■2005年8月6日(土) 新国立劇場 オペラ劇場
第15回 日本バレエフェスティバル
[指揮]堤俊作 [管弦楽]ロイヤルメトロポリタン管弦楽団
割と直前になって菊地研の出演が決まり、結局、当日券で観ることにした日本バレエフェスティバル。事前に事務局に確認したところ、「S〜C席を販売する予定」とのお返事。ンが、行ってみたら、SS席も結構ありました。ま、のんびり観たかった私は、周りに人がいないバルコニー席をget。もしかして、微妙に節約?>ぢぶん
【デフィレ】

日本ジュニア・バレエ

プログラムの解説によると、「デフィレとは、フランス語で分列行進することを意味していて、パリ・オペラ座の伝統行事として、シーズンの始めに生徒から最高のエトワールまで全員が顔見せとして登場する場」らしいが、これはただ単に少女たちが踊っているだけ。それでデフィレと呼んでいいのか???

【第1部】

『海賊』第2幕よりグラン・パ・ド・ドゥ
[音楽]リッカルド・ドリゴ [振付]マリウス・プティパ

橘るみ、マイレン・トレウバエフ

公演数日前に三木雄馬が降板、代わりにマイレン・トレウバエフが踊る。
急拵えのペアの割には、ふたりともしっかり踊っていたような。何気にテクニックも披露していたし(フェッテに合わせて手拍子がっ! この公演って、そういうノリなの?)、幕開けに相応しい若々しさもあったし。ただ、トレウバエフの直線眉にはメチャメチャ萎えたぞ。

『コッペリア』第3幕より平和のグラン・パ・ド・ドゥ
[音楽]レオ・ドリーブ [振付]サン・レオン [改訂振付]石井清子

志賀育恵、小林洋壱

悪くはないが、あまり観客にアピールするものがない。演目が悪かったか?

『ドン・キホーテ』第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ
[音楽]レオン・ミンクス
[振付]アザーリ・M・プリセツキー、ワレンティーナ・サーヴィナ(プティパ、ゴルスキー版による)

佐藤朱実、菊地研

菊地研は、先日の全幕の時より少し粗が目立ったかな。ガラ公演はどうしてもテクニックに目が行っちゃうから、そこをビシッと決めないとね。ンが、格好つけ演技にはさらに磨きがかかっていて、思いっきりウケる。袖に捌ける時には髪をかきあげたり(笑)。日本人のダンサーにしては珍しい。ってことで、客席も盛り上がっていたし、全体的にはよかったような。
そこはかとなくお疲れモードの佐藤朱実。
それにしても、菊地研はずいぶん頼もしくなったわ〜。同じオペラ劇場ということもあって、『デューク・エリントン・バレエ』の時を思い出す。あれからまだ4年しか経っていないのよね。

『ラ・バヤデール』幻影の場よりグラン・パ・ド・ドゥ
[音楽]レオン・ミンクス [振付]マリウス・プティパ

島田衣子、小嶋直也

こちらも公演数日前に佐々木陽平が降板、代わりに小嶋直也が踊る。
久しぶりに登場の小嶋直也。客席からは「待っていました〜」の暖かい拍手。体力的には厳しかったようだし、サポートもイマイチだったが、相変わらず跳躍は優雅。何と美しいライン! あとは、あのメークがどうにかなれば……。
島田衣子は直前に相手が変わって調子が出なかったのか、すんごく不安定。

『ロメオとジュリエット』よりバルコニー・シーン
[音楽]セルゲイ・プロコフィエフ [振付]サー・ケネス・マクミラン

志賀三佐枝、山本隆之

引退を発表した志賀三佐枝のジュリエット。これが最後と思って集中していたら、あっという間に終わってしまった。軽やかで美しく繊細、それでいて情熱的。いやいやいやいや、いいものを見せていただきました。
山本隆之も詩情溢れる踊りで、志賀の最後の舞台を盛り上げる。
カーテンコールでは、山本が志賀に花束のプレゼント。粋な計らいですな。

【第2部】

『海賊』第1幕よりパ・デスクラヴ
[音楽]オルデンブルク公爵 [振付]マリウス・プティパ

アナスタシア・チェルネンコ、デニス・マトヴィエンコ

最初は、「デニス・マトヴィエンコで奴隷のパ・ド・ドゥ? 奴隷商人に見えるの?」と、思っていたが、立派な奴隷商人でした。ってゆうか、お相手のアナスタシア・チェルネンコを日本のバレエ関係者に売り込んでいるような(笑)。
しっかし、チェルネンコの衣裳はどうなのかしらん? フィギュアスケートみたい。どうせなら、ちゃんとお腹出して欲しいぞ。キエフ・バレエは肌見せちゃダメなの?

『タラスヴーリバ』より〈ゴパック〉
[音楽]ソロヴィヨフ・セドイ [振付]ロスチラフ・ザハロフ

岩田守弘

ひょえ〜、すんごい飛ぶ飛ぶ。いかにも「ボリショイ!」な豪快さ。きっとロシア好きには堪らないンだろうな。あ、もちろん、私も楽しませていただきましたよ。

『プルースト』より〈囚われの女〉
[音楽]カミーユ・サン=サーンス [振付]ローラン・プティ [照明監督]ジャン=ミシェル・デジレ

ルシア・ラカッラ、シリル・ピエール

今日はこれに尽きる。
天井から吊り下げられた白い布。床に横たわるルシア・ラカッラと、彼女を見つめるシリル・ピエール。眠るアルベルチーヌと《私》。《私》は、女の眠りによってのみ、愛の可能性を現実化する。その切なさが胸を打つ。
白い布がシュルシュルと落ちてくるラストシーン。あまりの美しさに泣きそうになる。うー、全幕を観てみたい!

『ジゼル』第2幕よりパ・ド・ドゥ
[音楽]アドルフ・アダン [振付]ジャン・コラリ/ジュール・ペローの原振付 [改訂振付]マリウス・プティパ

島添亮子、ロバート・テューズリー

会場の入り口で貰った【本日の演目】に載っていなくて、訂正のアナウンスが入る。いくら何でも、ダンサーに失礼じゃないか?
島添亮子のジゼルは初見だが、ウィリーという存在がすんなり納得できる。素晴らしい。
ロバート・テューズリーのサポートも的確。

『若者と死』
[音楽]ヨハン・セバスティアン・バッハ [振付]ローラン・プティ [振付指導]ルイジ・ボニーノ
[照明監督]ジャン=ミシェル・デジレ

スヴェトラーナ・ザハロワ、イーゴリー・ゼレンスキー

あちゃ〜、やっちゃったね。何故、スヴェトラーナ・ザハロワとイーゴリー・ゼレンスキーにこれを踊らせるかなぁ? もっと相応しい演目があるだろうに。
ゼレンスキーが踊り始めた途端、「違ーーーーーうっ!」。ったく、全然プティじゃないじゃん。振付をなぞっているだけで、これはもうまったくの別物。若者の焦燥感も孤独も、愛と死の葛藤も、何にもない。持っている世界観が根本的に違うンだろうね。
ザハロワも似たような印象だが、まだ可能性は感じられた。もっと踊り込めば、何とかなりそう。最近は草刈民代で観ることが多かったから、「これって、こういう振付だったのね」という発見があったのはよかった(笑)。
それにしても、簡略版の装置は、ホント、興醒め。

フィナーレ。客席の手拍子に乗って、登場順にちょっとずつ技を披露。最後は全員並んでレヴェランス。
最近、この手のガラ公演って、あんまり面白いと思えない。どれも似たり寄ったりだから? ま、もともとテクニックを楽しむというより、ドラマを楽しむタイプだしなぁ。