着たプレヤー、補欠、その他チームのメンバーが実際に競技にたずさわっていないときに、入っていなければならない施設である。(1・08、3・17、4・08)
2・13 BUNT「バント」−−バットをスイングしないで、内野をゆるくころがるように意識的にミートした打球である。
2・14 CALLED GAME「コールドゲーム」−−どのような理由にせよ、球審が打ち切りを命じた試合である。(4・10)
2・15 CATCH「キャッチ」(捕球)−−野手が、インフライトの打球、投球または送球を、手またはグラブでしっかりと受け止め、かつそれを確実につかむ行為であって、帽子、プロテクター、あるいはユニフォームのポケットまたは他の部分で受け止めた場合は、捕球とはならない。
また、ボールに触れると同時、あるいはその直後に、他のプレヤーや壁と衝突したり、倒れた結果、落球した場合は"捕球"ではない。
野手が飛球に触れ、そのボールが攻撃側チームのメンバーまたは審判員に当たった後に、いずれの野手がこれを捕えても"捕球"とはならない。
野手がボールを受け止めた後、これに続く送球動作に移ってからボールを落とした場合は、"捕球"と判定される。
要するに、野手がボールを手にした後、ボールを確実につかみ、かつ意識してボールを手放したことが明らかであれば、これを落とした場合でも"捕球"と判定される。
【原注】 野手がボールを地面に触れる前に捕えれば、正規の捕球となる。その間、ジャッグルしたり、あるいは他の野手に触れることがあってもさしつかえない。
走者は、最初の野手が飛球に触れた瞬間から、塁を離れてさしつかえない。
野手はフェンス、手摺、ロープなど、グラウンドと観覧席との境界線を越えた上空へ、身体を伸ばして飛球を捕えることは許される。また野手は、手摺の頂上やファウルグラウンドにおいてあるキャンバスの上に飛び乗って飛球を捕えることも許される。しかし野手が、フェンス、手摺、ロープなどを越えたと空やスタンドへ、身体を伸ばして飛球を捕えようとすることは、危険を承知で行なうプレイだから、たとえ観客にその捕球を妨げられても、観客の妨害行為に対してはなんら規則上の効力は発生しない。
ダッグアウトの縁で飛球を捕えようとする野手が、中へ落ち込まないように、中にいるプレヤー(いずれのチームかを問わない)によって身体をささえられながら捕球した場合、正規の捕球となる。
【注】 捕手が、身につけているマスク、プロテクターなどに触れてからはね返ったフライボールを地面に取り落とさずに捕えれば、正規の"捕球"となる(ファウルチップについては2・34参照)。ただし、手またはミット以外のもの、たとえばプロテクターあるいはマスクを用いて捕えたものは、正規の捕球とはならない。
2・16 CATCHER「キャッチャー」(捕手)−−本塁の後方に位置する野手である。
2・17 CATHER'S BOX「キャッチースボックス」−−投手が投球するまで、捕手が位置すべき場所である。
2・18 CLUB「クラブ」−−プレイングフィールドとこれに付属する施設を用意してチームを形成し、かつリーグに所属するチームであると表明することに責任が持てる人、または人々の団体である、
2・19 COACH「コーチ」−−コーチはチームのユニフォームを着用した一員であってべースコーチを務めるだけでなく、監督の指示する任務を果たすために、監督によって選ばれた人である。
2・20 DEAD BALL「デッドボール」−−規則によって、プレイが一時停止されたために、プレイからはずされたボールをいう。(5・09)
2・21 DEFENSE or DEFENSIVE「ディフェンスまたはディフェンシィブ」(守備側)−−競技場内における守備側チームまたはそのプレヤーをいう。
2・22 DOUBLE HEADER「ダブルヘッダー」−−相次いで行なう二試合をいい、この二試合はあらかじめ日程に組まれた場合もあり、日程を修正して組み入れられる場合もある。(4.13)
2・23 DOUBLE PLAY「ダブルプレイ」(併殺)−−守備側プレヤーが連続した動作で、二人の攻撃側プレヤーをプットアウトにするプレイであるが、この二つのプットアウトの間に失策が介在したものはダブルプレイとみなされない。(10・12)
(a) フォースダブルプレイは、フォースアウトの連続によるダブルプレイである。
(b) リバース・フォースダブルプレイは、その第一アウトがフォースプレイで行なわれ、第二アウトがフォースアウトされるはずの走者に対して行なわれたダブルプレイである。
例−−一死走者一塁、打者が一塁手にゴロを打ち、打球をつかんだ一塁手が一塁に触れ(二死)、続いて二塁手または遊撃手に送球して走者をアウト(タッグプレイ)にした場合。
例−−無死満塁、打者が三塁手にゴロを打ち、打球をつかんだ三塁手が三塁に触れ(一死)、続いて捕手に送球して三塁走者をアウト(タッグプレイ)にした場合。
2・24 DUGOUT「ダッグアウト」−−「ベンチ」の定義参照。
2・25 FAIR BALL「フェアボール」−−打者が正規に打ったボールで、次に該当するものをいう。
(巻頭図参照)
(a) 本塁一塁間、または本塁三塁間のフェア地域内に止まったもの。
(b) 一塁または三塁を、バウンドしながら外野の方へ越えて行く場合に、フェア地域に触れながら通過するか、またはその上方空間を通過したもの。
(c) 一塁、二塁または三塁に触れたもの。
(d) 最初に落ちた地点が一塁二塁及び二塁三塁を結ぶ線上であったか、あるいはその線を越えた外野の方のフェア地域内であったもの。
(e) フェア地域内またはその上方空間で、審判員またはプレヤーの身体に触れたもの。
(f) インフライトの状態でプレイングフィールドを越えて行く場合に、フェア地域の上方空間を通過したもの。
【付記】 フェア飛球は、ボールとファウルライン(ファウルポールを含む)との、相互の位置によって判定しなければならない。野手がボールに触れたときに、フェア地域にいたか、ファウル地域にいたかによって判定してはならない。
【原注】 飛球が、最初一塁本塁間または三塁本塁間の内野に落ちても、一塁または三塁を通過する前に、プレヤーまたは審判員に触れないで、ファウル地域へ転じ去った場合は、ファウルボールである。飛球がファウル地域で止まるか、ファウル地域でプレヤーに触れた場合も、ファウルボールである。
飛球が一塁または三塁ベースに当たるか、あるいは、一塁または三塁を越えた外野のフェア地域に落ちれば、その後ファウル地域にバウンドして出た場合でも、フェアボールである。
審判員が、フェア、ファウルを正確に判定できるように、ファウルポールのフェンスより上に出ている部分に、フェア地域に向かって金網を張り出して取り付けることがのぞましい。
【注】 打球が地面以外のもの、たとえば打者が捨てたバット、捕手がはずしたマスクなどに、フェア地域で触れたときは、ボールインプレイである。
【問】 打球が三塁についている走者に触れてから、フェア地域に反転した場合は、いかに判定すべきか。また、これがファウル地域に反転した場合はどうか。
【答】 ボールが走者と接触した位置によって、フェアかファウルかを判定すべきものであり、フェア地域で触れたときは、フェアボールとなる。従って、走者はフェアの打球に触れたという理由でアウトになる。(7・08f参照)
2・26 FAIR TERRITORY「フェアテリトリ」(フェア地域)−−本塁から一塁、本塁から三塁を通って、それぞれ競技場のフェンスの下端まで引いた直線と、その各線に垂直な上方空間との内側の部分を指す。各ファウルラインは、フェア地域に含まれる。
2・27 FIELDER「フィルダー」(野手)−−守備側のプレヤーをいう。
2・28 FIELDER'S CHOICE「フィールダースチョイス」(野手選択)−−フェアゴロを扱った野手が一塁で打者走者をアウトにする代わりに、先行走者をアウトにしようと他の塁へ送球する行為をいう。また、(a)安打した打者が、先行走者をアウトにしようとする野手の他の塁への送球を利して、一個またはそれ以上の塁を余分に奪った場合や、(b)ある走者が、盗塁や失策によらないで、他の走者をアウトにしょうとする野手の他の塁への送球を利して進塁した場合や、(c)盗塁を企てた走者が守備側チームが無関心のためになんら守備行為を示さない間に進塁した場合などにも(10・08g)、これらの打者走者または走者の進塁を記録上の用語として野手選択による進塁という。
2・29 FLY BALL「フライボール」(飛球)−−空中高く飛ぶ打球をいう。
2・30 FORCE PLAY「フォースプレイ」−−打者が走者となったために、塁上の走者が、規則によって、その塁の占有権を失ったことが原因となって生じるプレイである。(7・08e)
【注】 次の原注に述べられているフォースプレイによるアウト、すなわちフォースアウト(封殺)と得点との関係は、4・09に明示されている。
【原注】 フォースプレイを理解するために最も注意を要する点は、最初はフォースの状態であっても、その後のプレイによっては、フォースの状態でなくなるということである。
例−−一死満塁、打者一塁に強いゴロを放ったが、一塁手がこれを止めてただちに塁に触れ、打者をアウトにすれば、フォースの状態でなくなるから、二塁に向かって走っている走者は触球されなければアウトにはならない。従って、一塁走者が二塁で触球アウトになる前に、二塁、三塁にいた走者が本塁を踏んだ場合には、この得点は認められる。しかし、これに反して、ゴロを止めた一塁手がただちに二塁に送球して一塁走者をフォースアウトにした後、さらに一塁への返球で打者もアウトにして三死となった場合には、二塁、三塁の走者が本塁を踏んでいても得点とは認められない。
例−−封殺でない場合。一死、走者一・三塁のとき、打者は外野に飛球を打ってアウトになり、二死となった。三塁に触れていた走者は、捕球を見て本塁を踏んだ。しかし、一塁の走者は、捕球当時離塁していたので帰塁しようとしたが、外野手からの返球で一塁でアウトになり、三死となった。この場合は、フォースアウトではないから、一塁走者のアウトより前に、三塁走者が本塁に触れたと審判員が認めれば、その得点は記録される。
2・31 FORFEITED GAME「フォーフィッテッドゲーム」(没収試合)−−規則違反のために、球審が試合終了を宣告して、9対0で過失のないチームに勝ちを与える試合である。(4・15)
2・32 FOUL BALL「ファウルボール」−−打者が正規に打ったボールで、次に該当するものをいう。
(a) 本塁一塁間または本塁三塁間のファウル地域内に止まったもの。
(b) 一塁または三塁を、バウンドしながら外野の方へ越えて行く場合に、ファウル地域に触れながら通過するか、あるいはファウル地域上の空間を通過したもの。
(c) 一塁また三塁を越えたファウル地域内に、最初に落下したもの。
(d) ファウル地域内またはその上方空間で、審判員またはプレヤーの身体、あるいは、地面以外のものに触れたもの。
【付記】 ファウル飛球は、ボールとファウルライン(ファウルポールを含む)との、相互の位置によって判定しなければならない。野手がボールに触れたときに、フェア地域にいたか、ファウル地域にいたかによって判定してはならない。
【原注】 野手に触れない打球が、投手板に当たり、リバウンドして本塁一塁間または本塁三塁間のファウル地域に出て止まった場合には、ファウルボールである。
【注一】 打者の所持するバットに、打球(バントを含む)がファウル地域で触れたときは(もちろん故意でなく)、ファウルボールである。
また、打者が打ったり、バントしたボールが反転して、まだバッタースボックスを離れない打者の身体及びその所持するバットに触れたときも、打球がバットまたは身体と接触した位置に関係なく、ファウルボールである。
【注二】 打球が地面以外のもの、すなわちバックネットやフェンスはもちろん、打者が捨てたバット、捕手がはずしたマスク、地上に置いてある審判員のほうきなどに、ファウル地域でいったん触れれば、その後転じてフェア地域内に止まってもファウルボールである。
2・33 FOUL TERRITORY「ファウルテリトリ」(ファウル地域)−−本塁から一塁、本塁から三塁を通って、競技場のフェンスの下端まで引いた直線と、その線に垂直な上方空間との外側の部分を指す。(各ファウルラインはファウル地域に含まれない)
2・34 FOUL TIP「ファウルチップ」−−打者の打ったボールが、鋭くバットから直接捕手の手に飛んで、正規に捕球されたもので、捕球されなかったものはファウルチップとならない。ファウルチップはストライクであり、ボールインプレイである。前記の打球が、最初に捕手の手またはミットに触れておれば、はねかえったものでも、捕手が地面に触れる前に捕えれば、ファウルチップとなる。(6・05b)
【注】 チップしたボールが、捕手の手またはミット以外の用具や身体に最初に触れてからはねかえったものは、たとえ捕手が地面に触れる前に捕えても、正規の捕球ではないから、ファウルボールとなる。
2・35 GROUND BALL「グラウンドボール」−−地面をころがるか、または地面に低くバウンドしていく打球をいう。
2・36 HOME TEAM「ホームチーム」−−あるチームが自分の球場で試合を行なう場合、相手チームに対して、そのチームを指して呼ぶ術語である。試合が中立の球場で行なわれる場合には、ホームチームは相互の協定によって指定される。
【注】 ホームチームの相手チームをビジティングチームまたはビジターと呼ぶ。
2・37 ILLEGAL or ILLEGALLY「イリーガルまたはイリガリー」−−本規則に反することをいう。
2・38 ILLEGAL PITCH「イリーガルピッチ」(反則投球)−−(1)投手が、投手板に触れないで投げた打者への投球、(2)クィックリターンピッチ、をいう。−−走者が塁にいるときに反則投球をすれば、ボークとなる。
【注】 投手が8・01(a)及び(b)に規定された投球動作に違反して投球した場合も、反則投球となる。
2・39 INFIELDER「インフィルダー」(内野手)−−内野に守備位置をとる野手をいう。
2・40 INFIELD FLY「インフィールドフライ」−−無死または一死で、走者が一・二塁、一・二・三塁にあるとき、打者が打った飛球(ライナー、及びバンドを企てて飛球となったものを除く)で、内野手が普通の守備行為をすれば、捕球できるものをいう。この場合、投手、捕手及び外野手が、内野で前記の飛球に対して守備したときは、内野手と同様に扱う。
審判員は、打球が明らかにインフィールドフライになると判断した場合には、走者が次の行動を容易にとれるように、ただちに"インフィールドフライ"を宣告しなければならない。また、打球がべースラインの近くに上がった場合には"インフィールドフライ・イフ・フェア"を宣告する。
インフィールドフライが宣告されてもボールインプレイであるから、走者は離塁しても進塁してもよいが、その飛球が捕えられれば、リタッチの義務が生じ、これを果たさなかった場合には、普通のフライの場合と同様、アウトにされるおそれがある。
たとえ、審判員の宣告があっても、打球がファウルボールとなれば、インフィールドフライとはならない。
【付記】 インフィールドフライと宣告された打球が、最初に(何物にも触れないで)内野に落ちても、ファウルボールとなれば、インフィールドフライとはならない。また、この打球が、最初に(何物にも触れないで)ベースラインの外へ落ちても、結局フェアボールとなれば、インフィールドフライとなる。
【原注】 審判員はインフィ−ルドフライの規則を適用するにあたって、内野手が普通の守備行為をすれば捕球できるかどうかを基準とすべきであって、たとえば、芝生やベースラインなどを勝手に境界線として設定すべきではない。たとえ、飛球が外野手によって処理されても、それは内野手によって容易に捕球されるはずだったと審判員が判断すれば、インフィールドフライとすべきである。インフィールドフライはアピールプレイであると考えられるような要素はどこにもない。
審判員の判断がすべて優先し、その決定は直ちに下されなければならない。
インフィールドフライが宣告されたとき、走者は危険を承知で進塁してもよい。インフィールドフライと宣告された飛球を内野手が故意落球したときは、6・05(1)の規定にもかかわらずボールインプレイである。インフィールドフライの規則が優先する。
【注】 インフィールドフライは、審判員が宣告して、初めて効力を発する。
2・41 IN FLIGHT「インフライト」−−打球、送球、投球が、地面かあるいは野手以外のものにまだ触れていない状態を指す。
2・42 IN JEOPARDY「インジェパーディ」−−ボールインプレイのとき、攻撃側プレヤーがアウトにされるおそれのある状態を示す術語である。
2・43 INNING「イニング」(回)−−各チームが攻撃と守備とを交互に行なう、試合の一区分である。この間、各チームは守備のさい、それぞれ三個のプットアウトを果たす。各チームは一イニングの半分ずつをその攻撃にあてる。
【注】 本規則では、ビジティングチーム(先攻チーム)の攻撃する間を表といい、ホームチーム(後攻チーム)の攻撃する間を裏という。
2・44 INTERFERENCE「インターフェアランス」(妨害)
(a) 攻撃側の妨害−−攻撃側プレヤーがプレイしようとしている野手を妨げたり、さえぎったり、はばんだり、混乱させる行為である。
審判員が打者、打者走者または走者に妨害によるアウトを宣告した場合には、他のすべての走者は、妨害発生の瞬間にすでに占有していたと審判員が判断する塁まで戻らなければならない。ただし、本規則で別に規定した場合を除く。
【原注】 打者走者が一塁に到達しないうちに妨害が発生したときは、すべての走者は投手の投球当時占有していた塁に戻らなければならない。
【注】 右〔原注〕は、プレイが介在した後に妨害が発生した場合には適用しない。
(b) 守備側の妨害−−投球を打とうとする打者を妨げたり、じゃまをする野手の行為をいう。
(c) 審判員の妨害−−(1)捕手の送球動作を、球審がじゃましたり、はばんだり、妨げた場合、(2)打球が、野手(投手を除く)を通過する前に、フェア地域で審判員に触れた場合に起こる。
(d) 観衆の妨害−−観衆がスタンドから乗り出したり、または競技場内に入って、インプレイのボールに触れた場合に起こる。
妨害が起きた場合は、ボールデッドとなる。
2・45 LEAGUE「リーグ」−−あらかじめ組まれたスケジュールによって、所属リーグの選手権試合を本規則に従って行なうチームを保有するクラブの集まりである。
2・46 LEAGUE PRESIDENT「リーグプレジデント」(リーグ会長)−−リーグ会長は本規則を施行し、本規則に関連する論争を解決し、提訴試合の裁定をしなければならない。またリーグ会長は自己の判断に基づいて、本規則に違反したプレヤー、コーチ、監督または審判員に制裁金または出場停止の制裁を科する。
【注】我が国のプロ野球では、本規則のリーグ会長の職務はコミッショナーの指名した者よって遂行される。
2・47 LEGAL or LEGALLY「リーガルまたはリーガリー」−−本規則に準拠したことをいう。
2・48 LIVE BALL「ライブボール」−−インプレイのボールをいう。
2・49 LINE DRIVE「ラインドライブ」(ライナー)−−打者のバットから鋭く、直線的に、地面に触れないで飛んだ打球である。
2・50 MANAGER「マネージャー」(監督)−−プレイングフィールドにおける自己のチームの行動に責任を持ち、チームを代表して審判員ならびに相手チームと協議するように、クラブから指定された人である。プレヤーが監督に指定されることも許される。
(a) クラブば試合開始予定時刻30分前までに、リーグ会長、または当該試合の球審に対して監督を指定しむければならない。
(b) 監督は、プレヤーまたはコーチにリーグの規約に基づく特別な任務を任せたことを、球審に通告することができる。
この通告があれば本野球規則は、この指名された代理者を公式のものとして認める。
監督は自チームの行動、野球規則の遵守、審判員への服従に関しては、全責任を持つ。
(c) 監督が競技場を離れるときは、プレヤー、またはコーチを自己の代理者として指定しなければならない。このような監督の代理者は監督としての義務、権利、責任を持つ。もし監督が競技場を離れるまでに、自己の代理者を指定しなかったり、これを拒否した場合には、球審がチームの一員を監督の代理者として指定する。
2・51 OBSTRUCTION「オブストラクション」(走塁妨害)−−野手がボールを持たないときか、あるいはボールを処理する行為をしていないときに、走者の進塁を妨げる行為である。(7・06a、b)
【原注】 本項でいう"野手がボールを処理する行為をしている"とは、野手がまさに送球を捕ろうとしているか、送球が直接野手に向かってきており、しかも充分近くにきていて、野手がこれを受け止めるにふさわしい位置をしめなければならなくなった状態をいう。これは一に審判員の判断に基づくものである。野手がボールを処理しようとして失敗した後は、もはやボールを処理している野手とはみなされない。たとえば、野手がゴロを捕ろうとしてとびついたが捕球できなかった。ボールは通り過ぎていったのにもかかわらずグラウンドに横たわったままでいたので、走者の進塁を遅らせたような場合、その野手は走塁妨害をしたことになる、
2・52 OFFENSE「オフェンス」(攻撃側)−−攻撃中のチーム、またはそのプレヤーをいう。
2・53 OFFICIAL
SCORER「オフィシャルスコアラー」(公式記録員)−−10・00参照。
2.54 ORDINARY EFFORT「オーディナリーエフォート」(普通の守備行為)――天候やグラウンドの状態を考慮に入れ、あるプレイに対して、各リーグの各守備位置で平均的技量を持つ野手の行なう守備行為をいう。
【原注】この用語は、規則2.40のほか記録に関する規則でたびたび用いられる、個々の野手に対する各観的基準である。言い換えれば、ある野手が、その野手自身の最善のプレイを行なったとしても、そのリーグの同一守備位置の野手の平均的技量に照らして劣ったものであれば、記録員はその野手に失策を記録する。
2・55 OUT「アウト」−−守備側チームが攻撃側となるために、相手チームを退けるのに必要な三つのプットアウトのうちの一つである。
2・56 OUTFIELDER「アウトフィールダー」(外野手)−−競技場の内で、本塁から最も遠い、いわゆる外野に守備位置をとる野手である。
2・57 OVERSLIDE or OVERSLIDING「オーバースライドまたはオーバースライディング」−−攻撃側プレヤーが、滑り込みの余勢のために塁から離れて、アウトにされるおそれのある状態におかれる行為をいう。本塁から一塁に進む場合には、直ちに帰ることを条件として、滑り込みの余勢のために塁を離れることは許されている。
2・58 PENALTY「ペナルティ」−−反則行為に対して適用される規則をいう。
2・59 PERSON of player or umpire「パースン・オブ・プレヤー・オァ・アンパイヤー」(プレヤーまたは審判員の身体)−−その身体、着衣及び身につけているものをいう。
2・60 PITCH(「ピッチ」(投球)−−投手が打者に対して投げたボールをいう。(8・01)
【原注】 あるプレヤーから他のプレヤーに送られるボールは、すべて送球である。
2・61 PITCHER「ピッチャー」(投手)−−打者に投球するように指定された野手をいう。(8・01)
2・62 Pitcher's PIVOT FOOT「ピッチャース・ピボットフット」(投手の軸足)−−投手が投球のさい、投手板に触れている足をいう。(8・01)
2・63 "PLAY"「プレイ」−−球審が試合を開始するとき、及びボールデッドの状態から競技を再開するときに用いる命令をいう。
2・64 QUICK RETURN Pitch「クィックリターンピッチ」−−打者の虚をつくことを意図した投球をいう。これは反則投球である。
2・65 REGULATION GAME「レギュレーションゲーム」(正式試合)−−4・10及び4・11参照。
2・66 RETOUCH「リタッチ」−−走者が、規則によって、帰塁しなければならない塁へ帰る行為をいう。
【注】 "リタッチ"には、飛球が捕えられたときに離塁していた走者が、進塁の起点となった塁に帰塁する行為と、飛球が打たれたとき塁にタッチしていて、野手が捕球したのを見て次塁へスタートする行為の.一つがある。(7・08d、7・10a参照)
2・67 RUN or SCORE「ランまたはスコア」(得点)−−攻撃側のプレヤーが打者から走者となって、一塁、二塁、三塁、本塁の順序で各塁に触れた場合に、与えられる得点をいう。(4・09)
2・68 RUN-DOWN「ランダウン」(挟撃)−−塁間で走者をアウトにしようとする守備側の行為をいう。
2・69 RUNNER「ランナー」(走者)−−塁に向かって進んだり、触れたり、戻ったりする攻撃側プレヤーをいう。,
2・70 "SAFE"「セーフ」−−走者にその得ようとしていた塁を占有する権利を与える、審判員の宣告をいう。
2・71 SET POSITION「セットポジション」−−二つの正規な投球姿勢のうちの一つである。
2・72 SQUEEZE PLAY「スクイズプレイ」−−三塁に走者がある場合、バントによって走者を得点させようとするチームプレイを指す術語である。
2・73 STRIKE「ストライク」−−次のような、投手の正規な投球で、審判員によって"ストライク"と宣告されたものをいう。
(a) 打者が打った(バントの場合も含む)が、投球がバットに当たらなかったもの。
(b) 打者が打たなかった投球のうち、ボールの一部分がストライクゾーンのどの部分でもインフライトの状態で通過したもの。
(c) ノーストライクまたは一(ワン)ストライクのとき、打者がファウルしたもの。
(d) バントして、ファウルボールとなったもの、
【注】 普通のファウルは、二(ツー)ストライクの後はストライクとして数えられないが、バントのファウルに限って、ボールカウントには関係なく常にストライクとして数えられるから、二(ツー)ストライク後にバントしたものがファウルボールとなれば、打者は三振となる。ただし、バントがフライとして捕えられた場合は、フライアウトとなる。
(e) 打者が打った(バントした場合も含む)が、投球がバットには触れないで打者の身体または着衣に触れたもの。
(f) バウンドしない投球がストライクゾーンで打者に触れたもの。
(g) ファウルチップになったもの。
2・74 STRIKE ZONE「ストライクゾーン」−−打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の上部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。
このストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきである。
【注】投球を待つ打者が、いつもと異なった打撃姿勢をとってストライクゾーンを小さく見せるためにかがんだりしても、球審は、これを無視してその打者が投球を打つための姿勢に従って、ストライクゾーンを決定する。
2・75 SUSPENDED GAME「サスペンデッドゲーム」(一時停止試合)−−後日、その続きを行なうことにして、一時停止された試合をいう。(4・12)
2・76 TAG「タッグ」(触球)−−野手が、手またはグラブに確実にボールを保持して、その身体を塁に触れる行為、あるいは確実に保持したボールを走者に触れるか、手またはグラブに確実にボールを保持して、その手またはグラブを走者に触れる行為をいう。
2・77 THROW「スロー」(送球)−−ある目標に向かって、手及び腕でボールを送る行為をいい、常に投手の打者への投球(ピッチ)と区別される。
2・78 TIE GAME「タイゲーム」−−球審によって終了を命じられた正式試合で、両チームの得点が等しかったものをいう。
2・79 "TIME"「タイム」−−正規にプレイを停止させるための審判員の宣告であり、その宣告によってボールデッドとなる。
2・80 TOUCH「タッチ」−−プレヤーまたは審判員の身体はもちろん、その着衣あるいは用具のどの部分に触れても"プレヤーまたは審判員に触れた"ことになる。
2・81 TRIPLE PLAY「トリプルプレイ」(三重殺)−−守備側プレヤ−が連続した動作で、三人の攻撃側プレヤーをプットアウトにするプレイであるが、この三つのプットアウトの間に失策が介在したものは、トリプルプレイとはみなされない。
2・82 WILD PITCH「ワイルドピッチ」(暴投)−−捕手が普通の守備行為で処理することができないほど高すぎるか、低すぎるか、横にそれるかした、投手の正規な投球をいう。
2・83 WIND-UP POSITION「ワインドアップポジション」−−二つの正規な投球姿勢のうちの一つである。
3・01 審判員は、試合開始前に、次のことをしなければならない。
(a) 競技に使用される用具、及びプレヤーの装具が、すべて規則にかなっているかどうかを厳重に監視する。
(b) 石灰、チョーク、その他の白色材料で引かれた競技場の諸線(図表1、2の太線)が、地面または芝生からはっきりと見分けがつくようにできあがっているかどうかを確かめる。
(c) 正規のボール(リーグ会長がホームクラブに対して、その個数及び製品について証明済みのもの)を、ホームクラブから受け取る。証明済みのボールは、りーグ会長の署名を施し、かつ厳封してある。その封絨は、審判員だけが試合に先立って開封できる。審判員は包装を解いて、ボールを検査し、特殊な砂などを用いて、ボールの光沢を消す。審判員は、その単独判断でボールの適否を決定する。
【注】アマチュア野球では、ボールはホームチームまたは主催者が供給する。
(d) 正規のボールを少なくとも一ダース、必要に応じて直ちに使用できるように、ホームクラブが準備しているかどうかを確かめる。
(e) 少なくとも二個のボールを予備に持ち、試合中、必要に応じてそのつど予備のボールの補充を要求する。これらのボールを、次の場合に使用する。
(1) ボールがプレイングフィールドの外へ出た場合。
(2) ボールが汚れた場合、あるいはボールがなんらかの理由で使えなくなった場合。
(3) 投手がボールの交換を求めた場合。
【原注】球審は、ボールデッドとなりすべてのプレイが終わるまで投手にボールを手渡してはならない。フェアの打球または野手の送球がプレイングフィールドの外へ出た場合は、走者及び打者が与えられた塁に達するまで、予備のボールを渡してプレイを再開してはならない。また、打者がプレイングフィールドの外へ本塁打を打ったときは、その打者が本塁を踏み終わるまで球審は、新しいボールを投手または、捕手に手渡してはならない。
3・02 プレヤーが、土、ロージン、パラフィン、甘草、サンドペーパー、エメリーぺーパー、その他のもので、ボールを故意に汚すことは禁じられる。ペナルティ審判員は、そのボールの返還を求め、反則した者を試合から除く。審判員が反則者を指摘することができない場合に、投手が、このように汚したり、傷つけたボールを打者に投球したときは、反則者に代わって投手が直ちに試合から除かれ、自動的に以後十日間の出場停止となる。
【注】アマチュア野球では、このペナルティを適用せず、審判員が、その反則者に注意して、そのボールの返還を求めるにとどめるが、その後も、故意に同様の行為をくり返した場合には、試合から除く。
3・03 プレヤーの交代は、試合中ボールデッドのときなら、いつでも許される。代わって出場したプレヤーは、そのチームの打撃順に従って、退いたプレヤーの順番を受け継いで打つ。いったん試合から退いたプレヤーは、その試合には再び出場することはできないが、プレヤー兼監督に限って、補欠と代わってラインアップから退いても、それ以後コーチスボックスに出て指揮することは許される。
守備側チームのプレヤーが二人以上同時に代わって出場したときは、その代わって出場したプレヤーが守備位置につく前に、監督は直ちにそのプレヤーの打撃順を球審に示し、球審はこれを公式記録員に通告する。
この通告がなかったときは、球審は、代わって出場したプレヤーの打撃順を指定する権限を持つ。
【原注】同一イニングでは、投手が一度ある守備位置についたら、再び投手となる以外他の守備位置に移ることはできないし、投手に戻ってから投手以外の守備位置に移ることもできない。
投手以外の負傷退場した野手に代わって出場したプレヤーには、五球を限度としてウォームアップが許される。(投手については、8・03に規定がある)
【注】アマチュア野球では、試合から退いたプレヤーが、べースコーチとなることを認めることもある。
3・04 打順表に記載されているプレヤーは、他のプレヤーの代走をすることは許されない。
【原注】この規則は"コーティシーランナー"(相手の好意で適宜に許される代走者)の禁止を意味している。試合に出場しているプレヤーは、他のプレヤーのために、コーティシーランナーになることを許されず、いったん試合から退いたプレヤーも同様である。打順表に記載されていないプレヤーでも、一度走者として出たならば、代わって出場したプレヤーと同様にみなす。
3・05 先発投手及び救援投手の義務
(a) 4・01(a)、同(b)の手続きによって球審に手渡された打順表に記載されている投手は、第一打者またはその代打者が、アウトになるかあるいは一塁に達するまで、投球する義務がある。ただし、その投手が負傷または病気のために、投球が不可能になったと球審が認めた場合を除く。
(b) ある投手に代わって救援に出た投手は、そのときの打者または代打者がアウトになるか一塁に達するか、あるいは攻守交代になるまで、投球する義務がある。ただし、その投手が負傷または病気のために、それ以後投手としての競技続行が不可能になったと球審が認めた場合を除く。
(c) 規則で代わることが許されていない投手に代わって他のプレヤーが出場した場合には、審判員は、本条を正しく適用するために、正規の投手に試合に戻ることを命じなければならない。万一、誤って出場した投手が、指摘されないまま打者へ一球を投げるか、または塁上の走者がアウトになった場合には、その投手は正当化されて、以後のプレイはすべて有効となる。
【原注】 監督が本項に違反して投手を退かせようとしたときには、審判員はその監督に不可能である旨を通告しなければならない。たまたま、球審が看過して規則で許されていない投手の出場を発表してしまった場合でも、その投手が投球する前なら正しい状態に戻すことができる。万一、誤って出場した投手が一球を投じてしまえば、その投手は正規の投手となる。
3・06 監督は、プレヤーの交代があった場合には、直ちにその旨を球審に通告し、あわせて打撃順のどこに入るかを明示しなければならない。
【原注】試合から退いたプレヤーは、ベンチに入って、そのチームとともに残ることはできる。また、投手のウォームアップの相手をすることもできる。プレヤー兼監督が補欠と代わって退いた場合、ベンチまたはコーチスボックスから指揮を続けることはできる。
審判員は、試合から退いてベンチに残ることを許されたプレヤーが相手チームのプレヤー、監督または審判員に対して、やじをとばすことは許さない。
3・07 交代通告を受けた球審は、直ちにその旨を自ら発表するか、または発表させる義務がある。
3・08 交代発表のなかったプレヤーの取り扱い
(a) 代わって出場したプレヤーは、たとえその発表がなくても、次のときから、試合に出場したものとみなされる。
(1) 投手ならば、投手板上に位置したとき。
(2) 打者ならば、バッタースボックスに位置したとき。
(3) 野手ならば、退いた野手の普通の守備位置についてプレイが始まったとき。
(4) 走者ならば、退いた走者が占有していた塁に立ったとき。
(b) 前項で出場したものと認められたプレヤーが行なったプレイ、及びそのプレヤーに対して行なわれたプレイは、すべて正規のものとなる。
3・09 ユニフォーム着用者は、次のことが禁じられる。
(1) プレヤーが、試合前、試合中、または試合終了後を問わず、観衆に話しかけたり、席を同じくしたり、スタンドに座ること。
(2) 監督、コーチまたはプレヤーが、試合前、試合中を問わず、いかなるときでも観衆に話しかけたりまたは相手チームのプレヤーと親睦的態度をとること。
【注】アマチュア野球では、次の試合に出場するプレヤーがスタンドで観戦することを特に許す場合もある。
3・10 競技場使用の適否の決定権
(a) ホームチームの監督だけが、天候、競技場の状態が試合を開始するのに適しているかどうかを決定する権限を持っている。ただし、ダブルヘッダーの第二試合の場合を除く。
【例外】 全日程が消化できず、そのリーグの最終順位が、実際の勝敗の結果によらずに決まることがないようにするために、最終の数週間、そのリーグに限って、本条の適用を中止する権限を、そのリーグの会長に全面的に付与することができる。たとえば、選手権試合の終期の節において、いずれか二チーム間の試合を延期したり、または挙行しなかったことが、リーグの最終順位に影響を及ぼすおそれのある場合には、そのリーグ所属チームの要請によって、本条によるホームチームの監督に付与されている権限を、リーグ会長が持つことができる。
【注】 アマチュア野球では、本項を適用しない。
(b) ダブルヘッダーの第一試合の球審だけが、天候、競技場の状態がダブルヘッダーの第二試合を開始するのに適しているかどうかを決定する権限を持っている。
(c) 球審だけが、試合中、天候、競技場の状態に応じて、試合を一時停止するかどうか、一時停止後の試合を再開するか、そのまま打ち切りを命じるかどうかを決定する権限を持っている。
球審はプレイを中断した後、少なくとも30分を経過するまでは、打ち切りを命じてはならない。また球審はプレイ再開の可能性があると確信すれば、一時停止の状態を延長してもさしつかえない。
【原注】 球審は、いかなる場合でも、試合を完了するように努力しなければならない。試合完了の確信があれば、球審は、その権限において、30分にわたる"一時停止"を何度くり返しても、あくまで試合を続行するようにつとめ、試合の打ち切りを命じるのは、その試合を完了させる可能性がないと思われる場合だけである。
3・11 ダブルヘッダーの第一試合と第二試合の間、または試合が競技場使用不適のために停止されている場合、競技場をプレイに適するようにするために、球審は球場管理人(グラウンドキーパー)及びその助手を指図することができる。
ペナルティ 球場管理人(グラウンドキーパー)及びその助手が球審の指図に従わなかった場合には、球審は、フォーフィッテッドゲームを宣告して、ビジティングチームに勝ちを与えることが許される。(4・16)
3・12 審判員が試合を停止するときは"タイム"を宣告する。球審が"プレイ"を宣告したときに停止状態は終わり、競技は再開される。タイムの宣告からプレイの宣告までの間、試合は停止される。
3・13 観衆が競技場内にあふれ出ている場合、ホームチームの監督は、打球、送球が観衆内に入ったときはもちろん、不測の事態が生じた場合など、あらゆる点を考慮して、広範囲に及ぶグラウンドルールを作って、球審ならびに相手チームの監督に指示して承諾を求める。相手チームの監督がこれを承諾すれば、そのグラウンドルールは正規のものとなるが、万一承諾しないときは、球審は、プレイに関する規則に抵触しない範圏内で、競技場の状態から推測して必要と思われる特別グラウンドルールを作成して、これを実行させる。
3・14 攻撃側プレヤーは、自チームの攻撃中には、グラブ、その他の用具を競技場内からダッグアウトに持ち帰らなければならない。フェア地域とファウル地域とを問わず、競技場内には何物も残しておいてはならない。
3・15 試合中は、ユニフォームを着たプレヤー及びコーチ、監督、ホームチームによって公認されている報道写真班、審判員、制服を着た警官、ならびにホームチームの警備員、その他の従業員のほかは、競技場内に入ってはならない。
競技場内に入ることを公認された人(試合に参加している攻撃側メンバー、コーチスボックス内のべースコーチあるいは審判員を除く)が競技を妨害したとき、その妨害が故意でないときは、ボールインプレイである。しかし故意の妨害のときには、妨害と同時にボールデッドとなり、審判員は、もし妨害がなかったら競技はどのような状態になったかを判断して、ボールデッド後の処置をとる。
【付記】 前記カッコ内の攻撃側メンバー、ベースコーチ及び審判員については7・11、7・08(b)、5.08、及び5・09(b)参照。
【原注】 妨害が故意であったか否かは、その行為に基づいて決定しなければならない。
例−−バットボーイ、ボールボーイ、警察官などが、打球または送球に触れないように避けようとしたが避けきれずに触れた場合は、故意の妨害とはみなされない。しかしボールをけったり、拾い上げたり、押し戻した場合には、本人の意思とは関係なく故意の妨害とみなされる。
3・16 打球または送球に対して観衆の妨害があったときは、妨害と同時にボールデッドとなり、審判員は、もし妨害がなかったら競技はどのような状態になったかを判断して、ボールデッド後の処置をとる。
【付記】 観衆が飛球を捕えようとする野手を明らかに妨害した場合には、審判員は打者に対してアウトを宣告する。
【原注】 打球または送球がスタンドに入って観衆に触れたら、たとえ競技場内にはねかえってきてもボールデッドとなる場合と、観衆が競技場内に入ったり、境界線から乗り出すか、その下またはあいだをくぐり抜けてインプレイのボールに触れるか、あるいはプレヤーに触れたり、その地の方法で妨げた場合とは事情が異なる。後者の場合は故意の妨害として取り扱われる。打者と走者は、その妨害がなかったら競技はどのような状態になったかと審判員が判断した場所におかれる。
野手がフェンス、手摺、ロープから乗り出したり、スタンドの中へ手をさし伸べて捕球するのを妨げられても妨害とは認められない。野手は危険を承知でプレイしている。しかし、観衆が競技場に入ったり、身体を競技場の方へ乗り出して野手の捕球を明らかに妨害した場合は、打者は観衆の妨害によってアウトが宣告される。
例−−一死走者三塁、打者が外野深く飛球(フェアかファウルかを問わない)を打った。観衆がそれを捕球しようとする外野手を明らかに妨害した。審判員は観衆の妨害によるアウトを宣告した。その宣告と同時にボールデッドとなり、審判員は、打球が深かったので、妨害されずに野手が捕球しても捕球後三塁走者は得点できたと判断して、三塁走者の得点を認める。本塁からの距離が近いほんの浅いフライに対しては、妨害があっても、このような処置をとるべきではない。
3・17 両チームのプレヤー及び補欠は、実際に競技にたずさわっているか、競技に出る準備をしているか、あるいは一塁または三塁のべースコーチに出ている場合を除いて、そのチームのベンチに入っていなければならない。
試合中は、プレヤー、補欠、監督、コーチ、トレーナー、バットボーイのほかは、いかなる人もベンチに入ることは許されない。
ペナルティ 本条項に違反したときは、審判員は、警告を発した後、その反則者を競技場から除くことができる。
【注一】 次打者席には、次打者またはその代打者以外入ってはならない。
【注二】 ベンチあるいはダッグアウトに入ることのできる者に関しては、プロ野球では各リーグの
規約によって定め、アマチュア野球では協会、連盟ならびに大会などの規約に基づいて定めている。
3・18 ホームチームは、秩序を維持するのに十分な警察の保護を要請する備えをしておく義務がある。一人もしくは二人以上の人が試合中に競技場内に入り、どんな方法ででもプレイを妨害した場合には、ビジティングチームは、競技場からそれらの人々が退去させられるまで、プレイを行なうことを拒否することができる。
ペナルティ ビジティングチームがプレイを行なうことを拒否してから、15分を経過した後、なお適宜な時間をかけても競技場からそれらの人々が退去させられなかった場合には、球審はフォーフィッテッドゲームを宣告してビジティングチームの勝ちとすることができる。
【注一】 ここにいう"適宜な時間"とは、球審の判断に基づく適宜な時間を意味する。
フォーフィッテッドゲームは、同僚との協議の末、球審がとる最後の手段であって、すべての手段が尽き果てた後に、はじめてこれを宣告するもので、料金を払って試合を見にきているファンを失望させることは極力避けなければならない。
【注二】 アマチュア野球ではホームチームに代わって大会主催者、連盟などがその責にあたる
4・01 ホームクラブが試合の延期または試合開始の遅延をあらかじめ申し出た場合を除いて、一人ないし数人の審判員は、試合開始予定時刻の5分前に競技場内に入り、直ちに本塁に進み、両チームの監督に迎えられる。
(a) まず、ホームチームの監督が、球審に二通の打順表を手渡す。
(b) 次に、ビジティングチームの監督が、球審に二通の打順表を手渡す。
(c) 球審は、受領した打順表の正本が副本と同一であるかどうかを照合した後、相手チームの監督にそれぞれ打順表の副本を手交する。球審の手元にあるものが正式の打順表となる。球審による打順表の手交は、それぞれの打順表の確定を意味する。従って、それ以後、監督がプレヤーを交代させるには規則に基づいて行なわなければならない。
【原注】 球審は、試合開始の"プレイ"を宣告する前に、打順表における明らかな誤記を見つけた場合、まず誤記をしたチームの監督またはキャプテンに注意し、それを訂正させることができる。たとえば、監督が不注意にも打順表に八人しか記載しなかったり、同姓の二人を区別する頭文字を付けないで記載した場合、球審がこれらの誤記を試合開始前に見つけたら、訂正させなければならない。明らかな不注意や試合開始前に訂正できる誤りのために、試合が始まってからチームが束縛されるべきではない。
(d) ホームチームの打順表が球審に手渡されると同時に、競技場の全責任は、各審判員に託される。そして、その時を期して、球審は天候、競技場の状態などに応じて、試合打ち切りの宣告、試合の一時停止あるいは試合再開などに関する唯一の決定者となる。
4・02 ホームチームの各プレヤーが、それぞれの守備位置につき、ビジティングチームの第一打者が、バッタースボックス内に位置したとき、球審はプレイを宣告し、試合が開始される。
4・03 試合開始のとき、または試合中ボールインプレイとなるときは、捕手を除くすべての野手はフェア地域にいなければならない。
(a) 捕手は、ホームプレートの直後に位置しなければならない。故意の四球が企図された場合は、ボールが投手の手を離れるまで、捕手はその両足をキャッチャースボックス内に置いていなければならないが、その他の場合は、捕球またはプレイのためならいつでもその位置を離れてもよい。ペナルティ ボークとなる。(8・05l参照)
(b) 投手は、打者に投球するにあたって、正規の投球姿勢をとらなければならない。
(c) 投手と捕手を除く各野手は、フェア地域ならば、どこに位置してもさしつかえない。
【注】投手が打者に投球する前に、捕手以外の野手がファウル地域に位置を占めることは、本条で禁止されているが、これに違反した場合のペナルティはない。審判員がこのような事態を発見した場合には、速やかに警告してフェア地域にもどらせた上、競技を続行しなければならないが、もし警告の余裕がなく、そのままプレイが行なわれた場合でも、この反則行為があったからといってすべての行為を無効としないで、その反則行為によって守備側が利益を得たと認められたときだけ、そのプレイは無効とする。
(d) 攻撃側プレヤー(打者、または得点しようとしている走者を除く)は、ボールインプレイのときに捕手線を横切ってはならない。
【注】ここでいう捕手線とは、キャッチャースボックスを示しているラインをいう。
4・04 試合中、打撃順の変更は認められない。しかし、打順表に記載されているプレヤーが補欠と代わることは許される。ただし、その補欠は退いたプレヤーの打撃順を受け継がなければならない。
4・05 ベースコーチ
(a) 攻撃側チームは、攻撃期間中、二人のベースコーチ−−一人は一塁近く、他は三塁近く−−を所定の位置につかせなければならない。
(b) べースコーチは、各チーム特に指定された二人に限られ、次のことを守らなければならない。
(1) そのチームのユニフォームを着ること。
(2) 常にコーチスボックス内にとどまること。
ペナルティ 審判員は本項に違反したものを試合から除き、競技場から退かせる。
【原注】 ここ数年、ほとんどのコーチが片足をコーチスボックスの外に出したり、ラインをまたいで立ったり、コーチスボックスのラインの外側に僅かに出ていることは、ありふれたことになっているが、コーチは、打球が自分を通過するまで、コーチスボックスを出て本塁寄りおよびフェア地域寄りに立っていてはならない。ただし、相手チームの監督が異議を申し出ない限り、コーチスボックスの外に出ているものとはみなされない。しかし、相手チーム監督の異議申し出があったら、審判員は、規則を厳しく適用し、両チームのコーチがすべて常にコーチスボックス内にとどまることを要求しなければならない。
コーチが、プレヤーに「滑れ」「進め」「戻れ」とシグナルを送るために、コーチスボックスを離れて、自分の受け持ちのベースで指図することもありふれたことになっている。このような行為はプレイを妨げない限り許される。
【注一】 監督が指定されたコーチに代わって、ベースコーチとなることはさしつかえない。
【注二】 アマチュア野球では、ベースコーチを必ずしも特定の二人に限る必要はない。
【注三】 コーチがプレイの妨げにならない範囲で、コーチスボックスを離れて指図することは許されるが、たとえば、三塁コーチが本塁付近にまできて、得点しようとする走者に対して、「滑れ」とシグナルを送るようなことは許されない。
4・06 競技中のプレヤーの禁止事項
(a) 監督、プレヤー、コーチ、トレーナー及びバットボーイは、どんなときでも、ベンチ、コーチスボックス、その他競技場のどの場所からも、次のことをしてはならない。
(1) 言葉、サインを用いて、観衆を騒ぎたたせるようにあおったり、あおろうとすること。
(2) どんな方法であろうとも、相手チームのプレヤー、審判員または観衆に対して、悪口をいったりまたは暴言を吐くこと。
(3) ボールインプレイのときに"タイム"と叫ぶか、他の言葉または動作で明らかに投手にボークを行なわせようと企てること。
(4) どんな形であろうとも、審判員に故意に接触すること。(審判員の身体に触れることはもちろん、審判員に話しかけたり、なれなれしい態度をとること)
(b) 野手は、打者の目のつくところに位置して、スポーツ精神に反する意図で故意に打者を惑わしてはならない。
ペナルティ 審判員は反則者を試合から除き、競技場から退かせる。なお投手がボークをしても無効とする。
4・07 監督、プレヤー、コーチまたはトレーナーは、試合から除かれた場合、直ちに競技場を去り、以後その試合にたずさわってはならない。試合から除かれた者はクラブハウス内にとどまっているか、ユニフォームをぬいで野球場構内から去るか、あるいはスタンドに座る場合には、自チームのベンチまたはブルペンから離れたところに席をとらなければならない。
【原注】 出場停止処分中の監督、コーチ、プレヤーは、試合中ダッグアウト、クラブハウス、新聞記者席に入ることはできない。
4・08 ベンチにいる者が、審判員の判定に対して激しい不満の態度を示した場合は、審判員は、まず、警告を発し、この警告にもかかわらず、このような行為が継続された場合には、次のペナルティを適用する。
ペナルティ 審判員は、反則者にベンチを退いてクラブハウスに行くことを命じる。もし、審判員が反則者を指摘することができなければ、補欠のプレヤーを全部ベンチから去らせる、しかし、この場合そのチームの監督には、試合に出場しているプレヤーと代えるために必要な者だけを競技場に呼びもどす特典が与えられる。
4・09 得点の記録
(a)三人アウトになってそのイニングが終了する前に、走者が正規に一塁、二塁、三塁、本塁に進み、かつ、これに触れた場合には、そのつど一点が記録される。
【付記】 第三アウトが次のような場合には、そのアウトにいたるプレイ中に、走者(1、2にあたる場合は全走者、3にあたる場合は後位の走者)が本塁に進んでも、得点は記録されない。
(1) 打者走者が一塁に触れる前にアウトにされたとき。(6・05、6・06参照)
(2) 走者がフォースアウトされたとき。(7・08e参照)
(3) 前位の走者が塁に触れ損ねてアウトにされたとき。(7・10a、b、7・12参照)
【原注】 規則説明 打者走者のアウトが1塁に触れる前のアウトの形をとり、それが第三アウトにあたったときは、たとえ他の走者がそのアウトの成立前か、あるいはそのアウトが成立するまでのプレイ中に本塁に触れていても得点は記録されない。
〔例一〕 一死、走者二・三塁のとき打者が安打したので、三塁走者は容易に本塁に達したが、二塁走者は本塁への送球でアウトにされて二死となった。この間、打者走者は二進していたが、途中一塁を踏んでいなかったので一塁でアピールされて打者はアウトになり、三死となった。−−三塁走者は"打者走者が一塁に触れる前のアウトで、しかも第三アウトにあたる場合"のプレイ中に本塁に触れたのであるから、その得点は記録されない。
〔例二〕 .二死満塁のとき、打者はフェンス越えの本塁打を打って四人とも本塁を踏んだが、打者は一塁を踏まなかったのでアピールされてアウトになった。−−この場合、打者のアウトは一塁に触れる前の第三アウトの形をとるから、無得点である。
規則説明 前位の走者が塁を触れ損ねたためにアウトにされた場合、正しい走塁を行なった後位の走者に関しては、そのアウトが二死または一死にあたるときと、三死にあたるときとでは事情が違う。
〔例一〕 一死、走者一・二塁のとき、打者は場内本塁打を打った。二塁走者は本塁へ達する間に三塁を空過した。一塁走者と打者は正しく塁を踏んで本塁に達した。守備側は三塁に送球してアピールしたので、審判員は二塁走者に対してアウトを宣告して、二死となった。一塁走者と打者の得点は認められる。
〔例二〕 二死、走者二塁のとき、打者が場内本塁打を打ち、二人とも本塁を踏んだが、二塁走者は三塁を空過したので、アピールによってアウトにされ、三死となった。−−打者は正しく本塁を踏んではいるが、得点には数えられない。
規則説明 前位の走者が塁に触れ損ねるか、飛球が捕えられたときにリタッチを果たさなかったために、第三アウトとなった場合、後位の走者は正しい走塁を行なっていても得点とはならない。
〔例〕 一死、走者二・三塁のとき、打者が中堅飛球を打ってアウトになり、二死となった。三塁走者はそのフライアウトを利して本塁に触れ、二塁走者も本塁への悪送球によって得点した。このとき三塁走者に対してアピールがあり、捕球前に、三塁を離れたものと判定されて、三死となった。無得点である。
規則説明 塁を踏み損ねた走者または飛球が捕えられたときにリタッチを果たさなかった走者に対して、守備側がアピールした場合、審判員がそれを認めたときにその走者はアウトになる。
〔例〕 一死、走者一・三塁のとき、打者の右翼飛球で二死となった。三塁走者は捕球後三塁にリタッチして本塁を踏んだが、一塁走者は二塁へ向かっていたので一塁に帰塁しようと試みたが、右翼手の送球でアウトになった。三塁走者はそのアウトより早く本塁を踏んでいた。
−−一塁走者のアウトはフォースアウトでないから、その第三アウトより早く本塁を踏んだ三塁走者の得点は記録される。
【注一】 第.三アウトがフォースアウト以外のアウトで、そのプレイ中に他の走者が本塁に達した場合、球審は、その走者にアピールプレイが残っているか否かに関係なく、本塁到達の方が第三アウトより早かったか否かを明示しなければならない。
【注二】 本項は打者およぴ塁上の走者に安全進塁権が与えられたときも適用される。たとえば、二死後ある走者が他の走者に先んじたためにアウトになったときは、そのアウトになった走者よりも後位の打者または走者の得点が認められないことはもちろんであるが、たとえアウトになった走者より前位の走者でも第三アウトが成立するまでに本塁を踏まなければ得点は認められない。
ただし、二死満塁で、打者が四球を得たとき、他のいずれかの走者がいったん次塁を踏んだ後にアウトになったときだけ、その第三アウトが成立した後に三塁走者が本塁を踏んでも、得点と認められる。(7・04b〔原注〕参照)
(b) 正式試合の最終回の裏、または延長回の裏、満塁で、打者が四死球、その他のプレイで一塁を与えられたために走者となったので、三塁走者が本塁に進まねばならなくなり、得点すれば勝利を決する一点となる場合には、球審はその走者が本塁に触れるとともに、打者が一塁に触れるまで、試合の終了を宣告してはならない。
ペナルティ 右の場合、三塁走者が、適宜な時間がたっても、あえて本塁に進もうとせず、かつこれに触れようとしなかった場合には、球審は、その得点を認めず、規則に違反したプレヤーにアウトを宣告して、試合の続行を命じなければならない。
また、二死後、打者走者があえて一塁に進もうとせず、かつこれに触れようとしなかった場合には、その得点は認めず、規則に違反したプレヤーにアウトを宣告して、試合続行を命じなければならない。
無死または一死のとき、打者走者があえて一塁に進もうとせず、かつこれに触れようとしなかった場合には、その得点は記録されるが、打者走者はアウトを宣告される。
【原注】 本項は、記述されている通りに取り扱われるべきである。例外として観衆が競技場になだれこんで、走者が本塁に触れようとするのを、または打者が一塁に触れようとするのを肉体的に妨げた場合には、審判員は観衆のオブストラクションとして走者の得点または進塁を認める。
【注】たとえば、最終回の裏、満塁で、打者が四球を得たので決勝点が記録されるような場合、次塁に進んで触れる義務を負うのは、三塁走者と打者走者だけである。三塁走者または打者走者が適宜な時間がたっても、その義務を果たそうとしなかった場合に限って、審判員は、守備側のアピールを待つことなくアウトの宣告を下す。
打者走者または三塁走者が進塁にさいして塁に触れ損ねた場合も、適宜な時間がたっても触れようとしなかったときに限って、審判員は、守備側のアピールを待つことなく、アウトの宣告を下す。
4・10 正式試合
(a) 正式試合は、通常九イニングから成るが、次の例外がある。すなわち同点のために試合が延長された場合、あるいは試合が次の理由によって短縮された場合−−
(1) ホームチームが九回裏の攻撃の全部、または一部を必要としない場合。
(2) 球審がコールドゲームを宣告した場合。
【例外】 マイナーリーグは、ダブルヘッダーのうちの一試合またはその二試合を七回に短縮する規定を採用することが許される。
このさい、本規則で九回とあるのを七回と置きかえるほかは、すべて本規則に従うべきである。
(b) 両チームが九回の攻撃を完了してなお得点が等しいときは、さらに回数を重ねていき、
(1) 延長回の表裏を終わって、ビジティングチームの得点がホームチームの得点より多い場合、
(2) ホームチームが延長回の裏の攻撃中に決勝点を記録した場合、に試合は終了する。
(c) 球審によって打ち切りを命じられた試合(コールドゲーム)が次に該当する場合、正式試合となる。
(1) 五回の表裏を完了した後に、打ち切りを命じられた試合。(両チームの得点の数には関係がない)
(2) 五回表を終わったさい、または五回裏の途中で打ち切りを命じられた試合で、ホームチームの得点がビジティングチームの得点より多いとき。
(3) 五回裏の攻撃中にホームチームが得点して、ビジティングチームの得点と等しくなっているときに打ち切りを命じられた試合。
(d) 試合が終了したときに、両チームの得点が等しかった場合には、球審は"タイゲーム"を宣告しなければならない。
(e) 正式試合となる前に、球審が試合の打ち切りを命じた場合には、"ノーゲーム"を宣告しなければならない。
(f) 正式試合または本条(c)項に規定された時点まで進行したサスペンデッドゲームには、雨天引換券を発行しない。
4・11 正式試合においては、試合終了時の両チームの総得点をもって、その試合の勝敗を決する。
(a) ビジティングチームが九回表の攻撃を終わったとき、ホームチームの得点が相手より多いときには、ホームチームの勝ちとなる。
(b) 両チームが九回の攻守を終わったとき、ビジティングチームの得点が相手方より多いときにはビジティングチームの勝ちとなる。
(c) ホームチームの九回裏または延長回の裏の攻撃中に、勝ち越し点にあたる走者が得点すれば、そのときに試合は終了して、ホームチームの勝ちとなる。
【付記一】 試合の最終回の裏、打者がプレイングフィールドの外へ本塁打を打った場合、打者及び塁上の各走者は、正規に各塁に触れれば得点として認められ、打者が本塁に触れたときに試合は終了し打者及び走者のあげた得点を加えて、ホームチームの勝ちとなる。
【付記二】 九回の裏または延長回の裏に、プレイングフィールドの外へ本塁打を打った打者が、前位の走者に先んじたためにアウトになった場合は、塁上の全走者が得点するまで待たないで、勝ち越し点にあたる走者が得点したときに試合は終了する。
【注】 九回の裏または延長回の裏、無死または一死で、打者がプレイングフィールドの外へ本塁打を打ったときに、ある走者が前位の走者に先んじたためにアウトになった場合は、打者に本塁打が認められ、試合は打者が本塁に触れたときに終了する。
(d) コールドゲームは、球審が打ち切りを命じたときに終了し、その勝敗はそのさいの両チームの総得点により決する、
【例外】 正式試合となった後のある回の途中で球審がコールドゲームを宣したとき、次に該当する場合、その試合はサスペンデッドゲームとなる。
(1) ビジティグチームがその回の表で得点してホームチームの得点と等しくなったが、表の攻撃が終わらないうち、または裏の攻撃が始まらないうち、あるいは裏の攻撃が始まってもホームチームが得点しないうちにコールドゲームが宣せられた場合。
(2) ビジティングチームがその回の表でリードを奪う得点を記録したが、表の攻撃が終わらないうち、または裏の攻撃が始まらないうち、あるいは裏の攻撃が始まってもホームチームが同点またはリードを奪い返す得点を記録しないうちにコールドゲームが宣せられた場合。
【注】 本項〔例外〕の適用について、我が国ではその試合をサスペンデッドゲームとしないで、両チームが完了した最終均等回の総得点でその試合の勝敗を決することとする。
マイナーリーグでは、本項(1)と(2)に加え、サスペンデッドゲームとするにあたって以下のルールを採用してもよい。(もし、採用した場合は、4・10(c)(d)(e)は適用しない。)
(3) 正式試合として成立していない場合。(正式試合とは、ビジティングチームが五回表の攻撃を終わったさい、ホームチームの得点の方が多い試合、または五回表裏を完了したさい、ビジティングチームの得点の方が多いか、両チームの得点が等しかった試合である。)
(4) 正式試合が、天候、娯楽制限またはその他の理由のために停止された時点で同点の場合。
(5) 正式試合として成立する前にサスペンデッドゲームとなった試合が、正式に日程に組まれた試合前に継続して行なわれる場合は、その正式な日程に組まれた試合は7イニングで打ち切る。
(6) 正式試合として成立した後に、サスペンデッドゲームとなった試合が、正式に日程に組まれた試合前に継続して行なわれる場合は、その正式に日程に組まれた試合は9イニング試合とする。
【例外】 前記(3)(4)(5)(6)項は、当該二チーム間に正式に組まれた最終試合またはプレイオフには適用しない。当該二チーム間の正式に組まれた最終試合以前に完了しなかったサスペンデッドゲームは、コールドゲームとする。
4・12 サスペンデッドゲーム(一時停止試合),
(a) 球審が次の理由のうちのどれかによって打ち切りを命じた場合、リーグは後日これを完了することを条件とした試合、すなわち、サスペンデッドゲーム(一時停止試合)とする規則を制定することができる。
(1) 法律による娯楽制限。
(2) リーグ規約による時間制限。
(3) 照明の故障、またはホームクラブが管理している競技場の機械的な装置の故障(競技場の機械的な装置には、自動キャンバス被覆装置とか排水設備を含んでいる)。
(4) 暗くなったのに、法律によって照明の使用が許されていないため、試合続行が不可能となった場合。
(5)天候状態のために、ある回の途中で球審がコールドゲームを宣したとき、次に該当する場合。
(i) ビジティングチームがその回の表で得点してホームチームの得点と等しくなったが、表の攻撃が終わらないうち、または裏の攻撃が始まらないうち、あるいは裏の攻撃が始まってもホームチームが得点を記録しないうちにコールドゲームが宣せられた場合。
(ii) ビジティングチームがその回の表でリードを奪う得点を記録したが、表の攻撃が終わらないうち、または裏の攻撃が始まらないうち、あるいは裏の攻撃が始まってもホームチームが同点またはリードを奪い返す得点を記録しないうちにコールドゲームが宣せられた場合。
(b) 娯楽制限、天候状態、または時間制限によって終了となった試合については、4・10の規定による正式試合となりうる回数が行なわれていない限り、これをサスペンデッドゲームとすることはできない。
4・12(a)の(3)または(4)の理由で打ち切りが命じられたときは、行なわれた回数には関係なく、これをサスペンデッドゲームとすることができる。
【付記一】 天候状態もしくはこれに類する理由と他の理由−−4・12(a)(1)〜(5)−−とが重なって打ち切られた試合を、サスペンデッドゲームとするかどうかを決定するにあたっては、天候状態もしくはこれに類する理由が優先して考慮される。4・12(a)の各項によって打ち切られた試合だけがサスペンデッドゲームとなる。正式試合となりうる回数に達した後、両チームの得点が等しかったときに、天候状態のために打ち切られた試合(4・12(a)(5)の(i)の状態で打ち切られた試合を除く)はタイゲームとし、改めて最初から試合を開始しなければならない。
(c) 一時停止試合を再開して、これを完了するには、次の要項に従う.
(1) その球場での両クラブ間の日程の、次のシングルゲームに先立って行なう。
(2) その球場での両クラブ間の日程に、ダブルヘッダーしか残っていない場合には、その最初のダブルヘッダーに先立って行なう。
(3) その都市での両クラブ間の日程の最終日に停止された場合には、都市を移して、相手クラブの球場で、なるべく、
(i) 両クラブ間の日程の、次のシングルゲームに先立って行なう。
(ii) 両クラブ間の日程にダブルヘッダーしか残っていない場合には、その最初のダブルヘッダーに先立って行なう。
(4) 両クラブ間の日程の最終試合日に、一時停止試合を再開することができなかった場合には、その一時停止試合をコールドゲームとしなければならない。
(d) 続行試合は、もとの試合の停止された個所から再開しなければならない。すなわち、停止試合を完了させるということは、一時停止された試合を継続して行なうことを意味するものであるから、両チームの出場者と打撃順は、停止されたときと全く同一にしなければならないが、規則によって認められる交代は、もちろん可能である。従って、停止試合に出場しなかったプレヤーならば、続行試合に代わって出場することができるが、停止試合にいったん出場して他のプレヤーと代わって退いたプレヤーは、続行試合には出場することはできない。停止された試合のメンバーとして登録されていなかったプレヤーでも、続行試合のメンバーとして登録されれば、その試合には出場できる。さらに、続行試合の出場資格を失ったプレヤー(停止試合に出場し、他のプレヤーと代わって退いたため)の登録が抹消されて、その代わりとして登録された者でも、続行試合には出場できる。
【原注】 交代して出場すると発表された投手がそのときの打者(代打者を含む)がアウトになるか一塁に達するか、あるいは攻守交代となるまで投球しないうちに、サスペンデッドゲームとなった場合、その投手は続行試合の先発投手として出場してもよいし、出場しなくてもよい。しかし、続行試合に出場しなかった場合には、他のプレヤーと交代したものとみなされて、以後その試合に出場することはできない。
(e) 正式試合または4・10(c)に規定された時点まで進行したサスペンデットゲームには、雨天引換券を発行しない。
4・13 ダブルヘッダーに関する規則
(a) (1) 選手権試合は、一日二試合まで行なうことができる。サスペンデッドゲームを完了させるために、ダブルヘッダーとともに行なっても、本条項に抵触することにはならない。
(2) もし、同じ日に、一つの入場料で二試合が組まれている場合には、第一試合をその当日における正規の試合としなければならない。
(b) ダブルヘッダーの第二試合は、第一試合の完了後でなければ開始してはならない。
(c) ダブルヘッダーの第二試合は、第一試合の終了20分後に開始する。ただし、この二試合の間にこれ以上の時間(30分を超えないこと)を必要とするときは、第一試合終了時に、球審はその旨を宣告して相手チームの監督に通告しなければならない。
【例外】 ホームクラブが特別の行事のために、二試合の間を規定以上に延長したいと申し出て、リーグ会長がこれを承認した場合には、球審はこの旨を宣告して、相手チームの監督に通告しなければならない。どの場合でも、第一試合の球審は、第二試合が開始されるまでの時間を監視する任にあたる。
【注】 両チーム監督の同意を得れば、ダブルヘッダーの第二試合を、第一試合の終了後20分以内に開始してもさしつかえない。
(d) 審判員は、ダブルヘッダーの第二試合をできる限り開始し、そして競技は、グラウンドコンディション、地方時間制限、天候状態などの許す限り、続行しなければならない。
(e) 正式に日程に組まれたダブルヘッダーが、降雨その他の理由で、開始が遅延した場合には、開始時間には関係なく開始されたその試合がダブルヘッダーの第一試合となる。
(f) 日程の変更により、ある試合をダブルヘッダーの一つに組み入れた場合は、その試合は第二試合となり、正式にその日の日程に組まれている試合が、第一試合となる。
4・14 球審は、暗くなったので、それ以後のプレイに支障をきたすと認めたときは、いつでも競技場のライトを点灯するように命じることができる。
4・15 一方のチームが次のことを行なった場合には、フォーフィッテッドゲームとして相手チームに勝ちが与えられる。
(a) 球審が試合開始時刻にプレイを宣告してから、5分を経過してもなお競技場に出ないか、あるいは競技場に出ても試合を行なうことを拒否した場合。
ただし、遅延が不可避であると球審が認めた場合は、この限りではない。
(b) 試合を長引かせ、または短くするために、明らかに策を用いた場合。
(c) 球審が一時停止または試合の打ち切りを宣告しないにもかかわらず、試合の続行を拒否した場合。
(d) 一時停止された試合を再開するために、球審がプレイを宣告してから、1分以内に競技を再開しなかった場合。
(e) 審判員が警告を発したにもかかわらず、故意に、また執拗に反則行為をくり返した場合。
(f) 審判員の命令で試合から除かれたプレヤーを、適宜な時間内に、退場させなかった場合。
(g) ダブルヘッダーの第二試合のさい、第一試合終了後20分以内に、競技場に現われなかった場合。
ただし、第一試合の球審が第二試合開始までの時間を延長した場合ば、この限りではない。
4・16 球審が、試合を一時停止した後、その再開に必要な準備を球場管理人(グラウンドキーパー)に命じたにもかかわらず、その命令が履行されなかったために、試合再開に支障をきたした場合は、その試合はフォーフィッテッドゲームとなり、ビジティングチームの勝ちとなる。
【注】 アマチュア野球では、本条を適用しない。
4・17 一方のチームが競技場に9人のプレヤーを位置させることができなくなるか、またはこれを拒否した場合、その試合はフォーフィッテッドゲームとなって相手チームの勝ちとなる。
4・18 球審がフォーフィッテッドゲームを宣告したときは、宣告後24時間以内に、その旨を書面でリーグ会長に報告しなければならない。
ただし、球審がこの報告をしなかったからといって、フォーフィッテッドゲームであることに変わりはない。
4・19 提訴試合(プロテステイングゲーム)
審判員の裁定が本規則に違反するものとして、監督が審議を請求するときは、各リーグは試合提訴の手続きに関する規則を適用しなければならない。審判員の判断に基づく裁定については、どのような提訴も許されない。提訴試合では、リーグ会長の裁定が最終のものとなる。
審判員の裁定が本規則に違反するとの結論が出た場合であっても、リーグ会長において、その違反のために提訴チームが勝つ機会を失ったものと判断しない限り、試合のやり直しが命ぜられることはない。
【原注】 監督が試合を提訴するには、提訴の対象となったプレイが生じたときから、投手が次の一球を投じるか、または、たとえ投球しなくてもその前にプレイをしたりプレイを企てるまでに、その旨を審判員に通告していない限り、提訴は認められない。
試合終了のときに生じたプレイについて提訴するときは、翌日の正午までにリーグ事務局に申し出ればよい。
【注】 アマチュア野球では提訴試合を認めない。
5・01 試合を開始するときには、球審は"プレイ"を宣告する。
5・02 球審が"プレイ"を宣告すればボールインプレイとなり、規定によってボールデッドとなるか、または審判員が"タイム"を宣告して試合を停止しない限り、ボールインプレイの状態は続く。
ボールデッドとなったさいは、各プレヤーはアウトになったり、進塁したり、帰塁したり、得点することはできない。
ただし、ボールインプレイ中に起きた行為(たとえば、ボーク、悪送球、インターフェア、ホームランまたはプレイングフィールドの外に出たフェアヒット)などの結果、一個またはそれ以上の進塁が認められた場合を除く。
【原注】 ボールが試合中部分的にはがれた場合は、そのプレイが完了するまで、ボールインプレイの状態は続く。
5・03 まず、投手は打者に投球する。その投球を打つか打たないかは打者が選択する。
5・04 攻撃側は、まず打者が走者となり、走者となれば進塁して得点することに努める。
5・05 守備側は、相手の打者が走者となることを防ぎ、走者となった場合は、その進塁を最小限にとどめるように努める。
5・06 打者が走者となり、正規にすべての塁に触れたときは、そのチームに一点が記録される。
【原注】 たとえば、三塁走者が、飛球が捕えられてから、離塁して本塁を踏んだ後、離塁が早かったと誤信して、三塁に帰ろうとした場合のように、走者が正規の走塁を行なって本塁に触れたならば、その走者のそれ以後の行為によって、その得点は無効とはならない。
5・07 攻撃側チームは、三人のプレヤーが正規にアウトにされると守備につき、その相手チームが攻撃に移る。
5・08 送球が偶然ベースコーチに触れたり、投球または送球が審判員に触れたときも、ボールインプレイである。しかし、ベースコーチが故意に送球を妨害した場合には、走者はアウトとなる。
5・09 次の場合にはボールデッドとなり、走者は一個の進塁が許されるか、または帰塁する。その間に走者はアウトにされることはない。
(a) 投球が、正規に位置している打者の身体、または着衣に触れた場合−−次塁に進むことが許された走者は進む。
(b) 球審が捕手の送球動作を妨害(インターフェア)した場合−−各走者は戻る。
【付記】 捕手の送球が走者をアウトにした場合には、妨害がなかったものとする。
【注】 捕手の送球によってランダウンプレイが始まろうとしたら、審判員はただちに"タイム"を宣告して、走者を元の塁に戻す。
(c) ボークの場合−−各走者は進む。(8・05ペナルティ参照)
(d) 反則打球の場合−−各走者は戻る。
(e) ファウルボールが捕球されなかった場合−−各走者は戻る。
球審は塁上の走者が、もとの塁にリタッチするまで、ボールインプレイの状態にしてはならない。
(f) 内野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者または審判員に触れた場合、あるいは内野手(投手を除く)を通過していないフェアボールが、審判舞に触れた場合−−打者が走者となったために、塁を明け渡す義務が生じた各走者は進む。
走者がフェアボールに触れても、次の場合には、審判員はアウトを宣告してはならない。なお、このさいは、ボールインプレイである。
(1) いったん内野手に触れたフェアボールに触れた場合。
(2) 一内野手に触れないでその股間または側方を通過した打球にすぐその後方で触れても、このボールに対して他のいずれの内野手も守備する機会がなかったと審判員が判断した場合。
【原注】 打球が投手を通過してから、内野内に位置していた審判員に触れた場合は、ボールデッドとなる。フェア地域で野手によってそらされた打球が、まだインフライトの状態のまま、走者または審判員に触れ地上に落ちるまでに、内野手によって捕球されても、捕球とはならず、ボールインプレイの状態は続く。
【注】 フェアボールがファウル地域で審判員に触れた場合、ボールインプレイである。
(g) 投球が、球審か捕手のマスク、または用具にはさまって止まった場合−−各走者は進む。
【原注】 チップした打球が、球審に当たってはね返ったのを、野手が捕えても、ボールデッドとなって、打者はアウトにはならない。チップした打球が、球審のマスクや用具にはさまって止まっても、同様である。
第三ストライクと宣告された投球が、捕手を通過して球審に当たったときは、ボールインプレイである。球審に当たってはね返ったボールが、地上に落ちる前に捕球されても、打者は直ちにアウトにはならない。ボールインプレイであり、打者は一塁に触れる前に、その身体または一塁に触球されてはじめてアウトになる。
第三ストライクと宣告された投球または四球目(ファオボール)の投球が、球審か捕手のマスクまたは用具にはさまって止まった場合、打者には一塁が与えられ、塁上の走者には一個の進塁が許される。
(h) 正規の投球が、得点しようとしている走者に触れた場合各走者は進む。
5・10 審判員が"タイム"を宣告すれば、ボールデッドとなる。
次の場合、球審は"タイム"を宣告しなければならない。
(a) 天候、暗さのためなどで、これ以上試合を続行するのは不可能であると球審が認めた場合。
(b) ライトの故障のために、審判員がプレイを見るのに困難となるか不可能となった場合。
【付記】 各リーグは、ライトの故障により試合が中断された場合の特別規則を、独自に設けてもよい。
【注一】 プレイの進行中にライトの故障が生じたとき、その瞬間完了されていないプレイは無効とする。ダブルプレイおよびトリプルプレイが行なわれている間に、ライトの故障が生じた場合には、たとえ最初のアウトが成立した後であっても、そのプレイは完成されたものとはみなされない。
ライトが復旧したときには、ライトの故障のために無効とされたプレイが始まる前の状態から再開しなければならない。
【注二】 打球、投手の投送球または野手の送球が7・05に規定される状態となったとき、および
四死球、ボーク、捕手またはその他の野手の妨害、走塁妨害などで、走者が安全に進塁できる状態となったときにライトが消えた場合に限って、たとえ各走者の走塁が完了していなくても、そのプレイは有効とする。
【注三】 プレイが行なわれているとき、一部のライトが消えた場合(たとえば電圧が急に低下した場合とか、一、二基が故障を起こした場合)などには、直ちにタイムとするか、またはプレイが終了するまでボールインプレイの状態におくかは、審判員の判断で決定する。
(c) 突発事故により、プレヤーがプレイできなくなるか、あるいは審判員がその職務を果たせなくなった場合。
【付記】 プレイングフィールドの外への本塁打、または死球の場合のように、一個またはそれ以上の安全進塁権が認められた場合、走者が不慮の事故のために、その安全進塁権を行使することができなくなったときは、その場から補欠に代走させることができる。
(d) 監督がプレヤーを交代させるため、またはプレヤーと協議するために"タイム"を要求した場合。
【注】 監督は、プレイが行なわれていないときに、"タイム"を要求しなければならない。投手が投球動作に入ったときとか、走者が走っている場合などのように、プレイが始まろうとしているとき、またはプレイが行なわれているときには、"タイム"を要求してはならない。
もし、このような要求があっても、審判員は"タイム"を宣告してはならない。なお"タイム"が発効するのは、"タイム"が要求されたときではなく、審判賃が"タイム"を宣告した瞬間からである。
(e) 審判員がボールを検査する必要を認めるか、監督と打ち合わせをするためか、またはこれに準ずる理由のある場合。
(f) 野手が飛球を捕えた後、ベンチ、またはスタンド内に倒れ込んだり、ロープを越えて観衆内(観衆が競技場内まで入っているとき)に倒れ込んだ場合。走者に関しては7・04(c)の規定が適用される。
野手が捕球後ベンチに踏み込んでも、倒れ込まなかったときは、ボールインプレイであるから、各走者はアウトを賭して進塁することができる。
(g) 審判員がプレヤーまたはその他の人に、競技場から去ることを命じた場合。
(h) 審判員はプレイの進行中に、"タイム"を宣告してはならない。ただし、本条(b)項、または(c)項の〔付記〕に該当するときは、この限りではない。
5・11 ボールデッドになった後、投手が新しいボールか、もとのボールを持って正規に投手板に位置して、球審がプレイを宣告したときに、競技は再開される。
投手がボールを手にして投手板に位置したら、球審は直ちにプレイを宣告しなければならない。
6・01 打撃の順序
(a) 攻撃側の各プレヤーはそのチームの打順表に記載されている順序に従って打たなければならない。
(b) 第二回以後の各回の第1打者は、前回正規に打撃(タイムアトバット)を完了した打者の次の打順のものである。
6・02 打者の義務
(a) 打者は自分の打順がきたら、すみやかにバッタースボックスに入って、打撃姿勢をとらなければならない。
(b) 打者は、投手がセットポジションをとるか、またはワインドアップを始めた場合には、バッタースボックスの外に出たり、打撃姿勢をやめることは許されない。
ペナルティ 打者が本項に違反したさい、投手が投球すれば、球審はその投球によってボールまたはストライクを宣告する。
【原注】 打者は、思うままにバッタースボックスを出入りする自由は与えられていないから、打者が"タイム"を要求しないで、バッタースボックスをはずしたときに、ストライクゾーンに投球されれば、ストライクを宣告されてもやむを得ない。
打者が打撃姿勢をとった後、ロージンバッグやパインタールバッグを使用するために、打者席から外に出ることは許されない。ただし、試合の進行が遅滞しているとか、天候上やむを得ないと球審が認めたときは除く。
審判員は、投手がワインドアップを始めるか、セットポジションをとったならば、打者または攻撃側チームのメンバーのいかなる要求があっても"タイム"を宣告してはならない。たとえ、打者が"目にごみが入った""眼鏡がくもった""サインが見えなかった"など、その池どんな理由があっても、同様である。球審は、打者が打者席に入ってからでも"タイム"を要求することを許してもよいが、理由なくして打者席から離れることを許してはならない。球審が寛大にしなければしないほど、打者は打者席の中にいるのであり、投球されるまでそこにとどまっていなければならないということがわかるだろう。打者が打者席に入ったのに、投手が正当な理由もなくぐずぐずしていると球審が判断したときには、打者がほんの僅かの間、打者席を離れることを許してもよい。
走者が塁にいるとき、投手がワインドアップを始めたり、セットポジションをとった後、打者が打者席から出たり、打撃姿勢をやめたのにつられて投球を果たさなかった場合、審判員はボークを宣告してはならない。投手と打者との両者が規則違反をしているので、審判員はタイムを宣告して、投手も打者も改めて"出発点"からやり直させる。
(c)打者がバッターボックス無いで打撃姿勢をとろうとしなかった場合、球審はストライクを宣告する。この場合は、ボールデットでいずれの走者も進塁できない。
この後、正しい姿勢をとれば、その投球にボールまたはストライクをカウントする。
打者が、このようなストライクが三回宣告されるまでに、打撃姿勢をとらなかったときには、アウトを宣告される。しかし、それ以前に打撃姿勢をとれば、その後の投球は、その投球によってボールまたはストライクと宣告される。
6・03 打者は、正規の打撃姿勢をとるためには、バッタースボックスの内にその両足を置くことが必要である。
【付記】 バッタースボックスのラインは、バッタースボックスの一部である。
6・04 打者は、アウトになるか、走者となったときに、打撃を完了したことになる。
6・05 打者は、次の場合、アウトとなる。
(a) フェア飛球またはファウル飛球(ファウルチップを除く)が、野手に正規に捕えられた場合。
【原注】野手は補給するためだけにダッグアウトの中に手を差し伸べることは出来るが、足を踏み出すことはできない。野手がボールを確保すればそれは正規に捕球となる。野手はグランド(ダグアウトの縁を含む)上または上方に片足または両足をおいておかなければならず、いずれの足もダッグアウトの中まはた、ボールデットの箇所においてならない。正規の捕球後、野手がダッグアウトの箇所に倒れ込まない限りボールインプレイである。
【注】我が国では、正規の捕球後、野手がダッグアウトまたはボールデットの箇所に踏み込んでしまえば、ボールデットとする。
(b) 第三ストライクと宣告された投球を、捕手が正規に捕球した場合。
【原注】 "正規の捕球"ということは、まだ地面に触れていないボールが、捕手のミットの中に入っているという意味である。ボールが、捕手の着衣または用具に止まった場合は、正規の捕球ではない。また、球審に触れてはね返ったボールを捕えた場合も同様である。
チップしたボールが、最初に捕手の手またはミットに触れてから、身体または用具に当たってはね返ったのを、捕手が地上に落ちる前に捕球した場合、ストライクであり、第三ストライクにあたるときには、打者はアウトである。また、チップしたボールが、最初に捕手の手またはミットに当たっておれば、捕手が身体または用具に手またはミットをかぶせるように捕球することも許される。
(c) 無死または一死で一塁に走者があるとき、第三ストライクが宣告された場合。
【注】 無死または一死で一塁(一・二塁、一・三塁、一・二・三塁のときも同様)に走者がいた場合には、第三ストライクと宣告された投球を捕手が後逸したり、またはその投球が球審か捕手のマスクなどに入り込んだ場合でも、本項が適用されて打者はアウトになる。
(d) 二(ツー)ストライク後の投球をバントしてファウルボールになった場合。
(e) インフィールドフライが宣告された場合。(2・40参照)
(f) 二(ツー)ストライク後、打者が打った(バントの場合も含む)が、投球がバットに触れないで、打者の身体に触れた場合。
(g) 野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、打者走者に触れた場合。
(h) 打者が打つか、バントしたフェアの打球に、フェア地域内でバットが再び当たった場合。
ボールデッドとなって、走者の進塁は認められない。
これに反して、フェアの打球がころがってきて、打者が落としたバットにフェア地域内で触れた場合は、ボールインプレイである。ただし、打者が打球の進路を妨害するためにバットを置いたのではないと審判員が判断したときに限られる。(7・09b参照)
【原注】 バットの折れた部分がフェア地域に飛び、これに打球が当たったとき、またはバットの折れた部分が走者または野手に当たったときは、プレイはそのまま続けられ、妨害は宣告されない。打球がバットの折れた部分にファウル地域で当たったときは、ファウルボールである。
バット全体がフェア地域に飛んでプレイを企てている野手(打球を処理しようとしている野手だけでなく、送球を受けようとしている野手も含む)を妨害したときには、故意であったか否かの区別なく、妨害が宣告される。
打撃用ヘルメットに、偶然打球がフェア地域で当たるか、または送球が当たったときはボールインプレイの状態が続く。
打球が、ファウル地域で打撃用ヘルメット、地面以外の異物に触れたときは、ファウルボールとなり、ボールデッドとなる。
走者がヘルメットを落としたり、ボールに投げつけて打球または送球を妨害しようとする意図があったと審判員が判断したときには、その走者はアウトとなり、ボールデッドとなって、他の走者は、打球に対してのときは投手の投球当時占有していた塁、送球に対してのときは妨害発生の瞬間に占有していた塁に帰らなければならない。
【注】 本項前段を適用するにあたっては、打者がバットを所持していたかどうかを問わない。
(i) 打者が、打つか、バントした後、一塁に走るにあたって、ファウルボールの進路を、どんな方法であろうとも、故意に狂わせた場合。
ボールデッドとなって、走者の進塁は認められない。
(j) 打者が第三ストライクの宣告を受けた後、またはフェアボールを打った後、一塁に触れる前に、その身体または一塁に触球された場合。
【注】 触球するにさいしては、まずボールを保持して触れることが必要なことはもちろん、触球後においても確実にボールを保持していなければならない。
また、野手がボールを手にしていても、そのボールをグラブの中でジャッグルしたり、両腕と胸とでボールを抱き止めたりしている間は、確実に捕えたとはいえないから、たとえ打者が一塁に触れる前に野手が塁に触れながらボールを手にしていても、確捕したのが打者が一塁、に触れた後であればその打者はアウトにならない。
(k) 一塁に対する守備が行なわれているとき、本塁一塁間の後半を走るにさいして、打者がスリーフットラインの外側(向かって右側)、またはファウルラインの内側(向かって左側)を走って、一塁への送球を捕えようとする野手の動作を妨げたと審判員が認めた場合。
ただし、打球を処理する野手を避けるために、スリーフットラインの外側(向かって右側)またはファウルラインの内側(向かって左側)を走ることはさしつかえない。
【原注】スリーフットレーンを示すラインは、そのレーンの一部であり打者走者は両足をスリーフットの中もしくはライン上に置かなければならない。
(l) 無死または一死で、走者一塁、一・二塁、一・三塁または一・二・三塁のとき、内野手がフェアの飛球またはライナーを故意に落とした場合。
ボールデッドとなって、走者の進塁は認められない。
【付記】 内野手が打球に触れないでこれを地上に落としたときには、打者はアウトにならない。ただし、インフィールドフライの規則が適用された場合は、この限りではない。
【注一】 本項は、容易に捕球できるはずの飛球またはライナーを、内野手が地面に触れる前に片手または両手で現実にボールに触れて、故意に落とした場合に適用される。
【注二】 投手、捕手および外野手が、内野で守備した場合は、本項の内野手と同様に扱う。また、あらかじめ外野に位置していた内野手は除く。
(m) 野手が、あるプレイをなし遂げるために、送球を捕えようとしているか、または送球しようとしているのを前位の走者が故意に妨害したと審判員が認めた場合。
【原注】 この規則は攻撃側プレヤーによる許しがたい非スポーツマン的な行為に対するペナルティとして定められたものであって、走者が塁を得ようとしないで、併殺プレイのピボットマン(併殺のさい、ボールを継送するプレヤー。すなわち遊撃手−−二塁手−−一塁手とわたる併殺ならば二塁手、二塁手−−遊撃手−−一塁手の併殺ならば遊撃手がピボットマンである)を妨害する目的で、明らかにベースラインから外れて走るような場合適用されるものである。
【注】 まだアウトにならない前位の走者の妨害行為に対する処置は、本項では定めていないように見えるが、7・08(b)に規定してあるとおり、このような妨害打為に対しては、その走者はもちろん打者もともにアウトにする規則であって、このような粗暴な行為を禁止するために規定された条項である。すでにアウトになった走者の妨害行為に対しては、7・09(f)に規定されている。
(n) 二死、二(ツー)ストライク後本盗を企てた三塁走者が、打者への正規の投球にストライクゾーンで触れた場合。
このさい打者は"第三ストライク"の宣告を受けてアウトとなり、その走者の得点は認められない。しかし無死または一死であれば、打者は"第三ストライク"の宣告を受けてアウトとなり、ボールデッドになるが、その得点は認められる。
【注】 無死または一死の場合には、他の塁の走者にも、次塁への走塁行為があったかどうかに関係なく、一個の進塁が許される。(5・09h参照)
6・06 次の場合、打者は反則行為でアウトになる。
(a) 打者が片足または両足を完全にバッタースボックスの外に置いて打った場合。
【原注】 本項は、打者が打者席の外に出てパットにボールを当てた(フェアかファウルを問わない)とき、アウトを宣告されることを述べている。球審は、故意四球が企てられているとき、投球を打とうとする打者の足の位置に特に注意を払わなければならない。打者は打者席から跳び出したり、踏み出して投球を打つことは許されない。
(b) 投手が投球姿勢にはいったとき打者が一方のバッタースボックスから他方のバッタースボックスに移った場合。
【注】 投手が投手板に触れて捕手からのサインを見ているとき、打者が一方から他方のバッタースボックスに移った場合、本項を適用して打者をアウトとする。
(c) 打者がバッタースボックスの外に出るか、あるいはなんらかの動作によって、本塁での捕手のプレイ及び捕手の守備または送球を妨害した場合。
しかし例外として、進塁しようとしていた走者がアウトになった場合、及び得点しようとした走者が打者の妨害によってアウトの宣告を受けた場合は、打者はアウトにはならない。
【原注】 打者が捕手を妨害したとき、球審は妨害を宣告しなければならない。打者はアウトになり、ボールデッドとなる。妨害があったとき、走者は進塁できず、妨害発生の瞬間に占有していたと審判員が判断した塁に帰らなければならない。しかし、妨害されながらも捕手がプレイをして、アウトにしようとした走者がアウトになった場合には、現実には妨害がなかったものと考えられるべきで、その走者がアウトとなり、打者はアウトにはならない。そのさい、他の走者は、走者がアウトにされたら妨害はなかったものとするという規則によって、進塁も可能である。このような場合、規則違反が宣告されなかったようにプレイは続けられる。
打者が空振りし、自然の打撃動作によるスイングの姿勢か振りもどしのとき、その所持するバットが、捕手がまだ確捕しない投球に触れるか、または捕手に触れたために、捕手が確捕できなかったと審判員が判断した場合は、打者の妨害とはしないが、ボールデッドとして走者の進塁を許さない。打者については、第一ストライク、第二(ツー)ストライクにあたるときは、ただストライクを宣告し、第三ストライクにあたるときに打者をアウトにする(二(ツー)ストライク後の"ファウルチップ"も含む)。
【注一】 打者が空振りしなかったとき、投手の投球を捕手がそらし、そのボールがバッタースボックス内にいる打者の所持するバットに触れたさいはボールインプレイである。
【注二】 本項は、捕手以外の野手の本塁でのプレイを打者が妨害した場合も含む。
打者に妨害行為があっても、走者を現実にアウトにすることができたときには、打者をそのままとして、その走者のアウトを認め、妨害と関係なくプレイは続けられる。しかしアウトの機会はあっても、野手の失策で走者を生かした場合には、現実にアウトが成立していないから、本項の前段を適用して打者をアウトにする。
なお、捕手からの送球によってランダウンプレイが始まろうとしたら、審判員はただちに"タイム"を宣告して打者を妨害によるアウトにし、走者を元の塁に戻す。
(d) 打者が、いかなる方法であろうとも、ボールの飛距離を伸ばしたり、異常な反発力を生じさせるように改造、加工したと審判員が判断するバットを使用したり、使用しようとした場合。
このようなバットには、詰めものをしたり、表面を平らにしたり、釘を打ちつけたり、中をうつろにしたり、溝をつけたり、パラフィン、ワックスなどでおおって、ボールの飛距離を伸ばしたり、異常な反発力を生じさせるようにしたものが含まれる。
打者がこのようなバットを使用したために起きた進塁は認められないが、アウトは認められる、
打者はアウトを宣告され、試合から除かれ、後日リーグ会長によってペナルティが科せられる。
6・07 打撃順に誤りがあった場合。
(a) 打順表に記載されている打者が、その番のときに打たないで、番でない打者(不正位打者)が打撃を完了した(走者となるか、アウトとなった)後、相手方がこの誤りを発見してアピールすれば、正位打者はアウトを宣告される。
ただし、不正位打者の打撃完了前ならば、正位打者は、不正位打者の得たストライクおよびボールのカウントを受け継いで、これに代わって打撃につくことはさしつかえない。
(b) 不正位打者が打撃を完了したときに、守備側チームが"投手の投球"前に球審にアピールすれば、球審は、
(1) 正位打者にアウトを宣告する。
(2) 不正位打者の打球によるものか、または不正位打者が安打、失策、四死球、その他で一塁に進んだことに起因した、すべての進塁及び得点を無効とする。
【付記】 走者が、不正位打者の打撃中に盗塁、ボーク、暴投、捕逸などで進塁することは、正規の進塁とみなされる。
【注一】 本条(b)(c)(d)項でいう"投手の投球"とは、投手が次に面した打者(いずれのチームの打者かを問わない)へ一球を投じた場合はもちろん、たとえ投球しなくても、その前にプレイをしたり、プレイを企てた場合も含まれる。
ただし、アピールのための送球などは、ここでいう"プレイ"に含まれない。
【注二】 不正位打者の打球によるものか、不正位打者が一塁に進んだことに起因した、すべての進塁および得点を無効とするとあるが、進塁だけに限らず、不正位打者の打撃行為によるすべてのプレイを無効とする。すなわち、不正位打者の二ゴロで一塁走者が二塁でフォースアウトにされた後、アピールによって正位打者がアウトの宣告を受ければ、一塁走者のフォースアウトは取り消される。
(c) 不正位打者が打撃を完了した後、"投手の投球"前にアピールがなかった場合には、不正位打者は正位打者として認められ、試合はそのまま続けられる。
(d) (1) 正位打者が、打撃順の誤りを発見されてアウトの宣告を受けた場合には、その正位打者の次の打順の打者が正規の次打者となる。
(2) 不正位打者が"投手の投球"前にアピールがなかったために、正位打者と認められた場合には、この正位化された不正位打者の次に位する打者が正規の次打者となる。不正位打者の打撃行為が正当化されれば、ただちに、打順はその正位化された不正位打者の次の打者に回ってくる。
【原注】 審判員は、不正位打者がバッタースボックスに立ても、何人にも注意を喚起してはならない。各チームの監督、プレヤーの不断の注意があってはじめて、本条の適用が可能となる。
規則説明 打順を次のように仮定して、打順の誤りによって生じる種々の状態を例証する。
打順・・・・・・ 123456789
打者・・・・・・ ABCDEFGHI
【例題一】 Aの打順にBがバッタースボックスに入って、投球カウントが1-2となったとき、
(a) 攻撃側が打順の誤りに気づいた。
(b) 守備側はアピールした。
【解答】 どちらの場合も、Aはカウント1-2を受け継いでBと代わる。このさいアウトはない。
【例題二】 Aの打順にBが打ち、二塁打を放った。この場合、
(a) 守備側はただちにアピールした。
(b) 守備側はCに一球が投じられた後アピールした。
【解答】 (a) 正位打者Aはアウトの宣告を受け、Bが正規の次打者となる。
(b) Bはそのまま二塁にとどまり、Cが正規の次打者となる。
【例題三】 ABともに四球、Cはゴロを打ってBをフォースアウトとして、Aを三塁へ進めた後、Dの打順にEがバッツボックスに入った。その打撃中に暴投があって、Aは得点し、Cは二塁へ進んだ。Eがゴロを打ってアウトとなり、Cを三塁に進めた。この場合、
(a) 守備側はただちにアピールした。
(b) 守備側は、次にバッタースボックスに入ったDへの一球が投じられた後、アピールした。
【解答】 (a) 正位打者Dがアウトの宣告を受け、Eの打撃行為のために三塁に進んだCは二塁へ戻されるが、暴投によるAの得点及びCの二塁への進塁は、Eの打撃行為とは閥係なく行なわれた進塁だから有効となる。Eは次打者となって再び打たなければならない。
(b) Aの得点は認められ、Cは三塁にとどまる。正位化したEの次のFが、正規の次打者となる。
【例題四】 二死満塁で、Fの打順にHが出て、三塁打し、全走者を得点させた、この場合、
(a) 守備側はただちにアピールした。
(b) 守備側はGに一球が投じられた後、アピールした。
【解答】 (a)正位のFはアウトの宣告を受け、得点は全部認められない。Gが次回の第一打者となる。
(b) Hは三塁にとどまり、三点が記録される。Iが正規の次打者となる。
【例題五】 二死満塁で、Fの打順にHが出て三塁打し、全走者を得点させ三点を記録し、続いてバッタースボックスに入ったGへの一球が投じられた後、
(a) Hは三塁で投手の送球によりアウトになり、攻守交代となった。
(b) Gが飛球を打ってアウトとなり攻守交代したが、アピールがなく、相手チームが攻撃に移った。
右の二つの場合では誰が次回の第一打者となるか。
【解答】 (a) Iである。Gへの一球が投じられたのでHの三塁打は正当化され、Iが正規の次打者となる。
(b) Hである。相手チームの第一打者への一球が投じられるまでにアピールがなかったので、Gの打撃行為は正当化されるから、Hが正規の次打者となる。
【例題六】 Aの打順にDが出て四球を得た後、Aがバッタースボックスについて、一球が投じられた。
そのさい、Aへの投球前にアピールがあれば、正位打者のAがアウトの宣告を受けて、Dの四球は取り消され、Bが正規の次打者となるが、すでにAに一球が投じられたために、Dの四球は正当化され、Eが正規の次打者となる。ところが、不正位のAはそのまま打撃を続けてフライアウトとなり、Bがバッタースボックスについてしまった。このさいも、Bに一球が投じられるまでにアピールがあれば、正位打者のEがアゥトの宣告を受けて、Fが正規の次打者となるはずだが、またしてもアピールがなく、Bに一球が投じられたので、こんどはAの打撃行為が正当化されて、Bが正規の次打者となった。
そのBが四球を得てDを二塁へ進め、次打者のCは飛球を打ってアウトとなった。Dが正規の次打者であるはずだが、二塁走者となっている。このさい、だれが正規の次打者となるか。
【解答】 Dは打順を誤っているが、すでに正当化され、しかも塁上にいるから、Dを抜かして、Eを正規の次打者とする。
6・08 打者は、次の場合走者となり、アウトにされるおそれなく、安全に一塁が与えられる。(ただし、打者が一塁に進んで、これに触れることを条件とする)
(a) 審判員が"四球"を宣告した場合。
【原注】 ボール四個を得て一塁への安全進塁権を得た打者は、一塁へ進んでかつこれに触れなければならない義務を負う。これによって、塁上の走者は次塁への進塁を余儀なくされる。この考え方は、満塁のときおよび代走者を出場させるときにも適用される。打者への"四球"の宣告により、進塁を余儀なくされた走者が何らかのプレイがあると思い込んで塁に触れずにまたは触れてからでも、その塁を滑り越してしまえば、野手に触球されるとアウトになる。また、与えられた塁に触れそこなってその塁よりも余分に進もうとした場合には、身体またはその塁に触球されればアウトになる。
(b) 打者が打とうとしなかった投球に触れた場合。
ただし、(1) バウンドしない投球が、ストライクゾーンで打者に触れたとき、(2) 打者が投球を避けないでこれに触れたときは除かれる。
バウンドしない投球がストライクゾーンで打者に触れた場合には、打者がこれを避けようとしたかどうかを問わず、すべてストライクが宣告される。
しかし、投球がストライクゾーンの外で打者に触れ、しかも、打者がこれを避けようとしなかった場合には、ボールが宣告される。
【付記】 打者が投球に触れたが一塁を許されなかった場合も、ボールデッドとなり、各走者は進塁できない。
【注一】 "投球がストライクゾーンで打者に触れた"ということは、ホームプレートの上方空間に限らず、これを前後に延長した空間で打者に触れた場合も含む。
【注二】 投球が、ストライクゾーンの外で打者に触れた場合でも、その投球が、ストライクゾーンを通っていたときには、打者がこれを避けたかどうかを問わず、ストライクが宣告される。
【注三】 打者が投球を避けようとしたかどうかは、一に球審の判断によって決定されるものであって、投球の性質上避けることができなかったと球審が判断した場合には、避けようとした場合と同様に扱われる。
【注四】 投球がいったん地面に触れた後、これを避けようと試みた打者に触れた場合も、打者には一塁が許される。ただし、ストライクゾーンを通ってからバウンドした投球に触れた場合を除く。
(c) 捕手またはその他の野手が、打者を妨害(インターフェア)した場合。
しかし、妨害にもかかわらずプレイが続けられたときには、攻撃側チームの監督は、そのプレイが終わってからただちに、妨害行為に対するペナルティの代わりに、そのプレイを生かす旨を球審に通告することができる。
ただし、妨害にもかかわらず、打者が安打、失策、四死球、その他で一塁に達し、しかも他の全走者が少なくとも一個の塁を進んだときは、妨害とは関係なく、プレイは続けられる。
【原注】 捕手の妨害が宣告されてもプレイが続けられたときは、そのプレイが終わってからこれを生かしたいと監督が申し出るかもしれないから、球審はそのプレイを継続させる。打者走者が一塁を空過したり、走者が次塁を空過しても、〔7・04付記〕に規定されているように、塁に到達したものとみなされる。
監督がプレイを選ぶ場合の例。
@ 一死走者三塁、打者が捕手に妨げられながらも外野に飛球を打ち、捕球後三塁走者が得点した。監督は、打者アウトで得点を記録するのと、走者三塁、一塁(打者が打撃妨害により出塁)とのいずれを選んでもよい。
A 無死走者二塁、打者は捕手に妨げられながらもバントして走者を三塁に進め、自らは一塁でアウトになった。監督は、無死走者二塁、一塁とするよりも、走者三塁で一死となる方を選んでもよい。
監督が妨害によるペナルティの適用を望んだ場合、6・08(c)によって次の通り解釈できる。
捕手(または他の野手)が打者を妨害した場合、打者には一塁が与えられる。三塁走者が盗塁またはスクイズによって得点しようとしたときに、この妨害があった場合にはボールデッドとし、三塁走者の得点を認め、打者には一塁が与えられる。三塁走者が盗塁またはスクイズで得点しようとしていなかったときに、捕手が打者を妨害した場合にはボールデッドとし、打者に一塁が与えられ、そのために塁を明け渡すことになった走者は進塁する。盗塁を企てていなかった走者と塁を明け渡さなくてもよい走者とは、妨害発生の瞬間に占有していた塁にとめおかれる。
投手が投球する前に、捕手が打者を妨害した場合、打者に対する妨害とは考えられるべきではない。このような場合には、審判員は"タイム"を宣告して"出発点"からやり直させる。
【注】 監督がプレイを生かす旨を球審に通告するにあたっては、プレイが終わったら、ただちに行なわなければならない。なお、いったん通告したら、これを取り消すことはできない。
(d) 野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で審判員または走者に触れた場合。
ただし、内野手(投手を除く)をいったん通過するか、または野手(投手を含む)に触れたフェアボールが審判員に触れた場合にはボールインプレイである。
6・09 次の場合、打者は走者となる。
(a) フェアボールを打った場合。
(b) (1) 走者が一塁にいないとき、(2) 走者が一塁にいても二死のとき、捕手が第三ストライクと宣告された投球を捕えなかった場合。
【原注】第三ストライクを宣告されただけで、まだアウトになっていない打者が一塁に向かおうとしなった場合、ホームプレートを囲む土の部分を出たらアウトが宣告される。
(c) 野手(投手を除く)を通過したか、または野手(投手を含む)に触れたフェアボールが、フェア地域で審判員または走者に触れた場合。
(d) フェア飛球が、本塁からの距離が250ft(76.199m)以上あるフェンスを越えるか、スタンドに入った場合、打者がすべての塁を正規に触れれば、本塁打が与えられる。フェア飛球が、本塁からの距離が250ft(76.199m)未満のフェンスを越えるか、スタンドに入った場合は、二塁打が与えられる。
(e) フェアボールが、地面に触れた後、バウンドしてスタンドに入った場合、またはフェンス、スコアボード、灌木およびフェンス上のつる草を抜けるか、その下をくぐるか、狭まって止まった場合には、打者、走者ともに二個の進塁権が与えられる。
【注】 "地面に触れた"とあるのは、インフライトでない状態を指す。
(f) フェアボール(地面に触れたものでも、地面に触れないものでも)が、フェンス、スコアボード、灌木およびフェンス上のつる草を抜けるか、その下をくぐった場合、フェンスまたはスコアボードの隙間を抜けた場合、あるいはフェンス、スコアボード灌木およびフェンスのつる草に挟まって止まった場合には、打者、走者ともに二個の進塁権が与えられる。
(g) バウンドしたフェアボールが、野手に触れて進路が変わり、フェア地域またはファウル地域のスタンドに入った場合か、フェンスを越えるか、くぐるかした場合、打者、走者ともに二個の進塁権が与えられる。
(h) フェア飛球が野手に触れて進路が変わり、
(1)ファウル地域のスタンドに入るか、またはファウル地域のフェンスを越えた場合−−打者に二塁が与えられる。
(2)フェア地域のスタンドに入るか、またはフェア地域のフェンスを越えた場合−−打者に本塁が与えられる。
ただし(2)の場合、そのスタンドまたはフェンスが、本塁から250ft(76.199m)未満の、距離にあるときは、打者に二塁が与えられるだけである。
{注】 本条各項で、打者、走者ともに二個の進塁権が与えられる場合は、投手の投球当時に占有していた塁を基準とする。
6・10 リーグは、指名打者ルールを使用することができる。
(a) 指名打者ルールを使用しているリーグに所属するチームと、これを使用していないリーグに所属するチームとが試合を行なうときには、これを使用するかどうかは次の定めによる。
(1) ワールドシリーズまたは、非公式試合では、ホームチームがこれを使用しているときには、使用する。ホームチームが使用していないときには、使用しない。
(2) オールスターゲームでは、両チームと両リーグが同意したときだけ、使用する。
【注一】 我が国のプロ野球では、右(1)におけるワールドシリーズを日本シリーズと置きかえて適用する。なお、非公式試合において、右(1)により指名打者ルールを使用しない試合でも、両チーム監督の合意があれば、指名打者ルールを使用することができる。
【注二】 アマチュア野球では、指名打者ルールについては、各連盟の規定を適用する。
(b) 指名打者ルールは次の通りである。
先発投手または救援投手が打つ番のときに他の入が代わって打っても、その投球を継続できることを条件に、これらの投手に代わって打つ打者を指名することが許される。
投手に代わって打つ指名打者は、試合開始前に選ばれ、球審に手渡す打順表に記載されなければならない。
試合開始前に交換された打順表に記載された指名打者は、相手チームの先発投手に対して、少なくとも一度は、打撃を完了しなければ交代できない。ただし、その先発投手が交代したときは、その必要はない。
チームは必ずしも投手に代わる指名打者を指名しなくてもよいが、試合前に指名しなかったときは、その試合で指名打者を使うことはできない。
指名打者に代えてピンチヒッターを使ってもよい。指名打者に代わった打者は、以後指名打者となる。退いた指名打者は、再び試合に出場できない。
指名打者が守備についてもよいが、自分の番のところで打撃を続けなければならない。従って、投手は退いた守備者の打撃順を受け継ぐことになる。ただし、二人以上の交代が行なわれたときは、監督が、打撃順を指名しなければならない。
指名打者に代わって代走者が出場することができるが、その走者が以後指名打者の役割を受け継ぐ。
指名打者がピンチランナーになることはできない。
指名打者は、打順表の中でその番が固定されており、多様な交代によって指名打者の打撃の順番を変えることは許されない。
投手が一度他の守備位置についた場合、それ以後指名打者の役割は消滅する。
ピンチヒッターが試合に出場してそのまま投手となった場合、それ以後指名打者の役割は消滅する。
投手が指名打者に代わって打撃した場合、それ以後指名打者の役割は消滅する。(試合に出場している投手は、指名打者に代わってだけ打撃ができる)
指名打者が守備位置についた場合、それ以後指名打者の役割は消滅する。
指名打者に代わって出場させようとするプレヤーは、指名打者の番がくるまで届け出る必要はない。
7・01 走者がアウトになる前に他の走者の触れていない塁に触れれば、その塁を占有する権利を獲得する。
その走者は、
(1) アウトになるか、
(2) その塁に対する正規の占有権を持っている他の走者のためにその塁を明け渡す義務が生じるまで、
その権利が与えられる。
【原注】 走者が塁を正規に占有する権利を得て、しかも投手が投球姿勢に入った場合は、もとの占有塁に戻ることは許されない。
7・02 走者は進塁するにあたり、一塁、二塁、三塁、本塁の順序に従って、各塁に触れなければならない。逆走しなければならないときも、5・09の各項規定のボールデッドとなっていないかぎり、すべての塁を逆の順序で、再度触れて行かなければならない。前記のボールデッドのさいは、途中の塁を踏まないで、直接もとの塁へ帰ることはさしつかえない。
【注一】 ボールインプレイ中に起きた行為(たとえば悪送球、ホームランまたは柵外に出たフェアヒットなど)の結果、安全進塁権が認められたときでも、走者が、進塁または逆走するにあたっては、各塁を正規に触れなければならない。
【注二】 "逆走しなければならないとき"というのは、
@ フライが飛んでいるうちに次塁へ進んだ走者が、捕球されたのを見て帰塁しようとする場合(7・08d参照)。
A 塁を空過した走者が、その塁を踏み直す場合(7.10b参照)。
B 自分よりも前位の走者に先んじるおそれがある場合(7・08h参照)。
を指すものであって、このようなときでも、逆の順序で各塁に触れなければならない。
7・03 同一塁上の二走者
(a)二走者が同時に一つの塁を占有することは許されない。ボールインプレイのさい、二走者が同一の塁に触れているときは、その塁を占有する権利は前位の走者に与えられているから、後位の走者はその塁に触れていても触球されればアウトとなる。ただし(b)項適用の場合を除く。
(b)打者が走者となったために進塁の義務が生じ、二人の走者が後位の走者の進むべき塁に触れている場合には、その塁を占有する権利は後位の走者に与えられているので、前位の走者は触球されるか、野手がボールを保持してその走者が進むべき塁に触れればアウトになる。
7・04
次の場合、打者を除く各走者は、アウトにされるおそれなく一個の塁が与えられる。
(a) ボークが宣告された場合。
(b) 打者が次の理由で走者となって一塁に進むために、その走者が塁を明け渡さなければならなくなった場合。
(1) 打者がアウトにされるおそれなく、一塁に進むことが許された場合。
(2) 打者の打ったフェアボールが、野手(投手を含む)に触れる前か、または野手(投手を除く)を通過する前に、フェア地域で審判員もしくは他の走者に触れた場合。
【原注】 安全進塁権を得た走者が、与えられた塁に触れた後さらに進塁することはさしつかえないが、その行為の責任はその走者自身が負うだけで、たとえ与えられた塁に触れた後にアウトになった場合でも、他の走者の安全進塁権に影響を及ぼすことはない。
従って、二死後その走者が与えられた塁に触れた後にアウトになり、第三アウトが成立しても安全進塁権がある前位の走者は、そのアウトの後で本塁を踏んでも得点として認められる。
例−−二死満塁、打者四球、二塁走者が勢いこんで、三塁を回って本塁の方へ向かってきたが、捕手からの送球で触球アウトとなった。たとえ二死後であっても、四球と同時に得点が本塁に押し出されたので、すべての走者に次塁へ進んで触れる必要が生まれたという理論に基づいて得点が記録される。
【注】 本項〔原注〕は、打者が四球を得たために、塁上の各走者に次塁への安全進塁権が与えられた場合だけに適用される。
(c) 野手が飛球を捕えた後、ベンチまたはスタンド内に倒れ込んだり、ロープを越えて観衆内(観衆が競技場内まで入っているとき)に倒れ込んだ場合。
【原注】 野手または捕手が飛球を捕えるために、ダッグアウトの中へ手をさし伸べたり、片足または両足を踏み込むことはさしつかえなく、捕球すれば、正規の捕球となってボールインプレイである。
野手または捕手が、正規に捕球した後、スタンド、観衆、またはダッグアウトの中に倒れ込んだり、あるいはダッグアウトの中で捕球した後倒れた場合、ボールデッドとなり、走者は安全に一個の進塁が許される。
(d) 走者が盗塁を企てたとき、打者が捕手またはその他の野手に妨害(インターフニア)された場合。
【注】 本項は、盗塁を企てた塁に走者がいない場合とか、進もうとした塁に走者がいても、その走者もともに盗塁を企てていたために次塁への進塁が許される場合だけに適用される。しかし、進もうとした塁に走者があり、しかもその走者が盗塁を企てていない場合には、たとえ盗塁行為があってもその走者の進塁は許されない。また単に塁を離れていた程度では本項は適用されない。
【7・04付記】 ボールインプレイのもとで一個の塁に対する安全進塁権を得た走者が、その塁を踏まないで次塁へ進もうとした場合、および二個以上の塁に対する安全進塁権を得た走者が、与えられた最終塁に達した後はボールインプレイになる規則のもとで、その塁を踏まないで次塁へ進もうとした場合は、いずれもその走者は安全進塁権を失ってアウトにされるおそれがある状態におかれる。従って、その進むことが許された塁を踏みそこねた走者は、その空過した塁に帰る前に、野手によってその身体またはその塁に触球されれば、アウトとなる。
【注】 たとえば、打者が右中間を抜こうとするような安打を打ったとき、右翼手が止めようとしてこれにグラブを投げつけて当てたが、ボールは外野のフェンスまで転じ去った。打者は三塁を空過して本塁へ進もうとしたが、途中で気がついて三塁へ踏み直しに帰ろうとした。このさい、打者はもはや三塁へ安全に帰ることは許されないから、その打者が三塁に帰る前に、野手が打者または三塁に触球してアピールすれば、打者はアウトになる。(7・05c参照)
7・05 次の場合、各走者(打者走者を含む)は、アウトにされるおそれなく進塁することができる。
(a) 本塁が与えられ得点が記録される場合フェアボールがインフライトの状態でプレイングフィールドの外へ出て、しかも、各走者が正規に各塁に触れた場合。また、フェアボールがインフライトの状態で、明らかにプレイングフィールドの外へ出ただろうと審判員が判断したとき、野手がグラブ、帽子、その他着衣の一部を投げつけて、その進路を変えた場合。
【注一】 フェアの打球がインフライトの状態で、明らかにプレイングフィールドの外へ出ただろうと審判員が判断したとき、観衆や鳥などに触れた場合には、本塁が与えられる。
送球またはインフライトの打球が、鳥に触れた場合は、ボールインプレイでありインフライトの状態は続く。しかし、プレイングフィィールド上(地上)の鳥または動物に触れた場合は、ボールインプレイであるが、インフライトの状態ではなくなる。また、投球が鳥に触れた場合は、ボールデッドとしてカウントしない。犬などがフェアの打球、送球または投球をくわえたりした場合には、ボールデッドとして審判員の判断によって処置する。
【注二】 "その進路を変えた場合"とあるが、インフライトの状態で、明らかにプレイングフィールドの外へ出ただろうと審判員が判断したフェアの打球が、野手の投げつけたグラブなどに触れて、グラウンド内に落ちたときでも、本項が適用される。
(b) 三個の塁が与えられる場合−−野手が、帽子、マスクその他着衣の一部を、本来つけている個所から離して、フェアボールに故意に触れさせた場合。
このさいはボールインプレイであるから、打者はアウトを賭して本塁に進んでもよい。
(c) 三個の塁が与えられる場合−−野手がグラブを故意に投げて、フェアボールに触れさせた場合。
このさいはボールインプレイであるから、打者はアウトを賭して本塁に進んでもよい。
【注】 ここにいうフェアボールとは、野手がすでに触れていたかどうかを問わない。
(d) 二個の塁が与えられる場合−−野手が、帽子、マスクその他着衣の一部を、本来つけている個所から離して、送球に故意に触れさせた場合。
このさいはボールインプレイである。
(e) 二個の塁が与えられる場合−−野手が、グラブを故意に投げて、送球に触れさせた場合。
このさいはボールインプレイである。
【bcde原注】 投げたグラブ、本来の位置から離した帽子、マスクその他がボールに触れなければ、このペナルティは適用されない。
【ce原注】 このペナルティは、打球または送球の勢いにおされて、野手の手からグラブが脱げたとき、あるいは正しく捕えようと明らかに努力したにもかかわらず、野手の手からグラブが脱げた場合などには、適用されない。
【bcde注】野手により、本項の行為がなされた場合の走者の進塁の起点は、野手が投げたグラブ、本来の位置から離した帽子、マスクその他が打球または送球に触れた瞬間とする。
(f) 二個の塁が与えられる場合−−フェアの打球が、
(1) バウンドしてスタンドに入るか、または野手に触れて進路が変わって、一塁または三塁のファウル線外にあるスタンドに入った場合。
(2) 競技場のフェンス、スコアボード、灌木、またはフェンスのつる草を抜けるか、その下をくぐるか、はさまって止まった場合。
(g) 二個の塁が与えられる場合−−送球が、
(1) 競技場内に観衆があふれ出ていないときに、スタンドまたはベンチに入った場合(ベンチの場合は、リバウンドして競技場に戻ったかどうかを問わない)。
(2) 競技場のフェンスを越えるか、くぐるか、抜けた場合。
(3) バックストップの上部のつぎ目から、上方に斜めに張ってある金網に上がった場合。
(4) 観衆を保護している金網の目にはさまって止まった場合。
このさいは、ボールデッドとなる。
審判員は二個の進塁を許すにあたって、次の定めに従う。すなわち、打球処理直後の内野手の最初のプレイに基づく悪送球であった場合は、投手の投球当時の各走者の位置、その他の場合は、悪送球が野手の手を離れたときの各走者の位置を基準として定める。
【付記】 悪送球が打球処理直後の内野手の最初のプレイに基づくものであっても、打者を含む各走者が少なくとも一個の塁を進んでいた場合には、その悪送球が内野手の手を離れたときの各走者の位置を基準として定める。
【原注一】 ときによっては、走者に二個の塁が与えられないこともある。
たとえば、走者一塁のとき、打者が浅い右翼飛球を打った。走者は一、二塁間で立ち止まっており、打者は一塁を過ぎて走者の後ろまできた。打球は捕えられず、外野手は一塁に送球したが、送球はスタンドに入った。すべてボールデッドとなったときは、走者は進む権利を与えられた塁以上には進塁できないから、一塁走者は三塁へ、打者は二塁まで進む。
【原注二】 "悪送球がなされたとき"という術語は、その送球が実際に野手の手を離れたときのことであって、地面にバウンドした送球がこれを捕ろうとした野手を通過したときとか、スタンドの中へ飛び込んでプレイからはずれたときのことではない。
内野手による最初の送球がスタンドまたはダッグアウトに入ったが、打者が走者となっていない(三塁走者が捕逸または暴投を利して得点しようとしたときに、アウトにしようとした捕手の送球がスタンドに入った場合など)ような場合は、その悪送球がなされたときの走者の位置を基準として二個の進塁が許される。(7・05(g)の適用にさいしては、捕手は内野手とみなされる)
例−−走者一塁、打者遊ゴロを打った。遊撃手は、二塁でフォースアウトしようとして送球したが間に合わなかった。二塁手は打者が一塁を通り過ぎてから一塁手に悪送球した。−−二塁に達していた走者は得点となる。(このようなプレイで、送球がなされたとき、打者走者が一塁に達していなかったときは、打者走者は二塁が許される)
(h) 一個の塁が与えられる場合−−打者に対する投手の投球、または投手板上から走者をアウトにしようと試みた送球が、スタンドまたはベンチに入った場合、競技場のフェンスまたはバックストップを越えるか、抜けた場合。
このさいはボールデッドとなる。
【付記】 投手の投球が捕手を通過した後(捕手が触れたかどうかを問わない)さらに捕手またはその他の野手に触れて、ベンチまたはスタンドなど、ボールデッドになると規定された個所に入った場合、および投手が投手板上から走者をアウトにしようと試みた送球が、その塁を守る野手を通過した後(その野手が触れたかどうかを問わない)さらに野手に触れて、前記の個所に入ってボールデッドになった場合、いずれも、投手の投球当時の各走者の位置を基準として、各走者に二個の塁を与える。
(i) 四球目(フォアボール)、三振目(スリーストライク)の投球が、球審か捕手のマスクまたは用具に挟まって止まった場合、一個の塁が与えられる。
ただし、打者の四球目(フォアボール)、三振目(スリーストライク)の投球が(h)および(i)項規定の状態になっても、打者には一塁が与えられるにすぎない。
【原注一】 走者がアウトにされることなく一個またはそれ以上の塁が与えられたときでも、与えられた塁またはその塁に至るまでの途中の塁に触れる義務を負うものである。
例−−打者が内野にゴロを打ち、内野手の悪送球がスタンドに飛び込んだ。打者走者は一塁を踏まないで二塁に進んだ。打者走者は二塁を許されたわけだが、ボールインプレイになった後、一塁でアピールされればアウトになる。
【原注二】 飛球が捕えられたので元の塁に帰らなければならない走者は、グラウンドルールやその他の規則によって、余分の塁が与えられたときでも投手の投球当時の占有塁のリタッチを果たさなければならない。このさい、ボールデッド中にリタッチを果たしてもよい。また、与えられる塁はリタッチを果たさなければならない塁が基準となる。
【注】 打者の四球目または三振目の投手の投球が、(h)項〔付記〕の状態になったときは、打者にも二塁が与えられる。
7・06 オブストラクションが生じたときには、審判員は"オブストラクション"を宣告するか、またはそのシグナルをしなければならない。
(a) 走塁を妨げられた走者に対してプレイが行なわれている場合、または打者走者が一塁に触れる前にその走塁を妨げられた場合には、ボールデッドとし、塁上の各走者はオブストラクションがなければ達しただろうと審判員が推定する塁まで、アウトのおそれなく進塁することが許される。
走塁を妨げられた走者は、オブストラクション発生当時すでに占有していた塁よりも少なくとも一個先の進塁が許される。
走塁を妨げられた走者が進塁を許されたために、塁を明け渡さなければならなくなった前位の走者(走塁を妨げられた走者より)は、アウトにされるおそれなく次塁へ進むことが許される。
【付記】捕手はボールを持たないで、得点しようとしている走者の進路をふさぐ権利はない。塁線(べースライン)は走者の走路であるから、捕手は、まさに送球を捕ろうとしているか、送球が直接捕手に向かってきており、しかも充分近くにきていて、捕手がこれを受け止めるにふさわしい位置をしめなければならなくなったときか、すでにボールを持っているときだけしか、塁線上に位置することができない。この規定に違反したとみなされる捕手に対しては、審判員は必ずオブストラクションを宣告しなければならない。
【原注】 走塁を妨げられた走者に対してプレイが行なわれている場合には、審判員は"タイム"を宣告するときと同じ方法で、両手を頭上にあげてオブストラクションのシグナルをしなければならない。オブストラクションのシグナルが行なわれたときは、ただちにボールデッドとなる。しかし、審判員のオブストラクションの宣告がなされる前に、野手の手を離れていたボールが悪送球となったときには、オブストラクションが発生しなければ、その悪送球によって当然許されるはずの塁がその走者に与えられるべきである。走者が二・三塁間で挟撃され、すでに遊撃手からの送球がインフライトの状態のときに、三塁へ進もうとした走者が三塁手に走塁を妨げられたとき、その送球がダッグアウトに入った場合、その走者には本塁が与えられる。このさい、他の走者に関しては、オブストラクションが宣告される以前に占有していた塁を基準として二個の塁が与えられる。
【注一】 内野におけるランダウンプレイ中に走者が走塁を妨げられたと審判員が判断した場合はもちろん、野手が、走者(一塁に触れた後の打者走者を含む)をアウトにしようとして、その走者が進塁を企てている塁へ直接送球していたときに、その走者が走塁を妨げられたと審判員が判断した場合も同様、本項が適用される。
【注二】 たとえば、走者二・三塁のとき、三塁走者が投手に追い出されて三塁本塁間で挟撃され、この間を利して二塁走者は三塁に達していたところ、挟撃されていた走者が三塁へ帰ってきたので二塁走者は元の塁へ戻ろうとし、二塁三塁間で挟撃された。しかし、このランダウンプレイ中に二塁走者はボールを持たない二塁手と衝突したような場合、審判員が二塁手の走塁妨害を認めれば"オブストラクション"を宣告し、ボールデッドとして、二塁走者を三塁へ、三塁走者を本塁へ進める処置をとる。
【注三】 たとえば、走者一塁、打者が左翼線に安打したとき、左翼手は一塁走者の三塁への進塁をはばもうとして三塁へ送球したが、一塁走者は二塁を越えたところでボールを持たない遊撃手と衝突したような場合、審判員が遊撃手の走塁妨害を認めれば、オブストラクションを宣告して、ボールデッドにし、一塁走者に三塁の占有を許す。打者については、審判員がオブストラクション発生時の状況を判断して、二塁へ達したであろうとみれば二塁の占有を許すが、二塁へ進めなかったとみれば一塁にとどめる。
【注四】 たとえば、走者一塁、打者が一ゴロしたとき、ゴロをとった一塁手は一塁走者をフォースアウトにしようと二塁へ送球したが、一塁へ向かっている打者と一塁へ入ろうとした投手とが一塁の手前で衝突したような場合、審判員が投手の走塁妨害を認めれば、オブストラクションを宣告して、ボールデッドにする。このさい、審判員がオブストラクションよりも二塁でのフォースアウトが後に成立したと判断したときには、打者走者を一塁に、一塁走者を二塁に進める。これに反して、オブストラクションより二塁でのフォースアウトが先に成立していたと判断したときには、打者走者の一塁占有を認めるだけで、一塁走者の二塁でのフォースアウトは取り消さない。
(b) 走塁を妨げられた走者に対してプレイが行なわれていなかった場合には、すべてのプレイが終了するまで試合は続けられる。審判員はプレイが終了したのを見届けた後に、はじめて"タイム"を宣告し必要とあれば、その判断で走塁妨害によってうけた走者の不利益を取り除くように適宜な処置をとる。
【原注】 本項規定のようにオブストラクションによってボールデッドとならない場合、走塁を妨げられた走者が、オブストラクションによって与えようと審判員が判断した塁よりも余分に進んだ場合は、オブストラクションによる安全進塁権はなくなり、アウトを賭して進塁したこととなり、触球されればアウトになる。このアウトは、審判員の判断に基づく裁定である。
【注一】 たとえば、走者二塁のとき打者が左前安打した。左翼手は本塁をうかがった二塁走者をアウトにしようと本塁へ送球した。打者走者は一塁を越えたところで一塁手にぶつかったので、審判員は"オブストラクション"のシグナルをした。左翼手の本塁への送球は捕手の頭上を越す悪送球となったので、二塁走者はやすやすと得点することができた。オブストラクションを受けた打者走者は、ボールが転じているのを見て二塁を越え、三塁をうかがったところ、ボールを拾った投手からの送球を受けた三塁手に三塁到達前に触球されたような場合、審判員が、打者走者にはオブストラクションによって二塁しか与えることができないと判断したときには、三塁でのアウトは認められる。
これに反して、打者走者が三塁手の触球をかいくぐって三塁に生きたような場合、その三塁の占有は認められる。いずれの場合も、二塁走者の得点は認められる。
【注二】 たとえば、打者が三塁打と思われるような長打を放ち、一塁を空過した後、二塁を経て三塁に進もうとしたとき、遊撃手に妨げられて、三塁へ.進むことができなかったような場合、審判員は、この反則の走塁を考慮することなく、妨害がなければ達したと思われる三塁へ進めるべきである。もし野手が打者の一塁空過を知ってアピールすれば、その打者はアウトになる。走塁の失敗はオブストラクションとはなんら関係がないからである。
7・07 三塁走者が、スクイズプレイまたは盗塁によって得点しようと試みた場合、捕手またはその他の野手がボールを持たないで、本塁の上またはその前方に出るか、あるいは打者または打者のバットに触れたときには、投手にボークを課して、打者はインターフェアによって一塁が与えられる。このさいはボールデッドとなる。
【注一】 捕手がボールを持たないで本塁の上またはその前方に出るか、あるいは打者または打者のバットに触れた場合は、すべて捕手のインターフェアとなる。特に、捕手がボールを持たないで本塁の上またはその前方に出た場合には、打者がバッタースボックス内にいたかどうか、あるいは打とうとしたかどうかには関係なく、捕手のインターフェアとなる。また、その他の野手の妨害というのは、たとえば、一塁手などが著しく前進して、投手の投球を本塁通過前にカットしてスクイズプレイを妨げる行為などを指す。
【注二】 すべての走者は、盗塁行為の有無に関係なく、ボークによって一個の塁が与えられる。
【注三】 本条は、投手の投球が正規、不正規にかかわらず適用される。
【注四】 投手が投手板を正規にはずして走者を刺そうと送球したときには、捕手が本塁上またはその前方に出ることは、正規なプレイであって、打者がこの送球を打てば、かえって打者は守備妨害として処置される。
7・08 次の場合、走者はアウトとなる。
(a) (1) 走者が、野手の触球を避けて、走者のベースライン(走路)から三フィート以上離れて走った場合。
ただし、走者が打球を処理している野手を妨げないための行為であれば、この限りではない。
この場合の走者のベースライン(走路)とは、タッグプレイが生じたときの、走者と塁を結ぶ直線をいう。
(2) 一塁に触れてすでに走者となったプレヤーが、ベースラインから離れ、次の塁に進もうとする意思を明らかに放棄した場合。
【原注】 一塁に触れてすでに走者となったプレヤーが、もはやプレイは続けられていないと思い込んで、ベースラインを離れてダッグアウトか守備位置の方へ向かったとき、審判員がその行為を走塁する意思を放棄したとみなすことができると判断した場合、その走者はアウトを宣告ざれる。
このさい、たとえアウトが宣告されても、他の走者に関しては、ボールインプレイの状態が続けられる。この規則は、次のプレイなどに適用される。
例−−無死または一死で、同点の最終回、走者一塁のとき、打者が競技場の外へサヨナラ本塁打を打った。一塁走者は、二塁を過ぎてから、本塁打で自動的に勝利が決まったと思い込み、ダイヤモンドを横切って自分のベンチに向かった。この間、打者は、本塁に向かって進んでいたような場合、走者は、"次塁に進もうとする意思を放棄した"という理由で、アウトを宣告され、打者走者は各塁を踏んで行って本塁打を生かすことが許される。もし、二死後ならば、本塁打は認められない(7・12参照)。これはアピールプレイではない。
例−−走者が一塁または三塁で触球されてアウトを宣告されたと思い込んでダッグアウトに向かいだし、依然としてアウトだと思い込んでいる様子が明らかだと審判員が認めるのに適当な距離まで進んでいるときには、走者は進塁を放棄したという理由でアウトを宣告される。
前記の二つのプレイでは、走者は走路を離れて進塁を現実に放棄したものとみなされ、7・08(a)の〔付記〕に規定されている第三ストライクを宣告された打者とは、明らかに区別して扱われる。
【付記】 第三ストライクと宣告されただけで、まだアウトになっていない打者が、ベンチまたは守備位置に向かっても、ベンチに入る前ならば、途中から一塁に向かうことは許される。守備側が、この打者をアウトにするためには、打者が一塁に触れる前にその身体または一塁に触球しなければならない。
【注一】通常走者の走路とみなされる場所は、塁間を結ぶ直線を中心として左右へ各三フィート、すなわち6フィートの幅の地帯を指すが、走者が大きく膨らんで走っているときなど最初からこの走路外にいたときに触球プライが生じた場合は、本項(1)のとおり、その走者と塁を結ぶ直線を中心として左右へ各3フィートが、その走者の定路となる。
【注二】 本項(1)の後段は、野手が走者の走路内で打球を処理しているとき、これを妨げないために走者が走路外を走っても、アウトにならないことを規定しているものであって、打球処理後に触球プレイが生じたときには、本項(1)の前段の適用を受けることはもちろんである。
【注三】 フォースの状態におかれている走者に対しては、本項(2)を適用しない。
(b) 走者が、送球を故意に妨げた場合、または打球を処理しようとしている野手の妨げになった場合。
【原注一】 打球(フェアボールとファウルボールとの区別なく)を処理しようとしている野手の妨げになったと審判員によって認められた走者は、それが故意であったか故意でなかったかの区別なく、アウトになる。
しかし、正規に占有を許された塁についていた走者が、フェア地域とファウル地域との区別なく守備の妨げになった場合、審判員がその妨害を故意と判断したときを除いて、その走者はアウトにはならない。審判員が、その妨害を故意と宣告した場合には次のペナルティを科す。
無死または一死のときは、その走者と打者とにアウトを、二死後のときは、打者にアウトを宣告する。
【注一】 "野手が打球を処理する"とは、野手が打球に対して守備しはじめてから打球をつかんで送球し終わるまでの行為をいう。従って、走者が、前記のどの守備行為でも妨害すれば、打球を処理しようとしている野手を妨げたことになる。
【注二】 走者が6・05(k)、7・08(a)項規定の走路を走っていた場合でも、打球を処理しようとしている野手の妨げになったと審判員が判断したときには、本項の適用を受けて、走者はアウトになる。
【問】 一死走者三塁のとき、三塁に触れている走者が、三塁横に上がったファウルフライを捕えようとする三塁手の守備の妨げになったので、三塁手は捕球できなかった。いかに処置すべきか。
【答】 その走者が故意に守備を妨げたと審判員が認めればその走者と打者にアウトを宣告する。
【原注二】 三塁本塁間で挟撃された走者が妨害によってアウトを宣告された場合には、後位の走者はその妨害行為発生以前に、たとえ三塁を占めることがあっても、その占有は許されず二塁に帰らなければならない。また、二塁三塁間で挟撃された走者が妨害によってアウトになった場合も同様、後位の走者は一塁に帰らなければならない。《妨害が発生した場合にはいずれの走者も進塁できないこと、および走者は正規に次塁に進塁するまでは元の塁を占有しているものとみなされることがその理由である。》
【注】 走者一・三塁のとき三塁走者が三塁本塁間で挟撃され、妨害によってアウトを宣告された場合、一塁走者がその妨害行為発生以前に二塁を占めておれば、一塁走者には二塁の占有が許される。
(c) ボールインプレイで走者が塁を離れているときに触球された場合。
【付記一】 打者走者が一塁に走るときは、ただちに帰ることを条件としてならば、オーバーランまたはオーバースライドして一塁を離れているとき触球されても、アウトにはならない。
【付記二】 走者がいったん安全に塁に達した後、走者の衝撃で塁のバッグが定位置から離れたときは、その走者に対していかなるプレイもできない。
【付記三】 あるプレイ中に塁のバッグまたはホームプレートが定位置から離れたとき、引き続いて、次の走者が進塁してきて、元の塁が置かれていた地点に触れるか、またはその地点にとどまれば、その走者は正規に塁に触れたもの、または正規に塁を占有したものとみなされる。
【注一】 四球を得た打者が一塁に進むにさいしては、ただちに帰ることを条件としてなら、一塁に触れた後走り越すことは許される。
【注二】 野手が走者に触球しようとするときには、走者もアウトを免れようと、激しく触塁する場合が多く、野手と走者とが衝突した結果、野手がボールを落としたときは、触球後にボールを確実に保持していないことになるから、走者はアウトにはならない。また、野手が走者に触球した後も、これを確実に握っていなければならず、たとえボールを地上に落とさなくても、手の上でジャッグルなどした場合には、走者はアウトにはならない。野手が触球した後、どのくらい確保すればよいかは、一に審判員の判定に待つべきである。(2・15参照)
(d) フェア飛球、ファウル飛球が正規に捕えられた後、走者が帰塁するまでに、野手に身体またはその塁に触球された場合。
ただし、投手が打者へ次の一球を投じてしまうか、または、たとえ投球しなくても、その前にプレイをしたり、プレイを企ててしまえば、帰塁をしていないという理由によって走者がアウトにされることはない。この場合は、アピールプレイである。
【原注】 走者は、ファウルチップのさいはタッグアップする必要はないから、盗塁することもできる。しかし、チップしたボールを捕手が捕えなかった場合は、ファウルボールとなるから、走者は元の塁へ戻らなければならない。
【注】 飛球が捕えられたとき、走者が帰塁しなければならない塁とは、進塁の起点となる塁、すなわち、投手の投球当時走者が占有していた塁を指す。
(e) 打者が走者となったために、進塁の義務が生じた走者が次の塁に触れる前に、野手がその走者またはその塁に触球した場合。(このアウトはフォースアウトである)
ただし、後位の走者がフォースプレイで先にアウトになれば、フオースの状態でなくなり、前位の走者には進塁の義務がなくなるから、身体に触球されなければアウトにはならない。
また、走者が塁に触れた後、余勢でオーバースライドまたはオーバーランした場合には、塁に触れた瞬間に進塁の義務を果たしたことになるから、その走者は身体に触球されなければアウトにはならない。(このアウトはフォースアウトではなく、タッグアウトである)
しかし、進塁の義務の生じた走者が次塁に触れた後、どのような理由にせよ、その塁を捨ててもとの塁の方へ離れた場合は、再びフォースの状態におかれるから、野手にその身体または進塁すべき塁に触球されれば、その走者はアウトとなる。(このアウトはフォースアウトである)
【原注】 オーバースライド、またはオーバーランは二塁および三塁で起こり、一塁ではこの状態は起こらない。
たとえば、無死または一死で走者一・二塁、もしくは一・二・三塁とする。打球は内野手に飛び、その内野手はダブルプレイを試みた。一塁走者は二塁への送球より早く二塁に触れたが、オーバースライドした。ボールは一塁にリレーされ、打者はアウトになった。一塁手は、二塁走者が離塁しているのを見て二塁に送球して、その走者をアウトにしたが、その間に、他の走者は本塁に入った。〔問〕これはフォースプレイか。打者が一塁でアウトになったとき、フォースプレイでなくなったのか。このプレイ中に、二塁で走者がアウトにされて第三アウトになる前に、本塁に入っていた走者の得点は認められるか。〔答〕フォースプレイではなく、タッグプレイであるから、得点は記録される。
【注一】 この項は、フォースアウトの規定であり、打者が走者となったために、塁にいた走者に進塁の義務が生じたときに、野手が、
@ その走者が次の塁に触れる前に、その塁に触球した場合
A その走者が次の塁に触れる前に、その走者に触球した場合
B その走者が次の塁へ進もうとしないで、もとの塁にとどまっているとき、その走者に触球した場合を指し、特にBの場合は、自己より後位の走者がアウトにならない限り、その塁の占有権はすでに失われているから、たとえその走者が塁に触れていても、野手がその走者に触球すればアウトになる。
【注二】 たとえば、一塁走者が打球とともに走り出して、いったん二塁に触れた後、その打球が飛球として捕えられようとするのを見て、一塁へ戻ろうとしたとき、フライを落とした野手からの送球を受けた二塁手は、走者が再び二塁に達するまでに二塁に触球した。この場合、はじめに二塁を踏んだことは取り消され、フォースアウトと認められる。
(f) 走者が、内野手(投手を含む)に触れていないか、または内野手(投手を除く)を通過していないフェアボールに、フェア地域で触れた場合。
このさいはボールデッドとなり、打者が走者となったために次塁への進塁が許された走者のほかは、得点することも、進塁することも認められない。(5・09f、7・09m参照)
インフィールドフライと宣告された打球が、塁を離れている走者に触れたときは、打者、走者ともにアウトになる。
【例外】インフィールドフライと宣告された打球が、塁についている走者に触れた場合、その走者はアウトにならず、打者だけがアウトとなる。
【原注】 二走者が同一のフェアボールに触れたときは、最初に触れた一人だけがアウトになる。これは打球が走者に触れたとき、ただちにボールデッドとなるからである。
【注一】 打者の打ったフェアボールが、野手に触れる前に走者に触れたときは、走者が守備を妨害しようとして故意に打球に触れた場合(併殺を行なわせまいとして故意に打球を妨害した場合を除く)と、走塁中やむなく触れた場合との区別なく、走者はアウトとなる。
また、いったん内野手に触れた打球に対して守備しようとする野手を走者が妨げたときには、7・08(b)によってアウトにされる場合もある。
【注二】 @ 内野手を通過する前に、塁に触れて反転したフェアボールに、走者がフェア地域で触れた場合、その走者はアウトになり、ボールデッドとなる。
A内野手を通過した直後に、塁に触れて反転したフェアボールに、走者がその内野手の直後のフェア地域で触れた場合、この打球に対して他のいずれの内野手も守備する機会がなかった場合に限り、打球に触れたという理由でアウトにはならない。
【注三】 一度塁に触れて反転したフェアボールが、ファウル地域で走者に触れた場合は、その走者はアウトにはならず、ボールインプレイである。
【注四】 本項でいう"塁"とは、飛球が打たれたときの投手の投球当時に走者が占有していた塁をいう。
【注五】 インフィールドフライと宣告された打球が走者に触れた場合は、その走者が塁についていてもいなくても、ボールデッドとなる。
(g) 無死または一死で、走者が得点しようとしたとき、打者が本塁における守備側のプレイを妨げた場合。二死であればインターフェアで打者がアウトとなり、得点は記録されない。(6・06c、7・09a、d参照)
【注一】 ここにいう"本塁における守備側のプレイ"とは、野手(捕手も含む)が、得点しようとした三塁走者に触球しようとするプレイ、その走者を追いかけて触球しようとするプレイ、および他の野手に送球してその走者をアウトにしようとするプレイを指す。
【注二】 この規定は、無死または一死で、三塁走者が得点しようとしたさい、本塁における野手のプレイを妨げたときの規定であって、三塁走者が本塁に向かってスタートを切っただけの場合とか、一度本塁へは向かったが途中から引き返そうとしている場合には、打者が捕手を妨げることがあっても、本項は適用されない。
たとえば、捕手がボールを捕えて走者に触球しようとするプレイを妨げたり、スクイズプレイーのさい、打者がバッターボックスの外に出して、バントを企て、ボールをバットに当てて反則打球をしたり、投手が投手板を正規にはずして、走者をアウトにしようとして送ったボール(投球でないボール)を打者が打ったりして、本塁の守備を妨げた場合には、妨害行為を行なった打者をアウトにしないで、守備の対象である三塁走者をアウトにする規定である。
この妨害行為が、正規の投球に基づくものであって。@バットが投球に触れない場合はボールまたはストライクをカウントする。Aバットが投球に触れた場合は、ボールまたはストライクには数えない。
【注三】 本項は、本塁の守備を妨げたのが打者であった場合に限って適用されるのであって、打撃を完了して打者から走者になったばかりで、まだアウトにならない打者が妨害を行なったときには適用されない。たとえば、スクイズバントをした打者が、バントした打球に触れるか、または打球を処理しようとする野手の守備を妨げたために、三塁走者が本塁でのアウトを免れることになったような場合には、打者はすでに走者となっているから、6・05(g)、7.08(b)によって、その打者走者がアウトとなり、ボールデッドとなって、三塁走者を投手の投球当時すでに占有していた塁、すなわち三塁へ帰らせる。
打者が第三ストライクの宣告を受けただけで、まだアウトにならないとき、および四球の宣告を受けたときの妨害に関しては、7.09(a)〔注〕に示されている。
(h) 後位の走者がアウトとなっていない前位の走者に先んじた場合。(後位の走者がアウトとなる)
【注一】 ボールインプレイ中に起きた行為(たとえば、悪送球、ホームランまたは柵外に出たフェアヒットなど)の結果、走者に安全進塁権が認められた場合にも、本項は適用される。
【注二】 この項は、走者の位置が入れ代わったときに、後位の走者をアウトにすることを意味し、たとえば、二塁の走者を甲、一塁の走者を乙とすれば、一塁走者乙が二塁走者甲を追い越したときはもちろん、逆走のさいなど、二塁走者甲が一塁走者乙を追い越す形をとって、本来本塁から遠くにあるべき乙と、近くにあるべき甲との位置が入れ代わった場合でも、つねに後位の乙がアウトになることを規定している。
(i) 走者が正規に塁を占有した後に塁を逆走したときに、守備を混乱させる意図、あるいは試合を愚弄する意図が明らかであった場合。
このさい審判員はただちにタイムを宣告して、その走者にアウトを宣告する。
【原注】 走者がまだ占有していない塁に到達した後、飛球が捕えられたと思ったり、もとの占有塁に帰るようにおびき出されてもとの塁に帰ろうとした場合、途中で触球されればアウトになる。
しかし、もとの占有塁に帰りついたら、その塁についているかぎり、触球されてもアウトにはならない。
【注】 たとえば、一ゴロを打った打者が一塁手の触球を避けようとして、側方に離れて走らないかぎり、逆走するようなことはさしつかえないが、本塁に達するアウトになる。
(j) 走者が一塁をオーバーランまたはオーバースライドした後、ただちに一塁に帰塁しなかった場合。一塁をオーバーランまたはオーバースライドした走者が二塁へ進もうとする行為を示せば、触球さればアウトとなる。
また、一塁をオーバーランまたはオーバースライドした走者が、ただちに帰塁しないでダッグアウト
または自己の守備位置に行こうとした場合も、野手が走者または塁に触球して、アピールすればアウトとなる。
【原注】 二死後、一塁に触れてオーバーランしたが、審判員によって"セーフ"の宣告を受けた打者走者は、規則4・09(a)を適用する上では"一塁に達した"ことになり、"ただちに"一塁に帰塁しなかったために第三アウトになっても、このプレイ中にアウトよりも先に本塁に達していた走者は、得点として認められる。
(k) 走者が本塁に走り込むか、または滑り込んださいに、本塁に触れないで、しかも本塁に触れ直そうとしないときに、野手がボールを持って本塁に触れて、審判員にアピールした場合。(7・10d参照)
【原注】 本項は、本塁に触れなかった走者がベンチに向かっており、アウトにするためには捕手がその走者を追いかけなければならないような場合に適用される。本塁を踏み損ねた走者が、触球される前に踏み直そうと努力しているような普通のプレイが行なわれているときには適用されない。この場合には、走者は触球されなければアウトにはならない。
7・09 次の場合は、打者または走者によるインターフェアとなる。
(a) 第三ストライクの後、打者が投球を処理しようとしている捕手を妨げた場合。
【注】 @ 第三ストライクの宣告を受けただけでまだアウトになっていないか、または四球の宣告を受けて一塁へ進むべき打者走者が、三塁からの走者に対する捕手の守備動作を妨害した場合は、その打者走者をアウトとし、三塁からの走者は、投手の投球当時占有していた三塁へ帰らせる。その他の各走者も、同様に帰塁させる。
A 第三ストライクの宣告を受けて6・05(b)または同(c)でアウトになった打者が、三塁走者に対する捕手の守備動作を妨害したときは、7・09(f)によって三塁から走ってきた走者もアウトにする。
B Aの場合で、重盗を防ごうとする捕手の守備動作を妨害したときは、その対象となった走者をアウトとして、他の走者は妨害発生の瞬間にすでに占有していた塁へ帰らせる。もしも、捕手の守備動作がどの走者に対してなされたかが明らかでない場合には、本塁に近い走者をアウトにする。(7・09f〔注〕参照)
(b) 打者または走者がファウルボールの進路を,どんな方法であろうとも,故意に狂わせたばあい。この場合,走者がアウトになるが,二死後の場合は打者がアウトになる。(6.06c,7.08g参照)
(c) 無死または一死で,走者三塁のとき,打者ご本塁における野手のプレイを妨げた場合。この場合,打者がアウトになrが,二死後の場合は打者がアウトになる。(6・06c、7・08g参照)
【注】 本項は、7.08(g)と異なる文字を用いているにすぎないから、ただ離塁しているにすぎない三塁走者を刺そうとする捕手のプレイを打者が妨げた場合などには、適用されない。
(d) 一人または二人以上の攻撃側メンバーが、走者が達しようとする塁に接近して立つか、あるいは、その塁の付近に集合して守備側を妨げるか、惑乱させるか、ことさらに守備を困難にした場合、その走者は、味方のメンバーが相手の守備を妨害(インターフェア)したものとしてアウトを宣告される。
(e) アウトになったばかりの打者または走者,あるいは得点したばかりの走者が、味方の走者に対する野手の次の行動を阻止するか、あるいは妨げた場合は、その走者は、味方のプレヤーが相手の守備を妨害(インターフェア)したものとして、アウトを宣告される。(6・05m参照)
【原注】 打者または走者が、アウトになった後走り続けてもその行為だけでは、野手を惑乱したり、じゃましたり、またはさえぎったものとはみなされない。
【注】 本項を適用するにあたって、二人または三人の走者がある場合、妨げられた守備動作が直接一走者に対して行なわれようとしていたことが判明しているときは、その走者をアウトにし、どの走者に対して守備が行なわれようとしていたか判定しにくいときは、本塁に最も近い走者をアウトにする。
前掲によって一走者に対してアウトを宣告したときは、ボールデッドとなり、他の走者は守備妨害の行なわれた瞬間すでに占有していた塁に帰らせる。
ただし、打球を直接処理した野手が打者走者に対して守備を行なわず、他の走者に対して行なおうとした守備が妨害された場合には、その走者をアウトにし、その他の走者は、投手の投球当時占有していた塁へ戻らせる。しかし打者走者だけは、再びバッタースボックスに帰せないから、一塁の占有を許す。
なお、打者が走者となって一塁へ進んだために、走者に一塁を明け渡す義務が生じたときは、その走者を二塁へ進ませる。たとえば、無死満塁のとき、打者が遊ゴロして、三塁からの走者がフォースアウトされ、そのさい、その走者が、捕手がさらに三塁にボールを送ってダブルプレイを企てようとするのを、突きとばして妨害したような場合、その走者と三塁に向かった走者とはアウトになるが、打者に一塁が与えられるので、一塁の走者は二塁に進むことが許されるような場合がそれである。
(f) 走者が、明らかに併殺を行なわせまいとして故意に打球を妨げるか、または打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したとき、審判員は、その妨害をした走者にアウトを宣告するとともに、味方のプレヤーが相手の守備を妨害したものとして打者走者に対してもアウトを宣告する。この場合、ボールデッドとなって他の走者は進塁することも得点することもできない。
(g) 打者走者が、明らかに併殺を行なわせまいとして、故意に打球を妨げるか、または打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したとき、審判員は打者走者に妨害によるアウトを宣告するとともに、どこで併殺が行なわれようとしていたかには関係なく、本塁に最も近い走者に対してもアウトを宣告する。この場合、ボールデッドとなって他の走者は進塁することはできない。
(h) 三塁または一塁のべ一スコーチが、走者に触れるか、または支えるかして、走者の三塁または一塁への帰塁、あるいはそれらの離塁を、肉体的に援助したと審判員が認めた場合。
(i) 走者三塁のとき、ベースコーチが自己のボックスを離れて、なんらかの動作で野手の送球を誘致した場合。
(j) 走者が打球を処理しようとしている野手を避けなかったか、あるいは送球を故意に妨げた場合。
ただし、二人以上の野手が接近して、打球を処理しようとしており、走者がそのうち一人か二人以上の野手に接触したときには、審判員は、それらの野手のうちから、本規則の適用を受けるのに最もふさわしい位置にあった野手を一人決定して、その野手に触れた場合に限ってアウトを宣告する。(7・08b参照)
【原注】 捕手が打球を処理しようとしているときに、捕手と一塁へ向かう打者走者とが接触した場合は、守備妨害も走塁妨害もなかったものとみなされて、何も宣告されない。打球を処理しようとしている野手による走塁妨害は、非常に悪質で乱暴な場合にだけ宣告されるべきである。たとえば、打球を処理しようとしているからといって、走者を故意につまずかせるようなことをすれば、オブストラクションが宣告される。
捕手が打球を処理しようとしているのに、一塁手、投手が、一塁へ向かう打者走者を妨害したらオブストラクションが宣告されるべきで、打者走者には一塁が与えられる。
(k) 野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者に触れた場合。
ただし、走者がフェアボールに触れても、
(1) いったん内野手(投手を含む)に触れたフェアボールに触れた場合。
(2) 一内野手(投手を除く)に触れないでその股間または側方を通過したフェアボールに、すぐその後方で触れても、この打球に対して、他のいずれの内野手も守備する機会がない場合。
には、審判員は走者が打球に触れたという理由でアウトを宣告してはならない。
しかし、内野手が守備する機会を失った打球(内野手に触れたかどうかを問わない)でも、走者が故意にその打球をけったと審判員が認めれば、その走者は、妨害(インターフェア)をしたという理由でアウトの宣告を受けなければならない。(5・09f、7・08f参照)インターフェアに対するペナルティ 走者はアウトとなり、ボールデッドとなる。
7・10 次の場合、アピールがあれば、走者はアウトとなる。
(a) 飛球が捕えられた後、走者が再度の触塁(リタッチ)を果たす前に、身体あるいはその塁に触球された場合。
【原注】 ここでいう"リタッチ"とは、捕球後、塁に触れた状態から次塁へスタートすることをいう。
従って、塁の後方からスタートして、走りながら塁に触れて次塁へ進もうとするいわゆるフライングスタートは、正規なリタッチの方法ではない。
(b) ボールインプレイのとき、走者が進塁または逆走にさいして各塁に触れ損ねたとき、その塁を踏み直す前に、身体あるいは触れ損ねた塁に触球された場合。(7・02参照)
【付記】 塁を空過した走者は、
(1) 後位の走者が得点してしまえば、その空過した塁を踏み直すことは許されない。
(2) ボールデッドのもとでは、空過した塁の次の塁に達すれば、その空過した塁を踏み直すことは許されない。
【原注】 例−−打者が競技場の外へ本塁打を打つか、スタンドに入る二塁打を打って、一塁を空過した(ボールデッド)。−−打者は二塁に触れる前ならば、誤りを正すために一塁に帰ることはできる。しかし、二塁に触れてしまうと、一塁に戻ることはできない。守備側がアピールすれば、一塁でアウトが宣告される。
例−−打者が遊撃手にゴロを打ち、遊撃手はスタンドに飛び込む悪送球をした(ボールデッド)。−−打者は一塁を空過したが、悪送球によって二塁が与えられた。打者走者は、審判員によって二塁が与えられても、二塁に進む前に一塁に触れなければならない。いずれもアピールプレイである。
【注一】 本項〔付記〕(1)は、ボールインプレイとボールデッドとを問わず適用される。
【注二】 本項〔付記〕の場合、塁を空過した走者は、アピールがなければアウトにはならない。
【注三】 本塁を空過した走者は、ボールデッドのもとでは、投手が新しいボールか、もとのボールを持って正規に投手板に位置すれば、本塁を踏み直すことは許されない。
【注四】本項(付記)は、飛球が捕らえられたときリタッチが早かった走者にも適用される。
(c) 走者が一塁をオーバーランまたはオーバースライドした後、ただちに帰塁しないとき、身体または塁に触球された場合。(7・08j参照)
(d) 走者が本塁に触れず、しかも本塁に触れ直そうとしないとき、本塁に触球された場合。(7・08k参照)
本条規定のアピールは、投手が打者へ次の一球を投じるまで、または、たとえ投球しなくてもその前にプレイをしたりプレイを企てるまでに行なわなければならない。
イニングの表または裏が終わったときのアピールは、守備側チームのプレヤーが競技場を去るまでに行なわなければならない。
アピールは、その消滅の基準となるプレイまたはプレイの企てとはみなさない。
投手がアピールのために塁に送球し、スタンドの中などボールデッドの個所にボールを投げ込んだ場合には、同一走者に対して、同一塁についてのアピールを再びすることは許されない。
第三アウトが成立した後、ほかにアピールがあり、審判員が、そのアピールを支持した場合には、そのアピールアウトが、そのイニングにおける第三アウトとなる。
また、第三アウトがアピールによって成立した後でも、守備側チームは、このアウトよりもほかに有利なアピールプレイがあれば、その有利となるアピールアウトを選んで、先の第三アウトと置きかえることができる。
"守備側チームのプレヤーが競技場を去る"とあるのは、投手および内野手が、ベンチまたはクラブハウスに向かうために、フェア地域を離れたことを意味する。
【7・10原注】 アピールするときに、投手がボークをした場合には、その消滅の基準となるプレイとみなされる。
アピールは言葉で表現されるか、審判員にアピールとわかる動作によって、その意図が明らかにされなければならない。プレヤーがボールを手にして塁に何げなく立っても、アピールをしたことにはならない。アピールが行なわれているときは、ボールデッドではない。
【注一】 アピール権消滅の基準となるプレイには、投手のプレイはもちろん、野手のプレイも含まれる。たとえば打者がワンバウンドで外野席に入る安打を放って二塁に達したが、途中一塁を空過していた。プレイ再開後、投手が一塁ヘアピールのために送球したところ、悪送球となって、プレイングフィールド内を転々とした。これを拾った一塁手が一塁でアピールをすることはできるが、二塁走者がその悪送球を利して三塁へ走ったのを見て三塁へ送球してしまえば、一塁でのアピール権は消滅する。
【注二】 攻守交代の場合と試合終了の場合との区別なく、いずれの場合でも投手および内野手が、フェア地域を離れたときに、アピール権が消滅することとする。
アマチュア野球では、試合終了の場合に限って、両チームが本塁に整列したとき、アピール権は消滅することとする。
【注三】 アピールするには、言葉と動作とで、はっきりとその旨を表示しなければならない。
なお、ある一つの塁を二人以上の走者が通過したさい、その塁の空過を発見してアピールするには、どの走者に対するアピールであるかを明示しなければならない。たとえば、甲、乙、丙の三走者が、三塁を通過し、乙が三塁を踏まなかったときは、乙に対するアピールである旨を明示しなければならないが、もしこのとき甲が空過したと誤って申し出て、審判員に認められなかった場合でも、その塁を通過した走者の数までは、アピールをくり返して行なうことができる。
【問】 一死、走者一・三塁のとき、打者は外野に大飛球を打ったので、二走者はともに進塁しはじめたが、外野手はこの飛球を好捕した。離塁の少なかった三塁走者は三塁へ帰って捕球後改めて本塁へ入った。一塁走者は二塁に触れた後三塁近くまで行ったが、一塁に帰ろうと逆走しはじめたので、外野手は二塁に送球、二塁手は一塁走者が二塁に触れる前に、塁上でボールを持ってアピールした。ダブルプレイか。
【答】 ダブルプレイではない。その走者が一塁に帰るためには二塁を通る必要があるからといって、二塁に触球してもアウトにはできない。その走者に触球するか、または進塁の起点となる塁、すなわち一塁に触球しなければ、アウトにはできない。
【問】 一死、走者一塁のとき、打者が外野へ大飛球を打ち、走者が二塁を回って三塁近くまで行ったとき、飛球が捕えられたので、二塁に触れないで一塁へ帰ろうとした。どんな方法でアピールすれば走者をアウトにできるか。
【答】 走者に触球するか、二塁または一塁に触球してアピールすればよい。
【問】 二死、走者二塁のとき、打者が三塁打を打ち、走者を得点させたが、打者は一塁も二塁も踏まなかった。守備側は二塁に触球してアピールし、アウトが宣告された。得点となるか。
【答】 得点は認められる。しかし守備側が最初から一塁でアピールしておれば、得点は認められない。また二塁から一塁に転送球して再びアピールすれば、一塁でのアピールアウトを、先の第三アウトと置きかえることができるから、得点とはならない。
【問】 一死、走者一・二塁、打者が右翼へ大飛球を打ったとき、安打になると思った二走者は、フライが飛んでいる間進塁し続け、右翼手がこれを捕えたにもかかわらず、二塁走者はそのまま本塁を踏んだ。しかし一塁走者は捕球されたのを見て一塁に引き返そうとした。右翼手は一塁へ送球、一塁手は一塁走者が帰塁するより先に、塁に触球して、アウトにした。二塁走者は、一塁走者が一塁でアウトになるより先に、本塁を踏んでいるが、その得点は認められるか。
【答】 守備側が二塁でアピールしない限り、二塁走者の得点は認められる。しかし、守備側は、アピールによる第三アウトの成立後であっても、このアウトよりも有利となるアピールアウトを先の第三アウトと置きかえることができるから、二塁でアピールすれば、リタッチを果たしていない二塁走者はアウトになり、得点とはならない。
7・11 攻撃側チームのプレヤー、ベースコーチまたはその他のメンバーは、打球あるいは送球を処理しようとしている野手の守備を妨げないように、必要に応じて自己の占めている場所(ダックアウト内も含む)を譲らなければならない。
ペナルティ 守備妨害(インターフェア)を宣告し、そのプレイの対象であった打者または走者をアウトとする。
【注】 たとえば、プレヤーが二本のバットを持って次打者席に入っていたとき、打者がファウル飛球を打ち、これを捕手が追ってきたので、そのプレヤーは一本のバットを持って場所を譲ったが、捕手は取り残されたバットにつまずいたために、容易に捕えることができたはずのファウル飛球を捕えることができなかったような場合、プレヤーの取り残したバットが、明らかに捕手の捕球を妨げたと審判員が判断すれば、打者はアウトになる。
7・12 無死または一死のとき、前位の走者が、ある塁に触れ損ねるか、リタッチを果たさなかったとしても、正しく各塁に触れて進んだ後位の走者は、前位の走者の責を負ってその正しい走塁を取り消されることはない。
ただし、二死後、前位の走者がアピールによって三人目のアウトとなったときには、後位の走者が正規に本塁に触れていても、その走者の得点は認められない。また、その第三アウトがフォースアウトの形をとったときには、他のすべての走者が正規に本塁に触れていても、その得点は認められない。
補 則 ボールデッドの際の走者の帰塁に関する処置(再録)
ボールデッドとなって各走者が帰塁する場合、ボールデッドとなった原因によって、帰るべき塁の基準がおのおの異なるので、その基準をここに一括する。
(A) 投手の投球当時に占有していた塁に帰らせる場合。
(a) ファウルボールが捕球されなかった場合。(5・09e)
(b) 打者が反則打球した場合。(6・06a)
(c) 投球が正規に位置している打者の身体または着衣に触れた場合。(5・09a、6・05f)
(d) 無死または一死で、走者一塁、一・二塁、一・二・三塁または一・二・三塁のとき、内野手がフェアの飛球またはライナーを故意に落とした場合。(6・05l)
(e) 打球を守備しようとする野手を妨げた場合。
(1) フェアボールが、内野手(投手を含む)に触れる前に打者走者に触れた場合。(6・05g)
(2) フェアボールが、内野手(投手を含む)に触れる前、または内野手(投手を除く)を通過する前に、フェア地域で走者または審判員に触れた場合。(5・09f、6・08d、7・08f、7・09m)
(3) 打者が打つかバントしたフェアの打球に、フェア地域内でバットが再び当たった場合。(6・05h、7・09b)
(4) 打者または走者が打球を処理しようとしている野手の守備を妨げた場合。(7・08b、7・099、h、k、l)
(5) 打者または走者が、ファウルボールの進路を、どんな方法であろうとも、故意に狂わせた場合。(6・05i、7・09c)
(6) 攻撃側プレヤーまたはコーチが、必要に応じて自己の占めている場所を譲らないで、打球を処理しようとしている野手を妨げて、守備妨害を宣告された場合。(7・11)
(f) 打者走者が、本塁から一塁へ走るさいに、一塁への送球を受けようとしている野手の動作を妨げた場合。(2・44、6・05k、7・09k)−−特に規定した場合を除く。
(g) 第三ストライクの宣告を受けただけでまだアウトになっていない打者走者、または四球の宣告を受けた打者走者が、捕手の守備を妨げた場合。(7・09a)
(B) 妨害発生の瞬間すでに占有していた塁に帰らせる場合。
(a) 投手の打者への投球に始まった守備を妨げた場合。
(1) 球審が捕手の送球動作を妨げた場合。(5・09b)
(2) 打者が捕手の送球動作を妨げた場合。(6・06c)
(3) 無死または一死で、走者が得点しようとしたとき、打者が本塁における守備側のプレイを妨げた場合。(7・08g、7・09d)
(4) 打者が空振りした後、打撃の自然動作によるスイングの余勢か振り戻しのため、その所持するバットが、捕手がまだ確捕しない投球に触れるか、または捕手に触れたために、捕手が確捕できなかったと審判員が判断した場合。(6・06c)
(b) 捕手またはその他の野手が、打者の打撃を妨害した場合。(6・08c、7・07)
(c) 走者が故意に送球を妨げた場合。(7・08b)
(d) 攻撃側チームのプレヤーまたはコーチが、必要に応じて自己の占めている場所を譲らないで、送球を処理しようとしている野手を妨げたために、守備妨害でアウトを宣告された場合。(7・11)
(e) 内野手が守備する機会を失った打球(内野手に触れたかどうかを問わない)を走者が故意にけったと審判員が認めた場合。(7・09m)−−ボールをけったときを基準とする。
(f) アウトを宣告されたばかりの打者または走者が、野手の次の行為を妨げた場合。(7・09f)
−−次の行為に移ろうとしたときを基準とする。
(g) 一人または二人以上の攻撃側メンバーが、走者が達しようとする塁に接近して立つか、あるいはその塁の付近に集合して守備を妨害するか、惑乱させるか、ことさらに守備を困難にした場合。(7・09e)
−−その守備が起ころうとしたときを基準とする。
(C) 走者三塁のとき、コーチが自己のボックスを離れてなんらかの動作で野手の送球を誘致した場合、またはコーチが意識的に送球を妨げた場合(5・08、7・09j)には、その送球がなされたときにすでに占有していた塁に帰らせる。
8・01 正規の投球−−投球姿勢にはワインドアップポジションと、セットポジションとの二つの正規のものがあり、どちらでも随時用いることができる。
投手は、投手板に触れて捕手からのサインを受けなければならない。
【原注】 投手がサインを見終わってから、投手板をはずすことはさしつかえないが、はずした後にすばやく投手板に踏み出して投球することは許されない。このような投球は、審判員によってクィックピッチと判断される。投手は、投手板をはずしたら、必ず両手を身体の両側に下ろさなければならない。
投手が、サインを見終わるたびに投手板をはずすことは許されない。
(a) ワインドアップポジション
投手は、打者に面して立ち、その軸足は(投手板の側方にはみ出さないように)全部投手板の上に置くか、投手板の前縁に触れて置き、他の足は、投手板の上に置くか、投手板の後縁およびその延長線より後方に置く。
この姿勢から、投手は、
@ 打者への投球に関連する動作を起こしたならば、中途で止めたり、変更したりしないで、その投球を完了しなければならない。
A 実際に投球するときを除いて、どちらの足も地面から上げてはならない。ただし、実際に投球するときは、自由な足(軸足でない足)を一歩後方に引き、さらに一歩前方に踏み出すこともできる。
投手が軸足の全部を投手板の上に置くか、投手板の側方にはみ出さないようにその前縁にピッタリと触れて置き、他の足を投手板の上か、投手板の後縁およびその延長線より後方に置いてボールを両手で身体の前方に保持すれば、ワインドアップポジションをとったものとみなされる。
【原注一】 投手は軸足でない足(自由な足)を投手板から離して置くときは、投手板の後縁とその延長線の後方に置くことを許している。ただし、投手板の両横に置いてはならない。
投手は自由な足を一歩後方に引いてから一歩踏み出すことは許されるが、投手板の両横、すなわち一塁側または三塁側へ踏み出すことは許されない。
【原注二】 本条(a)項の姿勢から、投手は、
@ 打者に投球してもよい。
A 走者をアウトにしようとして塁に踏み出して送球してもよい。
B 投手板をはずしてもよい(ボールを両手で保持した投手は、投手板をはずしたら必ず両手を身体の両側に下ろさなければならない)、投手板をはずすときには、最初に軸足からはずすべきで、自由な足を最初にはずすことは許されない。
また前記の姿勢から、セットポジションに移ったり、ストレッチをすることは許されない。
−−違反すればボークとなる。
【注】 投手が投球に関連する動作をして、身体の前方で両手を合わせたら、打者に投球すること以外は許されない。したがって、走者をアウトにしようとして塁に踏み出して送球することも、投手板をはずすこともできない。違反すればボークとなる。
(b) セットポジション
投手は、打者に面して立ち、その軸足は(投手板の側方にはみ出さないように)全部投手板の上に置くか、投手板の前縁にピッタリと離れないようにつけて置き、他の足を投手板の前縁およびその延長線より前方に置いて、ボールを両手で身体の前方に保持し、完全に動作を静止する。
この姿勢から、投手は、
@ 打者に投球しても、塁に送球しても、軸足を投手板の後方(後方に限る)にはずしてもよい。
A 打者への投球に関連する動作を起こしたならぱ、中途で止めたり、変更したりしないで、その投球を完了しなけれぱならない。
セットポジションをとるにさいして"ストレッチ"として知られている準備動作(ストレッチとは、腕を頭上または身体の前方に伸ばす行為をいう)を行なうことができる。しかし、ひとたびストレッチを行なったならば、打者に投球する前に、必ずセットポジションをとらなければならない。
【原注】 投手は、セットポジションをとるに先立って、片方の手を下に下ろして身体の横につけていなければならない。この姿勢から、中断することなく、一連の動作でセットポジションをとらなければならない。
投手は、軸足を投手板からはみ出すことなくその全部を投手板の上に置くか、投手板の前縁にピッタリと離れないようにつけて置かなければならない。軸足の横を投手板にわずかに触れておいて、投手板の端からはみ出して投球することは許されない。
投手は、ストレッチに続いて投球する前には(a)ボールを両手で身体の前方に保持し、(b)完全に静止しなければならない。これは義務づけられていて、審判員は、これを厳重に監視しなければならない。投手は、しばしば走者を塁に釘づけにしようと規則破りを企てる。投手が、"完全な静止"を怠った場合には、審判員は、ただちにボークを宣告しなければならない。
【注】 本条(a)(b)項でいう、"中途で止めたり、変更したり"とはワインドアップポジションおよび、セットポジションにおいて、投手が投球動作中に、故意に一時停止したり、投球動作をスムーズに行なわずに、ことさらに段階をつけるモーションをしたり、手足をぶらぶらさせて投球することである。
【注二】 投手がセットポジションをとるにあたっては、投手板を踏んだ後投球するまでに、必ずポールを両手で保持したことを明らかにしなげればならない。その保持にさいしては、身体の前面ならどこで保持してもよいが、いったん両手でボールを保持して止めたならば、その保持した個所を移動させてはならず、完全に身体の動作を停止して、首以外はどこも動かしてはならない。
【注三】 セットポジションからの投球にさいして、自由な足は、
@ 投手板の真横に踏み出さない限り、前方ならどの方向に踏み出しても自由である。
A ワインドアップポジションの場合のように、一歩後方に引き、そして更に一歩踏み出すことは許されない。.
【注四】 投手は走者が塁にいるとき、セットポジションをとってからでも、プレイの目的のためなら、自由に投手板をはずすことができる。この場合、軸足は必ず投手板の後方にはずさなければならず、側方または前方にはずすことは許されない。投手が投手板をはずせば、打者への投球はできないが、走者のいる塁には、ステップをせずにスナップだけで送球することも、また送球のまねをすることも許される。
【注五】 ワインドアップポジションとセットポジションとの区別なく、軸足を投手板に触れてボールを両手で保持した投手が、投手板から軸足をはずすにあたっては、必ずボールを両手で保持したままはずさねばならない。また、軸足を投手板からはずした後には、必ず両手を離して身体の両側に下ろし、あらためて軸足を投手板に触れなければならない。
【問】 投手がストレッチを行なってから、セットポジションをとるまでに、両手を顔の前で接触させ、そのまま下ろし、胸の前でボールを保持した。ボークになるか。
【答】 たとえ顔の前で両手を接触させても、そのままの連続したモーションで、胸の前に下ろして静止すれば、ボークにはならない。しかし、いったん顔の前で停止すれば、そこでボールを保持したことになるから、その姿勢から両手を下に下ろせばボークとなる。
(c) 投手が、準備動作を起こしてからでも、打者への投球に関連する動作を起こすまでなら、いつでも塁に送球することができるが、それに先立って、送球しようとする塁の方向へ、直接踏み出すことが必要である。
【原注】 投手は送球の前には、必ず足を踏み出さなければならない。スナップスロー(手首だけで送球すること)の後で、塁に向かって踏み出すようなことをすればボークとなる。
【注】 投手が投手板をはずさずに一塁へ送球する場合、投手板上で軸足が踏みかわっても、その動作が一挙動であればさしつかえない。しかし、送球前に軸足を投手板の上でいったん踏みかえた後に送球すれば、軸足の投手板上の移行としてボークとなる。
(d) 塁に走者がいないときに、投手が反則投球をした場合には、その投球には、ボールが宣告される。
ただし、打者が安打、失策、四死球、その他で一塁に達した場合は除く。
【原注】 投球動作中に、投手の手からとび出したボールがファウルラインを越えたときだけボールと宣告されるが、その他の場合は、投球とみなされない。塁に走者がいれば、ボールが投手の手から落ちたときただちにボークとなる。
【注】 球審は、反則投球に対してポールを宣告したならば、それが反則投球によるものであることを投手に指摘する。
なお、8・02(a)(6)に違反した場合には、そのペナルティを適用する。
(e) 投手がその軸足を投手板の後方にはずしたときは、内野手とみなされる。従って、その後、塁に送球したボールが悪送球となった場合には、他の内野手による悪送球と同様に取り扱われる。
【原注】 投手は、投手板を離れているときならば、意のままに走者のいる塁ならどの塁に送球してもよいが、もしその送球が悪送球となれば、その送球は内野手の送球とみなされ、その後の処置は、野手の送球に関する規則が適用される。(7・05g)
8・02 投手は次のことを禁じられる。
(a) (1) 投手が投手板をかこむ18ftの円い場所の中で、投球する手を口または唇につけること。
【例外】天候が寒い日の試合開始前に、両チーム監督の同意があれば、審判員は、投手が手に息を吹きかけることを認めることができる。
ペナルティ 投手が本項に違反した場合には、球審はただちにボールを宣告する。その宣告にもかかわらず、投手が投球して、打者が安打、失策、死球、その他で一塁に達し、かつ走者が次塁に達するか、またはもとの塁にとどまっていた(次塁に達するまでにアウトにならなかった)ときには、本項の違反とは関係なくプレイは続けられる。なお、違反をくり返した投手は、リーグ会長から罰金が科せられる。
【注】 我が国では、投手が本項に違反した場合、本項ペナルティを適用しない。
(2) ボールに異物をつけること。
(3) ボール、投球する手またはグラブに唾液をつけること。
(4) ボールをグラブ、身体、着衣で摩擦すること。
(5) どんな方法であっても、ボールに傷をつけること。
(6) いわゆるシャインボール、スピットボール、マッドボール、あるいはエメリーボールを投球すること。
ただし、投手は素手でボールを摩擦することは許される。
ペナルティ 投手が本項(2)〜(6)の各項に違反した場合、球審は次のような処置をしなければならない。
(a) 投球に対してボールを宣告し、投手に警告を発するとともに"ボール"にした理由を場内放送する。
(b) 同一投手が同一試合で、再び違反をくり返した場合、その投手を試合から除く。
(c) 球審が違反を宣告したにもかかわらずプレイが続けられたときには、攻撃側の監督は、そのプレイが終わってからただちにそのプレイを生かす旨、球審に通告することができる。ただし、打者が安打、失策、四死球、その他で一塁に達し、しかも他の全走者が次塁に達するか、もとの塁にとどまっていた(次塁に達するまでにアウトにならなかった)ときには、反則とは関係なくプレイは続けられる。
(d) (c)項前段の場合、投手の反則行為は消滅せず、(a)項と(b)項との罰則は適用される。
(e) 投手が各項に違反したかどうかについては、審判員が唯一の決定者である。
【原注】 審判員は、一個の公式ロージンバッグを携行し、球審は投手板の後方の地面にそのロージンバッグを置く責任がある。
ロージンバッグにボールが触れたときは、どんなときでも、ボールインプレイである。
雨天の場合または競技場が湿っている場合には、審判員は投手にロージンバッグを腰のポケットに入れるよう指示する。(一個のロージンバッグを交互に使用させる)
投手はこのロージンバッグを用いて、素手にロージンをつけることを許されるが、投手、野手を問わず、プレヤーは、ロージンバッグで、ボールまたはグラブにロージンをふりかけたり、またはユニフォームのどの部分にも、これをふりかけることは許されない。
【注一】 シャインボール−−ボールを摩擦してすべすべにしたもの。
スピットボール−−ボールに唾液を塗ったもの。
マッドボール−−ボールに泥をなすりつけたもの。
エメリーボール−−ボールをサンドペーパーでザラザラにしたもの。
なお、ボールに息を吹きかけることも禁じられている。
【注二】 アマチュア野球では、本項ペナルティを適用せず、一度警告を発した後、なおこのような行為が継続されたときには、その投手を試合から除く。
(b) 投手が如何なる異物でも、身体につけたり、所持すること。
本項に違反した投手はただちに試合から除かれる。
(c) 打者がバッタースボックスにいるときに、捕手以外の野手に送球して、故意に試合を遅延させること。ただし、走者をアウトにしようと企てる場合は除く。
ペナルティ 審判員は一度警告を発し、しかもなお、このような遅延行為がくり返されたときには、その投手を試合から除く。
【注一】 投手が捕手のサインを投手板から離れて受けるので、しばしば試合を遅延させている。これは悪い習慣であるから、監督およびコーチはこれを是正するように努めなければならない。
【注二】アマチュア野球では、本項ペナルティの後段を適用せず、このような遅廷行為がくり返されたときは、ボールを宣告する。
(d) 打者を狙って投球すること。このような反則行為が起きたと審判員が判断したときには、審判員は次のうちの何れかを選ぶことができる。
(1) その投手またはその投手とそのチームの監督とを試合から除く。
(2) その投手と両チームの監督に、再びこのような投球が行なわれたら、その投手(またはその投手の後に出場した投手)と監督を退場させる旨の警告を発する。
審判員は、反則行為が起きそうな状況であると判断したときには、試合開始前、あるいは試合中を問わず、いつでも両チームに警告を発するごとができる。
リーグ会長は、9・05に規定された権限によって、制裁を加えることができる。
【原注】 打者を狙って投球することは、非スポーツマン的である。特に頭を狙って投球することは、非常に危険であり、この行為は許されるぺきではない。審判員はちゅうちょなく、本規則を厳格に適用しなければならない。
8・03 投手は各回のはじめに登板するさい、あるいは他の投手を救援するさいには、捕手を相手に八球を超えない準備投球をすることは許される。この間プレイは停止される。
各リーグは、その独自の判断で、準備投球の数を八球以下に制限してもさしつかえない。このような準備投球は、いずれの場合も一分間を超えてはならない。
突然の事故のために、ウォームアップをする機会を得ないで登板した投手には、球審は必要と思われる数の投球を許してもよい。,
8・04 塁に走者がいない時、投手はボールを受けた12秒以内に打者に投球しなければならない、12秒の時計は、投手がボールを保持して打者に面した時から始まり、ボールが投手の手から離れた時に終わる。
この規則は、無用な試合引き延ばし行為をやめさせ、試合をスピードアップするために定められたものである。従って、審判員は次のことを強調し、それにもかかわらず、投手の明らかな引き延ばし行為があったときには、遅滞なく球審はボールを宣告する。
(1) 投球を受けた捕手は、すみやかに投手に返球すること。
(2) また、これを受けた投手は、ただちに投手板を踏んで、投球位置につくこと。
8・05 塁に走者がいるときは、次の場合ボークとなる。
(a) 投手板に触れている投手が、投球に関連する動作を起こしながら、投球を中止した場合。
【原注】 左投げ、右投げ、いずれの投手でも、自由な足を振って投手板の後縁を越えたら、打者へ投球しなければならない。ただし、二塁走者のピックオフプレイのために二塁へ送球することは許される。
(b) 投手板に触れている投手が、一塁に送球するまねだけして、実際に送球しなかった場合。
【注】 投手が投手板に触れているとき、走者のいる二塁と三塁へは、その塁の方向に直接ステップすれば偽投してもよいが、一塁と打者への偽投は許されない。投手が軸足を投手板の後方へはずせば、走者のいるどの塁へもステップしないで偽投してもよいが、打者にだけは許されない。
(c) 投手板に触れている投手が、塁に送球する前に、足を直接その塁の方向に踏み出さなかった場合。
【原注】 投手板に触れている投手は、塁に送球する前には直接その塁の方向に自由な足を踏み出すことが要求されている。投手が実際に踏み出さないで、自由な足の向きを変えたり、ちょっと上にあげて回したり、または踏み出す前に身体の向きを変えて送球した場合、ボークである。投手は、塁に送球する前に塁の方向へ直接踏み出さなければならないが、踏み出したからといって送球することを要求されてはいない(一塁についてだけは例外)。
走者一・三塁のとき、投手が走者を三塁にもどすために三塁へ踏み出したが実際には送球せず(軸足は投手板に触れたまま)、一塁走者が二塁へ向って走っているのをみて一塁へ振り向きざま踏み出して送球することはさしつかえない。しかし、走者一・三塁のとき、投手板に触れている投手が、三塁に踏み出してすぐ身体を回して一塁に送球することは、一塁走者を騙す意図が明らかであり、また、このような動きでは現実に一塁に送球する前に一塁へ直接踏み出したことにはなっていない。従って、このような行為は、ボークを宣告されるべきである。
投手が三塁へ踏み出したあと、軸足を投手板から後方にはずせば、一塁へ振り向きざま送球してもボークとはならない。
【注】 投手が三塁へ踏み出して腕をふって送球する動作(偽投)をした勢いで軸足が投手板からはずれた(場所の如何を問わない)場合には、そのままふり向いて一塁へ送球することは許される。
(d) 投手板に触れている投手が、走者のいない塁へ送球したり、送球するまねをした場合。
ただし、プレイの必要があればさしつかえない。
【問】 走者一塁のとき、走者のいない二塁に送球したり、または送球するまねをしたらボークか。
【答】 ボークである。しかし一塁走者が二塁に盗塁しようとしたのを防ぐ目的で、第一動作で二塁の方向に正しく自由な足を踏み出せば、ボークにならない。なお投手が投手板を正規にはずせば、ステップをしないで送球してもかまわない。
(e) 投手が反則投球をした場合。
【原注】 クィックピッチは反則投球である。打者が打者席内でまだ十分な構えをしていないときに投球された場合には、審判員は、その投球をクィックピッチと判定する。塁に走者がいればボークとなり、いなければボールである。クィックピッチは危険なので許してはならない。
(f) 投手が打者に正対しないうちに投球した場合。
(g) 投手が投手板に触れないで、投球に関連する動作をした場合。
【問】 走者一塁のとき、投手が投手板をまたいだままストレッチを始めたがボールを落とした。
ボークとなるか。
【答】 投手が投手板に触れないで、投球に関連する動作を起こしているからボークとなる。
(h) 投手が不必要に試合を遅延させた場合。
(i) 投手がボールを持たないで、投手板に立つか、これをまたいで立つか、あるいは投手板を離れていて投球するまねをした場合。
(j) 投手が正規の投球姿勢をとった後、実際に投球するか、塁に送球する場合を除いて、ボールから一方の手を離した場合。
(k) 投手板に触れている投手が、故意であろうと偶然であろうと、ボールを落とした場合。
(l) 故意四球が企図されたときに、投手がキャッチャースボックスの外にいる捕手に投球した場合。
【注】 "キャッチャースボックスの外にいる捕手"とは、捕手がキャッチャースボックス内に両足を入れていないことをいう。従って、故意四球が企図されたときに限って、ボールが投手の手を離れないうちに捕手が片足でもボックスの外に出しておれば、本項が適用される。
(m) 投手がセットポジションから投球するにさいして、完全に静止しないで投球した場合。
ペナルティ 本条各項によってボークが宣告されたときは、ボールデッドとなり、各走者は、アウトにされるおそれなく、一個の塁が与えられる。
ただし、ボークにもかかわらず、打者が安打、失策、四死球、その他で一塁に達し、かつ、他のすべての走者が少なくとも一個の塁を進んだときには、本項前段を適用しないで、プレイはボークと関係なく続けられる。
【付記一】 投手がボークをして、しかも塁または本塁に悪送球(投球を含む)した場合、塁上の走者はボークによって与えられる塁よりもさらに余分の塁へアウトを賭して進塁してもよい。
【付記二】 本条ペナルティを適用するにさいして、走者が進塁しようとする最初の塁を空過し、アピールによってアウトを宣告されても、一個の塁を進んだものと解する。
【原注】 ボークルールの目的は、投手が走者を意図的に騙そうとするのを防ぐためであることを、審判員は心に銘記しなくてはならない。もし、審判員の判断で投手の、"意図"に疑いを抱いたら、審判員は厳重に規則を適用すべきである。
【注一】 投手の投球がボークとなり、それが四死球にあたった場合、走者一塁、一・二塁または満塁のときには、そのままプレイを続けるが、走者が二塁だけ、三塁だけ、または二・三塁、一・三塁のときには、ペナルティの前段を適用する。
【注二】 本項〔付記一〕の"悪送球"には、投手の悪送球だけではなく、投手からの送球を止め損じた野手の、ミスプレイも含まれる。走者が、投手の悪送球または野手のミスプレイによって余塁が奪えそうな状態となり、ボークによって与えられる塁を越えて余分に進もうとしたときには、ボークと関係なくプレイは続けられる。
8・06 プロフェッショナルリーグは、監督またはコーチが投手のもとへ行くことに関して、次の規則を適用しなければならない。
(a) 本条は、監督またはコーチが、一イニングに同一投手のもとへ行ける回数を制限する規則である。
(b) 監督またはコーチが、一イニングに同一投手のもとへ二度目に行けば、その投手は自動的に試合から退かなければならない。
(c) 監督またはコーチは、そのときの打者が打撃を続けている限り、再びその投手のもとへ行くことはできない。
(d) 攻撃側がその打者に代打者を出した場合には、監督またはコーチは再びその投手のもとへ行ってもよいが、その投手は試合から退かなければならない。
監督またはコーチが投手のもとへ行った後、投手板をかこんでいる18ftの円い場所を離れたら、一度行ったことになる。
【8・06原注】 監督(またはコーチ)が、捕手または内野手のところへ行き、その野手がそのままマウンドに行ったり、投手が、守備位置にいるその野手のところへ行ったときは、監督(またはコーチ)がマウンドに行ったものと同様に扱われる。ただし、一球が投じられた後、またはプレイが行なわれた後は、この限りではない。
監督(またはコーチ)が、捕手または内野手のところへ行き、その野手が投手と相談するためにマウンドに行って、本規則の適用をのがれようとしたり、本規則をだし抜こうとするいかなる企ても、すべてマウンドへ行った回数に数えられる。
コーチがマウンドに行って投手を退け、新しく出てきた投手に指示を与えるために監督がマウンドに行ったときは、そのイニングで新しい投手のもとへ一度行ったことになる。
監督がすでに一度投手のもとへ行っているので、同一イニングで同一投手へ、同一打者のときには、もう一度行くことはできないと審判員が警告したにもかかわらず、監督が行った場合、その監督は試合から除かれ、投手はただちに退かないでその打者がアウトになるか、走者になるまで投球し、その義務を果たした後に試合から退かなければならない。,この場合、監督は、その投手は一人の打者に投球したら交代しなければならないのだから、リリーフ投手にウォームアップさせておかねばならない。リリーフ投手は、審判員の適宜な判断に紀いて、八球またはそれ以上の準備投球が許される。
投手が負傷を受けたとき、監督がその投手のもとへ行きたいときには、審判員にその許可を要請することができる。許可があれば、マウンドに行く回数には数えられない。
【注一】 我が国では本条にある"投手板をかこんでいる18ftの円い場所"を"ファウルライン"と置きかえて適用する。
【注二】 監督またはコーチが投手のもとへ行った後、ファウルラインを越えて引き上げたら、その投手は、そのときの打者がアウトになるか、走者になるか、または攻守交代になるまで投球した後でなければ退くことはできない。ただし、その打者に代打者が出た場合は、この限りではない。
【注三】 監督(またはコーチ)が投手のもとへ行った回数を数えるにあたって、投手交代の通告が行なわれた後、プレイが再開されるまでに新しく出てきた投手のもとへ監督(またはコーチ)が行った場合、監督(またはコーチ)がマウンドに行って投手を退け、そのままとどまって新しく出てきた投手に指示を与えて引き上げた場合、いずれも一度とは数えないが、次の場合は、いずれも監督(またはコーチ)が投手のもとへ行った回数として数える。
(1) 監督(またはコーチ)がファウルライン近くまできて投手に指示を与えた場合。ただし、ファウルライン近くまできたが、投手に指示を与えることもなくそのまま思い直して引き返した場合を除く。
(2) 投手の方からファウルラインを越えて、監督(またはコーチ)の指示を受けた場合。
(3) コーチがマウンドに行って投手を退け、ファウル地域まで戻ってきて監督と打ち合わせてから、新しく出てきた投手のもとへ行った場合。
【注四】 コーチ(または監督)が、マウンドに行って投手を退け、新しく出てきた救援投手に指示を与えるために監督(またはコーチ)がマウンドに行った後、そのときの打者に代打者が出されたとき、監督(またはコーチ)が再びその投手のもとへ行くことは許されるが、その投手はただちに試合から退くことはできず、その代打者がアウトになるか、走者になるか、攻守交代になるまで投球した後に、退かなければならない。
【注五】 アマチュア野球では、本条については、各連盟の規定を適用する。
9・01 審判員の資格と権限
(a) リーグ会長は、一名以上の審判員を指名して、各リーグの選手権試合を主宰させる。
審判員は、本公認規則に基づいて、試合を主宰するとともに、試合中、競技場における規律と秩序とを維持する責にも任ずる。
(b) 各審判員は、リーグおよびプロフェッショナルベースボールの代表者であり、本規則を厳格に適用する権限を持つとともに、その責任にも任ずる。審判員は、プレヤー、コーチ、監督のみならず、クラブ役職員、従業員でも、本規則の施行上、必要があるときには、その所定の任務を行なわせ、支障のあるときには、その行動を差し控えさせることを命じる権限と、規則違反があれば、規定のペナルティを科す権限とを持つ。
(c) 審判員は、本規則に明確に規定されていない事項に関しては、自己の裁量に基づいて、裁定を下す権能が与えられている。
(d) 審判員は、プレヤー、コーチ、監督または補欠が裁定に異議を唱えたり、スポーツマンらしくない言動をとった場合には、その出場資格を奪って、試合から除く権限を持つ。審判員がボールインプレイのとき、プレヤーの出場資格を奪った場合には、そのプレイが終了してはじめてその効力が発生する。
(e) 審判員は、その判断において、必要とあれば、次の人々を競技場から退場させる権限を持つ。すなわち、
(1) グラウンド整備員、案内人、写真班、新聞記者、放送局員などのように、仕事の性質上、競技場に入ることを許されている人々。
(2) 競技場に入ることを許されていない観衆またはその他の人々。
9・02 審判員の裁定
(a) 打球がフェアかファウルか、投球がストライクかボールか、あるいは走者がアウトかセーフかという裁定に限らず、審判員の判断に基づく裁定は最終のものであるから、プレヤー、監督、コーチ、または補欠が、その裁定に対して、異議を唱えることは許されない。
【原注】 ボール、ストライクの判定について異議を唱えるためにプレヤーが守備位置または塁を離れたり、監督またはコーチがベンチまたはコーチスボックスを離れることは許されない。もし、宣告に異議を唱えるために本塁に向かってスタートすれば、警告が発せられる。警告にもかかわらず本塁に近づけば、試合から除かれる。
(b) 審判員の裁定が規則の適用を誤って下された疑いがあるときには、監督だけがその裁定を規則に基づく正しい裁定に訂正するように要請することができる。しかし、監督はこのような裁定を下した審判員に対してだけアピールする(規則適用の訂正を申し出る)ことが許される。
【注一】 イニングの表または裏が終わったときは、投手および内野手がフェア地域を去るまでにアピールしなければならない。
【注二】 審判員が、規則に反した裁定を下したにもかかわらず、アピールもなく、定められた期間が過ぎてしまったあとでは、たとえ審判員が、その誤りに気づいても、その裁定を訂正することはできない。
(c) 審判員が、その裁定に対してアピールを受けた場合は、最終の裁定を下すにあたって、他の審判員の意見を求めることはできる。裁定を下した審判員から相談を受けた場合を除いて、審判員は、他の審判員の裁定に対して、批評を加えたり、変更を求めたり、異議を唱えたりすることは許されない。
【原注】 ハーフスイングのさい、球審がストライクと宣告しなかったときだけ、監督または捕手は、振ったか否かについて、塁審のアドバイスを受けるよう球審に要請することができる。球審は、このような要請があれば、塁審にその裁定を一任しなければならない。塁審は、球審からの要請があれば、ただちに裁定を下す。このようにして下された塁審の裁定は最終のものである。
ハーフスイングについて、監督または捕手が前記の要請を行なってもボールインプレイであり、塁審がストライクの裁定に変更する場合があるから、打者、走者、野手を問わず、状況の変化に対応できるよう常に注意していなければならない。監督が、ハーフスイングに異議を唱えるためにダッグアウトから出て一塁または三塁に向かってスタートすれば警告が発せられる。警告にもかかわらず一塁または三塁に近づけば試合から除かれる。監督はハーフスイングに関して異議を唱えるためにダッグアウトを離れたつもりでも、ポール、ストライクの宣告について異議を唱えるためにダッグアウトを離れたことになるからである。
(d) 試合中、審判員の変更は認められない。ただし、病気または負傷のため、変更の必要が生じた場合はこの限りではない。
9・03 単独審判制、複数審判制
(a) 一人の審判員だけで試合を担当する場合には、その義務と権限は、競技場のあらゆる点、本規則のあらゆる条項に及び、その任務の遂行上、競技場内の最適と思われる場所に位置をとらなければならない。(通常は捕手の後方に、走者がいる場合は、ときとして投手の後方に位置をとる)
(b) 二人以上の審判員が試合を担当する場合は、一人はアンパイヤーインチーフ(球審)に、他はフィールドアンパイヤー(塁審)に指定されなければならない。
9・04 球審および塁審の任務
(a) アンパイヤーインチーフ(通常球審と呼ばれている)は、捕手の後方に位置しその任務は次のとおりである。
(1) 試合の適正な運行に関するすべての権限と義務とを持つ。
(2) 捕手の後方に位置し、ボールとストライクを宣告し、かつそれをカウントする。
(3) 通常塁審によって宣告される場合を除いて、フェアボールとファウルボールを宣告する。
(4) 打者に関するすべての裁定を下す。
(5) 通常塁審が行なうものとされているものを除いたすべての裁定を下す。
(6) フォーフィッテッドゲームの裁定を下す。
(7) 特定の時刻に競技を打ち切ることが決められている場合には、試合開始前にその事実と終了時刻を公表する。
(8) 公式記録員に打撃順を知らせる。また出場プレヤーに変更があれば、その変更を知らせる。
(9) 球審の判断で特別グラウンドルールを発表する。
(b) フィールドアンパイヤーは、塁におけるとっさの裁定を下すのに最適と思われる位置を占め、その任務は次のとおりである。
(1) 特に球審が行なう場合を除く塁におけるすべての裁定を下す。
(2) タイム、ボーク、反則投球またはプレヤーによるボールの損傷、汚色の宣告について、球審と同等の権限を持つ。
(3) この規則を施行するにあたって、あらゆる方法で球審を援助し、規則の施行と規律の維持については、球審と同等の権限を持つ。ただし、フォーフィッテッドゲームの宣告はできない。
(c) 一つのプレイに対して、二人以上の審判員が裁定を下し、しかもその裁定が食い違っていた場合には、球審は審判員を集めて協議し(監督、プレヤーをまじえず、審判員だけで)、その結果、通常球審(または、このような場合には球審に代わって解決にあたるようにリーグ会長から選任された審判員)が、最適の位置から見たのはどの審判員であったか、またどの審判員の裁定が正しかったかなどを参酌して、どの裁定をとるかを決定する。
このようにして、決定された裁定は最終のものであり、初めから一つの裁定が下された場合と同様に、試合は続行されなければならない。
9・05 審判員の報告の義務
(a) 審判員は、すべての規則違反またはその他の報告しなければならない出来事を、試合終了後、12時間以内にリーグ会長まで報告する義務がある。ただし、監督またはプレヤーを退場させた試合には、その理由を付記することを必要とする。
(b) 審判員がトレーナー、監督コーチまたはプレヤーを次の理由で退場させた場合には、審判員はその詳細を四時間以内にリーグ会長に報告する義務がある。
すなわち、これらの人々が、審判員、トレーナー、監督、コーチまたはプレヤーに、野卑不作法な言を用いて黙過できない侮辱を加えたためか、暴力を働いたことが退場理由となった場合がそれである。
(c) リーグ会長は、審判員から、監督、コーチ、トレーナー、プレヤーを退場させた旨の報告を受けたならば、ただちに自己の判断で適当と思われる制裁を科し、その旨を当事者ならびにその所属クラブの代表者に通告しなければならない。
制裁金を科せられた当事者が、通告後五日以内に、リーグ事務局長にその総額を支払わなかった場合には、支払いが完了するまで、試合に出場することもベンチに座ることも禁止される。
審判員に対する一般指示【原注】
審判員は、競技場においては、プレヤーと私語を交わすことなく、またコーチスボックスの中に入ったり任務中のコーチに話しかけるようなことをしてはならない。
制服はつねに清潔を保ち、しかも正しく着用し、競技場においては、積極的に機敏な動作をとらなければならない。
クラブ役職員に対しては常に礼儀を重んずる必要はあるが、クラブ事務所を訪ねたり、特にあるクラブの役職員と親しくするようなことは避けなければならない。
審判員が競技場に入れば、ただその試合の代表者として試合を審判することだけに専念しなければならない。
提訴試合にもなりかねないほどの悪い事態が起こった場合、その事態の解決を回避したという非難を受けるようなことがあってはならない。つねに規則書を携行し、紛糾した問題を解決するにあたっては、たとえ一〇分間試合を停止することがあっても、よく規則書を調べ、その解決に万全を期して、その試合を提訴試合あるいは再試合にしないように努めなければならない。
試合を停滞させてはならない。試合は、しばしば審判員の活気ある真剣な運びによって、より以上の効果をもたらすものである。
審判員は、競技場における唯一の代表者であって、強い忍耐と、よりよい判断とを必要とするようなつらい立場におかれることがしばしば起こるが、悪い事態に対処するにあたっては、感情を棄てて自制することが、いちばんたいせつなことである。
審判員は自己の決定について、誤りを犯しているのではないかと疑うようなことがあってはならないし、また、たとえ誤りを犯したとしても、埋め合わせをしようとしてはならない。すべて見たままに基づいて判定を下し、ホームチームとピジティングチームとに差別をつけるようなことがあってはならない。
試合進行中はボールから目を離してはならない。走者が塁を踏んだかどうかを知ることもたいせつではあるが、飛球の落ちた地点を見定めたり、送球の行方を最後まで見きわめることがより重要なことである。プレイの判定を下すにあたっては、早まることなく、正確を期さなければならず、野手がダブルプレイをなしとげるために送球する場合にも、あまり早く向きを変えてはいけない。アウトを宣告した後、一応落球の有無を確かめる必要がある。
走りながら"セーフ""アウト"の宣告の動作をすることなく、そのプレイが終わるのを待って、宣告を下さなければならない。
各審判員は簡単な一組のサインを用意しておく必要がある。これによって、自己のエラーを悟れば、その明らかに間違った決定を正すことができる。"プレイを正しく見た"という確信があれば、"他の審判員に聞け"というプレヤーの要求に従う必要はない。確信がなければ、同僚の一人に聞くこともよいが、これもあまり度を越すようなことなく、機敏にプレイを十分に把握して審判しなければならない。しかしながら、正しい判定を下すことが第一の要諦であることを忘れてはならない。疑念のあるときは、ちゅうちょせず同僚と協議しなければならない。審判員が威厳を保つことはもちろん大切であるが、"正確である"ということがより重要なことである。
審判員にとって最も大切な掟は、"あらゆるプレイについて最もよい位置をとれ"ということである。
たとえ判定が完壁であっても、審判員の位置が、そのプレイをはっきりと明確に見ることができる地点でなかったとプレヤーが感じたときは、しばしば、その判定に異議を唱えるものである。
最後に、審判員は礼儀を重んじ、しかも公平にして厳格でなければならない。そうすれば、すべての人々から尊敬される。
10・16 自責点とは、投手が責任を持たなければならない得点である。
自責点を決定するにあたっては、次の二点を考慮する。
まず、イニングについて、同一イニングに二人以上の投手が出場したときの救援投手は、出場するまでの失策(捕手の妨害を含む)または捕逸による守備機会を考慮されることなく、それまでのアウトの数をもとにしてあらためてイニングを終わらさなければならない(i項参照)
ついで、走者が進塁するにあたって失策があったときは、その失策がなくても進塁できたかどうかに疑間があれば、投手に有利になるよう考慮する。
(a)自責点は、安打、犠打バント、犠牲フライ、盗塁、刺殺、野手選択、四死球(故意四球も含む)、ボーク、暴投(第三ストライクのときに暴投して打者を一塁に生かした場合も含む)により、走者が得点するたびごとに記録される。ただし、守備側が相手チームのプレヤーを三人アウトにできる守備機会をつかむ前に、前記の条件をそなえた得点が記録された場合に限られる。なお、守備側の妨害は、ここでいうアウトにできる守備機会に含まれる。
(1)
暴投は投手の投球上の過失であって、四球またはボークと同様、自責点の決定にあたっては、投手が責任を負う。
【原注】《新》以下は、投手に自責点が記録される例である。
@ 投手甲は、その回の最初の二人、AとBを凡退させた。C は野手の失策で一塁に生き、D、E が連続本塁打を打った。投手甲はFを打ち取ってその回を終わらせた。三点が記録されたが、甲に自責点は記録されない。失策がなければ、この回はC で終わつていたはずだからである。
A 投手甲は、先頭のAを打ち取った。Bは三塁打。C に対して甲が暴投、B が生還した。甲は続くDとEを打ち取つた。この回の一点は自責点となる。
暴投は自責点の要素となるからである。
打者走者が捕手の妨害で一塁に生きた場合、結果的にその打者走者が得点しても自責点とはしない。しかし、捕手の妨害がなければその打者はアウトになつていたと仮定してはならない(野手の失策によつて一塁に生きた場合とは違う)。なぜなら、その打者は打撃を完了する機会がなかったのであり、捕手の妨害がなかつた,どのような結果になつていたかはわからないからである。次の二つの例を比べよ。
B 二死からAは遊ゴロ失で一塁に生きた。B本塁打、C三振。二点が記録されたが、自責点は記録されない。なぜなら、A の打撃で失策がなければ第ニアウトになつていたはずだからである。
C 二死からAは捕手の妨害で一塁に生きた。B本塁打、C 三振。二点が記録されたが、このうちBの得点は自責点である。なぜなら、捕手の妨害がなければ第三アウトになつていたと仮定することはできないからである。
【注一】こここでいう"攻撃側プレヤーをアウトにできる守備機会"とは、守備側が打者または走者をアウトにした場合と、失策のためにアウトにできなかった場合とを指し、以下これを"アウトの機会"という。
本項後段は、守備側に相手チームのプレヤーニ人に対するアウトの機会があった後、前記の得点があっても、次に該当する場合は、投手の自責点とならないことを規定している。すなわち、
@ その得点が、三人目のアウトを利して記録された場合、あるいはそのアウトが成立したとき、またはそれ以後に記録された場合。
A その得点が三人目のプレヤーが失策のためにアウトにならなかったときに記録されるか、またはそれ以後に記録された場合である。
たとえば、無死A中前安打、B投前バントを試みたとき、投手よりの送球を一塁手が落球して走者一・二塁となり、Cの三前バントで走者をニ・三塁に進めた後、D中竪手にフライを打ち、Aはこのフライアウトを利して得点し、E三振に終わった。このイニングには投手の自責点はない。
無死A三ゴロ失に生き、B三振、Cの二ゴロでAをフォースアウトにしようとした二塁手からの送球を遊撃手が落球して走者一・二塁、D本塁打、E投ゴロ、F三振に終わった。このイニングには投手の自責点はない。
攻撃側プレヤーに対する"アウトの機会"を数えるにあたっては、種々の場合があるので、次に列記する。
@ 打者が、ファウルフライ失によって打撃時間を延ばされたとき、妨害または走塁妨害で一塁を得たとき、捕手の第三ストライクの後逸によって一塁を得た(第三ストライクのときの投手の暴投を除く)とき、野手の失策によって一塁を得たとき、失策のためにアウトを免れた走者に対して打者の行為に起因した野手の選択守備の結果一塁を得たときは、いずれも打者に対するアウトの機会は一度と数える。
A ファウルフライ失によって打撃時間を延ばされた打者が、アウトになったとき、または野手の失策によって一塁を得たとき、アウトの機会は二度あったように見えるが一度と数える。
また、この打者の打撃行為に起因した野手の選択守備の結果打者が一塁を得たときは、守備の対象となった走者がすでにアウトの機会があったかどうかに関係なく、このプレイにおけるアウトの機会はニ度と数える。(打者についてはアウトの機会が一度あったことになる)
B 一度アウトの機会のあった打者または走者が、他の打者の行為とみなされない原因、たとえば盗塁またはこれに類する行為あるいは余塁を奪おうとした行為でアウトになったとき、または失策のためにそのアウトを免れたときは、アウトの機会は二度あったように見えるが、一度と数える。
C 一度アウトの機会のあった打者または走者が、他の打者の行為に起因した野手の選択守備でアウトになったとき、または失策のためにそのアウトを免れたときは、アウトの機会は二度と数える。
D 一度アウトの機会のあった打者または走者が、他の打者とともに併殺となったときは、アウトの機会は三度あったように見えるが、ニ度と数える。
【注ニ】@自責点となるべき要素は、安打、犠牲バント及び犠牲フライ、盗塁、刺殺、野手選択、四死球(故意四球)、ボーク、暴投であり、A自責点に含んでならない要素は、守備失策、捕手または野手の妨害、走塁妨害、捕逸、ファウルフライ失である。
Aの要素で一塁に生きたり、または本塁を得た場合はもちろん、二塁、三塁を進むにあたっても、Aの要素に基づいた場合には、自責点とはならない。ただし、二塁、三塁をAの要素で進んだ走者が得点した場合でも、これらのミスプレイの助けをかりなくても得点できたと思われるときには、自責点とする。(10・18d参照)
さらに、アウトになるはずの走者が、失策によってアウトを免れた後に得点した場合には、自責点とはならない。
また、守備の失策があった場合でも、その走者は失策と無関係に進塁したと記録員が判断したときは、Aの要素で進んだものとはならないで自責点となる。右のニ点に特に注意を要する。
(b) 次の理由で打者が一塁を得た後、得点することがあっても、自責点とはならない。
(1) ファウル飛球の落球によって打撃の時間を延ばされた打者が、安打その他で一塁を得た場合。
(2) 妨害または走塁妨害で一塁を得た場合。
(3) 野手の失策で一塁を得た場合。
【注】 失策によってアウトを免れた走者に対して、打者の行為に基因した野手の選択守備の結果、打者が一塁を得た場合も、本項同様に扱う。
(c) 失策がなければアウトになったはずの走者が、失策のためにアウトを免れた後、得点した場合は、自責点とはならない。
【注】 本項は、原則として走者に対する守備が現実に行なわれ、失策によってアウトを免れた場合に適用すべきであるが、フォースプレイで、野手が走者をアウトにしようとするプレイをしないで失策した場合(たとえば、ハンブル、後逸など)、その失策によって走者が明らかに封殺を免れたと記録員が判断したときには、本項を適用してもさしつかえない。
(d) 失策、補逸、あるいは守備側の妨害、または走塁妨害の助けをかりて進塁した走者が得点した場合、このようなミスプレイの助けをかりなければ得点できなかったと記録員が判断したときだけ、その走者の得点は自責点とならない。
【注一】 走者が得点したさい、自責点とするか否かを決定するにあたっては、ミスプレイの助けがなかったら進塁もまた得点もできなかったと記録員が判断した場合だけに本項を適用し、その他の場合、すなわち、現実にミスプレイの助けをかりて進塁していたが、もし、そのミスプレイの助けがなくても、その後の自責点となる要素に基づいて当然進塁して得点できたと記録員が判断した場合には、自責点とする。
【例一】 安打で出塁した一塁走者Aが、捕逸で二塁に進んだ後、Bの単打で得点したような場合には、自責点としない(単打でなく、三塁打似上の長打で得点した場合には自責点となる)が、Bが四球で出塁し、Cの単打で得点したような場合には自責点とする。
【例二】 A四球、B三ゴロ失で走者一・二塁の後、C、D四球を得て、Aが得点したような場合、失策のためアウトを免れたBがいなければ、AはDの四球によって得点できなかったから、Aの得点を自責点としない。しかし、Dが二塁打以上の長打を打って、A、Bが得点した場合には、Aを自責点とする。
【例三】 A四球で出塁し、捕逸で二塁に進み、Bは三ゴロでアウトになり、Aは二塁にとどまっていた後、Cの単打で得点したような場合、Aは、Bの内野ゴロのアウトを利して二塁に進むことができたとはみなさないで、Aの得点は自責点としない。もっとも、Cの三塁打以上の長打で得点…したような場合には、自責点とする。
【注二】 満塁のとき、打者が捕手または野手の妨害によって一塁を得たために三塁走者が得点した場合には、三塁走者の得点は自責点としない。
【注三】 ファウルフライ失によって打撃時間を延ばされた打者の打撃を完了したプレイに基づく走者の進塁は、ミスプレイの助けをかりた進塁とみなす。
(e) 投手の守備上の失策は、自責点を決定する場合、他の野手の失策と同様に扱って、自責点の要素からは除かれる。
(f) 走者が進塁するにあたって野手の失策があったとき、その走者の進塁が失策に基づくものかどうかを決める場合(失策による進塁ならば自責点とならない)には、もし無失策の守備だったら、はたしてその塁に進むことができたかどうかを仮想して決めるのであるが、そこに疑問の余地があれば、投手に有利になるように判定すべきである。(すなわち失策によって進塁したように決める)
(g) ある投手が回の途中で走者を残して退いた後を救援投手が受け継ぎ、その任務中にに、前任投手が残した走者が得点した場合はもちろん、救援投手に対した打者の打球が、野手の選択守備で前任投手が残した走者をアウトにしたために、塁に出た打者が得点した場合にも、その得点は(いずれの場合も自責点、非自責点を問わない)前任投手のものとして数える。
【付記】 ここでは、残された走者の数が問題であって、走者が誰であったかにこだわる必要はない。前任投手が走者を残して退き、救援投手が出場して、その回の任務中に得点が記録されたときは、次の例外を除いて、たとえ残した走者がアウトにされることがあっても、その残した走者の数までは、前任投手が責任を負わなければならない。
すなわち残された走者が盗塁に類する行為または妨害など、打者の行為によらないでアウトになったときは、残された走者の数は減ぜられる。例としてFがある。
【例】 @ 投手甲、四球のAを塁に残して退き、投手乙が救援、Bがゴロを打ってアウトになり、Aを二塁に進める、Cはフライアウト、Dが単打して、Aが得点−−投手甲の失点。
A 投手甲、四球のAを残して退き、乙救援、BはAを二塁で封殺、Cゴロを打ってアウトになり、Bを二塁に進める。Dの単打でB得点-投手甲の失点。
B 投手甲、四球のAを残して乙と代わる。B単打して、Aを三塁に送る、C遊ゴロしてAを本塁でアウトにする。この聞Bニ進、Dフライアウト、E単打してB得点投手甲の失点。
C 投手甲、四球のAを残して乙と代わる。B四球、Cフライアウト、Aは捕手からの送球で二塁を追い出されてアウト(これで甲の走者はいないことになる)、D.二塁打して、B一塁から得点−−投手乙の失点。
D 投手甲、四球のAを残して乙と代わる。B四球後さらに丙と代わる、Cの打球でAを三塁に封殺、Dの打球もBを二塁に封殺、E三点本塁打する−−投手甲、乙、丙ともに失点各一。
E 投手甲、四球のAを残して乙と代わる。B四球、C単打して満塁、DはAを本塁に封殺、Eは単打してBとCとを本塁に送る−−投手甲、乙ともに失点各一。
F 投手甲、四球のAを残して乙と代わる。B単打したが、Aは三塁を奪おうとしてアウト、その間にBは二進、C単打してB得点−−投手乙の失点。
【注一】 例@投手甲、ニゴロ失に生きたAを残して乙と代わる。B四球後、Cの打球はAを三塁に封殺、D三点本塁打する−−Cが投手甲の失点(非自責点)となり、B、Dが投手乙の失点(自責点)となる。
例 A 投手甲、三ゴロ失に生きたAを残して乙と代わる。B四球後、Cの打球はAを三塁に封殺、D単打してB得点、E、F凡退−−Bが甲の失点(自責点)となる。
【注二】 〔付記〕の後段に述べられている前任投手の残した走者の数が減ぜられる場合には、前任投手の残した走者が救援投手に対した打者と共に併殺されるか、または救援投手に対した打者の行為で前任投手の残した二塁走者が併殺された(このさいは、一が減ぜられるだけ)場合、及ぴ前任投手の残した走者が余塁を奪おうとしてアウトになった場合も含む。
(h) 前任投手が打者の打撃を完了させないで退いたときには、次の要項によって各投手の責任が明らかにされる。
(1) 投手が代わって出場した当時、ボールカウントが次のようなときであって、その打者が四球を得た場合は、その四球を得た打者を前任投手が責を負うべき打者として記録し、救援投手の責任とはならない。
ボール・・・・・・・・ 2 2 3 3 3
ストライク・・・・ 0 1 0 1 2
(2) 前記の場合、打者が四球以外の理由、すなわち安打、失策、野選、封殺、死球などで一塁生きたときは救援投手の責任とする。(打者がアウトになったときも救援投手の責任となる)
【付記】 このことは10・18(g)に抵触するものではない。
(3) 投手が代わって出場した当時、打者のボールカウントが次のような場合には、その打者及びその打者の行為はすべて救援投手の責任とする。
ボール・・・・・・・・ 2 1 1 1 0 0
ストライク・・・・ 2 2 1 0 2 1
(i) 同一イニングに二人以上の投手が出場したときの救援投手は、そのイニングでの自責点の決定にあたっては、出場するまでの失策または捕逸によるアウトの機会の恩恵を受けることはできない。
【付記】 本項の目的は、救援投手が自責点にならないことを利用して、無責任な投球をするのを防ぐためのものである。
救援投手にとっては自責点となっても、チームにとっては自責点とならない場合がある。
【例一】 二死、投手甲、四球のAと失策で出塁したBとを残して投手乙と代わる。Cが三点本塁打する。−−投手甲の自責点はなし。投手乙の自責点は一。
【例二】 二死、投手甲、四球のAとBとを残して投手乙と代わる。C失策で出塁。D満塁本塁打する。−−投手甲、乙とも失点二、自責点はなし。
【例三】 無死、投手甲、四球のAと失策で出塁したBとを残して投手乙と代わる。C三点本塁打する。D、Eとも三振。F失策で出塁。G二点本塁打する。−−投手甲失点二、自責点一。投手乙失点三、自責点一。
【注】 イニングの途中から出場した救援投手の自責点の決定にあたって本項が適用されるために、チームの自責点より、投手個人の自責点の合計のほうが多くなる場合がある。なお、救援投手が自責点となる走者を残して退いても、それ以後の失策または捕逸によるアウトの機会の恩恵を受けることはできる。