ダルタニヤン デニス・マトヴィエンコ
コンスタンス 伊藤友季子
ミレディ 田中祐子
アンヌ王妃 草刈民代
三銃士ポルトス 菊地研
アトス 今勇也
アラミス アルタンフヤグ・ドゥガラー
バッキンガム公爵 逸見智彦
リシュリュー枢機卿 本多実男
ロシュフォール 塚田渉
国王ルイ13世 小嶋直也
リシュリューの護衛隊員 邵智羽、武藤顕三、徳永太一、高橋章、
保坂アントン慶、中島哲也
6人の娼婦 金澤千稲、佐藤朱実、小橋美矢子、笠井裕子
橋本尚美、吉岡まな美 他
人々が集まるマーケット広場。そこに現れる三銃士。地味だ……。せめて、例のブルーの外套(十字架と国王の頭文字を描き入れた青羅紗のカサック外套)ぐらい着せてやれよ。私の席が前過ぎたせいか、どうも舞台全体がごちゃごちゃしていて、せっかくのタイトルロール登場も全然目立たなかった。続く乱闘シーンにしても、もう少し後方や2階席の方が、フォーメーションがハッキリ見えて楽しめたかも。
思うに、バレエの『三銃士』って、香港アクション映画のような。お笑い満載の勧善懲悪冒険活劇。まさに、それっぽいシーンもあったし。ほら、よくあるでしょう。こちらにその気はないのに、何故か敵が倒れている、ってのが。振り上げた剣が、偶然、敵に当たるとか、相手が襲いかかる瞬間に屈んで難を逃げるとか、その手のベタベタなギャグを、ポルトスの菊地研と護衛隊員の保坂アントン慶が繰り広げていたわけで。
キャラクター設定にしても、悪者は最後まで悪者、正義の味方は最後まで正義の味方で、その手の基本をしっかり押さえている。だからこそ、キャラはきちんと立っていないと。
ンが、よりによって三銃士が弱い。登場シーンに続くそれぞれの見せ場も、3人のキャラが立っていないから、正直、誰が誰だかよーわからん。一応、最年長でリーダー格、冷静沈着なアトス、大男で豪快、ちょっぴり見栄っ張りなポルトス、聖職者志望の優男、物静かなアラミス、といった基本(アトスとミレディの関係まで描くのは難しいかしらん?)は押さえておいて欲しいぞ。
ダルタニヤンのデニス・マトヴィエンコ、田舎の若者らしいのびのびとした可愛らしさはよく出ていたと思うが、賢さも欲しかったような。しっかし、彼は日本のバレエ団に普通に馴染むね。
コンスタンスの伊藤友季子、主役の割には出番も少なく目立たないが、今時の若い娘らしさが、王妃のために尽力しながらダルタニヤンと恋愛しちゃうようなちゃっかりしたところと巧く結びついて、意外な効果を生み出していた。
ポルトスの菊地研、三銃士の中では踊りも一番安定していたし(コンスタンスを救い出すシーンでは、あまりのかっちょよさに気絶しそうだったわ)、貫禄というか、妙なおやぢ臭さというか、ある種の落ち着きを漂わせていたのは立派。ただ、ワタクシ的には、お尻のあたりから大腿にかけてすんごく張っていたのが気になって気になって。ややもすると出っ尻に見える。う〜む、これで上半身に筋肉がつけば、バランスよくなるのかしらん?……てなことばかり考えていたのだ、ぢつは。
アトスの今勇也とアラミスのアルタンフヤグ・ドゥガラーには、それぞれのキャラ(これは演出の問題もあるかも)をはじめ、銃士としてのダイナミックさ、大人の男としての品格などがまだまだ足りない。これがないと、ダルタニヤンとの対比が出てこないからね。
アンヌ王妃の草刈民代、憂いに沈む風情が抜群に美しい。バッキンガム公爵の逸見智彦も、美貌と気品を併せ持つこの役にピッタリ。そして、ルイ13世の小嶋直也が、ふたりの恋に説得力を持たせるキャラに加え、王室を皮肉る視線も感じさせて好演。