Salon de Jewelry Star誕生秘話 その12

1997年4月13日

昨年の4月6日にサロンがオープンしてから早くも一年が過ぎた。
にとっては本当にあっという間の一年だったことだろう。 今思うと漠然と将来は自分のお店を持ちたいと思っていた母が、本当に「お店を持ちたい」と決意した一つの出来事がある(と、私が勝手に思っているだけかもしれないが)。
それはの定年退職。
ある日、が仕事から戻るとめずらしく居間に花がいけてある。 夏の鮮やかな花々は部屋中にいい香りを漂わせていてくらくらするくらいだ。 「これなーに?誰からもらったの?」と聞くと母は「お父さんが会社を退職したから職場の人から餞別にもらったんだって。」と一言。 私はそれで父がもうそんな歳になったのかと気がついたほどだ。 しばらく残務処理をしていたが数ヶ月もすると会社に行く必要もなくなり、父の気ままな生活が始まった。
しかし!
母は相変わらず毎日宝石を持ってNTTへ行く。 昼間ぽつんと家に残された父は植木いじりをしたりパチンコへ行ったり、ほとんど手持ちぶさた状態だった。 数十年間仕事一筋で他に趣味も持たない世の父親が、定年退職後何もすることがなくって「ぬれ落ち葉」なんて言われちゃうのを目の当たりにしそうな感じだった。 時には付き合いで夜遅く戻ることもある母は、こんな父を見ていてさすがにこの状態はまずいんじゃないかと思ったらしい。 父に新しい趣味を見つけるように勧めると共に、自分が外に出歩かなくても済む「自宅でサロン」を真剣に考えはじめた。

で、最初の会話となるわけである。
こんな時、娘の私がぼーっと思うのは 家族のありがたみ、夫婦の絆である。 文句を言っていた父も結局は母の夢を実現する一番の理解者となった。 父はステンドグラスという新しい趣味を見つけ、あっという間に大作を手がけるようになった。 サロンの窓枠をはじめ、家には父の作品がだんだん増えてきている。 おかげで、ステンドグラスがあるおしゃれなサロン(?)となってしまった(らしい)。 これからもし大変なことが起こったとしてもきっと父が支えてくれるのだろう。 やっぱり夫婦は夫婦なんだなあ、とこんな「あたりまえ」のことを書きながら、 まだ未婚のあたくしは実感がわかないままにやにやしているだけなのだけれど。

教訓12:夫の協力があってこそ。夫への感謝の気持ちを忘れずに。

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