キトリ 佐藤朱実
バジル 菊地研
ドン・キホーテ 本多実男
サンチョ・パンサ 山内貴雄
キトリの友だち 橘るみ、青山季可
街の踊り子 坂西麻美
エスパーダ イルギス・ガリムーリン
ガマーシュ 保坂アントン慶
酒場の踊り子 坂西麻美 他
最初にキャストを聞いた時、「佐藤朱実がキトリ? 彼女にはもっと相応しい演目があるンじゃ?」と、思ってしまったが、案の定、勝気さや色気が足りん。ただ、そのあたりは無理に演じられても却って興醒めだし、自分の持ち味と相談したうえでの役作りならこれもありかな、と。それに、キトリがややおっとり風味だったせいか、バジルの菊地研とのバランスが案外よかったのだ。佐藤の方が先輩だし、下手すると、最初から最後まで尻に敷かれたままではなかろうか?
と、心配していたが、そんなこと全然なし! ってゆうか、すっかり頼もしくなっていてビックリ。ここ最近の舞台に感じていた物足りなさが、キレイサッパリ払拭されたぞ。
菊地は超絶技巧の持ち主ってわけではないから、テクニック的には「う〜む」な部分も確かにあった。サポートにしても、見せ場の片手リフトがビシッと決まらず爽快感に欠けたり、ピルエットでパートナーの身体が傾いだり、ま、いろいろやらかしていた。ンが、それでもなお魅力的だったのは、彼の持つ華やかな雰囲気が『ドン・キホーテ』の祝祭感と巧くマッチしていたからだと思われ。
ワタクシ的には、居酒屋の狂言自殺が意外とツボ。黒いマントを羽織って出てきた時の過剰なまでの悲壮感、それが一転、音が聞こえるぐらい派手な投げkissをして背中から勢いよく倒れ込む。あはっ、可愛い。
キトリの友達の橘るみ、出てきた瞬間の輝きがダントツ。最後の一音まで疎かにしない踊りも美しい。ここはもう、濃厚なアイメークには目を瞑ろう。
街の踊り子と酒場の踊り子の両方を踊った坂西麻美が、これまた惚れ惚れするほどの鮮やかさ。それなのに、マタドールたちが……。短剣しっかり突き立てンかいっ!
それより何より、ムレタ100回振ってこいっ!(怒)
エスパーダのイルギス・どすこい・ガリムーリン、ベテランだけあって、自分の見せ方はよくわかっている。ンが、身体も踊りも重い重い(わざわざゲストに呼ぶ必要があったのか?)。
プログラムが買えなかったので(完売したそうな)、今回の演出・振付にどういう意図があるのか不明だが、かなり変わっている。1幕で居酒屋の狂言自殺までやってしまったら、後はもう結婚式しかないじゃん。これなら2幕はいらないっしょ。