虚偽申請にもとづく住基カード交付発覚にあたっての緊急声明
住基ネットの安全性神話は崩壊した
政府=総務省はただちに住基ネットの運用を停止し廃止せよ!
住基ネット差し止め裁判を進める会・九州(共同代表:石村善治 品野実 荒牧勢津夫)
連絡先:福岡市南区高宮1-16-32-407 092(523)9662
2月2日、佐賀県鳥栖市が、虚偽申請にもとづきまったくの別人に住基カードを交付していた(昨年9月16日)ことが発覚した。長野県の住基ネット侵入実験の「成功」に続き、より衝撃的なかたちで住基ネットの安全対策の脆弱性と危険性が事実をもって露見したのである。
鳥栖市は、昨年9月11日氏名・住所・生年月日・性別・写真付きの住基カードの申請書をうけつけ、写真付きの公的証明書がなかったことから、記入住所に照会書を郵送し5日後にそれを持参したことをもって本人確認として住基カードを交付したという。添付されていた写真=住基カードにつけられている写真は、別人のものであった。
住基カードは、銀行口座開設や消費者金融利用にあたって本人確認に利用することができる。公的個人認証システムが運用されている今では、行政手続にあたっての電子申請に利用することも、本人の個人情報を入手することも可能であろう。この事件によってひきおこされうる被害は、広範かつ深刻で取り戻すことのできないものとなることは言うまでもない。
それだけではない。この事件は、住基ネットのコンピュータ・システム上の安全対策の脆弱性だけではなく、その自治体現場での運用面での大きな欠陥を浮き彫りにしている。コンピュータ技術に精通していなくとも、容易に他人の住基カードを入手できることが明らかとなった。
しかもそれは佐賀県鳥栖市に特殊な問題ではない。総務省によるマニュアルに忠実にのっとって本人確認と交付事務が遂行された結果もたらされた事態であり、全国すべての自治体において引き起こされている可能性が大きい。
なぜならこの事態は、犯人が偶然住基カードを落としたがゆえに発覚したのであり、氷山の一角にすぎない。この住基カードが交付されて5ヶ月を経たにもかかわらず、総務省も、鳥栖市も、本人も、この事態をまったく知らなかったのである。
総務省市町村課は「個人情報の漏洩が指摘される住基ネットの安全性とは別問題だ」と述べているという。あくまで住基ネットの安全性に問題は無いと強弁している。
「住基ネット本体」とコンピュータ・ネットワークでつながっている地方自治体での運用を、「住基ネット本体」から切り離して、市町村の運用上の問題に責任を転嫁することは許されない。こんにちの事態は、総務省のつくった住基ネットの運用マニュアルに忠実にのっとって運用したことの結果ではないか。
そもそも政府=総務省のこのような態度には、市民の個人情報を守り、プライバシー権を尊重する姿勢はまったくみうけられない。
個人四情報は「仮に漏れても問題はない」と公言したのが片山前総務大臣ではないか(昨年8月9日札幌での記者会見)。住基ネット差し止め裁判でも被告・国は、「プライバシー権は憲法で保障されているとは言い難い」という驚くべき見解をしめしている。
このような政府=総務省の姿勢こそが、こんにちの事態を引き起こした最深の根拠にほかならない。ことあるごとに「住民の利便性を図る」というものの、私たち市民のあらゆる個人情報を国の下に一元的に管理することこそが、住基ネット運用にかける彼らの眼目にほかならない。
くりかえし私たちは訴える。鳥栖市で発覚した事態こそは、住基ネットそのものの安全神話を事実をもってくつがえすものである。すべての市民の個人情報は野ざらしの状態にあるといっても過言ではない。政府=総務省は、ただちに住基ネットの運用を停止し廃止せよ。地方自治体は、総務省の「通達」に盲従することをやめ、ただちに住基ネット運用業務を停止し、すでに交付した住基カードの総点検をおこなうべきである。
市民のみなさんに私たちは訴える。住基ネット廃止をめざして全国各地でたたかわれている住基ネット差し止め訴訟を、力をあわせて進めよう。
2004年2月5日
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