マーシャ ディアナ・ヴィシニョーワ
王子 アンドリアン・ファジェーエフ
スペイン 西川貴子、マイレン・トレウバエフ
東洋 湯川麻美子
中国 遠藤睦子、吉本泰久
トレパック 丸尾孝子、楠元郁子、市川 透
パ・ド・トロワ 高橋有里、さいとう美帆、八幡顕光
ばらのワルツ 真忠久美子、厚木三杏、川村真樹、内冨陽子
陳秀介、中村誠、冨川直樹、冨川祐樹 他
小舟に乗ったマーシャと王子はお菓子の国に到着。蝙蝠に襲われるシーンでは、自分も戦いそうな勢いでファジェーエフを追い掛けるヴィシニョーワ(笑)。王子が敵を追い払うと、やがて、美しく輝くお菓子の国が現れる。
スペインの西川貴子とマイレン・トレウバエフはラテンの血が足りません。サラリーマンみたいなスペインは観たくないっす。
東洋の湯川麻美子は素晴らしかった! 背中から腰にかけての柔らかなライン、よく撓る長い腕。彼女の東洋がこんなに色っぽいとは思ってもみなかった。
中国の遠藤睦子と吉本泰久は完璧。特に、吉本の「両脚を脚前挙して跳躍を繰り返すアクロバティックな踊り」はすんごかった〜。
トレパックの市川透が好演。初めて彼をいいと思ったわ。
パ・ド・トロワの八幡顕光は『カルミナ・ブラーナ』に続く抜擢だが、かなり表情が硬かった。海外の振付家に抜擢されると、次からはとりあえずいい役をつけてしまうのは毎度のことだが、若手の起用はもう少し慎重にした方がよろしいかと。
ばらのワルツの女性ソリスト4人(真忠久美子、厚木三杏、川村真樹、内冨陽子)は、ヅラはともかく、やはり美しい。中でも、川村の瑞々しい踊りと楚々とした存在感は、まさに私のツボ。早く主役で踊ってくれないかしらん?(できれば、『白鳥の湖』あたりで)
この版のグラン・パ・ド・ドゥは、マーシャひとりに対して王子と一緒に4人の男性がサポートする。「これは『眠れる森の美女』の“ローズ・アダージョ”を参考にしたものと考えられる」そうな。
それはともかく、4人の男性陣(陳秀介、中村誠、冨川直樹、冨川祐樹)のサポートはヤバ過ぎ。そりゃ、日本人ダンサーと比べれば、ヴィシニョーワはデカいと思うよ。ンが、だからと言って、あんなに不安定なリフトがありますか。落とすのではないかと、観ているこちらの方が恐くなる。それでも満面に笑みを浮かべ観客を魅了していたヴィシニョーワ。さすがっ!
ラストはナイトウェア姿のマーシャ。目を覚まし、枕元の人形を抱き上げる。ナイトキャップなし(従って、ロリータ味も薄い)。
ヴィシニョーワは王子の登場からここまでをオーラ全開で突っ走るから、1幕のマーシャとは別人のよう(笑)。いくら何でもちょっと成長し過ぎって気がしないでもないが、「幼い少女がひとりの若者(くるみ割り人形)を愛する乙女へと成長してゆく」姿を鮮やかに描くという意味では、これもありかな。
終わってみると、驚くほどファジェーエフの印象が薄い。やはり、ヴィシニョーワの相手として、イーゴリ・コルプ(今年1月に観た新国立劇場『白鳥の湖』)は特別だったのね……。
カーテンコール。「両脚を脚前挙して跳躍」で登場した吉本に、観客も大喜び!
指揮者のボリス・グルージンは、ダンサーに合わせて途中でテンポを変えるのはいいが、いささか極端のような。却って、踊りにくそうなシーンもあったぞ。