更科姫 実は 戸隠山の鬼女 市川海老蔵
山神 尾上右近
侍女 野菊 市川ぼたん
腰元 岩藤 片岡亀蔵
従者 左源太 坂東亀三郎
従者 右源太 片岡市蔵
局 田毎 市川門之助
余吾将軍 平維茂 尾上松緑 他
能の『紅葉狩』をもとにした作品で、作者は河竹黙阿弥、作曲は鶴澤安太郎(義太夫)と六世岸澤式佐(常磐津)と三世杵屋正治郎(長唄)、振付は九世市川團十郎。初演は明治二十年の東京新富座。その時の配役は、更科姫に九世團十郎、平維茂に初世市川左團次、山神に四世中村芝翫。
紅葉の季節を迎えた戸隠山を従者を連れた平維茂が歩いていると、紅葉狩に興じる一行の姿が目に留まる。邪魔をしないよう立ち去ろうとする維茂を、侍女や腰元を従えた美しい女性が呼び止め、宴席に誘う。
困ったなぁ。いや、別に困ることでもないンだが(笑)。面白いのよ、次どうなるかわからないハラハラドキドキがあって。明らかにこれまでの『紅葉狩』とは別物なのに、「これもありかも知れない」と思わせてしまう海老蔵の迫力。あー、もう何だかよくわからなくなってきた。
……ってのが、初見の感想。千穐楽近くに幕見したら、これまた全然違った感想になったわけで。
四階席から観ていると、海老蔵はシャープな鼻梁ばかりが目立って妙に男っぽい。鬼になっての引っ込みは大股開き。いくら何でも、あれは大仰です。本性を現してからは、見得の度に唸る唸る。なんつーか、鬼女というより怪獣?
そもそも、あんなに変えていいのかしらん? 一応、九世團十郎が初演した新歌舞伎十八番だぞ。
う〜む、舞台から距離がある分、クールになってしまったのかも。とにかく、最近の海老蔵はやたら大仰なので、筋書にある本人の言葉通り、「きちんと、しっかり」やっていただきたい。
維茂の松緑、局の門之助が好演。左源太の亀三郎、目がキョロキョロと落ち着かない。山神の右近は踊りこそしっかりしているものの、声が酷い(変声期?)。